昨日、お打合せのため伺った菊川のお寺さんで、
今まで知らなかった言葉を
たくさん教えていただきました。
その中に「薬石」という言葉がありました。
「薬石」とは、禅寺の夕食を意味します。
昔、禅寺は一日2食でした。(朝食と昼食)
当時は、托鉢でいただいた物だけで賄っていたため、
食材を少しでも長く使えるよう、夕食はありませんでした。
でも、お腹は空きます。
空腹と寒さをしのぐために、
お腹に温めた石を置いたそうです。
今のカイロのようなものでしょうか?
この石のことを「薬石」と言います。
その後、「薬石」は禅寺の食事に使うお粥や夕食を
さす言葉となっていきました。
また、茶道でお茶を出す前に、
「懐石」と呼ばれる簡単なお料理が出されますが、
この「懐(ふところ)の石」というのも、
「薬石」と同じ発想に基づく言葉だそうです。
趣のあるお寺で、大変深いお話を伺い、
食と語源という私の一番好きな分野への興味が
ますます高まっていきました。
ありがとうございました。