昨日、湖国は梅雨入り、終日小雨が降っていました。
わが庵のサザンガーデンすなわち先日の日記で紹介しました「秘密の花園」の草花は小雨のなかで輝きを増し、生き生きと咲いていました
今日の写真は小雨降るわが「秘密の花園」のほぼ全景を撮ったものです。画面右上の奥に、小さくて判然としないのですが、正真正銘の紫陽花、花びらが紫色の紫陽花が咲いています。「この写真のどこが秘密なんだよ~、ただ草ボーボーの庭が恥ずかして世間から秘密にしておきたいだけの話じゃないのか!」などと思われる方も、よろしければクリックしてご覧になってくださいませ
雨の季節になりますと、GGIは若干おセンチになって、「バルバラ」というシャンソンを何となく思い浮かべてしまいます。
「あの日、ブレストの街にはしきりに雨が降っていた、バルバラ・・・」という歌詞で始まる、ジャック・プレヴェールの作詞による有名なシャンソンです。
二次大戦中、連合国の空爆により破壊しつくされてしまったフランス西部の都市、フランス最大の軍港であったブレスト、戦禍に巻き込まれる前のブレストの街角でたまたま出遭った「バルバラ」という女性のことをうたったシャンソンです。戦争の空しさを詠ったプレヴェーㇽの詩に曲がつけられたものです。
フランスを代表するシャンソン歌手、イブ・モンタンが歌っていることでもよく知られているのですが、イブ・モンタンはこのプレヴェールが作った詩を朗読しており、彼のすばらしい朗読も広く知られています。
おフランス語なんてどうでもいいよと思われる方もいらっしゃることと思いますが、ものは試し、彼の朗読を聞いてみてください。
フランス語の歌詞は、少し長いのですが、文末に記しておきますので、関心をお持ちの方はご覧になってください
また、よろしければ、モンタンによる歌のほうも聞いてみてください。
ジャック・プレヴェールの詩の日本語訳を紹介しておきます。『プレヴェール詩集』(嶋岡晨 訳編、世界現代詩集 XII:飯塚書店)からの引用です
「バルバラ」
「思い出してごらん バルバラ
あの日 ブレストには雨がしきりに降っていた
おまえは微笑みながら歩いていた
濡れて咲く花のように輝いてうれしげに
雨の降るなかを歩いていた
思い出してごらん バルバラ
ブレストには雨がしきりに降っていた
シャム街でぼくはおまえとすれちがった
おまえは微笑み
ぼくもやっぱり微笑んだ
思い出してごらん バルバラ
ぼくの知らなかったおまえ
ぼくのことを知らなかったおまえ
思い出してごらん
とにかくあの日を思い出してごらん
忘れてないだろうね
ポーチの下 ひとりの男が雨宿りしていた
その男がおまえの名を呼んだ
バルバラ!
雨のなかをおまえは男の所へ馳けこんだ
濡れて咲く花のように輝いて
うれしげにそれから男の腕に抱きしめられていた
あのことを思い出してごらん バルバラ
おまえなんて言ってもとがめないでおくれ
愛するものすべてをぼくはおまえと呼ぶんだ
一度しか会ったことのない人でも
愛しあっているすべての人に おまえと呼びかけるんだ
たとえ知らない人だって
思い出してごらん バルバラ
あのおだやかでしあわせな雨は
おまえのしあわせな顔に
あのしあわせな町にふっていた
あの雨は 海の上にも
兵器庫の上にも
ウェッサンの船の上にもふっていた
おお バルバラ
なんてばかなことだ 戦争なんて
今おまえはどうしているの?
この鉄の 火の
鋼(はがね)の 血の 雨の下で
いとしげにおまえを抱きしめたあの男は
死んだのか 消息不明か それともまだ生きているのか
おお バルバラ
ブレストにはしきりに雨がふっている
むかし 降っていたように
けれどなにもかも変ってだめになっちまった
おそろしく烈しい喪(も)の雨だ
今はもうそれも 鉄の 鋼の 血の
雷雨でもない
ただの雨雲
犬のようにくたばっちまう雨雲さ
かき消えてしまう犬っころさ
ブレストの水に流されて
遠くの方でくさるんだ
ブレストの遠くの方で
なんにも残ってないブレストのずっと遠くの方で。」
(注:訳詩で「おまえ」と訳されている言葉の原文はtu。フランス語の二人称はvousとtuの二つがありvousは日本語の「あなた」などにあたる丁寧は表現、tuはくだけた言い方の二人称、日本語の「君」や「おまえ」などにあたります。上の訳詩、「おまえ」よりは「君」のほうがベターじゃないかなあ、というのがGGIの個人的な感想です)
フランスという国はかつてドッサリ植民地を持っており、アルジェリア戦争だけではなくアフリカや東南アジアでも悪いことをしていた国です。いまでも何かというと外人部隊を動員したりしかねないような国なのです。しかしながら、フランスの巧妙なる文化政策に騙されて、GGIは恥ずかしながら若干おフランスかぶれのところがありますので、モンタンの真似をしてカッコよく朗読なんかできればなあと、この「バルバラ」のことを思いだすたびにアホなことを考えてしまいます。
若干のおフランスかぶれでありますので、GGIはあの有名すぎるシャンソン、同様にイブ・モンタンが歌っていた「枯葉」だけはおフランス語で歌うことができます。
かなり以前のことですが、知人たちにおだてられて、某ラウンジで酔っ払ったついでに、カラオケなるもので、このシャンソンをおフランス語、英語、日本語で、たて続けに絶唱、万雷の拍手を浴びせられてしまったことがあります。このことは以前に別の日記に書いておりますので、ついでに読んでやってもいいよという暖かい心のお持ちの方はご覧になってくださいませ
(参考)以下はフランス語の歌詞です
Rappelle-toi Barbara
Il pleuvait sans cesse sur Brest ce jour-là
Et tu marchais souriante
Épanouie ravie ruisselante
Sous la pluie
Rappelle-toi Barbara
Il pleuvait sans cesse sur Brest
Et je t'ai croisée rue de Siam
Tu souriais
Et moi je souriais de même
Rappelle-toi Barbara
Toi que je ne connaissais pas
Toi qui ne me connaissais pas
Rappelle-toi
Rappelle-toi quand même ce jour-là
N'oublie pas
Un homme sous un porche s'abritait
Et il a crié ton nom
Barbara
Et tu as couru vers lui sous la pluie
Ruisselante ravie épanouie
Et tu t'es jetée dans ses bras
Rappelle-toi cela Barbara
Et ne m'en veux pas si je te tutoie
Je dis tu à tous ceux que j'aime
Même si je ne les ai vus qu'une seule fois
Je dis tu à tous ceux qui s'aiment
Même si je ne les connais pas
Rappelle-toi Barbara
N'oublie pas
Cette pluie sage et heureuse
Sur ton visage heureux
Sur cette ville heureuse
Cette pluie sur la mer
Sur l'arsenal
Sur le bateau d'Ouessant
Oh Barbara
Quelle connerie la guerre
Qu'es-tu devenue maintenant
Sous cette pluie de fer
De feu d'acier de sang
Et celui qui te serrait dans ses bras
Amoureusement
Est-il mort disparu ou bien encore vivant
Oh Barbara
Il pleut sans cesse sur Brest
Comme il pleuvait avant
Mais ce n'est plus pareil et tout est abimé
C'est une pluie de deuil terrible et désolée
Ce n'est même plus l'orage
De fer d'acier de sang
Tout simplement des nuages
Qui crèvent comme des chiens
Des chiens qui disparaissent
Au fil de l'eau sur Brest
Et vont pourrir au loin
Au loin très loin de Brest
Dont il ne reste rien.
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・
グッドナイト・グッドラック!
わが庵のサザンガーデンすなわち先日の日記で紹介しました「秘密の花園」の草花は小雨のなかで輝きを増し、生き生きと咲いていました
今日の写真は小雨降るわが「秘密の花園」のほぼ全景を撮ったものです。画面右上の奥に、小さくて判然としないのですが、正真正銘の紫陽花、花びらが紫色の紫陽花が咲いています。「この写真のどこが秘密なんだよ~、ただ草ボーボーの庭が恥ずかして世間から秘密にしておきたいだけの話じゃないのか!」などと思われる方も、よろしければクリックしてご覧になってくださいませ
雨の季節になりますと、GGIは若干おセンチになって、「バルバラ」というシャンソンを何となく思い浮かべてしまいます。
「あの日、ブレストの街にはしきりに雨が降っていた、バルバラ・・・」という歌詞で始まる、ジャック・プレヴェールの作詞による有名なシャンソンです。
二次大戦中、連合国の空爆により破壊しつくされてしまったフランス西部の都市、フランス最大の軍港であったブレスト、戦禍に巻き込まれる前のブレストの街角でたまたま出遭った「バルバラ」という女性のことをうたったシャンソンです。戦争の空しさを詠ったプレヴェーㇽの詩に曲がつけられたものです。
フランスを代表するシャンソン歌手、イブ・モンタンが歌っていることでもよく知られているのですが、イブ・モンタンはこのプレヴェールが作った詩を朗読しており、彼のすばらしい朗読も広く知られています。
おフランス語なんてどうでもいいよと思われる方もいらっしゃることと思いますが、ものは試し、彼の朗読を聞いてみてください。
フランス語の歌詞は、少し長いのですが、文末に記しておきますので、関心をお持ちの方はご覧になってください
また、よろしければ、モンタンによる歌のほうも聞いてみてください。
ジャック・プレヴェールの詩の日本語訳を紹介しておきます。『プレヴェール詩集』(嶋岡晨 訳編、世界現代詩集 XII:飯塚書店)からの引用です
「バルバラ」
「思い出してごらん バルバラ
あの日 ブレストには雨がしきりに降っていた
おまえは微笑みながら歩いていた
濡れて咲く花のように輝いてうれしげに
雨の降るなかを歩いていた
思い出してごらん バルバラ
ブレストには雨がしきりに降っていた
シャム街でぼくはおまえとすれちがった
おまえは微笑み
ぼくもやっぱり微笑んだ
思い出してごらん バルバラ
ぼくの知らなかったおまえ
ぼくのことを知らなかったおまえ
思い出してごらん
とにかくあの日を思い出してごらん
忘れてないだろうね
ポーチの下 ひとりの男が雨宿りしていた
その男がおまえの名を呼んだ
バルバラ!
雨のなかをおまえは男の所へ馳けこんだ
濡れて咲く花のように輝いて
うれしげにそれから男の腕に抱きしめられていた
あのことを思い出してごらん バルバラ
おまえなんて言ってもとがめないでおくれ
愛するものすべてをぼくはおまえと呼ぶんだ
一度しか会ったことのない人でも
愛しあっているすべての人に おまえと呼びかけるんだ
たとえ知らない人だって
思い出してごらん バルバラ
あのおだやかでしあわせな雨は
おまえのしあわせな顔に
あのしあわせな町にふっていた
あの雨は 海の上にも
兵器庫の上にも
ウェッサンの船の上にもふっていた
おお バルバラ
なんてばかなことだ 戦争なんて
今おまえはどうしているの?
この鉄の 火の
鋼(はがね)の 血の 雨の下で
いとしげにおまえを抱きしめたあの男は
死んだのか 消息不明か それともまだ生きているのか
おお バルバラ
ブレストにはしきりに雨がふっている
むかし 降っていたように
けれどなにもかも変ってだめになっちまった
おそろしく烈しい喪(も)の雨だ
今はもうそれも 鉄の 鋼の 血の
雷雨でもない
ただの雨雲
犬のようにくたばっちまう雨雲さ
かき消えてしまう犬っころさ
ブレストの水に流されて
遠くの方でくさるんだ
ブレストの遠くの方で
なんにも残ってないブレストのずっと遠くの方で。」
(注:訳詩で「おまえ」と訳されている言葉の原文はtu。フランス語の二人称はvousとtuの二つがありvousは日本語の「あなた」などにあたる丁寧は表現、tuはくだけた言い方の二人称、日本語の「君」や「おまえ」などにあたります。上の訳詩、「おまえ」よりは「君」のほうがベターじゃないかなあ、というのがGGIの個人的な感想です)
フランスという国はかつてドッサリ植民地を持っており、アルジェリア戦争だけではなくアフリカや東南アジアでも悪いことをしていた国です。いまでも何かというと外人部隊を動員したりしかねないような国なのです。しかしながら、フランスの巧妙なる文化政策に騙されて、GGIは恥ずかしながら若干おフランスかぶれのところがありますので、モンタンの真似をしてカッコよく朗読なんかできればなあと、この「バルバラ」のことを思いだすたびにアホなことを考えてしまいます。
若干のおフランスかぶれでありますので、GGIはあの有名すぎるシャンソン、同様にイブ・モンタンが歌っていた「枯葉」だけはおフランス語で歌うことができます。
かなり以前のことですが、知人たちにおだてられて、某ラウンジで酔っ払ったついでに、カラオケなるもので、このシャンソンをおフランス語、英語、日本語で、たて続けに絶唱、万雷の拍手を浴びせられてしまったことがあります。このことは以前に別の日記に書いておりますので、ついでに読んでやってもいいよという暖かい心のお持ちの方はご覧になってくださいませ
(参考)以下はフランス語の歌詞です
Rappelle-toi Barbara
Il pleuvait sans cesse sur Brest ce jour-là
Et tu marchais souriante
Épanouie ravie ruisselante
Sous la pluie
Rappelle-toi Barbara
Il pleuvait sans cesse sur Brest
Et je t'ai croisée rue de Siam
Tu souriais
Et moi je souriais de même
Rappelle-toi Barbara
Toi que je ne connaissais pas
Toi qui ne me connaissais pas
Rappelle-toi
Rappelle-toi quand même ce jour-là
N'oublie pas
Un homme sous un porche s'abritait
Et il a crié ton nom
Barbara
Et tu as couru vers lui sous la pluie
Ruisselante ravie épanouie
Et tu t'es jetée dans ses bras
Rappelle-toi cela Barbara
Et ne m'en veux pas si je te tutoie
Je dis tu à tous ceux que j'aime
Même si je ne les ai vus qu'une seule fois
Je dis tu à tous ceux qui s'aiment
Même si je ne les connais pas
Rappelle-toi Barbara
N'oublie pas
Cette pluie sage et heureuse
Sur ton visage heureux
Sur cette ville heureuse
Cette pluie sur la mer
Sur l'arsenal
Sur le bateau d'Ouessant
Oh Barbara
Quelle connerie la guerre
Qu'es-tu devenue maintenant
Sous cette pluie de fer
De feu d'acier de sang
Et celui qui te serrait dans ses bras
Amoureusement
Est-il mort disparu ou bien encore vivant
Oh Barbara
Il pleut sans cesse sur Brest
Comme il pleuvait avant
Mais ce n'est plus pareil et tout est abimé
C'est une pluie de deuil terrible et désolée
Ce n'est même plus l'orage
De fer d'acier de sang
Tout simplement des nuages
Qui crèvent comme des chiens
Des chiens qui disparaissent
Au fil de l'eau sur Brest
Et vont pourrir au loin
Au loin très loin de Brest
Dont il ne reste rien.
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・
グッドナイト・グッドラック!