■ 日本経済新聞に建築家の谷口吉生氏の「私の履歴書」が連載されていると聞いて、午前中(2日)に塩尻のえんぱーくで読んできた。6月1日に始まった連載は30日まで、休刊日を除く毎日29日間続いていた。
谷口氏の作品はあまり見ていないが、豊田市美術館、土門拳記念館、法隆寺宝物館が印象に残っている。長野市にある信濃美術館の東山魁夷館も谷口氏の設計。どの作品も隅々まで端正で美しい。水庭が計画されているのもこれらの作品に共通している。「私の履歴書」ではこれらの作品についても触れていた。
以下連載記事を読み進みながら取ったメモから。
谷口吉生氏の父親・谷口吉郎氏も建築家で大学の教授を務めていたが、その時助教授でアメリカから帰国したばかりの清家清氏から「吉生くん、アメリカはいいよ。君も建築をやったらどうだい」と勧められたのがきっかけで建築家を志したそうだ。どうやら父親が清家氏に進言するよう頼んだらしい。
6月11日、11回目の記事から:若いときはアイデアをどうにか実現しようと制約を軽視する傾向がある。一方、年を重ねると新しい挑戦に後ろ向きになるという問題もある。
6月22日、21回目:頑丈な収蔵庫の奥深くにしまい込むだけで、文化財は守れない。(中略)後世に残すべき人類共通の財産という認識を皆が持つためには、文化財を公開してその存在と価値を知ってもらわねばならない。
6月28日、27回目 「GINZA SIX」について:建築の全周に、水平方向に連続するステンレス製の「ひさし」を取り付けた。高さ31メートル以下のかつての町並みを形成する部分には、銀座の町のにぎわいを演出する多様なデザインを「のれん」のように掛けた。(中略)外観を垂直方向に小さく分割する「のれん」は、巨大な建築を無理なく歩行者の町に溶け込ませるための工夫でもある。谷口氏はこの建築で都市計画と外観のデザインに携わったという。
東京には年3、4回出かけているが銀座にはもう何年も行っていない。今度は銀座にも行ってみよう。
6月30日、29回目(最終回):金沢市の寺町に建築と都市のための小さなミュージアムが誕生するそうだ。完成は2019年の予定だという。金沢市が建築文化拠点施設を構想し、谷口氏が父親の生家が立つ寺町の土地の寄贈を申し出たそうだ。ミュージアムには建築や都市に関する企画展示室や父親が設計した迎賓館赤坂離宮の和風別館(洗心亭)の広間と茶室が再現され、いつでも見学可能になると記事にある。
再来年か・・・、ミュージアムがオープンしたら金沢まで出かけたい。北陸新幹線にまだ乗ったことがないから、その時は新幹線で行こう。
会場は忘れたが東京まで谷口氏の作品展を見に行ったことがあった。この作品集はその時買い求めた。