透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― なぜ? 辰野町小野の火の見櫓

2017-05-26 | A 火の見櫓っておもしろい


(再) 辰野町小野上町 撮影日170521

 火の見櫓は鉄工所で部材が加工され、現場へ運搬する都合上、数個の櫓に分けて組み立てられる。現場では櫓を横倒しの状態で地組(各櫓を接合)し、立て起こす。

②の写真はこの火の見櫓の建て方の様子を写したもの(部分)。先日知人のOさんからいただいた。消防団詰所(屯所)が建設当初から①の状態だったとすると、火の見櫓を後から建てることは困難だ。だから、火の見櫓が先、詰所が後だと思っていたが、実際には詰所が先に建設されていて火の見櫓を建設した後、バルコニーの上と火の見櫓の後方に増築されていたことが②の写真から分かった。なるほど、こういうことだったのか・・・。この事実を知ってから気が付くのだが、詰所をはじめから①のような不整形には計画しないだろう。左右対称のファサード(正面外観)の詰所(屯所)、その隣に凛と立つ火の見櫓、美しい風景だったであろう。

②禁転載



この火の見櫓には当初、踊り場まで櫓の外側に梯子が架けられていたが、詰所が増築された際①に写っている階段が設置されたため、梯子は不要になり撤去された。で、③のようにT形の手すりで開口を塞いだ、という経緯が容易に推察される。初めてこの火の見櫓を見たとき注意深く観察して、この開口塞ぎに気が付けば、なぜ?と疑問に思っただろうに・・・。(過去ログ