透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

杼(ひ)

2013-11-28 | D 新聞を読んで


信濃毎日新聞 131124付朝刊22面(全面広告)

 不思議なことに、あることに関心を持つようになると、急にそのことに関する情報が入ってくるようになります。ラジオの周波数をある放送局に合わせるようなものなのかもしれません。

鄙里に今春越してきたHさんは織物が趣味の方、織物の話しを聞くうちに無関心ではいられなくなりました。で、先日この新聞記事を読みました。

かつてここ信州は蚕糸王国と呼ばれるほど養蚕、製糸が栄えた、ということは知っています。でも信州紬って何?と問われても私は明快に答えることができません。ここに(汗)と付けるところでしょう。

新聞記事にその説明があります。**紬の歴史は江戸時代に遡ります。当時、絹織物は武士や貴族の着物。唯一庶民に許されたのが、出荷できない「くず繭」から紡いだ紬でした。(中略) 農家が自ら糸を紡ぎ、織ったのが信州紬の始まりです。もともと信州産生糸は品質が高く、素朴な風合いや手入れが楽なことで人気になりました。**  なるほど。

かつて信州のほぼ全域で織られていた信州紬も、今では生産地が松本、伊那、飯田、上田などに限定されるそうです。記事に紹介されている生産過程は糸ごしらえ、染色、整経、織り。

横糸の先につけるものの名前を知りませんでした。杼(ひ)というんですね。先日Hさんと話していて「横糸につける鰹節のような形をしたものは何て言うの?」と聞いて、教えてもらいました。

シャトルとも言うと聞きましたが、シャトルについては、スペースシャトル、バドミントンのシャトルと同じ意味だと分かりました。「行ったり来たりするもの」という意味ですね。このことをHさんに話しました。

上下に分けられた縦糸の間を横糸を左右に通して布を織ることくらいは知っていました。テレビの旅番組で出演者が織りを体験する様子を見たこともあります。

横糸を通した後の打ち込みが弱いと生地も弱いものになってしまうそうですが、このあたりに織る人の性格というか、個性が出るんですね。

全ての工程を自分でして着物をつくる・・・。いいですね、こんな趣味があったら。

自分で布を織ってみようとは思いませんが、織るところを見学してみたいとは思います。そう念じていればいつか実現するでしょう。