透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「希望」

2009-06-18 | A あれこれ



 上野で開催された阿修羅展。阿修羅像をグルッと360度観ることができたから、鑑賞者はそれぞれ好きなアングルを見つけることが出来ただろう。いや、もしかしたら会場が混雑しすぎていてそんな余裕は無かったかもしれない。

私は正面右側の顔を斜め後方から見るのが断然いいと思った。何冊か読んだ雑誌の中に同様の指摘をする文章があったような気がする。

彫刻にはやはりベストだと思えるアングルがあるものだ。いや人にだってもちろんベストアングルはある。顔をアップにするなら右側からにして、とか注文をつける女優もいるらしい。

この写真は松本近郊の某小学校の昇降口前に据えられているブロンズ像。所用で出掛けた際、好きなアングルから撮った。右手の指の先には小鳥でも飛んでいそうだ。残念ながら空を見ている顔の表情はこの写真では判然としないが、優しいおおらかな表情をしている。「希望」という名前にふさわしいと思う。

このブロンズ像の作者は地元出身の彫刻家Mさん、東京藝大で彫刻を専攻した方だと記憶している。芸術作品には作者の人柄はもちろん、知性も感性もにじみ出るものだと思う。

この像を子どもたちはどのように見ているのだろう・・・。


「のぼうの城」を読む

2009-06-18 | A 読書日記

 一昨日(16日)の午後、長野県内は各地で雷雨となり、局地的に雹も降った。直径が1.5cmほどあったというからビー玉くらいの大きさか。

レタスやキャベツなどの野菜に穴があいたり、リンゴやナシなどの小さな実が裂傷するなどの被害が出たそうだ。松本市の南西部でも降雹があって、昔の同級生から届いたメールにも被害が出た、と書いてあった。
自然が相手の農業は天気の急変には対処できない。大変だなぁ、と思う。



 さて、本題。で、本の話題。

『のぼうの城』和田 竜/小学館を読み始めた。この本も友人から借りていた。かなり話題になった本だと聞いたが、書店で見た記憶がない。まあ、平積みされていたとしても、手にとることもなかっただろう。友人に感謝。

時代小説(歴史小説との違いが分からないが)を読むことはあまりない。最近読んだのは『利休にたずねよ』山本兼一/PHPくらいのもの。

タイトルの「のぼう」とは、
「しかし和尚、御屋形の従兄弟をのぼうのぼうと呼んでもらっては困る」
「でく、をつけんだけありがたいと思え」
という会話があるように「でくのぼう」のことなのだ。

本の帯に**智も仁も勇もない。しかし抜群に人気はある。**とある。主人公は人々からのぼう様と呼ばれ、親しまれている。

さて、こののぼう様、いったいどんなことをして読者を楽しませてくれるのだろう・・・。