goo

ブルーレイの機械が壊れた(壊した)

 先日、桂枝雀師匠の「地獄八景亡者戯」を観ようと思ってブルーレイレコーダーにDVDを入れた。どうも入れ方が悪かったらしく、お皿が機械の中に吸い込まれない。押し込んだら入った。再生ボタンを押しても映らない。おかしいなあ。もう一度入れなおそうと思ってボタンを押すが、今度はお皿が出ない。むりやりひっぱり出すと、出たまま入らない。壊れた。お皿を駆動する装置だけが壊れた。HDは無事で機械に保存してある番組は見れる。
 壊れた(と、いうより小生が壊した、といった方が正確か)機械はパナソニックのディーガDMR-BRW500。この機械に慣れている。別の機種にして、また使い方を覚えるのはめんどうだから、これと同じ機械はないかと三宮の星電社に電話。「同じ機械はありませんが後継機はあります」使い方は同じかと聞くと、同じとのこと。で、「壊れた機械のHDの中身を新しい機械に移せるか」と聞くと「できます」
 星電社に行く。DMR-BRW500の後継機をくれというと、DMR-BRW520が現行の機械で店頭に現品がある。500と520はどう違うねん。この20は何を意味するねん。と聞くと、「わかりません」
 その機械を買う。配達と接続と設定を依頼。HDの中身の移しかえもやってくれというと、それはできません。LANケーブルを買って自分でやってくれとのこと。電話で聞いた時は「できます」といったやろ、というと「そういうことは可能だということで、当方でやるということではない」「できます」と「可能」は違うらしい。費用は負担するからやってくれというと1万以上かかる。
 で、いろいろ聞くと、録画した番組の移しかえはできるが、番組予約の移しかえはできない。ウチは録画した番組は観たら消す。上方落語など残したいものはお皿にダビングする。だからHDには録画すみのモノは少ない。それよりも番組予約をまたいちいちやるのはめんどうだから、それをやってもらいたかった。こういうことを電話した時になぜ、ちゃんといわない。星電社不親切なり。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

デビルマン


監督 那須博之
出演 伊崎央登、伊崎右典、酒井彩名、宇崎竜童、阿木耀子、渋谷飛鳥

 稀代の大愚作として、雷名天下に轟いている珍作映画である。いかなる愚作なのかたいへんに興味があった。で、意を決してこのたび観たわけ。
 いやあ、なるほど。これは聞きしに優る愚作、駄作、怪作、珍作映画である。ワシもいままでいろんな映画を観てきたが、この映画のくだらなさに勝るのは、あの伝説のエド・ウッドぐらいだろう。
 まず、主役の二人の演技。どっかの小学校の学芸会かいなと思わせる棒読みセリフ。演技するせん以前の問題だろう。それに女優のキャスティングが絶望的に不適当。まず、デビルマンの敵役№1ともいうべき妖鳥シレーヌ。なにあの女優。荒川静香をいけずにしたような容貌で、原作のにおい立つような色っぽさエロさがカケラもない。だったらせいぜい肌の露出面積を大きくして目を楽しませてくれればいいものを、なに、あれ、スクール水着みたいなもん着やがって。中途半端なことすんな。
 それに、ヒロイン牧村美樹の女優。いっこもかわいくもきれいでもない。性格悪そう。この女のラストはまるで、大昔、えべっさんの見世物であった首だけ女かいな。とても生首には見えん。
 いちおう原作のストーリーの骨格をなぞってはいるが、なんの脈絡もなく進む脚本。ボブ・サップ、小林幸子、KONISHIKI、永井豪なんやようわからんカメオ出演。まったく、SF大会でやるコスチュームショーの方がまだマシ。昔、ゼネプロが悪ふざけで創った映画の方がおもろいで。
 でも、ま、この映画も楽しみ方はある。SF大会の合宿かなんかで、みんなで酒でも飲みながら、ワーワーいいながら、バカにしながら見れば楽しいだろう。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

ゆで豚サラダ

 
雲白肉。うんぱいろーという四川料理がある。豚バラ肉のかたまりをゆでて、うす切りにして、ネギなどで作ったソースをかけて食べる。この雲白肉を使って和風のサラダにしようという算段である。
 豚肉はかたまりのバラ肉をゆでてうすく切る。ゆでた汁はおいしい豚のダシが出ているからおいしいスープになる。
 野菜はきゅうりとえのき。すき昆布とくだいたくるみも入れよう。錦糸卵をしいてその上に肉をのっける。ドレッシングは醬油、酒、砂糖、ゴマ油、酢で作った。うん。メシのおかずにも酒のアテにもあう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

トラキチ酒場せんべろ屋 第64回

「おう、久しぶりやな。どないしてたん」
「うん。なんやかんやあってな」
「お、おもやん。あいかわらずべっぴんやな」
「うん、そやな。もう10月やさかいな。ビールやのうて酒もらおか」
「呉春や。それから大将、なんぞアテたのんますわ」
「S市のアニキからええもん送ってきたんや」
「なんや」
「お楽しみ」
「きょうは阪神、快勝やったな」
「そやな」
「ほな。まず、これ」
「なんやホイル焼きやんか」
「ま、開けてみ」
「うわ、ええ香り。まったけやんか。お、下に鶏のささみやな」
「どや。国産のまったけやで」
「ええ、そんなぜいたくなもん」
「ま、ええやんかワシのおごりや」
「よ、大将、ふとっぱら」
「しかし、きょうは、今年の阪神の強さがよう出た勝ち方やったな」
「そやな、糸井が出て福留が帰して、メッセンジャー先発で、マテオ、桑原とつないで、ドリスでしめる」
「次はこれや」
「うわっ。まったけの土瓶蒸し」
「うん、さいこうやな」
「こりゃ呉春がなんぼでも飲める」
「これで明日勝ったら蛇足シリーズどんづまりで広島とやな」
「あした雨みたいやで」
「さあ、シメのメシや」
「うわ。まったけごはんや」
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

豚丼


 牛丼もうまいけど豚丼もうまいで。豚丼というと北海道は帯広の郷土料理や。以前、こんな豚丼作ったけど、きょうはちょっと違う豚丼を作ってみようぞ。
 肉は厚いめのロース肉や。カツ用やのうて、しょうが焼き用がええな。タレはたまり醬油、砂糖、酒、味醂、それに水あめはぜひ入れたいな。フライパンで肉を焼いて、タレをからめる。この時より粘性の高いタレを多い目に使おう。で、たっぷり甘辛いタレをまとった肉を丼メシの上にのっける。ごはんがかくれるぐらい、ようけ肉をのせてやれ。目玉焼きをポンとのせてできあがりや。ガサガサかっこめ。うまいで。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

とつぜん対談 第105回 胃カメラとの対談

 ここはとある病院の地下室。奥の方に物置があります。使われなくなった古い医療器具が保管されています。その方はナースキャップの棚の隣におられるはずです。ナースキャップ。昔は「白衣の天使」看護婦さんの象徴でしたが、今はナースキャップをかぶった看護師さんは少ないです。
 あ、おられました。細長い身体を横たえて休んでおられます。長い年月にわたって多くの患者の診察にたずさわってこられた疲れをいやされておられます。きょうの対談相手は胃カメラさんです。

雫石
 お休みのところ、もうしわけありません。胃カメラさん。

胃カメラ
 いいよ。私みたいな引退した医療器具になんの用だ。

雫石
 わたし、ついこの前も胃カメラを受けたばかりなんです。実は、わたし、胃潰瘍持ちでして、胃カメラさんにはさんざん世話になりました。

胃カメラ
 私の後輩たちだろう。私はかなり古い胃カメラだ。

雫石
 わたしは若いころも胃潰瘍で、ずいぶん昔から胃カメラは受けてましたよ。あなたのお世話になったかも知れません。

胃カメラ
 そうかも知れないな。ずいぶんたくさんの患者さんを診てきたからな。私も。

雫石
 あなたは人の胃を見る人生?だったわけですね。一番うれしかったことはなんですか。

胃カメラ
 そりゃ、胃が苦しくて不安いっぱいで来た患者さんを診て、心配ないと医師からいわれて、ホッとして安心して帰って行かれる患者さんがおられるのが一番の楽しみだね。

雫石
 ほんとですか。そんなたてまえではなく、本音をいってくださいよ。

胃カメラ
 私は人の胃の中をのぞくのが楽しみで胃カメラになったんだ。

雫石
 はい。

胃カメラ
 それでな。患者の胃の中に入る前はワクワクするんだ。

雫石
 ほう。人の胃を診るのがよほど好きなんですね。

胃カメラ
 そうなんだ。さあて、この人の胃の中はどうなっているんだろうと思うと、うれしくて楽しくて。

雫石
 で、どうなんです。その胃が健康な胃だったら。

胃カメラ
 ほんとのこというと、がっかりだな。なんにもないと。

雫石
 患者さんが喜べばうれしんじゃないですか?

胃カメラ
 うれしいよ。しかし、なんにもないとがっかりするのも正直なところだ。

雫石
 でっかい癌でもあれば満足なんですか。

胃カメラ
 そういうわけではないけど。ところで、最近の私の後輩たちの仕事は。患者にとってはかなり楽になったろ。

雫石
 都合が悪くなって話題を変えましたね。そうですね。最近は鼻から入れる胃カメラだからほとんど苦痛はありませんね。

胃カメラ
 そうだろう。私は口から入れるタイプの胃カメラだから、だいぶん患者をゲーゲーいわしたもんだ。

雫石 
 わたしも胃潰瘍持ちだから口から入れる胃カメラの経験は豊富ですよ。

胃カメラ
 ゲーゲーいったろ。

雫石
 使う医師によりますね。下手な医師だとゲーゲーいいます。

胃カメラ
 ところが、きみは私のことを胃カメラといってるが、正式には上部消化管内視鏡というんだ。

雫石
 そうですか。でも胃カメラの方がいいやすいから胃カメラと呼んでいいですか。

胃カメラ
 べつにかまわんが。いまでこそ私たちがいるから胃の診断も楽になったが、昔はすごかったんだぞ。

雫石
 へー、どんなんだったんです。

胃カメラ
 胃カメラの原型といわれてるのが、患者の口から真っ直ぐ金属の棒を突っこんで患者の胃をのぞくというモノなんだ。

雫石
 へー、それじゃ、拷問ですね。

胃カメラ
 きみは、X線、CT,MRI、エコー、内視鏡、身体の中を見られるのはみんな経験したと自慢してたな。どうだ、胃カメラの先祖の胃のぞき棒を経験してみるか。

雫石
 うへー。ごかんべん。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ウィスキー完全バイブル


土屋守監修      ナツメ社
 
小生はウィスキーが好きだ。国産、スコッチ、バーボン、比較的バーボンを好むが、いろんなウィスキーを飲む。で、本読みでもある小生としては、ウィスキーの基本的な勉強もしてやろうと思って、この本を読んだしだい。
 世界の5大ウィスキーというのがある。日本、アメリカ、カナダ、アイルランド、スコットランド。日本のウィスキーは近年評価が高く、サントリーの山崎、ベンチャーウィスキーのイチローズ・モルトなどは世界一の評価を得た。ウィスキーはスコットランドが発祥だから(アイルランドという説もある)、本来はケルト系民族の酒だ。5大ウィスキーでケルト系の白人民族でないのは日本だけ。これも日本人の才能だろう。5大ウィスキー以外ではインドのウィスキーが評価を高めている。
 ウィスキーは熟成される年数が古いほど良い。ノンエイジより8年。8年より12年。12年より21年。これには厳格なきまりがあって、50年ものの原酒に一滴でも若い原酒が混ざりこんでいれば50年ものとは認められない。
 モルトウィスキーの原料は大麦麦芽。ビールの原料も大麦麦芽。実は蒸留するまでの工程はウィスキーもビールも同じ。ウィスキーとビールは兄弟だった。
 と、いう興味深い記事があり、あとは世界のウィスキー図鑑。こりゃ楽しみだ。順々に飲んで行こう。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

胃の内視鏡を受ける

きのうの朝ぐらいから胃の調子が悪い。痛くはないがムカムカする。小生の場合、胃の不具合は大ごとになることがある。いままで胃潰瘍で胃に穴を開け、出血して入院が4度。小生の持病は胃潰瘍と憩室ということになる。
 ピロリ菌の除菌は10年前に行っている。とりあえず、きょう、かかりつけの消化器医で胃の内視鏡を受けた。胃の内視鏡は昨年の5月以来である。最近の胃の内視鏡は鼻から入れるので実に楽である。昔の口からの内視鏡でも、小生ほどの患者の大ベテランになると慣れている。
 結果は潰瘍も出血も認められず。軽い胃炎でしょうということだった。
 
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

奈良へ不染鉄展を見に行ってきました


 きのうは奈良へ行ってきました。神戸から奈良。昔は行くのがたいへんでした。今は、阪神なんば線ができて阪神と近鉄が相互乗り入れ。神戸から奈良まで乗り換えなしで行けます。たいへんに便利になりました。それでも1時間ほどかかりました。7日は京都へ行きましたが京都のほうが奈良より近いですね。
 奈良へは絵の展覧会を見に行ったのです。奈良県立美術館の没後40年 幻の画家 不染鉄展に行きました。
不染鉄。あまり知られていない画家ですが、まろさんが東京の展覧会に行かれてたいへんに良かったとのこと。奈良で展覧会があることを教えていただいてました。楽しみにしてました。
たいへんに良かったです。ひじょうに誠実な画家さんであることが、よく判りました。日本画ですが、細部までていねいに描かれた作品はどれも好感がもてました。特に伊豆に行ったときの想い出をモチーフにした「伊豆の追憶」シリーズが良かったです。それと使われなくなった船が画面いっぱに描かれた「廃船」が迫力でした。
 いい絵を見て、機嫌よく美術館を出ました。そのあと、興福寺の境内を通って、猿沢の池を散策して、近鉄奈良駅に。お昼ご飯に柿の葉すしを買いました。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

三喬改メ7代目笑福亭松喬襲名披露に行って来た


 きのう、三喬改メ7代目笑福亭松喬襲名披露公演に行って来た。大阪は、道頓堀の松竹座の夜の部であった。昼の部を予約したかったけど満席。夜の部の2階席しか空いてなかった。それでもS席7,000円の席だから見やすい席やった。満員盛況当日券なしやった。
 当代松喬師匠はワシと同じ西宮の生まれ。そもそもワシは夫婦そろって先代松喬師匠のファンであった。で、当然、その総領弟子である当代松喬師匠にも好感を持って見ていた。先代は出てきただけで微笑みを誘う噺家で、笑福亭総帥6代目目松鶴師匠の豪快さに加えてやわらかい芸風もあわせもった噺家であった。当代松喬師匠は、その先代の芸風を底流に持ち、磨き抜かれた話芸のテクニックを持った話芸の達人といってもいい。その7代目松喬師匠の襲名披露である。ぜひ行きたいと思っていた。きのうが全国14か所で行われる襲名披露公演の初日である。
 オープニング。開口一番は松喬師匠のお弟子さん笑福亭喬介さん。「犬の目」をやらはった。この犬の目、松喬一門に入門した新弟子が最初に習う噺とか。当代松喬も先代に入門したときに最初に師匠鶴三(のちの6代目松喬)に教えてもらったのも「犬の目」だったとか。笑福亭は「犬」ではじまり「らくだ」が到達点ということか。
 2番目は弟弟子の笑福亭生喬さん。噺は「豊竹屋」演じ終わったあと「かっぽれ」を踊ってくれはった。
 3番目は桂南光さん。「阿弥陀が池」
 4番目は東京から来られた柳亭市馬さん。「片棒」あいかわらずきれいなお声。ここで前半終了。ここで気がついたのは、市馬さんは江戸落語の噺家さんだから使わないけど、喬介さん、生喬さん、南光さんの3人の噺家さんは見台ひざかくしを使っていなかった。上方落語家が3人もそろって出ているのに、一人も見台ひざかくしを使わなかったのは偶然か。
 さて、中入りのあと、口上。7人の落語家がステージに勢ぞろい。壮観である。
司会を笑福亭銀瓶さんが務める。銀瓶さん、師匠の鶴瓶師匠をイジって笑いを取る。最初の口上は春團治一門を代表して、桂福團治師匠。まっとうな口上。2番目は上方落語協会会長の桂文枝師匠。次に柳亭市馬さん。口上のあと「すもうじんく」を歌って、またまた美声を披露。あと米朝事務所の常務取締役桂南光師匠。あんなきれいな声のあとではやりにくいといいつつも、鶴瓶師匠をイジる。最後は笑福亭を代表して笑福亭鶴瓶師匠。
 この口上でみなさんがいっていたこと。7代目笑福亭松喬は話芸に関しては文句なし。ただ、当代松喬は先代と違って真面目すぎる。もっと遊びが必要。これは納得。当代松喬が、話芸をさらに精進して、遊んで、もっと大きくなれば、そのあかつきには8代目笑福亭松鶴を襲名されるだろう。
 さて、中入り後の大トリ前は桂文枝会長。もちろん創作落語をやらはった。そしていよいよ大トリ。もちろん7代目笑福亭松喬師匠。演目は大ネタ「三十石」どろぼう三喬さんのことだから、どろぼうネタ「花色木綿」でもやらはるのかなと思っていたが「三十石」なるほど、これの方が笑福亭の襲名披露にはふさわしい。
 伏見を出て、船頭が舟歌をうたって川を下るシーンを聞いていると、ああ、ワシ、上方落語ファンになってよかったなあと、つくづく思った。
 楽しい3時間であった。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

京都SFフェスティバル2017に行ってきた

 毎年の秋の吉例、京都SFフェスティバルに行く。朝のうちだけ、少し会社で仕事して京都へ。秋の雨の京都である。外国人の観光客おおいあるね。
 JR京都駅から、タクシー。車内で携帯電話に電話。あす日曜日休みの予定だったが、出てくれとの会社の人から電話。しかたないなあ。いつもの京大病院正門前の京都教育文化センターへ。さっそく、何人か知った顔。「やあやあ久しぶり」とあいさつを交わす。これで、ここに来た大きな目的は達せた。
 午前の部は「本当は恐いジーン・ウルフ」出演は、酒井昭伸氏、宮脇孝雄氏、若島正氏。難解であると見られているジーン・ウルフ。このところ何冊か著書が翻訳され、本年6月には最新作「書架の探偵」が翻訳出版された。何が書いてあるのかよー判らんところもあるジーン・ウルフ。そのウルフを読む第一のコツ。「信じろ」よー判らんかもしれんが、ともかくウルフを信じて読めということ。
 昼食はいつもの定食屋「十両」カレイの煮付け定食を食べる。このあたりにはメシ屋が少ない。京大の学食に行くのも手だが、この「十両」でいい。あれで1000円でお釣りがあるのは安いのではないかえ。
 午後の部の最初は「あたらしいアニメの作り方―3DCGと制作、市場」出演、野口光一氏、数土直志氏。ワシはアニメのことはよー判らんが、なんでも今どきはセルに原画をシコシコ描いたりはせんらしい。CG,それも3Dで作るらしい。ふ~ん。
「スタニスワフ・レムを読み直す」出演は若島正氏。それにレム本人とも親交があったスラブ文学者沼野充義氏。このお二人、レムとナボコフと二人の巨大な作家の研究家という共通点がある。国書刊行会から出ていたスタニスワフ・レム・コレクション全6巻が完結した。ポーランドの偉大なSF作家にして思想家「知の巨人」レムの長編は、ほとんどが日本語で読める。しかし、まだ未訳の評論集や対談集がある。それらはなにせレムは「知の巨人」いずれも1000ページを超えそうなでっかい本になりそう。ポーランド語にたけた若い有能な翻訳家の出現を待ちたい。
 それにレムの作品はロシア語からの重訳が多い。深見弾氏らの尽力でレムの作品が日本語で読めるが、昔はポーランド語を翻訳できる人がいなかった。やはり、原語のポーランド語から日本語への直訳で読むほうが、日本人がレムに親しむにはこれにこしたことはない。
 最後の企画は「Projrct Itoh」出演、大森望、塩澤快浩氏、伊藤靖氏。代表作「虐殺器官」がアニメ化されたりして、早川を中心に盛り上げていた伊藤計劃のブーム。ひとまず落ち着いたという話。この企画はワシにはあまりいただけない。ようするに亡くなった作家をいかにしゃぶりつくしてもうけよかということ。いつまでも伊藤計劃に頼っていたらあかん。さいわい、若い有能なSFの書き手が出てきているとのこと。これはたいへんにけっこうことだ。それに、なんといっても早川には棚から特大のボタモチがどすんと落ちた。このたび、ノーベル文学書を受賞したカズオ・イシグロの著書のほとんどを早川が出している。土日返上で早川の営業が書店からの注文に応じているとのこと。なんでも、「日の名残り」と「わたしを離さないで」は10万部づつ増刷するとか。早川さんにおかれましては、まことにご同慶のいたり。 イシグロさんにもうけさせてもらった金をSFにもまわしてもらって、良きSFの供給に励んでくれたまえ。
 最後に、今年もこのイベントを主催実行した京都大学SF研究会の諸君。まことにご苦労さまでした。来年もやってね。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

パリパリあんかけそうめん

 
 う~む。夏のお中元でもらったそうめんがまだ残っている。もうだいぶん涼しくなってきた。これからは、そうめんを温かく食べるにゅうめんにしてもいいな。
で、なすと豚肉カレーとつけだれで食べたから、今回はちょっと別の食べ方をする。にゅうめんもいいが、今回は長崎皿うどん風でせめてみよう。
材料は、えび、長ネギ、きくらげ、ピーマン、それにそうめん。そうめんだけはふんだんにある。
作り方はいたって簡単。きくらげは戻しておく。えびはむきえびを買ってきたからそのまま。長ネギはななめ切り、ピーマンは適当に。それにスープを用意しとかなくちゃ。創味シャンタンで作った。
材料を炒め、スープを注ぐ。オイスターソース、醬油、酒、砂糖で味つけ。材料に火が通ると、水溶き片栗粉でとろみをつける。仕上げにゴマ油をふって風味と照りをつける。これであんのできあがり。
そうめんは茹でて、水切りして、油を多いめに引いたフライパンで焼く。パリパリになってかるく焦げ目がつくぐらいに焼こう。あとは焼いたそうめんを皿に盛って、あんをかけたらできあがり。皿うどんよりさっぱりして、これはこれでなかなかおいしい。   
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

カズオ・イシグロ。ノーベル文学賞受賞

 カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞した。このことは、日本人として、日本生まれの作家が受賞したというより、SFファンとして、SFも書く作家が受賞したということがうれしい。
 イシグロの代表作「わたしを離さないで」は、21世紀になってからの名作SFの1つといっていいだろう。クローンをテーマとして、書きようによっては、大変に残酷でグロテスクな話を、静謐な筆致で表現された傑作SFである。この作品は映画化されており映画もなかなか良いできであった。
 私は、イシグロの熱心な読者ではない。「日の名残り」「わたしを離さないで」そして最新作の「忘れられた巨人」の3作しか読んでない。
 最初に読んだのは「日の名残り」だ。古い貴族の館の老執事が主人公だが、イギリスの伝統的な貴族の生態、それにつかえる執事。非常にイギリス的な話を日系人の作家が書いたということで興味深かった。それは、「怪談」という日本の土着な話を外国人の小泉八雲が書いたということと一脈通じているように思う。
「日の名残り」も映画化されていて、こちらもアンソニー・ホプキンスの名演もあって、なかなか良い映画となっている。
「日の名残り」を再読しよう。傑作。おすすめ。
 なにはともあれ、カズオ・イシグロさん。ノーベル文学賞受賞。おめでとうございます。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

サントリーの山崎を探してたらイチローズ・モルトが手に入った

 そういうわけで、サントリーのシングルモルト・ウィスキー山崎が欲しいが入手困難。ネットを使えば入手可能かもしれないが、そんな安易な方法で手に入れれば、買物のプロとしてのコケンにかかわる。
 洋酒売り場めぐりをした。今度新しくできたイオンの酒売り場。ここは酒の品揃えが豊富。人気日本酒の獺祭もここで買った。山崎はなかった。JR神戸駅近くの成城石井の酒売り場。ない。神戸大丸地下、そごうの地下。ない。イカリの酒売り場、ダイエー三宮店酒売り場、六甲道のやまや。7軒めぐったたが、サントリーの山崎はない。最後に行った御影新生堂で、イチローズ・モルトが売っていた。イチローズ・モルトも日本の(いまや世界のといってもいいだろう)ウィスキー飲みたちのあいだで大変に評価が高いウィスキー。即、購入。こりゃいいもんを手にいれたと、ホクホクしながら帰宅。さっそく、ちょっとだけ味見。ん、まい。山崎はそのうち手に入れよう。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

デビルマン


永井豪&ダイナミックプロ      講談社

「ハレンチ学園」で、世の教育ママどもの逆麟を触りまくった、漫画界の革命的パイオニア永井豪が、そんなことは意に介さず、さらにパワーアップした物凄い漫画を描いた。それが、この作品だ。たしかアニメもあって、そっちは少しもおとなしいモノだったのではないか。こっちの漫画版は永井豪がリミッターを取っ払ってフルパワーで描いた。
 人類以前に地球を支配した種族がよみがえり、人類を駆逐しようとする。話の根本アイデアはラブクラフトの「クトゥルフ神話」と同じだが、永井がラブクラフトから着想を得て、この「デビルマン」を描いたかどうかは判らない。
 話の出発点は、二人の少年である。不動明と飛鳥了。了は明に、考古学者であった父の残した研究を見せる。明は悪魔が復活するという恐ろしい事実を知る。だれかが悪魔と戦わなければならない。で、明は悪魔の勇者アモンと合体して、人間の理性と悪魔の肉体を持ったデビルマンとなる。
 デビルマンと悪魔の戦いの描写は、たいへんなスピードとパワーで描かれる。その迫力もさることながら、実は人間も悪魔に負けないほど、悪魔性を持っていることがこってりと描かれる。人間は理性があるから人間なんだ。理性をなくした人間は悪魔にも劣る、ということ。
 主人公不動明のガールフレンド牧村美樹。恋人未満友だち以上という関係だが、悪魔と戦う理由を失った明が、ただ一つ戦いのよりどころとしたのが美樹の存在。「彼女を守るためだけでも戦う」明は最後の最後になって、美樹がそんな存在であったことを判る。
 しかし、いろんな漫画のいろんなヒロインを見てきたが、この漫画の牧村美樹ほど、ひどいめにあわされたヒロインは知らない。
 ラストは非常に美しい。名ラストシーンといえよう。「あしたのジョー」のラスト、「火の鳥 鳳凰編」のラストに匹敵する名ラストシーンだ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ 次ページ »