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とつぜんSFノート 第51回

 星群の会は昔は京都で例会をやっていた。かっては、星群の本拠地は京都といってもいいだろう。だから、星群の人間が集まるとなると、月に一度の例会以外でも京都に集合していた。
 星群では忘年会は特段やらなかった。毎月、例会の後に宴会をやっていたから、12月の宴会の時、これは忘年会であると宣言すれば、その時の宴会は忘年会となる。お店も、やってることはいつもと変わらないが。
 忘年会は特段しなかったが新年会はやった。毎年、成人の日の休日に、京都ですき焼きを囲んで新年会をやった。お店も決まっていて、清水の順正だった。お昼の新年会だった。清水寺のすぐ近くである。順正は湯豆腐で有名だが、私たち星群はすき焼きを食べた。
 順正でたらふく、すき焼きを食べビールを飲んで、昼間っからご機嫌になった私たちは清水寺を観光した。実は、京都の定番の観光地でちゃんと見たのは、この新年会のあとの清水寺ぐらいだろうか。京都はしょっちゅう来てるが、おのぼりさん的観光地はあまり行った記憶がない。
 清水寺観光をして、だいぶん酔いも覚めてきた。清水さんからの坂道を下る途中に「コーヒーぜんざい」なるモノを出す喫茶店がある。もう、ずいぶん昔のことなので記憶がさだかでないが、粒あんの上にアイスクリームが乗っけてあって、そこにコーヒーがそそいである。
 新年会のあと、このコーヒーぜんざいを食べるのが習慣だった。どんな味だったかは覚えてないが、まずくはなかったのではないか。かといって、あのあたりに行けば、ぜひ食べてみようとは思うほどではない。機会があれば自分で作って食べてみようと思う。このコーヒーぜんざいを食べたあと、七味とんがらしの有名なお店がある。そこで七味とんがらしを買って帰る。
 昔の星群の新年会というと、順正のすき焼き、コーヒーぜんざい、七味とんがらし、というのがお決まりのコースだった。ところで、草深い、アズマエビスは武蔵野の地にも七味とんがらしは有るそうな。薬研堀の七味とんがらし。このアズマエビスの七味も使ったことがある。薬研堀の七味は辛さが際立っており、京都の七味は香りが際立っている。どっちが良いというのではなく、使い分ければいいだろう。私は、うどんやそばといった麺類は京都のが、牛丼や豚汁には江戸のがあっているように思うのだが。
 七味とんがらしといえば、昔は十日戎の屋台でも売っていた。私は、えべっさんは毎年必ずお参りするので、ここでも七味を思わず買ってしまう。そういえば、最近は、えべっさんで七味の屋台を見かけないな。10日にえべっさんで、成人の日に京都で、七味とんがらしを買うわけだ。1年分の七味を1月に買ってしまう。香りが抜けるから使い切る分だけ買うのが理想だが。なんだか、甘いのか辛いのか判らない話題となった。
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みずは無間


六冬和生   早川書房

 登場人物(?)は事実上一人といっていい。主人公は厳密に言って人間ではない。
 大学院生雨野透の人格のデータを転写したAIが主人公。そのAIを搭載した宇宙探査機は、当初の目的を果たして、どこまでも、いつまでも宇宙を旅していく。
 具体的な小説の内容だが、透AIの独白想い出語りだ。それ以外の描写はない。それだけで300ページ以上の長編を読ませるのだから、著者はなかなかの腕力の持ち主といっていい。
 本書の題名「みずは」とは透の恋人。宇宙を飛びながらみずはのことを想う。少々過食症ぎみで、わがままなみずは。透AIはみずはのことを恋しくも想いつつも、ほんのちょっぴりわずらわしく想ったりもする。
 みずはは食いしん坊で食欲を抑えられない。表紙のイラストはみずはだろうう。うまいイラストだ。みずはってこんな女の子だろう。
 広大無辺の宇宙を行く大学院生(のAI)と、食いしん坊で糖尿病の女子大生の純愛物語である。ぱっと見はガチガチのハードSFだが、中身は実にほほえましいお話。
「ねえ。ひとくちちょうだい」
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熊崎コミッショナーにカツ

 日本のプロ野球のコミッショナーというのは、どうしてこうバカが多いのだろう。バカがコミッショナーになるのか、元はそれなりの人物だったけれど、プロ野球のコミッショナーに就任したとたんバカになるのかどっちだろう。たぶん後者だと思うが。
 前任者の加藤コミッショナーもバカで無責任だったが、こんどの熊崎コミッショナーもバカだ。いや、なに、例の田中将大投手のアメリカ球界入りに関して「祝福する。大舞台で活躍して欲しい」なるコメントを話した。
 バカか。いやしくも日本のプロ野球のトップに立つ人物のコメントとも思えぬ。田中投手は日本プロ野球の宝ともいえる投手だぞ。その宝が海外へ流出するのに何がめでたい。大舞台で活躍?だったら田中が今までいた日本のプロ野球は小舞台か。
 日本プロ野球のコミッショナーだったら、こういうコメントをいうべきじゃないのか。
「誠に残念です。今後はアメリカ球界のトッププレイヤーが、日本球界にあこがれて、やってくるようにコミッショナーとして微力ながら尽力いたします」
 確かに、アメリカのプロ野球と日本のプロ野球は、規模、実力、待遇、金銭面、雲泥の差なのは判っている。しかし、アメリカ野球に負けまいとする気概を持ってもいいのではないか。
日本のマスコミがアメリカプロ野球のことをメジャーとか大リーグとかいうのが不思議。だったら日本プロ野球はマイナーで小リーグなのか。
熊崎コミショナーに超特大のカツ。
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ローハイドのウィッシュボーンじいさんの声

 声優の永井一郎さんが亡くなった。多くの人が永井さんの代表作としてテレビアニメ「サザエさん」の波平役を上げておられるが、小生にとっては、永井一郎さんといえば「ローハイド」のウィッシュボーン役だ。
 今もそうだが、小生は西部劇が大好き。テレビの時代劇は絶滅しつつあるが、テレビの西部劇は日本では完全に絶滅した。小生が子供のころは西部劇が多くテレビ放映されていた。
「ローハイド」「ララミー牧場」「幌馬車隊」「拳銃無宿」「ボナンザ」「ライフルマン」「ガンスモーク」などなど。「拳銃無宿」は出世前のスティーブ・マックィーンが主役だった。「ライフルマン」はチャック・コナーズというでかいおっさんがライフルをグルグル回していた。「ララミー牧場」は淀川長治さんが解説をやっていた。
 いろいろ印象に残っている西部劇はあるが、一番好きだったのが「ローハイド」だった。確か土曜日の夜、洋酒の寿屋(今のサントリーのこと)提供で放映されていた。土曜日が来るのが待ちきれなかった。「ローレンローレン」というフランキー・レインの歌声が聞こえるとワクワクしたものだ。
寿屋のCMで柳原良平のアンクルトリスのアニメを覚えている。アンクルトリスがウィスキーを飲んでいくと、顔の下からだんだん赤くなっていく(白黒だったが)「トリスを飲んでハワイへ行こう」なんてキャッチフレーズもこのころだったかな。
「ローハイド」はテキサスからミズーリまで3000頭の牛を陸送するカウボーイたちの物語。永井さんが声を演じたのはウィッシュボーンというじいさん。確かこの当時は永井さんは30代のはず。ずいぶん昔からじいさんの声をやっておられたのだ。
 このウィッシュボーンというじいさんは一行の料理番で、あらくれカウボーイたちの食事を一手に引き受けていた。食事といってもアバウトなもの。すすだらけの鍋でなにやら煮たもの。これまたすすだらけのポッドで淹れたコーヒー。カウボーイどもがウィッシュボーンがよそってくれた食事を食べながら「また豆か」と文句をいっていた。「だまって食え」とウィッシュボーンがしかる。このウィッシュボーンというじいさんアウトドア料理のさきがけだな。連中が食べていたのはたぶんチリコンカーンみたいなモノではないだろうか。
 一行のボスはフェイバーさんというおじさんで、補佐役はロディというにいちゃんだった。このロディを演じたのがこれまた出世前のクリント・イーストウッド。声は山田康雄さん。イーストウッドは健在だが、山田さんは死ぬまでイーストウッドの声を演じていた。ほとんどが故人となったがイーストウッドは元気である。
 永井一郎さんのご冥福をお祈りする。
 
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アンコール!!


監督 ポール・アンドリュー・ウィリアムス
出演 テレンス・スタンプ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジェマ・アータートン

 頑固じいさんは映画の素材としてはなかなか良い。頑固じいさんが隣人だったら、ちょっとしたことで怒られて、実にうっとうしい存在だが、映画で観るには面白い。だいたいが頑固じいさんは善人で真っ直ぐな人が多い。頑固な悪人というのはあまり聞かない。それに頑固じいさんは、自分の価値観を絶対曲げないから周囲とどうしてもズレてしまう。それがなんともユーモラスでおかしい。その頑固じいさん映画でぱっと思いつくのはクリント・イーストウッド監督主演の「グラン・トリノ」だが、あの映画のイーストウッド演じるウォルトは筋を通す男だったが、この映画のスタンプ演じるアーサーは妻へ純愛を一途に貫いた男である。
 アーサーは頑固偏屈じじい。あまり人つきあいの上手な男ではなく。息子ともギクシャクしてる。ただ、年は取っても老妻との夫婦仲はたいへんよろしい。妻マリオンは年寄りばかりの合唱団「年金ズ」のメンバー。歌唱指導する音楽のエリザベス先生は若いべっぴん。年金ズのお年寄り仲間と楽しく歌を練習する日々。夫アーサーは歌なんて興味ない。「ふん、くだらん」と思いながらも愛するマリオンを練習場に連れて行く。
 年金ズが国際合唱コンクールに出ることになった。ところがマリオンは癌が再発。コンクールに出ることなく死ぬ。アーサーはエリザベスの説得でマリオンの遺志を継いで年金ズに入って、合唱コンクールに出る。
スウィングガールズ」と同じく、ラストはコンクールでの感動のシメとなるのはお約束通りだが、こういう場合はやっぱり、定番のラストで終わってもらわないといけない。素直に感動する。
 なんといってもこの映画、テレンス・スタンプとバネッサ・レッドグレイブのなんともいえん老夫婦を観て楽しむ映画だ。また、ジェマ・アータートンのエイリザベス先生も良かった。若くってきれいで聡明。しかし世渡りは下手そう。そのあたりがアーサーと判りあえたのだろう。年金ズのお年寄り連中もみんないい人たちばかりで面白い。 
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ブリ丼


 冬である。ブリは冬がうまい。そのうまい冬のブリの照り焼き。これはもう白いご飯の最強のおかずといっていいだろう。ほっかほっかの白いご飯に、脂の乗った甘辛いブリの照り焼きをハシで取って、飯の上に乗っけて、かっこむ。これは、もう、うまいに決まってる。
 で、そんなに相性のいいブリの照り焼きと白いご飯。これはぜひとも合体させねば。というわけでブリ丼を作った。ブリは普通の照り焼き。ご飯も普通の白いご飯。丼めしに照り焼きの汁をかける。その上にかいわれをしいてブリを乗っける。大根おろしを添えた。ブリの脇をブリのパートナーとして最適の野菜大根に親子で固めてもらった。
 馬場+猪木、山本小鉄+星野勘太郎、ブルーザー・ブロディ+スタン・ハンセン、ディック・ザ・ブルーザー+クラッシャー・リソワスキー、スカル・マーフィー+ブルート・バーナード。プロレスの名タッグは1+1は2ではない。3とか4にも5にもなるのだ。ブリの照り焼き+ご飯。この名タッグに大根が親子でセコンドについたのだから、最強なのだ。
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カスレ


 この料理はカスレといいます。フランス南西部の郷土料理です。豆の料理です。豆がいっぱい食べられます。豆は高タンパク低カロリーです。それにこの中に玉ねぎ1個とにんじん1本が入ってます。野菜たっぷりでなかなかヘルシーな料理です。
 豆は白インゲン豆を使いました。まず、豆の処理からしましょう。さっと洗ってたっぷりの水に漬けて8時間以上置きます。その水に漬けたまま加熱。沸騰したらザルにあけます。新しい水で1時間ほどゆっくり加熱します。そのままさまします。豆の水煮缶を使えば簡単ですが、乾燥豆の方がおいしいです。
 鍋にオリーブオイルを取って、にんにくをたたきつぶして皮のまま鍋に入れます。にんにくの香りがしてきたら、あらくみじんにした玉ねぎとにんじんを入れます。セロリも入れてもいいですが、給料前のことで食料調達費が残り少なくなったのでセロリは省きました。別に私はセロリが嫌いというわけではありません。
 野菜に充分に火が通り、甘みが出たら、ベーコンを加え、うまみを出します。次に豚肉を入れます。今回はロース肉のかたまりをサイコロ状に切って入れました。豚肉の色が変わったら、白ワインで風味づけ。ホールトマトをつぶしながら入れて、30分ぐらい煮ます。煮ながら砂糖を入れます。砂糖はホールトマトの酸味を消してくれます。砂糖の量はお好みで調整すればいいでしょう。ここにさっきの白インゲン豆を入れます。豆のゆで汁も200CCほど入れましょう。ソーセージも入れましょう。塩こしょうで味を調えてしばし煮ます。
 さて、ソーセージが煮えたら、火からおろし、パン粉とパルミジャーノレッジャーノをふりかけて、200度のオーブンで15分ほど焼けば出来上がりです。
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阪急 三宮2


 ごらんのように、この駅は「阪急神戸三宮」という駅名だそうや。なんでも、去年の12月からこないなおかしげな駅名になったそうな。それ以前は「阪急三宮」という、ちゃんとした駅名やった。ワシが反対したにもかかわらず阪急は駅名変更を強行しおった。この記事でも宣言したけど、ワシはこの駅を「神戸三宮」とはいわへんで。この駅はあくまで「三宮」やで。
 三宮だけでは判りにくいから「神戸三宮」と駅名変更したんやろ。そやったら「河原町」だけではわからへん。「梅田」だけではわからへん。こら、阪急、「河原町」を「京都河原町」に「梅田」を「大阪梅田」に変更せなあかんで、それができひんのやったら、この駅を「三宮」に戻せよ。
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SFマガジン2014年2月号


SFマガジン2014年2月号 №695
                 早川書房

雫石鉄也ひとり人気カウンター
1位 ウィンター・ツリーを登る汽車
   アイリーン・ガン&マイクル・スワンウィック 幹遥子訳
2位 ナスターシャの遍歴             扇智史
3位 亡霊と天使のビート             オキシタケヒコ
4位 自撮者たち                 松永天馬
5位 カケルの世界                森田季節
6位 かわいい子 オースン・スコット・カード   金子浩訳

日本作家特集
「エンダーのゲーム」映画化記念小特集

連載
椎名誠のニュートラル・コーナー第41回
なぜかぐや姫は高慢で桃太郎は独善的なのか   椎名誠
近代日本奇想小説史(大正・昭和編)第7回   横田順彌
SFのある文学誌 第26回          長山靖生 
パラフィクション論序説 最終回        佐々木敦

 2月号である。SFマガジンの2月号といえば毎年吉例日本作家特集。昔は日本SF界オールスター勢ぞろいで通常号よりずいぶん厚い号だった。例えば、この号とかこの号。ところが最新号の2月号は通常通りの厚さで、登場している日本作家も4人だけ。それもペーペーの新人ばかり。昔に比べて小粒になった。確かに、今、日本のSFオールスター揃いぶみは不可能だが、もう少し、それらしい作家を揃えられないか。
 さて今月の1位だが、日本作家特集でありながら海外作品が1位となった。
「ウィンター・ツリーを登る汽車」 
 クリスマスの夜、エルフたちが鏡から出てきて大人たちを殺した。最初に目が覚めた弟ローランドは汽車に乗ってツリーのてっぺんまで行った。姉サーシャは不思議な違和感を感じる。飼い犬ミスター・チェスタトンの首を抱きながら嘆く。「何かがおかしいの」するとミスター・チェスタトンがいった。「私の首を絞めるのはやめろ」辛口のクリスマス・ファンタジーである。
「ナスターシャの遍歴」
 繭子は会社経営者。姪の春那を連れて散歩してると、古い友人ナスターシャと出会う。ナスターシャはつもる話を語り始める。それがとても興味深い。ナスターシャって結局何者?
「亡霊と天使のビート」
 武佐音研シリーズ第2弾。音響SF。幽霊の声を録音してくれとの依頼。9歳の少年が悪夢に苦しむ。幽霊の声が聞こえるという。音研の女性メンバーカリンが行くと、確かに人の声が聞こえる。しかし録音できない。なぜ?
「自撮者たち」
殺影会で少女たちは闘う。1対1で。自撮する、他撮もする芸能界の美少女。彼女らは人類のお人形だ。
「カケルの世界」
上下2段に印刷されているパラレル小説。リアルの世界とゲームの世界が並行しつつも交差しつつも展開していく。
「かわいい子」
 ボニートは聡明な子供。そのボニートが2歳になる前、国際艦隊がテストにやってきた。彼の父はスペインの愛国者。父はボニートをスペインから奪われると思った。
 しかし、塩澤が編集長に復帰して、またSFマガジンがPR誌と化した。タイアップ企画、ちょうちん企画が多すぎる。SFマガジンはいやしくも日本で唯一のSF専門誌なんだろう。だったらSF専門誌としての気概と誇りを持ってもらいたい。他のメディアやジャンルで発表されるSFの企画に触発されて編集企画を立て誌面に反映させる。専門誌としてSFの情報を発信するべきところが、他からの情報を受信して雑誌を創っている。もちろん、SF専門誌であるから、SFに関する情報を紹介することは必要だ。しかし、紹介するのと、それをネタに雑誌創りをするのでは全く意味合いが違う。
 この号だけでも、「エンダーのゲーム」映画化にひっかけた企画。上田早夕里「深紅の碑文」紹介企画、篠原節子「ルーティーン」刊行記念エッセイ。3本ものPR企画がある。これじゃSFマガジンがPR誌になったといわれてもしかたがないだろう。
「深紅の碑文」はいずれ読むつもりだが、大野万紀と岡和田晃の二人が紹介文を書いているが、岡和田晃の紹介文は読んでいない。かって、アホなレビュアーの紹介文を読んで、ネタばれを読まされて、読みたいと思っていた本が、読む気が失せた経験がある。「SF BOOK SCOPE」や「MAGZINE REVIEW」のページで紹介するのはいい。レビュアーたちもその意識で書いているからネタばれはない。しかし、エッセイという形で書かれると油断できない。アホな執筆者にかかるとネタばれを読まされる。大野万紀なら安心できる。彼のレビューは昔から読んでいるし、彼が神大SF研のころから知っている。しかし岡和田なる人はよく知らない。あ、別に岡和田氏がアホといっているのではない。よく知らぬといっているのだ。

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本分に専念したい

 小生の弟は高校の教師をしている。なんでも教師という仕事は大変忙しい仕事らしい。教師というのだから、教壇で生徒に教えるのが本分だが、それ以外の雑事が多すぎるといっていた。阪神大震災の時なんか、学校が避難所になったから大変だったとか。非難してきた住民が先生になんだかんだといってくる。学校は建物を避難所として提供しているだけで、教師はそこのサービス要員ではないと、こぼしていた。地震のような非常事態ではなくても、日常の業務でも、書類仕事や父兄との応対、問題を起こした生徒のフォロー。なかなか本分の生徒への授業の充実を図るために時間が取れない。教壇での生徒との接触に専念したいといっていた。
 小生が足の関節の治療を受けている整形の先生は事務仕事がお嫌いだそうだ。医師も雑事が多い。大きな病院への紹介文の作成やら、保険関係やら、なにやかんや。医者は患者との接触する時間を増やしたい。治療行為に専念したいと、おっしゃっていた。
 これはなにも教師や医者に限ったことではない。警察は犯罪の撲滅に、消防は消火活動に、運転手は運転に、専念したいだろう。 
ことほど左様に雑事、というか付帯する事務仕事を専門に行う役職があればいいと思うのだが。教師の事務仕事専門にやる準教師、医者の事務仕事をやる準医師。さすれば、このような人たちが本分に専念できるのだが。
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寒い日の思い出

 昨日は大寒だったんですね。ものすごく寒かったです。私は、朝は暗いうちに出かけるのですが、小雪がちらちらしてました。きのうは暦通りの日だったわけですね。
 今日も寒いですが、昨日より少しマシではないでしょうか。寒いのが苦手な私は一日も早く暖かくなってなってほしいものです。
 寒いというと、こんなことを思い出しました。私のオヤジも車好きでした。わが家には古くから車がありました。オヤジが始めて買った車は、トヨタのパブリカです。空冷800CCの車で、この車で通勤していました。ところが寒い朝だとエンジンがかかりません。会社に遅れると、子供の私と弟がたたき起こされます。寒い中を路上に連れ出されて、オヤジはパブリカの運転席に座って、しっかり押せと私と弟にどなるんです。で、二人で寒い中、パブリカのお尻を押しました。なかなかエンジンがかかりません。もっと押せ、遅刻するとオヤジは怒ります。プルンプルンとエンジンがかかり、パブリカは国道2号線の方にチョコチョコと走り去って行きました。そんな苦労するんだったら、電車で行けばいいと思うのですが。
 オヤジもその会社を辞めて自分の工場を持ちました。工場は西宮市山口町にありました。そのころは私も免許証を持っていました。私は10代で免許を取ったから運転暦はなかり長いです。私が始めて運転した車は、中古のマツダ・ファミリア・バン。こんな車です。この車でオヤジの工場に手伝いに行ってました。六甲山を山越えするのですが、神戸も昔はよく積雪をしました。宝塚を回って176号線を走って山口まで行くのですが、船坂峠にパートのおばちゃんが住んでいます。そこを通って、私かオヤジがおばちゃんを乗せて工場に行くのですが、雪の日は必ず、蓬莱峡の手前あたりでファミリア・バンにチェーンを装着したものです。雪国でない最近の若いドライバーはチェーンを自分で巻けますか。
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ローン・レンジャー


監督 ゴア・ヴァービンスキー
出演 アーミー・ハマー、ジョニー・デップ、ルース・ウィルソイン

 ローン・レンジャー。ワシが子供のころテレビでやってた。黒いマスクで顔を隠し、白馬にまたがって「ハイヨー・シルバー」と叫びながら、ウィリアム・テル序曲の出囃子にのって出てくる西部の怪人。大昔のことでほとんど記憶にないが、アメリカの鞍馬天狗か月光仮面だという認識であった。で、それをディズニーが大真面目に大金をかけて映画化。日本でいえば月光仮面をシリアスに社運を賭けて映画化するようなものだと思ってた。
 そのワシの予断は外れた。この映画、アメリカの月光仮面でも鞍馬天狗でもない。真正面のアクション西部劇であった。それも非常によくできた傑作エンターティメントに仕上がっていた。破天荒な大アクション西部劇である。
 彼がなぜ「ローン・レンジャー」(一人レンジャー)と呼ばれるのか、なぜ珍妙なマスクをつけるのか。納得のいく理由があるのだ。
 お話の構造としては、老人のアメリカ先住民が、少年に昔話を語って聞かせるという構造。これが良かった。まるで、パンパンと張り扇を叩きながら語る講釈師の話を聞いてるみたいで、心躍る英雄豪傑のおうわさといった感じ。
 主人公は、アメリカ先住民のトントと新米検事ジョン・リード。この二人、ベタベタした友情でないのがいい。トントが先導する形でお話が進むが、トントはストーリーの駆動輪で、おもてでいいかっこするのはジョン。息が合っているようであり、ちぐはぐでありいので、おかしな二人の活劇が繰り広げられる。
 ジョンは殺された兄の嫁と甥を助けるために悪漢一味を追う。兄嫁と甥は列車に乗せられている。この後半の列車のアクションはすごい。爽快、痛快、豪快、愉快、日ごろのウサが晴れること間違いなし。グリグリと太線で書いた二重丸つきでおすすめ。
 
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自由軒風のカレー


 大阪名物自由軒風のカレーである。小生はまだ食したことがない。大阪のミナミは小生の行動範囲ではないから、あまり行く機会がない。機会があれば食してみたいと思っている。
 ミナミはとうぶん行く予定がないから、それらしいカレーを作ってみた。材料はシンプルに牛ひき肉と玉ねぎだけにした。
 まずみじん切りにした玉ねぎを炒める。玉ねぎが透きとおってきたら牛肉を入れる。コンソメスープをそそぐ。トマトペーストも入れよう。これにカレー粉を振り入れて味をつける。しばし煮込んでから、炊き立てのご飯を入れる。かきまぜる。ウースターソースをかくし味に入れるとおいしい。
 お皿に盛って、生卵を一個落としてできあがり。生卵をお忘れなく。卵のおかげで、やさしい味のカレーとなった。
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口水鶏


 この料理、別名よだれ鶏といいます。四川料理の名菜です。おいしくって、ついよだれが出るから、よだれ鶏というんだそうです。
 作り方はそう難しくありません。鶏肉をゆでてタレをかけるだけです。ただあるていど時間をかけたほうがおいしくできます。
 まず、鶏肉をゆでます。もも肉がいいでしょう。大きめの鍋に鶏もも肉、長ネギの青いところ、しょうがを入れて20分ぐらいゆでます。そして、次がポイントですが、20分たったら火を止めて、鶏肉を湯につけたままさまします。けっして、すぐ鶏肉を鍋から出さないでください。ゆでている間に鶏肉のうま味が湯の中に出るのです。すぐ鶏肉を鍋から出すと、うま味の抜けただしがらの鶏肉となっていておいしくありません。さましている間に、湯の中に流れ出た肉のうま味が、また肉に戻ってくるのです。煮物はさめていく間においしくなるのと同じリクツです。完全に鶏肉がさめたら、表面にゴマ油を塗って食べやすい大きさに切ります。
 次にタレ作りです。ボールに豆板醤、甜麺醤、芝麻醤、一味唐辛子を入れておきます。ゴマ油を熱します。煙が出るぐらいチンチンに熱くします。この熱い油をボールにそそぎます。ジュといいます。ボールの置き場所に気をつけてください。熱に弱いところに置くと跡が残ります。このボールに砂糖、醤油、おろしにんにく、ラー油、ゴマを入れたらタレの出来上がりです。
 きゅうりを叩きつぶして軽く塩してお皿にしきます。その上に鶏肉を乗っけて、タレをかけ、砕いたピーナッツを振って、香菜をそえたらできあがりです。
 ゴマのコク、ゴマ油と芝麻醤の香り、甜麺醤の甘み、豆板醤と唐辛子のピり辛、そして鶏もも肉の旨み、渾然一体となって実においしいです。
 
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19年前、瓦礫の荒野を走った

「あの日」から19年たった。1月17日。この日付を私は生涯忘れない。自分の誕生日を忘れても1月17日は忘れない。
 あの日は、三連休も終わり出勤しなくてはならない。布団の中で目覚め、さて、起きようかと思っていた。突然、下から突き上げられた。ドン!一瞬、身体が浮き上がったようだ。次の瞬間、激しく上下に揺さぶられた。家族を連れて明け方の街に出ると、街は破壊されていた。
 震災発生から3日間は近くの小学校に避難していた。その後は灘区の山手で被害が少なかった親戚宅に身を寄せていた。水道が復旧するまで、そこで避難生活をしていた。幸い車は無事だった。
 少し落ち着いてきたので出勤し始めた。電車はまだ動いてなかったので、車で通勤していた。神戸市灘区から国道2号線を東に走る。国道の周辺は瓦礫の荒野と化していた。そんな風景の中を走っていると、ラジオから、本田路津子さんの「ひとりの手」が流れてきた。涙が止まらなかった。 
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