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いっとかなあかん神戸


 江弘毅    140B

「いっとかなあかん神戸」である。「いっとなかあかん神戸のお店」ではない。分類すれば、いわゆるグルメのガイドブックである。おいしそうなお店がいっぱい紹介されている。どのお店もたいへんに魅力的で、一度は行きたいと思わせるし、小生(雫石)が行ったことのあるお店も何軒かこの本に載っている。
 そのへんになんぼでもある凡百のガイドブックはデジタルでお店を紹介している。味A、接客C、店内インテリアB、というぐあい。この本はお店の紹介がアナログでなされている。だから立体的にそのお店が判る。
 たんなるグルメガイドではなく、書名からも判るように神戸という街そのものの紹介にもなっている。こういうお店が神戸にあるよ。と、いうのではなく、こういうお店がある街が神戸だよ。と、いうことである。
 著者は神戸大学出身者。だから学生時代は神戸にいた。卒業後も神戸に在住。だから、出てくるお店の多くは、この本のために取材したお店ではなく、昔から著者が個人的に好きで通っているお店。だから、それぞれのお店に対する著者の想い入れが読み取れる。
 グルメガイドでありつつも、エッセイ集としても読める。おいしいもん好き、神戸好きな人におすすめ。
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