雫石鉄也の
とつぜんブログ
性悪女「勝利の女神」に翻弄されて5時間25分の死闘
死闘、総力戦やった。阪神、中日両軍とも、選手を使い果たした。「勝利の女神」とやらはおるんやろか。もしおるんやったら、とんでもない性悪女やな。
彼女に真剣に恋する男がふたり。盛んにラブコールするが、こっちににっこり、あっちににっこり。阪神ににっこり。あわやホームランゆう当たりを何本も打たす。中日ににっこり。藤川は投げてしもうた。疫病神安藤が、ノーアウト満塁にお膳立て。バッター和田。その和田空振り三振。
結局「勝利の女神」は謎めいた微笑を残して去って行った。あの女、なんだったんだ。
彼女に真剣に恋する男がふたり。盛んにラブコールするが、こっちににっこり、あっちににっこり。阪神ににっこり。あわやホームランゆう当たりを何本も打たす。中日ににっこり。藤川は投げてしもうた。疫病神安藤が、ノーアウト満塁にお膳立て。バッター和田。その和田空振り三振。
結局「勝利の女神」は謎めいた微笑を残して去って行った。あの女、なんだったんだ。
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ウナギとニラのスパゲッティ
今年の土用の丑の日は7月26日だった。この日の夕食はコープの冷凍もんではあるが、ウナギを食べた。土用に限らず夏の暑い時期にはウナギを食べたい。でも、いつもウナ丼ばかりじゃ面白くない。今朝はスパゲッティにしよう。夏バテぎみだからスタミナのつくスパゲッティがいい。ウナギともう一つスタミナのつく野菜を組み合わせる。スタミナ野菜というと、なんといってもニラ。と、いうわけでウナギとニラでスパゲッティを作る。
中華鍋にゆでたスパゲッティを入れて、切ったウナギの蒲焼を加える。酒、醤油、オイスターソース、蒲焼のタレで味付け。ニラを加えてひと炒め。一通り混ぜ合わせて出来上がり。
簡単でおいしい。
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とつぜんSFノート 第9回
チャチャヤングのショートショートコーナーがどういう経緯で始まったのか、よく憶えていない。パーソナリティーが眉村卓氏だから、当然、リスナーの中にSF好きが占める割合が多いことは考えられる。
星新一の影響だろう。SF好きには手のけいれんに悩まされる者がけっこういる。本を読むだけでは満足せず、手に筆記用具を握りたくなる。それで紙に字を書きたくなる。字を連ねて文章にしたくなる。
小生もそうだが、SF入門期にまず接するのが星新一だ。大変にとっつき易い。ショートショートで短いから読みやすく、スラスラいくらでも読める。一つ読むと、次が読みたくなる。次々と、やめられないとまらない、カッパえびせん状態となる。で、ひととおり星新一を読むと、次なる症状として、さっきいった手のけいれんが始まる。こんなんぼくにも書けるやん。ところがこれが大きな間違い。星新一のショートショートは星新一にしか書けない。あたりまえのこと。星新一の文章は、普通の人はとてもじゃないが書けるものではない。平易な文章で読みやすい文だから、書けそうだが書けない。星新一の文章は読みやすいが、書き難いのである。
ただ、SFにショートショートというジャンルがあったおかげで、多くのSFファンが書いてやろう、と思い、実際に書いた。それがきっかけでプロにデビューした作家もいる。池波正太郎の時代劇を読んで、ぼくも時代劇を書いてやろうと思う人はごくまれだろう。ところが、星新一のショートショートを読んで、ばくも書いてやろうと思う人はけっこういるのである、1000枚の長編は書く気にはならないが、5枚のショートショーなら書いてみようと思うのである。小生もそう思った若いSF者の一人である。
実は小生、チャチャヤング以前もショートショートを書いていた。そのころに書いたものは、ひとつも手元に残っていないが、非常に稚拙なものを書いていたと思われる。当時は同人誌などには属していなかったから、ボーイズライフという雑誌に投稿していた。ボーイズライフには「1000字コント」という、読者投稿のページがあって、作品を募集していた。小生と同世代のSF者のお歴々の中にも、きっとこの雑誌のこのページに投稿されたことがおありだろう。それ以前にはSFマガジンの裏表紙でショートショートを募集していたが、そのころは、小生はSFマガジンを定期購読していなかった。と、いうよりSFマガジンの存在を知らなかった。
ともかく、眉村卓氏がパーソナリティをやっている「チャチャヤング」にショートショートコーナーができた。このコーナーの初回の放送は知らないが、小生が聞いたのは、初期であることは確か。もちろん、初めて聞いたその翌日、すぐに書いてすぐ投稿した。それから、毎週、週に最低1本はショートショートを書いて、せっせと投稿していた。だから、小生は、チャチャヤングのショートショートコーナーの投稿者としても、比較的初期からの投稿者ではないだろうか。
眉村氏は投稿されてきた作品を、一点一点ていねいに講評し、ランクをつけたいった。最初はA、B、Cというランクだったが、もっと細分化したランク分けされるようになった。AとBの間にも、A上、A上格、準A,など三つか四つのランクがあった。小生は投稿すると、たいてい紹介された。ちなみに雫石鉄也というペンネームはこのころから使い出した。40年近くこのペンネームを使っている。本名だけ名乗っている時間よりも、雫石鉄也を名乗っている時間の方が多くなった。
Aランクをもらうと、その時の眉村さんの最新刊の本をもらえた。小生も2冊もらった。もちろんサイン入り。そのうち、上位ランクになる常連が固定されるようになった。和田宜久、SA,南山鳥27、小川圭太、宇井亜綺夫、小野霧宥、原戸丈二、柊たんぽぽ、寺方民倶、松橋えり子、妹尾俊之、谷垣甲州といった人たち。小生もその末席を汚させてもらった。常連だったこれらの人のうち何人かとは今も交流がある。小生の一生の財産だ。
星新一の影響だろう。SF好きには手のけいれんに悩まされる者がけっこういる。本を読むだけでは満足せず、手に筆記用具を握りたくなる。それで紙に字を書きたくなる。字を連ねて文章にしたくなる。
小生もそうだが、SF入門期にまず接するのが星新一だ。大変にとっつき易い。ショートショートで短いから読みやすく、スラスラいくらでも読める。一つ読むと、次が読みたくなる。次々と、やめられないとまらない、カッパえびせん状態となる。で、ひととおり星新一を読むと、次なる症状として、さっきいった手のけいれんが始まる。こんなんぼくにも書けるやん。ところがこれが大きな間違い。星新一のショートショートは星新一にしか書けない。あたりまえのこと。星新一の文章は、普通の人はとてもじゃないが書けるものではない。平易な文章で読みやすい文だから、書けそうだが書けない。星新一の文章は読みやすいが、書き難いのである。
ただ、SFにショートショートというジャンルがあったおかげで、多くのSFファンが書いてやろう、と思い、実際に書いた。それがきっかけでプロにデビューした作家もいる。池波正太郎の時代劇を読んで、ぼくも時代劇を書いてやろうと思う人はごくまれだろう。ところが、星新一のショートショートを読んで、ばくも書いてやろうと思う人はけっこういるのである、1000枚の長編は書く気にはならないが、5枚のショートショーなら書いてみようと思うのである。小生もそう思った若いSF者の一人である。
実は小生、チャチャヤング以前もショートショートを書いていた。そのころに書いたものは、ひとつも手元に残っていないが、非常に稚拙なものを書いていたと思われる。当時は同人誌などには属していなかったから、ボーイズライフという雑誌に投稿していた。ボーイズライフには「1000字コント」という、読者投稿のページがあって、作品を募集していた。小生と同世代のSF者のお歴々の中にも、きっとこの雑誌のこのページに投稿されたことがおありだろう。それ以前にはSFマガジンの裏表紙でショートショートを募集していたが、そのころは、小生はSFマガジンを定期購読していなかった。と、いうよりSFマガジンの存在を知らなかった。
ともかく、眉村卓氏がパーソナリティをやっている「チャチャヤング」にショートショートコーナーができた。このコーナーの初回の放送は知らないが、小生が聞いたのは、初期であることは確か。もちろん、初めて聞いたその翌日、すぐに書いてすぐ投稿した。それから、毎週、週に最低1本はショートショートを書いて、せっせと投稿していた。だから、小生は、チャチャヤングのショートショートコーナーの投稿者としても、比較的初期からの投稿者ではないだろうか。
眉村氏は投稿されてきた作品を、一点一点ていねいに講評し、ランクをつけたいった。最初はA、B、Cというランクだったが、もっと細分化したランク分けされるようになった。AとBの間にも、A上、A上格、準A,など三つか四つのランクがあった。小生は投稿すると、たいてい紹介された。ちなみに雫石鉄也というペンネームはこのころから使い出した。40年近くこのペンネームを使っている。本名だけ名乗っている時間よりも、雫石鉄也を名乗っている時間の方が多くなった。
Aランクをもらうと、その時の眉村さんの最新刊の本をもらえた。小生も2冊もらった。もちろんサイン入り。そのうち、上位ランクになる常連が固定されるようになった。和田宜久、SA,南山鳥27、小川圭太、宇井亜綺夫、小野霧宥、原戸丈二、柊たんぽぽ、寺方民倶、松橋えり子、妹尾俊之、谷垣甲州といった人たち。小生もその末席を汚させてもらった。常連だったこれらの人のうち何人かとは今も交流がある。小生の一生の財産だ。
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阪神、久保→藤川で、不気味な対中日戦の初戦をとる
見事な投手戦であった。阪神久保、中日吉見、両投手とも、2点と3点を失うが5回以降はゼロを並べる。ボカスカ打ち合う打撃戦も面白いが、こういう投手戦もええ。
久保完投かと思ったけど、8回にピンチ。4番ブランコというところで藤川。イニングまたぎ。だいじょうぶかいな。ブランコを見事三振。その裏、珍しく藤川が打席に、しかも四球で出塁。藤川の出塁なんていつ以来やろ。で、満塁。鳥谷セカンドフライで残塁。
さて9回。藤川、谷繁を四球で出すも、見事おさえる。これぞ守護神。やっぱり藤川球児や。きょうは久保と藤川の二人のピッチャーで勝つ。打線野手全員安打の12安打。それにしては3点はいささか遠慮がすぎるんちゃうんか。遠慮せんともっと点とるべし。
久保完投かと思ったけど、8回にピンチ。4番ブランコというところで藤川。イニングまたぎ。だいじょうぶかいな。ブランコを見事三振。その裏、珍しく藤川が打席に、しかも四球で出塁。藤川の出塁なんていつ以来やろ。で、満塁。鳥谷セカンドフライで残塁。
さて9回。藤川、谷繁を四球で出すも、見事おさえる。これぞ守護神。やっぱり藤川球児や。きょうは久保と藤川の二人のピッチャーで勝つ。打線野手全員安打の12安打。それにしては3点はいささか遠慮がすぎるんちゃうんか。遠慮せんともっと点とるべし。
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ICOCAは便利か?
通勤にはJRを使っている。定期はICOCAだ。定期入れに入れたままでも、機械にタッチするだけで改札が通れる。便利である、とJRはPRしている。ICOCA以前の磁気カードの定期券だと、定期入れから出して、機械のスリットに差し込まなくてはならない。これと比べれば確かにICOCAは便利だ。
しかし、ずっと昔は、磁気カード定期よりも、ICOCAよりも便利だった。機械のスリットに入れなくても、タッチしなくてもOKだった。定期券を駅員に見せるだけでよかった。
JRはICOCAは便利だとPRしているが、ICOCAは人間のやっていた定期券の確認という仕事を、機械にやらせて人員削減をやったJRの都合でできたものではないか。乗客の立場からすると昔の定期の方がよほど便利だ。
しかし、ずっと昔は、磁気カード定期よりも、ICOCAよりも便利だった。機械のスリットに入れなくても、タッチしなくてもOKだった。定期券を駅員に見せるだけでよかった。
JRはICOCAは便利だとPRしているが、ICOCAは人間のやっていた定期券の確認という仕事を、機械にやらせて人員削減をやったJRの都合でできたものではないか。乗客の立場からすると昔の定期の方がよほど便利だ。
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PLUTO
浦沢直樹×手塚治虫 小学館
オリジナルは、ご存知、大手塚の作品で最も人口に膾炙した鉄腕アトムの、「地上最大のロボット」
浦沢直樹の才能に感服した。これはたんなるリメイクではない。この作品を読んで、浦沢の手塚に対する尊敬の念はよく判る。しかし、浦沢は単純に手塚をあがめているだけではない。そういう作品だと、手塚真が許可しないはず。手塚真は浦沢に「浦沢さんのプルートウを書いてください」と要望した。その要望は見事にかなえられた。お釣りがくるほど。これはまごうことなく浦沢直樹の作品でありつつも、手塚治虫に対する愛も感じられる。しかも、浦沢は手塚とがっぷり四つの互角の勝負をしている。もし手塚治虫本人が存命ならば、こういう企画はOKしなかっただろう。手塚は自分を超える後輩の存在を非常に気にしていたから。
世界最高水準のロボットが7体いる。スイスのモンブラン、スコットランドのノース2号、トルコのブランド、ギリシャのヘラクレス、オーストラリアのエプシロン、ドイツのゲジヒト、日本のアトム。
彼らはいずれも第39次中央アジア紛争に関わっている。モンブランが殺された。ノース2号もブランドも殺された。そして高名なロボット学者やロボット人権活動家も殺された。その死体に不思議な角が。その裏でささやかれる不思議な言葉「プルートウ」そして「ボラー」
第39次中央アジア紛争とは明らかに、9.11以降のイラン戦争のこと。あの戦争の結果、フセインは捕まり処刑されたが、結局大量破壊兵器は見つからなかった。あの戦争に大義はなかった。憎しみだけが残った。この作品の第39次中央アジア紛争も同じ。大量破壊ロボットはなかった。憎しみだけが残った。
ある意味、伊藤計劃の「虐殺器官」と地下の水脈でつながっている。完璧なロボットとは何かを問いかけてくる。極限まで人間に近いロボットが完璧なロボットか。だったらロボットは憎しみを持つか。人を殺すロボットが完璧か。作中で天馬博士がいう「間違いを犯すロボットが完璧だ」
抑制された哀しみと、憎しみがただよう名作ロボット漫画だ。
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阪神打線は危険物。尾花さん、危険物取扱の資格持っとうか
いつぞや赤星さんが解説でいっとった。「今年の阪神の打線は危険物」そのとおりや。阪神打線は危険物なんや。いったん火がつくと爆発して非常に危険。だから阪神の相手をするチームの監督さんは危険物取扱者の資格がいるんや。資格のない者が取り扱ったら大ケガするで。
どうも横浜の尾花さんは危険物取扱者の資格を持っていないようやな。危険物の扱い方を知らんと見える。だから清水の変え時を間違ったんや。とはいいつつも代わりのピッチャーを出しとってもあかんかったやろ。
阪神危険物、7回に小爆発をえんえんと繰り返し6得点。一気に逆転。首位をキープ。さて、このあと危険物取扱の資格を持っていると思われる落合さんの中日と3連戦。なんぼ資格を持っていても、危険物は危険物。爆発させるとえらいこっちゃで。
どうも横浜の尾花さんは危険物取扱者の資格を持っていないようやな。危険物の扱い方を知らんと見える。だから清水の変え時を間違ったんや。とはいいつつも代わりのピッチャーを出しとってもあかんかったやろ。
阪神危険物、7回に小爆発をえんえんと繰り返し6得点。一気に逆転。首位をキープ。さて、このあと危険物取扱の資格を持っていると思われる落合さんの中日と3連戦。なんぼ資格を持っていても、危険物は危険物。爆発させるとえらいこっちゃで。
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お暑うございます
お暑いですね。連日猛暑が続いております。いかがお過ごしでしょうか。体調など、くずされることのなきよう、どうかご自愛ください。
わたくし、職務上の必要から、毎日、正午の気温を計測して記録しているのですが、この一週間の記録を紹介しましょう。場所は、神戸市兵庫区です。
7月20日 38℃
7月21日 33℃
7月22日 34℃
7月23日 33℃
7月24日 40℃
7月25日 38℃
7月26日 39℃
24日はとうとう40℃を記録しました。ちなみに昨年の同月同日の記録を見て見ましょう。
7月20日 29℃
7月21日 24℃
7月22日 27℃
7月23日 34℃
7月24日 30℃
7月25日 28℃
7月26日 30℃
昨年がいかに涼しい夏だったかお判りですね。昨年は冷夏だったのです。昨年の21日などは24℃です。寒いぐらいですね。今年の暑さは異常だという人がおりますが、昨年の涼しさの方が異常ではないのでしょうか。
わたくしは、7月生まれのためか、暑さには強い方です。職場には冷房はもちろん、扇風機も置いてませんが、平気です。でも、自宅では軽く冷房を入れていますし、夜、寝る時は氷枕をして寝ます。
思い起こすに、わたくしたちが、子供のころの夏は、大変に暑かった記憶があります。毎年、今年並みの暑さだったような気がします。とはいうものの、くわしく記録を調べてないのですが、気温は確実に上昇しているのですね。それを実証しているものがおります。セミです。
昔は、関西のセミの主流はジージーとなくアブラゼミでした、今はシャアーシャアーとなくクマゼミです。今でもアブラゼミはいますが、遠慮がちに鳴いております。クマゼミがわが世の夏を謳歌しております。クマゼミは元来は南方系のセミで、そのセミが大きな顔をしているということは、このあたりも南方なみの気温になったということでしょうか。
わたくし、職務上の必要から、毎日、正午の気温を計測して記録しているのですが、この一週間の記録を紹介しましょう。場所は、神戸市兵庫区です。
7月20日 38℃
7月21日 33℃
7月22日 34℃
7月23日 33℃
7月24日 40℃
7月25日 38℃
7月26日 39℃
24日はとうとう40℃を記録しました。ちなみに昨年の同月同日の記録を見て見ましょう。
7月20日 29℃
7月21日 24℃
7月22日 27℃
7月23日 34℃
7月24日 30℃
7月25日 28℃
7月26日 30℃
昨年がいかに涼しい夏だったかお判りですね。昨年は冷夏だったのです。昨年の21日などは24℃です。寒いぐらいですね。今年の暑さは異常だという人がおりますが、昨年の涼しさの方が異常ではないのでしょうか。
わたくしは、7月生まれのためか、暑さには強い方です。職場には冷房はもちろん、扇風機も置いてませんが、平気です。でも、自宅では軽く冷房を入れていますし、夜、寝る時は氷枕をして寝ます。
思い起こすに、わたくしたちが、子供のころの夏は、大変に暑かった記憶があります。毎年、今年並みの暑さだったような気がします。とはいうものの、くわしく記録を調べてないのですが、気温は確実に上昇しているのですね。それを実証しているものがおります。セミです。
昔は、関西のセミの主流はジージーとなくアブラゼミでした、今はシャアーシャアーとなくクマゼミです。今でもアブラゼミはいますが、遠慮がちに鳴いております。クマゼミがわが世の夏を謳歌しております。クマゼミは元来は南方系のセミで、そのセミが大きな顔をしているということは、このあたりも南方なみの気温になったということでしょうか。
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首位になってしもた。中日に油断すな
しもた勝ってもた。首位になってしもたやないか。どないすんねん。早よすぎるやないか。ワシは巨人を抜くのは秋になってからでええゆうとんのに。こうなったらしゃあない。このまま一気に首位を保ったまま突っ走れ。間違っても巨人とくんずほぐれつの首位あらそいしたらあかんで。首位あらそいするんやったら2位のままずっとおれ。2位やで2位。3位になったらあかん。これからの真の敵は、巨人より投手力に勝る中日や。巨人とからみおうとる間に、漁夫の利を取られそうな感じやな。
マートンが打てんな。スランプか?師匠スジのアンディ・シーツはスランプになると長かったけど、彼はそうでないことを祈る。
マートンが打てんな。スランプか?師匠スジのアンディ・シーツはスランプになると長かったけど、彼はそうでないことを祈る。
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紅の豚
監督 宮崎駿
出演(声) 森岡周一郎、加藤登紀子、桂三枝、岡村明美、大塚明夫、上条恒彦
この映画のキャッチコピーが「カッコイイとは、こういうことさ」そのとおり、ごっついカッコええ映画である。
主人公のポルコ・ロッソはもちろん、マダム・ジーナもミスター・カーチスもフィオも、ピッコロ社のオヤジ、マンマユート団のボス、フェラーリン、出てくるキャラみ~んなかっこいい。
「飛ばない豚は、ただの豚だ」
「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なのよ」
「俺はファシストになるぐらいなら豚になる」
「スパイ?もっと勤勉なヤツがやることだ」
かっこええセリフも満載である。「カリ城」を別にすれば、宮崎駿の作品では、ゆいいつ大人の男が主人公。お子様を意識しないで作ったのだろう。ただし、この映画の観客としてターゲットとしたのは、「少年」の残滓をいまだに、たっぷりと体内に残している大人たちだ。世の中の酸いも甘いもかみ分け、人生経験を積んだ大人でありながら、体内に残る「少年」をいたく刺激する映画だ。「かゆい所に手が届くとは、こういうことさ」という映画である。
第1次大戦と第2次大戦のあいだ。世界大恐慌の時代。地中海アドリア海に空賊が出没していた。その空賊の天敵が紅い飛行船に乗る、賞金稼ぎポルコ・ロッソ。かってイタリア空軍のエースパイロットであったポルコは、魔法で豚に変身し軍を抜ける。「国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ばなきゃならないんだ」が、嫌になったのだろう。空賊どもはポルコに対抗するため、用心棒としてアメリカ人のカーチスを雇う。
ポルコ、空賊、呉越同舟で居られる場所が、ホテル・アドリアーノ。美しきマダム・ジーナにはアドリア海の飛行船乗りはみんな恋している。だから、荒くれ男たちもここではみんな、オトナにしているのだ。
そうこうしているうちに、空賊連合が取り仕切って、ポルコVSカーチスの決闘が行われることになった。
宮崎アニメのお約束、空飛ぶシーンがいっぱいでてくる。飛ぶ飛行機が飛行船だから、きれいな海もいっぱい。特にポルコのアジトの小島の海がきれいだった。小生もあんな島が欲しいな。
機関銃の銃弾が飛び交い、手榴弾が爆発するが、それは人に当たらない。この映画、派手な空中戦はあるが血は一滴も流れない。彼らは戦闘機の空中戦をやっているのではなく、ある種のスポーツをやっているのだろう。決して戦争ではない。戦争ではないのだから豚のポルコが喜喜としてやっているのだろう。だから、爽快で後味がいいのだ。
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北京風酢豚
今夜は酢豚だ。酢豚というと日本人が想い浮かべる代表的な中華料理。揚げた豚肉に、ピーマンや椎茸、にんじん、玉ねぎ、それに、はなはだしい場合はパイナップルまで入っている。具だくさんの料理。でも、あのパイナップルなんかが入っている酢豚は広東料理。きょうは北京風酢豚を作る。北京風酢豚は豚肉だけの酢豚。シンプルである。
豚肉はヒレ肉のかたまりを使った。塩、こしょうして、酒、醤油で下味を付けておく。甘酢を作る。小生は広東風酢豚も作るが、その時はベーズはスープで、ケチャップやジャム、梅干しなんかを入れるが、今回は、黒酢、砂糖、塩、水でシンプルに行こう。ただし、酢は日本の米酢ではなく、中国の黒酢を使おう。砂糖も黒砂糖を使う。
下味の付いた豚肉に片栗粉をまぶして揚げる。160度ぐらいでじっくりと火を通す。同時に別の鍋で甘酢を熱しておく。片栗粉を水で溶いでおく。
豚肉が揚がったら、あとは手早く。肉が熱々のうちに熱い甘酢に。水溶き片栗粉でとろみを付けてできあがり。
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かぼちゃのたいたん
かぼちゃはホクホクと甘くおいしおすな。天ぷらやスープ、どないに料理してもよろしおすけど、アテは普通に煮物にするのんが一番好きどすな。ほたらきょうのおかずは、かぼちゃのたいたんにしよ。
かぼちゃは食べやすい大きさに切る。皮はだんだらにむいたらよろしおす。生のかぼちゃは、結構硬いから、切る時、包丁で指切らへんように、お気をつけておくれやす。
鍋に皮が下になるように、かぼちゃを並べて、ひたひたに出汁をはります。出汁は昆布鰹だしでよろしおす。さてあとは味付けどすけど、肝心なことが一つ。醤油や塩を先に入れたらアカン。砂糖、味醂、お酒でまず味付け。しばらくして薄口醤油。かぼちゃが柔こうなったら、濃口醤油をさっとかけるんどす。
炊きあがったら、そのまま鍋にいれたままにしときます。味がようしみておいしおす。
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101個目の首
坂を一気に下り降りる。気付かれた。特急電車が逃げる。何かに蹴飛ばされたような加速だ。線路に降りた。電車は十メートルは先を走っている。
ペダルを蹴飛ばす。電車との距離が縮む。よし、もらった。タカはさらに力を込めてペダルを踏む。電車の後部が、手が届きそうな距離になった。目だけ動かして左右を見た。仲間の自転車が併走して走っている。左右で三台ずつ。
電車はなんとかスピードを上げようとしている。しかし、これが限界のようだ。ごくわずかずつ距離が縮む。
突然、タカはブレーキを踏んだ。同時に左右の六台に合図を送った。七台の自転車は左右に分かれた。次の瞬間、電車は急停止した。 基本的なワザだ。賊が真後ろから追尾している時に使う。タイミングよく決まると、電車の最後尾に、賊を激突させることできる。失敗すれば追いつかれる。その電車は失敗したようだ。
バカめ。このワザは線路の両側に余地がない時に使うワザだ。電車が急停止しても、逃げ場があるこんな所で使うワザではない。 機関長はなにも知らない新人か、狼狽して我を忘れたかどっちかだ。後者だろう。
電車からの攻撃は軽微であった。散発的に放たれる矢をかいくぐって、七人の賊が車内に乱入した。二人が前部の運転席のある先頭車と、二両目の機関車に向かい、二人が最後尾の車掌室を占拠する。あとの三人が乗客の監視をする。
タカが機関車に入る。先頭車を背中に、男が両手に木槌を持って座っている。その男だけが、こちら向き、つまり電車の後ろを向いて座っている。あと、筋骨たくましい男たちが前を向いて、二十人二列に並んで座っていて、男たちはペダルに足をのせている。
この二十人の男たちが機関車の動力だ。こちらを向いている男が、この機関車を制御する機関長だ。電車といっても、電力で動いているわけではない。人力で動く電車だ。大昔の慣わしに従って電車といっている。
タカが機関長に近づく。機関長はおびえている。数秒後の自分の運命が判っているから。車賊に襲われ、制圧された電車の機関長がどういう目にあうか。
機関長が刀を抜いた。サシの対決に持ち込むつもりか。こやつ乗客の安全を考えないのか。
機関長が打ち込んだ。タカの右手が閃いた。瞬間、機関長の首が胴から離れて落ちた。胴の首が付いていた跡から血液が噴出した。首を拾ってタカが後ろの男に渡す。
「今年になって初めての獲物だ。お前の自転車にくくりつけておいてくれ」
「俺の自転車、いっぱいなんだが」
「そうか。アジトへ戻ったらいくつか外して、埋葬しよう。それまで俺の自転車につけておく」
あとの五人がタカの下に集まってきた。
「収穫は」
「まあまあってとこだ」
「そうか。引き上げの用意をしておいてくれ。俺は乗客にあいさつをしてくる。お前は運転士を解放してくれ」
部下の一人が運転席に、タカが客車に行く。
二両ある客車の一両に乗客が集められている。
「私が頭目のタカです。どうもご迷惑をおかけしました。私たちは車賊です。あなたたちの金品をいただきます。車賊ショーの観覧料だと思ってあきらめてください。なお、私たちは無抵抗の者を傷つけ殺めることはしません。ただ、車賊のしきたりに従って、獲物となった電車の機関長の首だけは獲りました。追跡を試みる者は容赦しません。では、よい旅をお続けください」
タカはそれだけいうと、電車を飛び出した。止めてある自分の自転車に飛び乗って走りだす。ハンドルの前部には、数個の人間の生首がぶら下げてある。何個かは乾燥して縮んでミイラになっている。その中の一個を外して自転車の後部の篭に入れた。代わりに、いま獲った機関長の首を前部にくくりつけた。
ジュゾウの打つ槌音に合わせて三十人の男たちがペダルをこぐ。この電車は特急電車だ。通常の電車より機関員の数が十人多い。
トン、トン、トン、トン、トン。巡航速度だ。機関長席のパネルのLEDはグリーンだ。とりあえずは車賊の心配はなさそうである。 ジュウゾウはこちらを向いている三十人の機関員の表情を読む。パネルには押し釦スイッチが三〇個並んでいる。その内の二十個がONだ。
ザンを出発して二時間。次の停車駅のアデリアまで三時間。先は長い。電車は順調に走行している。遅れはない。逆に十五分ほど進んでいる。
ジュウゾウはスイッチを十二個OFFにした。十二人の男が足を休めた。だれを休ませるかは、機関長ジュウゾウの判断だ。いま、この電車は八人の男たちがこぐペダルで走行している。
このあたりは車賊の心配はない。しかし、この先は最も危険な地域だ。先週もジュウゾウの後輩が機関長を務める電車が襲われた。 車賊に襲われ、捕獲された電車の機関長の命はない。斬首される。もし機関長が抵抗すると、乗客に危害が加えられる。機関長の首一つで、乗客と他の乗務員の命は保証されるわけだ。
いつから、こういう習わしができたのか判らない。機関長は電車の動力を司る。運転士以上に重要な役職だ。電車の運命は機関長が握っている。
電車が車賊から逃げおおせたら、そのグループのリーダーはメンバーに首を取られる。新しいリーダーは、元リーダーの首を必ず逃げた電車に届ける。
パネルのLEDが赤に変わった。ジュウゾウの手がすばやく動き三十個全てのスイッチがオンになった。カッ。鋭く短く木槌が鳴った。三十人のこぎ手全員がペダルに足をかけているが、こいでいるのは八人だ。ジュウゾウの合図一つで、三十人全員が全力でペダルをこぐ。電車はいつでも全速力を出せる体勢になった。
「出たか」インターフォンで運転席に聞く。
「はい」
「旗を持ってるか」
「ちょっと待ってください。双眼鏡で見ます」「持ってます」
「どんな旗だ」
「キツネの絵が描いてあります」
「そうか」
車賊が接近してきた。ジュウゾウに緊張はない。
車賊のリーダーが群れから離れ、電車と並行して走る。リーダーは手に持った荷物を竹竿の先にぶら下げて、伸ばしてきた。
「ジュウゾウ、スピードををもう少し落としてくれ」
運転手から連絡があった。
カコーンカコーン。木槌を打つリズムが遅くなった。
運転席から、網が付けられた棒がでた。竹竿の荷物が網に入れられた。網が運転席に取り込まれた。
車賊が去っていく。カン。木槌が大きく鋭く鳴った。電車は元の巡航速度に戻った。
ジュウゾウの手元に、例の荷物が届いた。木箱に入っている。フタを開ける。人間の首が入っていた。先日の車賊の前のリーダーの物だ。
「ゴンジ」こぎ手の一人を呼んだ。
「どっちに」
「そうだな。客室に」
ゴンジは首を持って客室に行った。客室の一番前、天井と出入り口の間にパネルが張ってある。そのパネルにドクロになった人間の首が展示してある。数は八個だ。ゴンジは脚立を持ってきて、九個目を取り付けた。
「ジュウゾウのコレクションがまた増えたな」
乗客の一人が声をかけた。
「そいつは、この前のやつか」
「そうです」
「ワシはあの時乗っていた。あのバトルはすごかったな」
「私も乗っていた。さすがにあの時はダメかと思った」
ジュウゾウが取った車族の首は、数え切れない。この客室には飾りきれない。電車の最後尾にも展示している。また、鉄道会社の展示室にも展示してある。
客室に飾る首が多いと客が安心する。車族は電車の乗客には危害は加えない。電車が捕獲されれば、その責めは機関長一人が負う。機関長の首一つで、乗客、乗員の生命身体の無事は保証される。車族と電車の関係は、肉食獣と草食獣の関係だ。草食獣が減少して一番困るのは肉食獣だ。
最後尾に展示する首は、獲物をうかがう車族への警告になる。
終着駅に着いた。
「停止線まで十メートル」
運転席から連絡が入った。スイッチをすべてOFF。カコーン。ひときわ大きく木槌を打つ。こぎ手全員が足を休めた。電車は惰性で動く。ブレーキがかかる。停止線でピタリと停止した。
ぞろぞろと乗客が降車する。彼らが全員降車した後、運転士、車掌といった乗務員が降車して、最後に三十人のこぎ手と機関長のジュウゾウが降りた。
会社の女子社員が花束を持って、ジュウゾウに近寄ってきた。駅の放送が鳴った。
「お知らせします。このたびの運行でジュウゾウ機関長は車族の首、一個取りました。これで、ジュウゾウ機関長の取った首は百個目になります。その栄誉をたたえて花束を贈ります」
花束を抱えたジュウゾウの元に社長が歩み寄ってきた。
「おめでとう。ジュウゾウくん。君のおかげで、わが社の電車は乗客数ナンバー1の座を維持できる。君が機関長だと安心して旅ができる」
「ありがとうございます」
「ところで、次はどの首を取る」
「百一個目の首は決めているんです」
「だれだ」
「タカです」
「では、タカの百個目の首奪取を祝って乾杯」
ヒゲ面の男がグラスを上げた。そこにいる二七人の男どもがビールを一気に空けた。座の真ん中に座るタカの背後のパネルにはずらりと首が展示してある。いずれ電車の機関長の生首だ。彼が乗る自転車に付けている分も含めてちょうど百個になる。
「タカ、さっ空けてくれ」
老人がタカにビールを注ぎに来た。グループの最長老ジンだ。
「われわれ車賊は電車とともにある。電車あっての車賊ぞ。だから機関長の首を取る以外、乗客乗員だれ一人傷つけてはいかんのじゃ。乗客からいただく金品も必要以上いただいてはいかん。
狙った獲物を取り逃がした車賊のリーダーは首を鉄道に差し出さなければいかん。電車の機関長と車賊のリーダーは首を賭けた勝負をしているのじゃ。お前はその勝負に百回勝った。もっと誇っていいぞ」
「意識して首を集めたわけじゃない。一族を養うために、成すべきことをしているだけだ。それに俺も首を失いたくない」
タカはビールを飲み干していった。ジンにほめられてはいるが、さしてうれしそうではない。
「ジンよ、われわれ車賊で、機関長の首を百個以上取ったリーダーは二人だけじゃな。このタカと、七年前に首を取られたヨシノボリの二人だけじゃ」
ジンの隣のもう一人の年寄りがいった。
「ヨシノボリは何個の首を取ったんじゃった」 ジンが聞く。年寄りは少し頭を傾けて考えた。
「一三四個じゃ」
「そうか、それじゃ今年中にタカが記録を塗り替えるな。どうじゃ」
「俺はそんなことは気にしていない」
「ヨシノボリの首を取ったヤツはなんというヤツじゃったかな」
「ジュウゾウちゅうヤツじゃ」
「ところでタカ、百一個目の首はだれの予定じゃ」
「ジュウゾウだ」
「来たか」
「来た」
「ジュウゾウに間違いないな」
「間違いない。電車のケツに首を十三個くっつけている。一番右の首が先週やられたオツジだ」
丘の上に自転車が二十台。タカたち車賊だ。丘の下をレールが延びている。向こうがわにも丘がある。レールは丘と丘の間のV字型の谷の底を走っている。
平原を走る電車は、タカたちがいる丘から、まだまだ離れた所を走る。V字型の谷にさしかかるまで、もう少し時間がかかりそうだ。 この谷に入る手前でレールは上がり勾配となり、谷を出ると下りとなり、後は平らな平原が地平線のはてまで続いている。
どこで電車に襲撃をかけるか。谷をいかに使うか。谷を抜け、平原に出てガチンコ勝負といくか。
電車が谷に入ろうとする。一気に勝負を決するのなら今だ。丘の上から駆け下りて、電車に飛び移り、車内を制圧、ただちに機関長のジュウゾウの首を取る。
この時点での襲撃は、圧倒的にタカたち車賊にとって有利だ。そんなことはジュウゾウとて百戦錬磨の機関長、充分に判っているはずだ。
電車が谷に入った。両側から丘の上から見下ろされる。ここで襲撃を受ければひとたまりもない。
「カコーン」
三十人のこぎ手全員が耳を疑った。停止の合図だ。谷の底で電車を停止させる。機関長は何を考えている。首はいらんのか。
「罠か」
そうつぶやいたタカは、少しだけ考えた。罠なら罠でいい。あえて罠に飛び込むのも面白い。また、せっかくの罠だが、無視するのもいい。
絶好の襲撃ポイントで停止するということは、襲撃してこいというメッセージを発しているのだ。いいだろう。お誘いに乗ってやろうじゃないか。
「GO」
鋭く合図した。二十台の自転車がいっせいに丘を下った。
その時、線路の向こう側の丘に砂煙が上がった。こちらと同じぐらいの数の自転車が、電車に襲いかかろうとしている。車賊だ。人数は、タカたちのグループと同じぐらい。二十人程度。その自転車は緑色に塗装されている。先頭を走るのは、一味のリーダーだ。
「ノリスだ」
同じ電車に二組の車賊が襲いかかろうとしている。たまにあることだ。どうする。タカは瞬時の決断を迫られた。
ノリス一味を撃破して電車を襲う。ノリスは無視して電車を襲う。撤退する。静観する。電車はどう動く。ノリスは何を考えている。ジュウゾウの首を取る。その目的のため、どうすればいいか。
ただ、一つはっきりしていることがある。電車の機関長ジュウゾウも、車賊ノリスも、タカに勝るとも劣らない戦上手であるということだ。
タカはそのまま自転車をこいだ。決断した。ともかく電車を襲う。ジュウゾウの首を取って、その後、ノリスと勝負をつければいい。「カンカンカンカンカン」
木づちが連続して鋭く鳴った。全速力の合図だ。六十本の強力な脚がいっせいにペダルをこぎだした。電車は数秒で全速力に達した。タカとノリスは丘を半分ほど下ったところだ。一刻も早く電車の車体に取り付かなければならない。でないと双方のグループが激突する。
電車の最後尾が目の前を通り過ぎた。障害物が消えた。タカの眼前にノリスがいた。電車は谷間を抜けようとしている。瞬時に決断した。ジュウゾウの首はお預け。自分の首を取られるのも嫌だ。
ノリスには判断の迷いがあった。タカと対するのか、電車を追うのか。この差が勝負を決した。
タカの右手が閃いた。ノリスの首の前を一条の光線が走った。赤く太い糸を引いてノリスの首が宙に飛んだ。
「カン」木槌が鳴った。停止だ。首をぶら下げた車賊のリーダーが線路上で待っていた。ジュウゾウはデッキまで出ていた。
「ジュウゾウか」
「そうだ。お前はタカか」
「俺がタカだ。受け取れノリスの首だ」
「残念だ。百一個はお前の首ときめていたのだがな」
「そんなこというとノリスに失礼だろう」
「そうだな俺が悪かった」
「でも、ま、百一個目はあんただという俺の望みはまだ残っている」
タカはノリスの首をジュウゾウに手渡すと去っていった。
初出 星群85号
ペダルを蹴飛ばす。電車との距離が縮む。よし、もらった。タカはさらに力を込めてペダルを踏む。電車の後部が、手が届きそうな距離になった。目だけ動かして左右を見た。仲間の自転車が併走して走っている。左右で三台ずつ。
電車はなんとかスピードを上げようとしている。しかし、これが限界のようだ。ごくわずかずつ距離が縮む。
突然、タカはブレーキを踏んだ。同時に左右の六台に合図を送った。七台の自転車は左右に分かれた。次の瞬間、電車は急停止した。 基本的なワザだ。賊が真後ろから追尾している時に使う。タイミングよく決まると、電車の最後尾に、賊を激突させることできる。失敗すれば追いつかれる。その電車は失敗したようだ。
バカめ。このワザは線路の両側に余地がない時に使うワザだ。電車が急停止しても、逃げ場があるこんな所で使うワザではない。 機関長はなにも知らない新人か、狼狽して我を忘れたかどっちかだ。後者だろう。
電車からの攻撃は軽微であった。散発的に放たれる矢をかいくぐって、七人の賊が車内に乱入した。二人が前部の運転席のある先頭車と、二両目の機関車に向かい、二人が最後尾の車掌室を占拠する。あとの三人が乗客の監視をする。
タカが機関車に入る。先頭車を背中に、男が両手に木槌を持って座っている。その男だけが、こちら向き、つまり電車の後ろを向いて座っている。あと、筋骨たくましい男たちが前を向いて、二十人二列に並んで座っていて、男たちはペダルに足をのせている。
この二十人の男たちが機関車の動力だ。こちらを向いている男が、この機関車を制御する機関長だ。電車といっても、電力で動いているわけではない。人力で動く電車だ。大昔の慣わしに従って電車といっている。
タカが機関長に近づく。機関長はおびえている。数秒後の自分の運命が判っているから。車賊に襲われ、制圧された電車の機関長がどういう目にあうか。
機関長が刀を抜いた。サシの対決に持ち込むつもりか。こやつ乗客の安全を考えないのか。
機関長が打ち込んだ。タカの右手が閃いた。瞬間、機関長の首が胴から離れて落ちた。胴の首が付いていた跡から血液が噴出した。首を拾ってタカが後ろの男に渡す。
「今年になって初めての獲物だ。お前の自転車にくくりつけておいてくれ」
「俺の自転車、いっぱいなんだが」
「そうか。アジトへ戻ったらいくつか外して、埋葬しよう。それまで俺の自転車につけておく」
あとの五人がタカの下に集まってきた。
「収穫は」
「まあまあってとこだ」
「そうか。引き上げの用意をしておいてくれ。俺は乗客にあいさつをしてくる。お前は運転士を解放してくれ」
部下の一人が運転席に、タカが客車に行く。
二両ある客車の一両に乗客が集められている。
「私が頭目のタカです。どうもご迷惑をおかけしました。私たちは車賊です。あなたたちの金品をいただきます。車賊ショーの観覧料だと思ってあきらめてください。なお、私たちは無抵抗の者を傷つけ殺めることはしません。ただ、車賊のしきたりに従って、獲物となった電車の機関長の首だけは獲りました。追跡を試みる者は容赦しません。では、よい旅をお続けください」
タカはそれだけいうと、電車を飛び出した。止めてある自分の自転車に飛び乗って走りだす。ハンドルの前部には、数個の人間の生首がぶら下げてある。何個かは乾燥して縮んでミイラになっている。その中の一個を外して自転車の後部の篭に入れた。代わりに、いま獲った機関長の首を前部にくくりつけた。
ジュゾウの打つ槌音に合わせて三十人の男たちがペダルをこぐ。この電車は特急電車だ。通常の電車より機関員の数が十人多い。
トン、トン、トン、トン、トン。巡航速度だ。機関長席のパネルのLEDはグリーンだ。とりあえずは車賊の心配はなさそうである。 ジュウゾウはこちらを向いている三十人の機関員の表情を読む。パネルには押し釦スイッチが三〇個並んでいる。その内の二十個がONだ。
ザンを出発して二時間。次の停車駅のアデリアまで三時間。先は長い。電車は順調に走行している。遅れはない。逆に十五分ほど進んでいる。
ジュウゾウはスイッチを十二個OFFにした。十二人の男が足を休めた。だれを休ませるかは、機関長ジュウゾウの判断だ。いま、この電車は八人の男たちがこぐペダルで走行している。
このあたりは車賊の心配はない。しかし、この先は最も危険な地域だ。先週もジュウゾウの後輩が機関長を務める電車が襲われた。 車賊に襲われ、捕獲された電車の機関長の命はない。斬首される。もし機関長が抵抗すると、乗客に危害が加えられる。機関長の首一つで、乗客と他の乗務員の命は保証されるわけだ。
いつから、こういう習わしができたのか判らない。機関長は電車の動力を司る。運転士以上に重要な役職だ。電車の運命は機関長が握っている。
電車が車賊から逃げおおせたら、そのグループのリーダーはメンバーに首を取られる。新しいリーダーは、元リーダーの首を必ず逃げた電車に届ける。
パネルのLEDが赤に変わった。ジュウゾウの手がすばやく動き三十個全てのスイッチがオンになった。カッ。鋭く短く木槌が鳴った。三十人のこぎ手全員がペダルに足をかけているが、こいでいるのは八人だ。ジュウゾウの合図一つで、三十人全員が全力でペダルをこぐ。電車はいつでも全速力を出せる体勢になった。
「出たか」インターフォンで運転席に聞く。
「はい」
「旗を持ってるか」
「ちょっと待ってください。双眼鏡で見ます」「持ってます」
「どんな旗だ」
「キツネの絵が描いてあります」
「そうか」
車賊が接近してきた。ジュウゾウに緊張はない。
車賊のリーダーが群れから離れ、電車と並行して走る。リーダーは手に持った荷物を竹竿の先にぶら下げて、伸ばしてきた。
「ジュウゾウ、スピードををもう少し落としてくれ」
運転手から連絡があった。
カコーンカコーン。木槌を打つリズムが遅くなった。
運転席から、網が付けられた棒がでた。竹竿の荷物が網に入れられた。網が運転席に取り込まれた。
車賊が去っていく。カン。木槌が大きく鋭く鳴った。電車は元の巡航速度に戻った。
ジュウゾウの手元に、例の荷物が届いた。木箱に入っている。フタを開ける。人間の首が入っていた。先日の車賊の前のリーダーの物だ。
「ゴンジ」こぎ手の一人を呼んだ。
「どっちに」
「そうだな。客室に」
ゴンジは首を持って客室に行った。客室の一番前、天井と出入り口の間にパネルが張ってある。そのパネルにドクロになった人間の首が展示してある。数は八個だ。ゴンジは脚立を持ってきて、九個目を取り付けた。
「ジュウゾウのコレクションがまた増えたな」
乗客の一人が声をかけた。
「そいつは、この前のやつか」
「そうです」
「ワシはあの時乗っていた。あのバトルはすごかったな」
「私も乗っていた。さすがにあの時はダメかと思った」
ジュウゾウが取った車族の首は、数え切れない。この客室には飾りきれない。電車の最後尾にも展示している。また、鉄道会社の展示室にも展示してある。
客室に飾る首が多いと客が安心する。車族は電車の乗客には危害は加えない。電車が捕獲されれば、その責めは機関長一人が負う。機関長の首一つで、乗客、乗員の生命身体の無事は保証される。車族と電車の関係は、肉食獣と草食獣の関係だ。草食獣が減少して一番困るのは肉食獣だ。
最後尾に展示する首は、獲物をうかがう車族への警告になる。
終着駅に着いた。
「停止線まで十メートル」
運転席から連絡が入った。スイッチをすべてOFF。カコーン。ひときわ大きく木槌を打つ。こぎ手全員が足を休めた。電車は惰性で動く。ブレーキがかかる。停止線でピタリと停止した。
ぞろぞろと乗客が降車する。彼らが全員降車した後、運転士、車掌といった乗務員が降車して、最後に三十人のこぎ手と機関長のジュウゾウが降りた。
会社の女子社員が花束を持って、ジュウゾウに近寄ってきた。駅の放送が鳴った。
「お知らせします。このたびの運行でジュウゾウ機関長は車族の首、一個取りました。これで、ジュウゾウ機関長の取った首は百個目になります。その栄誉をたたえて花束を贈ります」
花束を抱えたジュウゾウの元に社長が歩み寄ってきた。
「おめでとう。ジュウゾウくん。君のおかげで、わが社の電車は乗客数ナンバー1の座を維持できる。君が機関長だと安心して旅ができる」
「ありがとうございます」
「ところで、次はどの首を取る」
「百一個目の首は決めているんです」
「だれだ」
「タカです」
「では、タカの百個目の首奪取を祝って乾杯」
ヒゲ面の男がグラスを上げた。そこにいる二七人の男どもがビールを一気に空けた。座の真ん中に座るタカの背後のパネルにはずらりと首が展示してある。いずれ電車の機関長の生首だ。彼が乗る自転車に付けている分も含めてちょうど百個になる。
「タカ、さっ空けてくれ」
老人がタカにビールを注ぎに来た。グループの最長老ジンだ。
「われわれ車賊は電車とともにある。電車あっての車賊ぞ。だから機関長の首を取る以外、乗客乗員だれ一人傷つけてはいかんのじゃ。乗客からいただく金品も必要以上いただいてはいかん。
狙った獲物を取り逃がした車賊のリーダーは首を鉄道に差し出さなければいかん。電車の機関長と車賊のリーダーは首を賭けた勝負をしているのじゃ。お前はその勝負に百回勝った。もっと誇っていいぞ」
「意識して首を集めたわけじゃない。一族を養うために、成すべきことをしているだけだ。それに俺も首を失いたくない」
タカはビールを飲み干していった。ジンにほめられてはいるが、さしてうれしそうではない。
「ジンよ、われわれ車賊で、機関長の首を百個以上取ったリーダーは二人だけじゃな。このタカと、七年前に首を取られたヨシノボリの二人だけじゃ」
ジンの隣のもう一人の年寄りがいった。
「ヨシノボリは何個の首を取ったんじゃった」 ジンが聞く。年寄りは少し頭を傾けて考えた。
「一三四個じゃ」
「そうか、それじゃ今年中にタカが記録を塗り替えるな。どうじゃ」
「俺はそんなことは気にしていない」
「ヨシノボリの首を取ったヤツはなんというヤツじゃったかな」
「ジュウゾウちゅうヤツじゃ」
「ところでタカ、百一個目の首はだれの予定じゃ」
「ジュウゾウだ」
「来たか」
「来た」
「ジュウゾウに間違いないな」
「間違いない。電車のケツに首を十三個くっつけている。一番右の首が先週やられたオツジだ」
丘の上に自転車が二十台。タカたち車賊だ。丘の下をレールが延びている。向こうがわにも丘がある。レールは丘と丘の間のV字型の谷の底を走っている。
平原を走る電車は、タカたちがいる丘から、まだまだ離れた所を走る。V字型の谷にさしかかるまで、もう少し時間がかかりそうだ。 この谷に入る手前でレールは上がり勾配となり、谷を出ると下りとなり、後は平らな平原が地平線のはてまで続いている。
どこで電車に襲撃をかけるか。谷をいかに使うか。谷を抜け、平原に出てガチンコ勝負といくか。
電車が谷に入ろうとする。一気に勝負を決するのなら今だ。丘の上から駆け下りて、電車に飛び移り、車内を制圧、ただちに機関長のジュウゾウの首を取る。
この時点での襲撃は、圧倒的にタカたち車賊にとって有利だ。そんなことはジュウゾウとて百戦錬磨の機関長、充分に判っているはずだ。
電車が谷に入った。両側から丘の上から見下ろされる。ここで襲撃を受ければひとたまりもない。
「カコーン」
三十人のこぎ手全員が耳を疑った。停止の合図だ。谷の底で電車を停止させる。機関長は何を考えている。首はいらんのか。
「罠か」
そうつぶやいたタカは、少しだけ考えた。罠なら罠でいい。あえて罠に飛び込むのも面白い。また、せっかくの罠だが、無視するのもいい。
絶好の襲撃ポイントで停止するということは、襲撃してこいというメッセージを発しているのだ。いいだろう。お誘いに乗ってやろうじゃないか。
「GO」
鋭く合図した。二十台の自転車がいっせいに丘を下った。
その時、線路の向こう側の丘に砂煙が上がった。こちらと同じぐらいの数の自転車が、電車に襲いかかろうとしている。車賊だ。人数は、タカたちのグループと同じぐらい。二十人程度。その自転車は緑色に塗装されている。先頭を走るのは、一味のリーダーだ。
「ノリスだ」
同じ電車に二組の車賊が襲いかかろうとしている。たまにあることだ。どうする。タカは瞬時の決断を迫られた。
ノリス一味を撃破して電車を襲う。ノリスは無視して電車を襲う。撤退する。静観する。電車はどう動く。ノリスは何を考えている。ジュウゾウの首を取る。その目的のため、どうすればいいか。
ただ、一つはっきりしていることがある。電車の機関長ジュウゾウも、車賊ノリスも、タカに勝るとも劣らない戦上手であるということだ。
タカはそのまま自転車をこいだ。決断した。ともかく電車を襲う。ジュウゾウの首を取って、その後、ノリスと勝負をつければいい。「カンカンカンカンカン」
木づちが連続して鋭く鳴った。全速力の合図だ。六十本の強力な脚がいっせいにペダルをこぎだした。電車は数秒で全速力に達した。タカとノリスは丘を半分ほど下ったところだ。一刻も早く電車の車体に取り付かなければならない。でないと双方のグループが激突する。
電車の最後尾が目の前を通り過ぎた。障害物が消えた。タカの眼前にノリスがいた。電車は谷間を抜けようとしている。瞬時に決断した。ジュウゾウの首はお預け。自分の首を取られるのも嫌だ。
ノリスには判断の迷いがあった。タカと対するのか、電車を追うのか。この差が勝負を決した。
タカの右手が閃いた。ノリスの首の前を一条の光線が走った。赤く太い糸を引いてノリスの首が宙に飛んだ。
「カン」木槌が鳴った。停止だ。首をぶら下げた車賊のリーダーが線路上で待っていた。ジュウゾウはデッキまで出ていた。
「ジュウゾウか」
「そうだ。お前はタカか」
「俺がタカだ。受け取れノリスの首だ」
「残念だ。百一個はお前の首ときめていたのだがな」
「そんなこというとノリスに失礼だろう」
「そうだな俺が悪かった」
「でも、ま、百一個目はあんただという俺の望みはまだ残っている」
タカはノリスの首をジュウゾウに手渡すと去っていった。
初出 星群85号
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自転車の事故を防ぐ
小生は自宅から最寄の駅までは自転車に乗って通勤している。以前、他の自転車と正面衝突しかけたことがある。
小生が自転車で走っていると、前から買い物帰りのおばさんが自転車でやってきた。自転車は道路交通法では車両だから、小生は左によけた。おばさんも左によければ、なにごともなく通り過ぎれたが、おばさん、何を思ったのか、自転車が車両であることを知らないのか、右によけた。このままでは衝突するので、小生は右によけた。すると、おばさんは今度は左に。お互い、よけようとしているのだが、ぶつかる方へぶつかる方へとハンドルをきっている。危機一髪、衝突はまぬがれたが、おばさん、恐い顔してにらんでいきおった。憎たらしいおばさんじゃわい。
これは小生も、少し反省すべき点はある。自転車は左を走ると定められているのだから、しっかりと、自信を持って左を走れば良かった。それをおばさんの動きにあわせて、フラフラハンドルを切ったのがいけない。こういう場合、往々にして、ぶつかる方へぶつかる方へと進路をとってしまうものだ。当方が間違っていなければ自信を持って自分の進む道を行けばいい。
とはいいつつも、自分が間違っていなくとも、事故になってしまうこともある。臨機応変な対応が必要である場合もある。
小生が自転車で走っていると、前から買い物帰りのおばさんが自転車でやってきた。自転車は道路交通法では車両だから、小生は左によけた。おばさんも左によければ、なにごともなく通り過ぎれたが、おばさん、何を思ったのか、自転車が車両であることを知らないのか、右によけた。このままでは衝突するので、小生は右によけた。すると、おばさんは今度は左に。お互い、よけようとしているのだが、ぶつかる方へぶつかる方へとハンドルをきっている。危機一髪、衝突はまぬがれたが、おばさん、恐い顔してにらんでいきおった。憎たらしいおばさんじゃわい。
これは小生も、少し反省すべき点はある。自転車は左を走ると定められているのだから、しっかりと、自信を持って左を走れば良かった。それをおばさんの動きにあわせて、フラフラハンドルを切ったのがいけない。こういう場合、往々にして、ぶつかる方へぶつかる方へと進路をとってしまうものだ。当方が間違っていなければ自信を持って自分の進む道を行けばいい。
とはいいつつも、自分が間違っていなくとも、事故になってしまうこともある。臨機応変な対応が必要である場合もある。
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とつぜん対談 第18回 砥石との対談
今日の対談相手は砥石さんです。老舗料亭の調理場で働いてこられましたが、このたび退職されます。老舗の味を守り続けてこられた職人さんです。
雫石
こんにちは。ようこそ。
砥石
こんにちは。
雫石
ずいぶんやせましたね。以前お見かけした時は、もっと太っておられたのでは。
砥石
ワシも新人のころは太っていた。ここの板場で10年も働いたらこうなる。
雫石
え、10年ですか。そんなもんですか。もっと長年ここにおられたように感じますが。
砥石
10年じゃ。ワシらの仕事は身を削る重労働じゃ。新人のころは太っていても、10年たてば、こんな紙みたいにペラペラになる。
雫石
砥石さんのいた板場といえば、海場八五郎が料理長でしたね。あの料理の超人として有名な。
砥石
そうじゃ。海場がワシを使っておった。
雫石
海場といえば、刀聖といわれた刀鍛冶、峠の惟七が鍛えた包丁を使っているのですね。テレビの「料理の超人」の時の、調理開始のパフォーマンスは名包丁峠の惟七を研ぐことですね。あの時の砥石はあなたですか。
砥石
ワシじゃ。あれはテレビ向けの演出じゃ。シャシャと2、3度、峠の惟七をワシの表面でなぞるだけじゃろう。あんなもんで包丁がちゃんと研げるはずがない。それに研いですぐの包丁は素材に金っ気が移るから、清水にしばらく漬けておかなきゃならんのじゃ。海場はそんなことしとらんかったじゃろう。
雫石
海場八五郎は料理の超人ということで、今や有名タレントですね。峠の惟七を持ってレトルト食品のCMによく出てますね。超人海場が作ったといって。
砥石
海場、ヤツはもう料理人じゃない。ただのCMタレントじゃ。
雫石
海場といっしょに峠の惟七も有名になりましたね。家庭の主婦がカレー作るのに使ったりして。
砥石
だれでも最初はあの包丁使えば良く切れる。しかし手入れが肝要じゃ。ちゃんと研がなければすぐ切れなくなる。
雫石
研げばだれでも切れ味が保たれるのですか。
砥石
素人じゃ無理じゃ。それに、峠の惟七は砥石との相性がある。ワシのような砥石じゃなければダメじゃ。
雫石
だったら、あなたが引退すると海場の持っている包丁はどうなります。
砥石
知らん。ヤツの峠の惟七はたんなるCMの小道具じゃ。切れ味なんざどうでもええ。
雫石
あなたは今後は
砥石
砕かれて道路の敷石になるそうじゃ。
雫石
あなたは敷石、海場の包丁は有名に・・・。
砥石
砥石と包丁ってそんなもんじゃ。
雫石
こんにちは。ようこそ。
砥石
こんにちは。
雫石
ずいぶんやせましたね。以前お見かけした時は、もっと太っておられたのでは。
砥石
ワシも新人のころは太っていた。ここの板場で10年も働いたらこうなる。
雫石
え、10年ですか。そんなもんですか。もっと長年ここにおられたように感じますが。
砥石
10年じゃ。ワシらの仕事は身を削る重労働じゃ。新人のころは太っていても、10年たてば、こんな紙みたいにペラペラになる。
雫石
砥石さんのいた板場といえば、海場八五郎が料理長でしたね。あの料理の超人として有名な。
砥石
そうじゃ。海場がワシを使っておった。
雫石
海場といえば、刀聖といわれた刀鍛冶、峠の惟七が鍛えた包丁を使っているのですね。テレビの「料理の超人」の時の、調理開始のパフォーマンスは名包丁峠の惟七を研ぐことですね。あの時の砥石はあなたですか。
砥石
ワシじゃ。あれはテレビ向けの演出じゃ。シャシャと2、3度、峠の惟七をワシの表面でなぞるだけじゃろう。あんなもんで包丁がちゃんと研げるはずがない。それに研いですぐの包丁は素材に金っ気が移るから、清水にしばらく漬けておかなきゃならんのじゃ。海場はそんなことしとらんかったじゃろう。
雫石
海場八五郎は料理の超人ということで、今や有名タレントですね。峠の惟七を持ってレトルト食品のCMによく出てますね。超人海場が作ったといって。
砥石
海場、ヤツはもう料理人じゃない。ただのCMタレントじゃ。
雫石
海場といっしょに峠の惟七も有名になりましたね。家庭の主婦がカレー作るのに使ったりして。
砥石
だれでも最初はあの包丁使えば良く切れる。しかし手入れが肝要じゃ。ちゃんと研がなければすぐ切れなくなる。
雫石
研げばだれでも切れ味が保たれるのですか。
砥石
素人じゃ無理じゃ。それに、峠の惟七は砥石との相性がある。ワシのような砥石じゃなければダメじゃ。
雫石
だったら、あなたが引退すると海場の持っている包丁はどうなります。
砥石
知らん。ヤツの峠の惟七はたんなるCMの小道具じゃ。切れ味なんざどうでもええ。
雫石
あなたは今後は
砥石
砕かれて道路の敷石になるそうじゃ。
雫石
あなたは敷石、海場の包丁は有名に・・・。
砥石
砥石と包丁ってそんなもんじゃ。
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