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とつぜんSFノート 第83回

 小生には収集癖はない。お仲間のSFもんには、その癖のあるご仁が多々おられる。SFマガジン創刊号から全巻持っているとか、ハヤカワの銀背コンプリートとか。さぞかし家人に迷惑がられながらコレクションを維持しておられるだろう。金満家ならば専用の書庫などを設えることもできようが、普通の人ならば、家人との、家事スペースか、本の収容スペースか、の領土拡張戦争を繰り広げておられるだろう。
 電子書籍は普及すれば、本の置き場に困らない、という意見もあるが、ことコレクターに関しては、この意見は当たらない。コレクターは本という物体が好きなのだ。表紙、裏表紙、背中、小口を備えていて、手に持てば、紙の手触りを感じる。本棚にズラリと並ぶ背表紙をながめたい。電子書籍ではこうはいかない。
 小生の世代ならだれでも、子供のころにやった切手蒐集も小生はやったことがない。このような小生は、異質なのだと自覚はしているが、そもそも使いもしないものを集めて、何が面白いのだと思うわけ。確かに切手とか、コインとかは集める行為そのものが文化であることは理解しているつもりだが。
 本の収集は、目的意識を持って集めれば、大きな文化的意義となる。その代表的な例が故野田昌宏氏のコレクションだ。それまで紙クズでしかなかった、戦前の古いアメリカのパルプSF雑誌を大量に収集され、研究、分析、そして野田さんが他のコレクターと大きく違うのは、そうして得た知識を、惜しげも無く、広く公開して、小生たち後輩のSFもんに、SFの楽しさを伝えたことだ。そのため野田さんは大きな犠牲を払われた。野田さんは生涯独身。家族というモノを持たなかった。
 コレクションでも、こういうことなら意義が判る。世の中には、もひとつ意義が見いだせないコレクションをしているご仁もいる。
 小生、NHKの「美の壷」が好きで毎週観ている。この番組には実に色々なコレクターが出てくる。帯のコレクター、着物のコレクター、これらのコレクションの意義がもひとつ良く判らぬ。好きでお集めになっているのだから、他人があれこれいうことはないが、これらのモノは使ってこそ値打ちがでるもので、ただ単に死蔵しているとしか見えない。本は読んでこそ本である。野田さんは自分のコレクションを丹念に読み、その関連の著作が数多くある。ただ所有しているだけのコレクションに意味があるのだろうか。
 
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韓国の国民性

 入院は退屈なものである。小生の場合、点滴と安静が治療なのだから、ベッドでじっとしている時間が長い。本を読むが、読書よりもテレビを観ている時間の方が長い。
 5月の入院の時は、舛添ネズミ男がテレビのええおもちゃであったが、このたびのテレビのおもちゃは朴エイエンのお姫様だ。両方とも、宝箱みたいに疑惑がザクザクを湧いて出たが、ネズミ男とお姫様では、少々タチが違うようだ。
 ネズミ男は、あくまでネズミ男の個人的資質が疑惑の要因だろう。あないなセコイ男に都知事をやらせていたのが間違いなのだ。
お姫様の場合、縁故、コネ、情実がハバを利かす韓国の国民性に問題があるだろう。こういう国民性の国の最高権力者たる大統領ともなると、縁故、コネ、情実が山ほど寄って来るのだろう。だからかの国の大統領は悲惨な末路になることが多い。まず、このあたりの国民性を改めなくては誰が大統領になってもいっしょ。隣国の事ながら心配するのである。
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退院しました


 今日、退院しました。で、肝心の前立腺はというと、そのままです。え、手術したんじゃないのか。はい、手術してません。ははあ、手術が怖くて逃げたな。いえいえ逃げてません。ちゃんと病院に行きましたし入院もしました。どういうこっちゃとお思いでしょう。こういうことです。
 入院の日、11月21日の深夜2時ごろ、とつぜん身体がガタガタ震えだしました。発熱。体温を測ってみると38度。そのまま布団の中でじっとしてると楽になってきました
 午前10時ごろ神鋼記念病院へ。とりあえず入院させてもらう。夜に発熱することが多いとのこと。私の担当医の先生は、今夜、発熱しなかったら予定通り手術しましょう、といわれる。で、その夜、12時ごろ、また、ガタガタ震えて熱は40度。当然、手術は中止。私は、自己導尿してます。導尿したさい、カテーテルを介して前立腺に細菌が感染したわけです。自己導尿ではこれが一番怖いのです。じゅうぶんに気をつけてましたのですが、感染してしまいました。
 抗生剤を点滴してもらって、常時留置バルーンカテーテルを装着してもらいました。発熱もなくなり、とりあえず感染症はおさまったということで、きょう、退院したしだいです。
 手術は仕切り直しで、来年1月5日に受けることになりました。で、導尿ですが、自己導尿ですと、どうしてもこのように感染のリスクがあります。手術までバルーンカテーテルを装着しましょうということで、今は常時カテーテルが尿管に入ったままです。カテーテルの先にはフタつきのコックがついてます。必要に応じてフタを開けて尿を排出します。入浴の時は栓を詰めます。夜、寝るときは袋をつけて尿をその中に貯めます。ようするに私のあそこには水道の蛇口がついているのです。
 この神鋼記念病院は前立腺の手術の実績では兵庫県では2番。いい病院ですが、ただ、食事が私の口にはあいませんでした。で、特別食をリクエストしました。写真がその特別食です。
 と、いうわけで来年1月、正月明け早々、再入院です。やれやれ。
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入院します

 明日、入院します。明日、入院して、明後日22日手術です。前立腺肥大の手術です。手術といっても、開腹手術ではなく、麻酔も半身麻酔で、内視鏡を使ったレーザーの手術です。
 前立腺肥大の手術いうと電気メスを使った手術が多いそうです。電気メスで大きくなった前立腺を切り刻んで、かきだすそうです。つまった排水管を掃除するのといっしょですね。これだと、どうしても出血します。
 私が受けるレーザーの手術は、前立腺の大きくなった部分を、きれいに切り取るので、出血も痛みも少ないそうです。
 私は、今まで何度も入院しましたが、いつも胃や大腸からの出血で、緊急入院ばかりでした。いついつから入院と予定を立てて入院するのは初めてです。ですから、今日の日曜日、用意万端整えています。入院生活は何度も経験してるので、どういう準備が必要か、よく判っております。
 退院は来週の日曜日を予定しています。と、いうわけですので、このブログは一週間更新をお休みさせていただきます。
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焼肉丼


 焼肉や。焼肉の相方はやっぱビールやで。ジュージューゆうてる肉をパクッ。ビールをガー。も、最高やな。
 けんど、ワシ、いまは禁酒中や。この22日に手術するけど、それが済んだら、酒も解禁になるやろ。いまは、ノンアルコールビール飲んどう。焼肉のもうひとつの、ええ相性のもんは、白いご飯やな。ホカホカの白いご飯に焼肉のっけてタレをたらしてパクパクかっこむ。これも最高やで。
 そういうこって、きょうは焼肉の丼や。肉は牛ハラミや。タレは市販のもんをつこうた。もやしを炒めて、ご飯の上にのっけて、焼いたハラミをのせて、青ネギとゴマをパラパラ。たれをちょっとかける。キムチをそえてできあがりや。おかずに韓国ノリをつけたで。
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とつぜん上方落語 第6回 崇徳院

しかし、てったいのクマはんからすれば、なんとも面倒な娘やな、ちゅうこってす。ウチの若だんさんにひと目ぼれするんはええねん。なんぼでもひと目ぼれしたらええ。直接、本人に「好き」と素直にいえばええもんを、しちめんどくさいことに和歌なんぞに想いを託したもんで、こんな苦労するちゅうこった。
 若だんさん、高津のお宮で、水も滴るようなびちょびちょな美少女と出会う。その美少女、緋塩瀬の茶帛紗をわすれよる。で、その茶帛紗を手渡す。そのびちょびちょ美少女、短冊に和歌を残しよった。
「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の」これ、崇徳院さんの上の句なんですな。「われても末に逢わむとぞ思ふ」の下の句が書いてない。上の句だけ残したことは「また逢いましょう」というはんじもんでんな。
 びちょびちょ美少女もひとめぼれしはったかも知れんけど、ウチの若だんさんは、もっとひどいひとめぼれ。くだんの彼女を恋こがれて、とうとう寝ついてしもうた。あと何日かの命やて。恋わずらいは命には別状はないと思うけど。若だんさんを助けるには、そのびちょびちょ美少女を見つけ出して、想いを叶てやるしかないちゅうわけや。
 そんなわけで、てったいのクマはんが美少女探索を親だんさんから命じられたわけや。報酬は借金ぼうびきの上に過分のお礼金。さらには倉付の借家を5軒。クマはん親だんさんに、その上、欲に駆られた女房に尻をたたかれ大阪中を駆け巡る。
「瀬をはやみ」「瀬をはやみ」「瀬をはやみ」と声をからしてグルグルグル。人より場つうことで散髪屋になんべんでも入るから、ヒゲ剃り過ぎてアゴがヒリヒリ。
 クマはん、くたくたになってやっと、びちょびちょを探り当てたら、彼女も恋わずらい。なんのこちゃ。
「好きやねん」「わても」ですむことを、和歌なんかに託すから、こんな騒動になったんや。けど、クマはんは家持ちの家主はんになったんやろな。
 
 
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名前のないボトル

 木枯らしが吹いている。まもなく師走。寒い。この季節なると鏑木は、あの客のことを思い出す。この海神には、確か5回ほど来た。無口な客だった。彼が飲み物のオーダー以外で、海神でしゃべったのは一言だけだった。
 4年前のことだ。木枯らしが吹いていた。その客は寒い風に乗って海神にやって来た。カラン。カウベルの音を風が巻き込み店内にはいる。店内の気温が数度下がったのではないだろうか。風が吹き込んだから、というより、その客の存在が店内の温度を下げたのだろう。
 カウンターの端に座った。50代か。疲れている。絶望を見ているような目だ。鏑木もこの商売が長い。こんな寂寥感を強く漂わせる客は初めて。
「なにします」
 鏑木が声をかけなければ、その客は黙ったままだろう。
「水割り」
「はい」
 ウィスキーの銘柄をいわない。おまかせということだろう。できるだけ口を開きたくない。そういう客もたまにいる。オールドの水割りをカウンターに置いた。
 客は、その水割りをいつくしむように飲んだ。水割りを飲むというより、水割りが創り出す時間を欲しているようだ。
「いくら」
 客は1杯の水割りの代金を置いて海神を出た。室内の気温が少し上がったような気がする。
 それから、その客は思い出したように海神にやってきて、オールドの水割りを1杯飲んで帰る。
 その晩も、今晩と同じような寒い晩だった。1杯の水割りを、いつもの倍の時間をかけて飲む。1時間近くたってグラスが空になった。
「おかわり」
 初めてだ。おかわりをいうのは。2杯目の水割りは1杯目より時間をかけて飲んでいる。
 ふううううう。長いため息をついた。
「ままならんな」
 ぽつっとひと言いった。他に客はいない。海神にはその客と鏑木の二人だけ。そのひと言は鏑木にいったのではないだろう。ひとり言、に、近いのだろう。
 その時のその客の目は、いままでで最も強い絶望感を漂わせていた。死ぬな。鏑木はそう思った。この人は死ぬ。海神の客で1人だけ自殺した客がいた。最後の晩、自殺した客も、この客と同じ目をしていた。
「オールド、キープしましょうか」
「いいよ。そんな金ない」
「支払いは今度来る時でいいです」
「もう来ないかもしれん」
「そうなったら、このボトルわたしがいただきます」
「お金がないんだ」
「今晩のぶん、おごります」
「ありがと」
 客はそいうと店を出た。結局、鏑木はその客の名前を知らない。オールドのボトルには11月27日とその日の日付だけがマジックで書いてある。

 もう閉めよう。鏑木はおもてのランタンの灯をけした。11月27日の日めくりをめくろうとした時、ドアが開いた。あの客が入ってきた。4年ぶりである。あの晩と同じように風が吹き込んできたが、なぜか室温が下がった気がしない。
「マスター久しぶり。ボトルキープのお金持って来たよ」
「ありがとうございます」
 鏑木はお金を受け取って、ボトルを手に取った。
「お名前は」
 客は名のった。ボトルに名前が記入された。海神の常連が一人増えた。
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シャンタラム



グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ   田口俊樹訳   新潮社

 なにごとも表があれば裏がある。国もそうだ。大きな出版社のガイドブックを頼りに旅行すれば、その国の表しか見えない。しかし、どんな国にも裏がある。スラムのない国、犯罪者のいない国はないだろう。古くて大きな国は、特に奥深い裏がある。インド。世界で2番目に人口が多く、古い大国だ。この小説、裏から見たインドをたっぷりと見せてくれる。NHKの「世界ふれあい街あるき」なんかでは決して見せてくれないインドだ。
 主人公リンは犯罪者で逃亡者。武装強盗で20年の懲役。オーストラリアの刑務所から脱獄。インドはボンベイ(いまはムンバイ)に流れ着く。パスポートが偽造なのでまともな所には行けない。
 空港で魅力的な笑顔の男と知り合う。プラバカルはガイドでタクシードライバー。プラバカルと親友になる。
 リンはスラムに腰を落ち着ける。そこでム所で覚えた救急看護の知識を生かして診療所を開設する。もちろん医師免許はない。それでもスラムの人たちはリンを頼りに大勢押しかける。こうして赤ひげみたいなことをしながらスラムの住民たちの人望を得る。プラバカルのつてで友人をどんどん増やしていく。そこはワケ有りの外国人のたまり場。美人のスイス人女性。なんでも屋のフランス人。映画タレントの周旋屋のアメリカ人女性。武道家のイラン人。
 このあたりのインドはムンバイの描写はこの小説の魅力のひとつ。雑多な人種人間がごちゃごちゃになって生きている。その臭いが紙面から臭ってくる。香りなんて上品なものではない。臭いだ。大麻ヘロインはそのへんに普通にある。リンが診療所で使う薬は盗品だ。ここでは非合法は悪いことではない。
悪事とは悪い目的を行うためにする行為をいう。良い目的を行うためなら、非合法なことでも悪事とはいわない。
 このボンベイでリンは人生の師と会う。アフガニスタン人のボンベイ・マフィアのボス。アブデル・カーデル・ハーン。リンはカーデルの忠実な手下としてマフィアの仕事にせいを出す。密輸、パスポートの偽造、などなどヤクザ仕事でシノギを稼ぎ、カーデルに従って戦乱のアフガニスタンにまで出張する。
 上中下の3巻。1800ページを超える超大作であるが、読みやすく途中でだれない。インドに行きたし金はなし。と、いう人におすすめ。
 
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自転車を買い替えた

 自転車を買い換えた。いままで無変速の普通のママチャリに乗っていたが、変速機付自転車を前から欲しかった。
 小生は駅まで自転車を使っている。駅は自宅より北にある。ここは神戸の六甲山の麓。山側の北が高く、海側の南が低い。ゆるやかな傾斜がある土地である。国道2号線までは楽に走れる。2号線を越えて駅までの道が少々きつい。帰りはらくらくだが行きはしんどい。電動自転車を買うほどではない。変速機付が欲しかった。
 外装式6段変速の自転車を買った。さすがに坂道が楽である。変速機付だから、道の傾斜、路面の状況、風の吹きぐあいなどで、適宜ギアを選択しながら走る。カチャカチャとギアを切り替えるのが楽しい。もっと早く変速機付自転車にすれば良かったのにと後悔する。
 どうも小生はギアを切り替えながら走る乗り物が好きなのだ。車はオートマチックが大嫌い。いまは車を手放したが、小生のマイカーでオートマチックはない。小生が管理責任者の会社のフォークリフトもマニュアル車だ。
 シフトレバーを操作してギアを切り替えながら走るのが楽しいのだ。こんな楽しいことができないオートマチック車なんかを運転する人の気が知れない。
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MR.ホームズ 名探偵最後の事件


監督 ビル・コンドン
出演 イアン・マッケラン、ローラ・リニー、マイロ・パーカー、真田広之
 
元名探偵シャーロック・ホームズ93歳。さすがに引退して田舎でミツバチの世話をしながら暮らしている。身の回りの世話は家政婦のマンロー夫人とその息子ロジャーがしている。
 老ホームズはかっての相棒ワトソンが書いた自分が主人公の小説が気に食わない。自分は鹿撃ち帽子はかぶらない。パイプも吸わない。自分自身で書き直しているが耄碌してよく思い出せない。ロジャーは頭のいい子だ。ロジャーを話し相手にしながらボチボチ書いていく。最後の事件が気にかかる。依頼人の妻が鉄道自殺した。なぜ彼女の死が止められなかったのか。
 記憶にいいというので、ホームズは旧知の日本人梅崎を訪ねて日本へ。被爆直後の広島で山椒の木を手に入れる。
 なんせ93歳の老人だ。最後の事件の時もかなりの高齢。その事件も派手な殺人事件などではない。夫が妻の素行調査を依頼という地味なモノ。老人が昔の記憶をたどりながら真実を少しづつ想い出していくという地味な映画であるが、なかなか興味深く魅力的な映画であった。ホームズ老。年は取ったが、推理の切れを垣間見せたり、思考が論理的でさすがに元名探偵と思わせるところもある。
 シャーロック・ホームズ。いわずと知れたコナン・ドイルが創造した架空の人物である。それがあたかも実在したがごとく描いているのが面白い。それはそれとして日本の場面。なんとも珍妙な日本が出てくるのはご愛敬だ。
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ポークトマトシチュー


 だいぶん寒くなってきました。あったかいモノが恋しい季節です。これからはシチューなんかがいいですね。アツアツのシチューがごちそうです。
 豚肉のシチューなどいかかでしょう。トマト味のシチューです。まず、豚肉ですがバラ肉のかたまりを使いました。野菜はにんじん、じゃがいも、マッシュルーム、それに玉ねぎです。にんにくも忘れてはなりません。
 野菜を切ります。玉ねぎはあらみじん、にんにくはたたきつぶしてみじん切りです。にんじんは乱切り、じゃがいもは二つか四つに切ります。マッシュルームはそのままです。野菜はゴロゴロの大きめがいいですね。
 肉は切って塩こしょうして小麦粉をまぶしてフライパンで焼きます。おいしそうな焦げ目をつけましょう。
 さて、煮込みにかかりましょうか。煮込み用の鍋に少し油をひいてにんにくを炒めます。香りがでてきたら玉ねぎを入れます。しんなり透き通るまで炒めましょう。
 肉を入れます。そこにトマトの水煮缶、それにトマトピューレ、トマトケチャップも入れます。コンソメスープ、赤ワインを注ぎます。ブーケガルニがあれば良い香りがしますよ。アクを取りながら1時間ほど煮込みます。時間差をつけて野菜を入れるのをお忘れなく。にんじんとじゃがいもがやわらかくなればできあがりです。最後に味を見て、塩、こしょうで味を調えます。
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おろしカツ丼


 カツ丼はワシの好物や。三宮で外食する時は、サンプラザ地下の吉兵衛のカツ丼を食うことが多い。もちろん、自分でも作る。
 いろんなカツ丼がある。最も一般的な卵でとじるモノソースカツ丼ドミカツ丼みそカツ丼などなど。いろいろあるが、豚肉を油で揚げたものをご飯の上に乗っけるのが基本で共通点だろう。
 好物ではあるが、さすがにこのトシになると、たまには違うカツ丼を食べたいものだ。と、いうわけでさっぱりしたカツ丼を作ったぞ。
 まず、ご飯に出汁、醤油、味醂で作った丼つゆをかける。その上にしそを敷いて、揚げた豚肉を乗っける。そして豚肉の上に大根おろしをたっぷりとのせる。ちょっとポン酢をたらす。
 これはうまい。揚げた豚肉のこってりを、大根おろしのさっぱりがやわらげて、たいへんにおいしいカツ丼となった。
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とつぜん対談 第94回 カレーとラーメンの対談

 今日はお二人に来ていただいてます。お二人とも人気者です。この、どちらか、あるいは両方、お好きな方も多いでしょう。日本人で、このお二人とつきあったことがない人はいないでしょう。
 今日は、国民的な人気のお二人。カレーさんとラーメンさんに来ていただきました。

雫石
 どうも、お二方、よくお越しくださいました。

ラーメン
 いえ。

カレー
 ども。

雫石
 お二人は初対面ですか。

ラーメン
 バカなことを聞くな。ワシがカレーごときと会うはずがないやろ。

カレー
 ほほほ。あたくしガサツなお方とは会わないことにしております。

雫石
 なんか険悪な雰囲気ですね。

ラーメン
 そうか。ワシはなんとも思ってへんで。

雫石
 カレーごとき、なんておっしゃいましたが。

カレー
 ま、いいじゃありませんか。口の聞き方を心得ない方はほっておきましょ。

ラーメン
 け、なにをいう。インド野郎が。

カレー
 あら、わたしのことインド人と思ってらっしゃるの中国のお方。

ラーメン
 ワシは中国人とちゃうで。

カレー
 だったらなに人ですの。

ラーメン
 日本人や。

カレー
 うそ。

ラーメン
 ほんまや。ワシは日本うまれや。

カレー
 だって中華の麺つかってるじゃない。あなたは、どう見ても中国人じゃないの。

ラーメン
 やかましいわい。だまれインド人が。

カレー
 あら、わたし日本人でございますよ。れっきとした日本料理です。わたし。

ラーメン
 アホいうな。ターメリックやクミン、カルダモンなんてスパイス使う日本料理がどこにある。

カレー
 日本は昔から外国のものを取り入れて日本独自のモノを作ってきたのですわ。それにインドにはカレーなんて料理はないんですのよ。インド人がわたしを食べて「おいしい日本料理ですね」といったのよ。

ラーメン
 そんなこというなら中国にはラーメンなんてもんはないんやで。中国ではワシのこと日式拉麺ゆうぐらいや。それにワシは日本の国民食やで。

カレー
 なにをおっしゃるウサギさん。日本の国民食とはわたしのことざますわ。

ラーメン
 なにをワシにはラーメン道なんて道があるんやで。味の求道者が究極のラーメンを求めて日々研究探求修練しとるんや。カレーにカレー道なんてないやろ。

カレー
 あら。そういえばよくいらっしゃるわね。汚い厨房の奥でしかつめらしい顔したヘンコなおじさまが、せっかく作ったスープを気にくわんなんかいって捨ててるのが。もったいないじゃありませんこと。

ラーメン
 うまいラーメンのため妥協せえへんのや。

カレー
 へー、でも、結局、あなたって、スープ、麺、具、それだけじゃない。

ラーメン
 ひと口にスープゆうても、鶏ガラ、トンコツ、魚介系、野菜系いろいろあるんや。これに麺や具のバリエーションを組み合わせたら、万でも億でもラーメンができるんや。

カレー
 あら、そんなことでしたら、スパイスだけでも無数にあるのよ。これに、ご飯にしてもいいし、ナンでもOK。具の種類もラーメンの比ではございませんわ。

ラーメン
 ま、いろいろあるけど、やっぱ日本の国民食はワシやな。

カレー
 まだ、そんなバカいってるのですか。国民食はわたしです。キー。

ラーメン
 お、きたないルーをかけるんじゃない。やるんか。これでもくらえ。

カレー
 ああ、黒毛和牛のビーフの横に貧相なシナチクを飛ばさないで。

ラーメン
 このこの。

カレー
 キャーキャー。

雫石
 うわっ。ラーメンとカレーが取っ組み合いをはじめた。

すし
 待て待て、ご両所。純然たる日本生まれ日本育ち、真の日本の国民食とは拙者でござる。

カレー
 ご飯の上に刺身乗っけただけのモノが偉そうにいわないで。

すし
 おのれ無礼者、手打ちにいたす。そこへ直れ。

ハンバーガー
 ガハハハハ。小さい小さい。たかが島国日本の国民食だって。オレは世界食なんだぞ。世界中どこでもマクドのハンバーガーはあるんだぞ。

ラーメン
 うるさいわい。南蛮の肉まんじゅうが。お前はトランプにでも食われてろ。

ハンバーバー
 うう。オレはまんじゅうではない。がまんならん。

カレー
 ちょっと横から口をはさまないで。ラーメンのバカと話してるとこじゃないの。

ラーメン
 バカとはなんだ。

すし
 だまれ下郎ども。

雫石
 うわ、ラーメンとカレーとすしとマクドのハンバーガーがごちゃごちゃになってしもうた。まてよ、これはこれでうまそやな。
 
 
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SFマガジン2016年12月号


SFマガジン2016年12月号 №718 早川書房

雫石鉄也ひとり人気カウンター

1位 航空宇宙軍戦略爆撃隊(前編) 谷甲州
2位 シミュラクラ ケン・リュウ 古沢嘉通訳
3位 裏世界ピクニック 八尺様サバイバル 宮澤伊織
4位 ノーレゾ ジェフ・ヌーン 金子浩訳
5位 最強人間は機嫌が悪い   上遠野浩平
6位 キャラクター選択 ヒュー・ハウイー 大谷真弓訳
7位 あなたの代わりはいない ニック・ウルヴェン 鳴庭真人訳
8位 雲南省スー族におけるVR技術の使用例    柴田勝家

連載
小角の城(第41回) 夢枕獏
マルドゥック・アノニマス(第12回) 冲方丁
幻視百景(第5回) 酉島伝法

近代日本奇想小説史(大正・昭和篇)(第28回) 横田順彌
SFのある文学誌(第49回) 長山靖生
にゅうもん!西田藍の海外SF再入門(第13回) 西田藍
アニメもんのSF散歩(第13回)藤津亮太
現代日本演劇のSF的諸相(第22回) 山崎健太

特集 VR/AR

第4回ハヤカワSFコンテスト受賞作発表!
 
 今号は読みきり短編が8編もあった。久しぶりに、まともに「読めた」SFマガジンであった。
 で、今号の特集だが、VR(仮想現実)AR(拡張現実)である。どういうモノかというと、あの何かと問題なポケモンGOみたいなもんと小生は解釈しているが。
 電車の中で、スマホとにらめっこしてる人と、本を読んでいる人。どっちが多いかというと、これは、もう、圧倒的にスマホ派である。悲しいかな本を読んでいる人は少ない。で、スマホでなにをやっているかというと、だいたいがゲームをやっているのだろう。
 本が売れない。活字文化が衰退している。なぜか。携帯電話、なかんずくスマホの普及がその大きな要因であろう。今号の特集であるVRとかARとかいうもんは本を売れなくした元凶の代表ではないのか。それを活字文化たる雑誌のSFマガジンが特集してもいいのだろうか。いうなれば利敵行為ではないのか。とはいいつつも、かようなモノが、いまや大きな「文化」と成長したのだから、SF専門誌として取り扱う意義は認めざるを得ない。
 それに、仮想現実/拡張現実といったモノを小説のネタに使えるのはSFだけだろう。いろんな文芸文学のジャンルがあるが、SFほど貪欲かつ寛容なジャンルはないだろう。この世の(あの世もその世も)森羅万象、およそSFのネタにならないモノはない。そういう意味からも、今号はSFの持つしたたかさを認識した号といえる。
 それはそれとして、なんだこの表紙はアホか。最悪。


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メガネを壊した

メガネを壊してしまった。きのう、風呂へ入った時のこと。脱衣場のカゴにメガネと服をいっしょに入れておいた。風呂から上がり、服を取ったとき、メガネが服にひっかかって持ち上がった。ストンと落ちて片方のレンズが割れた。
 今は予備のメガネをかけている。ワシは近視に乱視、それに老眼も。だから遠近両用メガネをかけていたわけ。いま、かけている予備メガネは遠近両用ではない。だから遠くは見えるが、近くは見えない。特にパソコンの画面が見えない。メガネをはずして、前傾姿勢になって目を画面に近づけて、きゅうくつなかっこうで仕事をしている。
 会社の帰りにメガネ屋によって早急にメガネを新調しなくては。こんなふうに壊れたら困るから、予備にもう1個作ってもらおう。
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