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龍三と七人の子分たち


監督 北野武
出演 藤竜也、近藤正臣、中尾彬、小野寺昭、下條アトム、ビートたけし

 龍三は元ヤクザ。年はとっているが、まだまだ血気さかん。背中には見事な龍の彫りもん。息子はカタギの会社員。カタギの息子はヤクザ気分が抜けないオヤジをうっとうしがる。息子の家に居ずらくなった龍三は昔の兄弟分まさの部屋に居候。龍三、オレオレ詐欺にひっかかる。昔の仲間モキチが街のヨタもんにからまれている。
 龍三を詐欺にかけたのもモキチを脅したのも半グレ集団「京浜連合」あいつらゆるせん。昔のオレたちのシマで勝手しおって。
 そういうわけで、龍三たちは昔のヤクザ仲間を集めて、新しい組「一龍会」を作る。平均年齢70歳以上。後期高齢者のじいさんばかりの組である。で、最後は一龍会のじいさんたちが京浜連合に殴り込みをかけるわけ。
 さすが北野武。正義の味方映画なんかは創らない。一龍会のじいさんたち「元」ヤクザではない。今も現役のヤクザである。ただトシを取っているからヤクザができないだけ。だから、この映画、足を洗って改心して身も心もカタギになった元ヤクザが半グレの悪もんをやっつける話ではない。龍三たちじいさんたちは、足なんか洗ってないし改心なんかこれぽっちもしてない。半グレが悪いからやっつけるのではない、自分たちがコケにされ、シマで勝手されているからやっつけるのである。ある意味、年寄り応援歌といえる映画である。
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