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たこ焼きアヒージョ


 ここは関西やで。関西はな、一家に一つ必ずたこ焼き器があるんやで。たこ焼きはなんちゅうても関西人のソウルフードやさかい。もちろんワシとこにもある。
 それはそうとしてアヒージョはうまいな。にんにく風味のオリーブオイルで素材を煮るだけのシンプルな料理やけど、うまいな。このアヒージョをやな、関西人の必須アイテムたこ焼き器で作ったら、こうなったんや。
 たこ焼き器の穴にオリーブオイル、にんにく、アンチョビーを入れる。で、素材やけど、なんでもええんや。ワシはたこ、えび、マッシュルームを入れたで。これはうまいで。楽しいで。
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そばすいとん鍋


 ワシは夏場はビールを飲んでおるが、冬場は日本酒じゃ。いまは日本酒を飲んでおる。日本酒を飲むときのアテはお鍋が多い。
 もちろん今夜も飲むんじゃ。アテのお鍋は、そばすいとん鍋じゃ。ただのすいとん鍋じゃのうて、そば粉があるからのう、こないな鍋にしたんじゃ。
 まず、鍋の汁を作るぞ。昆布と鰹節で作るんじゃが、吸い物にするのじゃったら昆布を入れて火をつけて、鰹節を入れてさっとひと煮立ちでこすんじゃが、鍋に使う汁は、うどんの出汁みたいに、厚めの削り節をつこうてしばし煮出したほうがええ。味付けはうどん用に常備しとるかえしを使った。具は鶏もも肉、大根、しいたけ、小松菜、あげじゃ。
 さて、肝心のそばすいとんじゃがな、そば粉を水やのうて熱湯で溶くんがポイントじゃ。硬さはお好みやな。ワシは耳たぶ程度にした。
 汁がぐらぐらしてきたら、そばすいとんを鍋に入れるぞ。スプーンですくうたらええんじゃ。そばすいとんを鍋に入れたら、すぐ食べんと、ちょっと置いといた方がええ。味がしみてうまいぞ。
 さて、今夜はいつもの、呉春、道灌、桜正宗といったレギュラー陣やのうて、秋鹿を飲む。この酒もけっこううまいんじゃ。
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とつぜんSFノート 第61回


 第4回星群祭を行う時は事前に、星群の会内部で、やる、やらないの検討がなされたが、第5回星群祭は、私の記憶によれば、ごく自然に開催が決まった。このあたりから、星群祭は夏の京都で行われるSFイベントとして、ファンダムで認知されてきたのではないか。さすがに4回もやれば、反省すべき点もいくつか見つかり、ある程度ノウハウができてきた。
 SFファンダムで行われているイベントは、ファン同士の交流を楽しむ、親睦交歓会的な意味合いが強いイベントと、研究発表、創作実践研鑽を目的とした、研修会学術学会的なイベントの2種類がある。星群祭は典型的な後者のタイプのイベントとの評価を得つつあった。
と、いうわけで、1978年7月30日に第5回星群祭は開催のはこびとあいなった。会場は京都教育文化センター。京都SFフェスティバルが今も行われている会場である。テーマは「現代SF作法-あなたにもSFが書けないわけでもない-」ゲストは、小松左京、星新一、眉村卓、柴野拓美、風見潤、山尾悠子の6氏。
 星群祭前日には合宿がある。この時は、烏丸の互助会館だった。誰かがいった。「SFイベントで最も楽しいことは合宿で起きる」この言に賛成だ。星群祭前日の合宿は、小生にとって一年中で一番楽しい夜だった。この時の合宿も楽しい一夜だった。
さて、楽しい一夜が明けた。いささか二日酔いぎみの身体にムチ打って教育文化センターに向かう。
 最初の講演は風見潤氏。「海外SF作法」と題して、作家兼翻訳家の風見さんならではのお話。ル・グイン、ラリー・ニーブン、シルヴァーバーグなど、おなじみの海外作家をネタにSF作法を紹介された。
 次は山尾悠子氏。お美しい。山尾さんはご本人もさることながら、作品も非常に魅力的。今もその人気はおとろえていない。その魅力的な山尾作品を、山尾さんご自身の口で語られる。あまり人前に出ない山尾悠子さん。今から考えると、信じられないほど魅力的な企画であった。
 午前中最後の企画は柴野拓美氏。「ファン作品とファン出版」について。プロとアマ。プロの矜持とアマの誇り。日本のSFファンダムのお父さんといもいうべき存在で、数多のプロ作家を輩出してきた「宇宙塵」の発行編集者の柴野さんのお話である。
 さて、昼休み。この京都教育文化センターは、今は、毎年、京都SFフェスティバルが開催されていて、小生も参加している。このあたりは昼食をとるのに適当な所がなく、いつもレストラン十両に行くのだが、ここで星群祭をやっていた1970年代は、確か、会館内に食堂があって、そこで昼食を食べていた記憶がある。
 午後の部の最初は眉村卓氏。黒板を使っての講演。SFを支えるアイデアを大中小に分類。それぞれのアイデアの使い方。短編集「思いあがりの夏」から「名残の雪」を教材に、作品作法をご教示いただく。
 星新一氏は作品は小さなショートショートが多いが、星さんご本人は、あの年代の人としては大柄。その星さんはアイデアとストーリーの練成法について。アイデアよりもストーリーのバリエーションを増やした方が良いとのアドバイスをいただく。 
 さて、タテに大きな星さんのあとは、ヨコに大きな小松左京氏。ここからは小松さんの独壇場。例によって博覧強記、該博深遠、広才博識な知識学識の豊穣な奔流に包まれる快楽に酔いしれる。
 休憩の後、最後の企画星群ノベルズ批評。星群祭のウリともいえる、この企画、実はこの第5回が始めて。星群同人によるオリジナルアンソロジーを前もって刊行しておいて、参加者、ゲスト、その場にいる者全員に読んでもらっておいて、ゲスト諸氏のご高評をいただくというもの。
 ゲスト諸氏の手加減なし、お世辞抜き、建前なしの批評を徹底的に浴びせていただくという企画。この企画は好評で、このあともずっと続いた。この企画に使うテキスト「星群ノベルズ」からは商業誌に転載される作品も多く、菅浩江、井上祐美子、石飛卓美、山本弘といったプロデビューをなした同人も多い。
この第5回星群祭は、初めて参加者が100人を超え、成功したイベントといえよう。   
  
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オービタル・クラウド


 藤井大洋     早川書房

 時代設定は2020年。今から6年後だ。近未来である。だから、あの国とあの国はあいかあらず困ったちゃんだ。
 その困った国のひとつが打ち上げたロケットの2段目がおかしな動きをする。使用済みの空のロケットだから、大気圏に落ちて消滅するはず。それが落ちない。それどころか軌道が上昇している。考えられない。
「神の杖」と呼ばれるそれは、何者かが意図的に動かしている。燃料の無い使用済みロケットの2段目をどうして動かしているのか。その目的は。
 宇宙を舞台にしたテロが実行されようとしている。その背景には、先進国だけに独占されている宇宙を、だれでも、どの国でも使えるようにすべきとの意志を持った技術者がいた。その技術者を支援する国がある。
 画期的な宇宙での推進方法の理論を考え出した天才科学者。それを実用化した技術者。恐るべき企みに気がついた軍人。企み阻止に動くCIAのエージェント。「神の杖」の動きをいち早く察知した日本のWeb技術者。その相棒の天才的ITエンジニアの女性。「神の杖」を観察する大富豪のアマチュア観測家。初めて民間で有人宇宙飛行をなし、宇宙に「ホテル」を設置した実業家とその娘。これらの人々が「神の杖」の動きに振り回され、そして必死で振り回そうとする。
 いかにも面白そうな宇宙を舞台にしたサスペンス活劇のようだが、正直、さして面白くなかった。確かに、燃料無しで宇宙で物体を動かすアイデア。宇宙はだれのものかと問う問いかけ。など、ストーリー、プロットはいいが、肝心の小説としての演出が下手。二人が宇宙で生命の危機におちいる。地上の計画が成功しなければあと数日で確実に死ぬ。そのわりには妙にのん気だ。このあたりは、もっと緊迫感をもって描写しなくてはならない。
 また、こういう小説では悪役というか敵の造形が大切。この作品にも悪役はいるが、まったく魅力のない悪役である。そもそもあいつを悪役といっていいかどうか。西村寿行の「往きてまた還らず」のテロリスト僧都保行とまでは望まない。もうちょっとらしいテロリストを造形すべし。この作者、エンタティメント小説の作家としては。まだまだ修行する必要が有る。精進せいよ。
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エレベーターの張り紙


 これ、どこにあると思う?これな、JR芦屋駅は、ホームのエレベーターの扉に張ってあるんや。
 なんか、ほんわかとしたええ感じで、思わず写真に撮ってしもうたわ。エレベーターの扉に手をはさむ人がおるんやろな。「指詰め注意」なんて、あいそもこそもない張り紙しとるより、こんな張り紙やったらほんわかとしてええな。「さわったらあかん」という関西言葉ええやんか。あ、関西の言葉をようわからん人にいうけどな、「あかん」というのんは「ダメ」ということやで。ここさわったらエレベーターの扉が開かないということとちゃうで。
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傘消費量

 今日は雨の日だった。久しぶりの雨だ。小生、出かける時は、カバン以外はできるだけ持ち物は持ちたくない。だから傘は持ちたくない。でも、今日みたいに朝から雨が降っていたら、傘を持たざるを得ない。困ったものだ。降ってなかったら携帯の折りたたみ傘を持って出る。あれならカバンに入れられるから荷物にならなくていい。
 傘は以前はボタン押したらパット開くヤツ、ジャンプ傘というのかな、アレを持っていたが、今は両手でひっぱって開く傘を使っている。確かにジャンプ傘は片手で開くから便利だが、もひとつ弱い。ちょっと強い風であおられると、すぐ壊れる。そのてん、昔ながらの両手傘ならじょうぶだ。あの傘でもどこかに引っ掛ければ片手で開くことができる。
 降水確率が30パーセントをこせば、携帯の傘を持っていくようにしている。荷物にはならないが、これも風に弱い。小生、生涯で傘を電車に忘れたことはないが、どうも人よりよく傘を壊すらしい。本人は自覚は無いが、どうもそうらしい。忘れ傘はしないが、生涯の傘消費量は同じとのことである。困ったものだ。
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昭和残侠伝 一匹狼


監督 佐伯清
出演 高倉健、池部良、島田正吾、河津清三郎、藤純子、扇千景、御木本伸介

 先日、亡くなった高倉健さんをしのんで、この映画を観た。ほんとは昭和残侠伝シリーズのうちで名作とされている「死んで貰います」か「唐獅子仁義」を観たかったのだが、いずれもレンタル中だった。といっても、このシリーズ、みんな同じようなものだが。ただ、高倉健と池部良の役名は、おなじみの花田秀次郎と風間重吉ではなく、武井繁次郎と桂木竜三だ。名前は違うが同じ役柄同じキャラだ。
 このシリーズも「男はつらいよ」や「007」などのシリーズモノ同様、パターンがある。「水戸黄門」と同じである。
 ええ親分と悪い親分。高倉がええ親分、池部がわるい親分の所にワラジを脱いで客分となる。悪い親分がええ親分にさんざん嫌がらせをする。血気にはやる子分どもを、健さんが必死で止める。嫌がらせはエスカレート。二、三人死人が出た所で、長ドスを手にする。悪い親分にあいそをつかせた池部が「お供いたしやす」で、男と男の道行き、殴り込みとあいなる。
 舞台が都会であったり、山であったりで目先を変える。今回は海辺の村。水揚げされるマグロを独占しようとする悪い親分。地元の浜の網元を支援するええ親分。こういうストーリーの軸にオプションがつくわけ。今回のオプションは、前半は死んだ弟分の女房の話。元参議院議長が演じる女房は、肺結核で余命いくばくもない。彼女の故郷の千葉の漁師町に健さんが連れて行く。で、彼女の父親がええ親分というわけ。ここで娘と父親の愁嘆場。さらには藤純子が居酒屋をやっている。この藤が池部の桂木の妹。その妹、健さんの繁次郎にちょっとほれてる。さらにさらに、桂木は健さんの組の親分を殺した仇。こういうオプションがからみあいながらお話は続く。繁次郎と桂木は一度は刃を交える。桂木は「今度合う時はヤクザをやめる」と妹に約束。ほとほとヤクザが嫌になった。死に場所を求めていたようだ。
 義理と人情が非常に高い湿度でからみあう、大変にウエットな映画である。もうベタベタといってもいい。でも、健さんも池部もかっこええ。
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マグロ納豆


 酒飲みには、なんにもいらん。酒さえあったらええんや。わしゃ塩ねぶってでも酒飲むで、ちゅうおっさんがおる。ワシはあかんな。なんぞアテがないとあかん。そらあ、ほんまになあんもないと、鼻でもつまんで飲むけど、やっぱ、なんぞ欲しいやんけ。ほんでもって、飲むとなったら、すぐアテが欲しいたちや。ワシはいらちでわがままやねんで。
 缶詰でも開けたらええねんけど、そやったらあまり芸がのうておもろないやんか。そんな時はこんなんがええで。納豆にマグロの刺身をあわせて、辛子、醤油で味付けし、ガッとかきまぜて、青ネギをちょいとのせるんや。
 すぐでける。ほんでもって、おつでうまいで。酒のアテにぴったりや。いっぺん、ためしてみたらどや。
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エスニックにゅうめん


 そうめんは夏に食べることが多いが、夏場だけのものではない。熱い汁のにゅうめんにしてもおいしい。
 と、いういわけできょうのお昼はにゅうめんだ。今回はエスニックなにゅうめんにした。ベトナムのフォーをイメージしたわけ。
 まず、スープだがガラスープだ。ガラスープの素を使えば簡単だが、ちゃんと鶏ガラを2時間ほど煮出してスープをとろう。手間をかけた分だけおいしい。
 スープに味付けする調味料は、ニョクマム、ライムの汁、オイスターソース、塩、こしょう。具は牛肉、ニラ、もやし。それに揚げにんにく。揚げにんにくを忘れてはいかん。これがあるとぐっと東南アジアっぽくなる。
 ビーフンを和風のうどんだしでしたてたら失敗だった。これはうまい。成功だ。
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五匹のコリドラス

 コリドラス。ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科コリドラス属に分類される魚である。南米の河川に生息する小型のナマズ。ナマズとしては非常に小さく、最大で10cm、多くは6cmほど。水中を遊泳することはなく、常に水底をはい回って、口のひげで餌をあさっている。底に沈んでくる他の魚の食べ残しを食べるので、水槽の掃除屋さんである。
 人気のある熱帯魚で、小さくて可愛く、非常に多くの種類があるから、コリドラスのコレクションをして楽しむ熱帯魚マニアも多い。

 きょうの仕事はきつかった。国道の中央分離帯の草刈りだった。このとしで野外の仕事は寒風が骨身にしみる。60を越すと市のシルバー人材センターの仕事ぐらいしかない。
 きのうは個人のお屋敷の庭の草刈りだったから楽だった。大きな庭だった。温室があって、観葉植物やサボテン類といっしょに熱帯魚の水槽が置いてあった。120センチの大きな水槽だった。少しの間、仕事の手を止めてその水槽をながめていた。
 帰りがけに、コンビニでおにぎり2個と漬物のパックを買った。それにきょうは賃金の支払いがあったから、小さい紙パックの酒を買った。月に一度の贅沢だ。
 コンビニの袋をぶら下げて階段を上がる。今日は疲れた。足が重い。最近、疲れがたまっているようだ。いまどき珍しい文化住宅の2階、廊下のつきあたりが私の部屋だ。
 鍵を開けて入る。待っている人はいない。私はひとり暮らしだ。暗い部屋の隅に明かりが有る。45cmの小さな水槽が置いてある。
「いま、帰ったよ。きょうはこんなモノが手にはいったよ」
 小さなビニール袋をあけて中身をプラスチック容器に入れる。水の中で赤い糸くずがかたまってうごめいている。きょう、国道の横の溝で見つけた。糸ミミズだ。
 糸ミミズを割り箸でつまんで水槽にいれる。5匹いるコリドラスが、喜んで食べ始めた。いつもはコリドラス専用のタブレット型の人工飼料を与えているが、やはり生餌を好む。昔は近くの観賞魚店でも糸ミミズを売っていたが、最近は売ってない。
 水槽の底をチョコマカと泳ぎまわり、ヒゲで砂の間を探る。ヒゲに糸ミミズが触れると、吸い込むようにミミズを口に入れる。モグモグと口を動かし味わうように食べる。やはり人工飼料より美味しいらしい。
 口をモグモグさせ目をクリクリと動かす。実に天真爛漫で可愛い。一日の疲れが取れる。家族のいない私は、この5匹のコリドラスが家族だ。
 私の果物屋は繁昌していた。果物屋に、フルーツパーラーもやっていた。郊外に、きのう行ったお屋敷ぐらいの自宅を持っていた。そのころは120cmの水槽を三つ持っていた。一つはネオンテトラ、ラミノーズテトラ、プリステラといったカラシン科や、ダニオ、ラスボラといったコイ科の小型魚、一つはディスカス、エンゼルといったシクリッド科、そして、もう一つはアロワナを飼っていた。
 人を信用してはいけない。2軒の店と屋敷を手放して、多額の借金を背負い込んだ。妻にも去られ、子供がいない私は、無一文の一人暮らしとなった。
 借金を全額返済した時には60を超えていた。熱帯魚の飼育はけっこう金がかかる。温度管理が必要で冬はヒーターで水温を25度前後に保ってやらなければならない。エアレイションを欠かせないためポンプは止められない。
 ほんとうは60cmの水槽を置きたいが、6畳一間には難しい。それに私の収入では電気代もバカにならない。45cmの小型水槽を一つだけ置いて、大好きなコリドラスを5匹飼っている。
 コリドラス・パレアトス、コリドラス・アエネウス、コリドラス・ジュリイ、コリドラス・エクエス、コリドラス・アガシジイ。この5匹。全部で1000円でお釣りがくる。
 国道の仕事は終わった。きょうから公園の掃除だ。いつものように帰ってきてすぐやることは餌やりだ。
「すまんな、糸ミミズはきのうでおしまい。いつもの人工飼料だよ」
 タブレットを水槽に入れる。5匹のコリドラスがヒゲをふるわせながら動く。ヒゲが餌に触った。
 突然、後頭部をぶん殴られるような痛みが襲った。スーと意識が遠くなっていく。身体が縮んでいく。細長い赤い糸のようになった。気がつくと回りは水だ。身体にじゃりじゃりと小石が当たる。これは小石ではない。大磯砂だ。水槽の底砂だ。横にある樹木は、水草のアマゾン・ソードプラントだ。
 上からひもが降りてきた。ひもの先が私に触れた。スーと上に身体が持ち上がった。大きな空洞に吸い込まれた。

 市の民生委員がその文化住宅を開けると。老人が一人で亡くなっていた。小さな水槽の底で小さな魚が5匹死んでいた。
 
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阪神 梅田


 阪神電車、梅田駅である。大阪はキタのターミナル駅は、JR大阪、阪急梅田、そしてこの阪神梅田と三つあるが、地下駅はこの阪神の駅だけで、JRと阪急の駅は地上駅だ。
 神戸と大阪をむすぶ三本の鉄道で、東の端は阪神だけが地下。西のターミナル三宮も、JRと阪急は地上、ここも阪神だけは地下。地下鉄の定義は知らないが、両端が地下なら地下鉄ということならば、阪神電車は地下鉄ということになる。ははあ、だから子会社の阪神タイガースはかって、暗黒時代を経験したのだな。
 今の勤務先は神戸だが、昔は大阪が勤務先だった。仕事が終わったら、ちょっと一杯ということもたまにはある。で、つい飲みすごして、ハッと気がついたら電車あるやろか、という事態に遭遇したこともたびたび。カプセルホテルに泊まったり、サウナで一晩過ごしたこともあった。神戸の自宅までタクシーで帰ると1万円近くなるからこの選択肢はない。
 そういう時は、この阪神電車の梅田がお救い駅となる。今はダイヤが変ったりして、どうか知らないが、私が大阪で飲んでたころは、JR、阪急、阪神のうち、神戸方面に行く、最も遅い電車は、この阪神梅田発石屋川行きという電車だった。真夜中、酔眼朦朧で何度この駅から最終電車に乗ったことか。
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なんのための解散ぞ

 安部首相が衆議院を解散する。歳末の選挙となる。なんのための解散かよく判らぬ。高村副総裁が「念のため解散」といったが、選挙もタダではできないだろう。600億ほどの費用がかかるとのこと。国民の血税を600億円も「念のため」に使うのか。こんなムダは金を使っておきながら、税金を上げる。全く矛盾した話である。
 いちおう、消費税増税を延期するための是非を問うとのことだが、それは建前だろう。そんなことをいっていたら、決め事が必要なたびに選挙をやらなければならないだろう。国のためではなく、自民党の党利党略自己都合のための選挙としか思えぬ。安倍内閣の高支持率と圧倒的多数の議席の上にあぐらをかいた、自民党のおごりとしか見えない。かくなる上は、少しお灸をすえる必要があるだろう。民主党をはじめ各野党の健闘を祈る。
 解散が噂されてから、衆議院の各委員会を欠席する議員が多くいるとのこと。たぶん選挙区にもどって、準備にいそしんでいるのだろう。かようなヤツは絶対に当選させてはいけない。われわれ国民は選挙準備するために連中に金を出しているのではない。国会に出てきて仕事させるために金を出しているのだ。解散まではしっかり仕事すべし。
 今の選挙公報は候補者が提出した原稿をそのまま載せるだけだが、それ以外に、その議員の国会出席率や何回質問にたったかなども掲載してもらいたい。国会議員の仕事をせんヤツには国会議員をさせてはならん。
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高倉健が亡くなった

 高倉健が亡くなった。これで映画スターと呼べる俳優は、日本の映画界から一人もいなくなった。
 三船敏郎、石原裕次郎、勝新太郎、萬屋錦之助といった映画スターがキラ星のごとくいたが、健さんもそのうちの一人だった。
 映画スターはどの映画に出ても同じ。三船はどの映画に出ても三船だし、勝新もどの映画でも勝新だ。健さんも同じ。「昭和残侠伝」「網走番外地」「鉄道員」どの映画に出ている健さんは高倉健以外の何者でもない。そういう存在こそが映画スターと呼べるのではないか。
 小生が学生のころ健さんの映画はよく観た。特に「昭和残侠伝」シリーズがお気に入りだった。
 池部良の風間重吉と健さんの花田秀次郎の男の道行き。雨ふる夜半、健さん、一人長ドスぶら下げて、単身、殴りこみに行く。すっと傘がさしかけられる。池部良の風間だ。男と男、じっと目を見る。
「おともいたしやす」男どうし肩を並べて行く。バックに流れる健さんの歌声。

 義理と人情 はかりにかけりゃ
 義理が重たい 男の世界
 幼なじみの 観音様にゃ
 俺の心は お見通し
 せなで泣いてる 唐獅子牡丹

 うう、ええなあ。健さんの映画、また観たいな。
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激突!


監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 デニス・ウィーバー

 普通のセダンに乗った、普通のおっさんが、巨大なタンクローリーに執拗に追いかけられる映画である。
車の追い越しは居合いと同じである。下手な居合い斬りで斬られると痛い苦しい。達人に斬られると、斬られたことすら感じないそうだ。わたしゃ斬られたことがないから判らないが。
 下手なドライバーに追い越されるとカチンとくるが、うまいドライバーに追い越されると、アッと思うだけで腹は立たない。わたしも運転暦が長いから、いろんな経験をしている。この映画と似た経験もある。大型トラックにケツにつかれてあおられた。追い越されるのもしゃくだ。ケツにくっつかれるのもうっとうしい。こんな時はこうする。アクセルとブレーキを同時に踏む。右足でアクセルを踏んで加速しつつ、左足でチョンチョンとブレーキペダルをつついてやる。ブレーキを効かせてはダメ、チョンチョンとするだけ。後ろの車は目前の車のブレーキランプが点灯するわけ。ハッとして本能的にブレーキをかける。こっちは加速、相手は減速。あっという間にひきはなせられる。
 この主人公のおっさんは運転が下手な上に、乗ってる車は性能が悪いと見える。セダンとタンクローリーが競走すれば、普通に考えてセダンの方が速いと思うが。わたしが、かっての愛車ホンダ・インテグラに乗っておれば、こんなことにはならないだろう。
 さて、わたしの自慢話はさておいて、この映画だ。原作、脚本は職人才人のリチャード・マシスン。監督のスピルバーグはこれがデビュー作。スピルバーグはこのあたりから「ジョーズ」にかけてのころが一番才能が発揮されていたのではないか。SFとホラーのベテランのマシスンと若い才能のスピルバーグが手がけらからこそ、タンクローリーにセダンが追いかけられるという、なんということのない話を、こんな面白い映画にできるのだ。
 タンクローリーの運転手がどんな男(女かも知れん)か判らないのが良い。腕と足がチラッと見えるだけ。このことによって、タンクローリーという機械が感情を持っているように見える。
 最初はただの嫌がらせかと思うが、だんだんと異様な執拗さが際立ってくる。最後は完全に殺意を持って追いかけてくる。逃げれたと思っても、こつ然と現れるタンクローリー。超自然的な怪物に見えてくる。最初はカーアクションだと思ってみるが、だんだんとホラーになってくる。このあたりはさすがホラーの名手マシスンの脚本だ。
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丸天うどん


 はいはい。どうしたんですか。お腹がすいた。それはいけませんねえ。ばあばがいま、おいしいうどんをつくってあげましょうね。
 ちょっと冷蔵庫の中を見ましょうね。うどんはありますね。ダシもあります。さてさて、どんなうどんにしましょうかねえ。月見うどん?あいにく卵をきらしてるね。きつね?おあげさんもありませんよ。困りましたねえ。なんかないかねえ。
 サワラの切り身とはんぺんがありますね。なんでこんなもんがわざとらしくあるんでしょうね。ま、それはそれとして、これで丸天をつくりましょうかね。さつまあげともいいますね。
 サワラの切り身、はんぺん、塩、片栗粉、卵白(卵を切らしてるのになんで卵白があるんでしょうね)をフードプセッサに入れて丸天の生地をつくります。これを平べったく丸めて油で揚げます。揚がったらうどんに乗っけて食べましょう。おいしいですよ。
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