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神戸新開地喜楽館1周年特別記念公演


 昨日は神戸新開地喜楽館1周年特別記念公演に行ってきました。昨年の7月11日に開館して、もう1年なんですね。私のような神戸の上方落語ファンにとって、実にうれしい神戸の上方落語定席ができたわけです。新開地に行けば、いつでも生の上方落語に接することができるのです。
 さて、記念公演の開口一番は、この喜楽館開館に尽力され、喜楽館名誉館長の桂文枝師匠のお弟子さん、桂三度さん。「真田小僧」を演じはった。子供が親を脅迫して小遣いをせびる噺です。お父ちゃんがおらへんとき、お母ちゃんを訪ねて、白い服にステッキ色眼鏡というキザなかっこうした、よそのおっちゃんが来た。話ここまで、先を聞くんやったら、もう10銭。この噺「初天神」の前半のユニットとしても使われています。
 2番手は笑福亭喬介さん。今が伸び盛りの若手の上方落語家さんの1人ではないでしょうか。演目は「時うどん」です。「ひっぱりな」がある二人バージョンでした。ごく普通の時うどんでしたが、喬介さんらしいメリハリのついた演出で楽しめました。この噺、冬に似合う噺です。それを夏にするのだから、夏バージョンに改造して欲しかったですね。「時そうめん」とか「時冷し中華」とか。「ひっぱりな」「ひっぱりなちゅうねん」「やるがなやるがな。ほれ」「ええ、これが16文の冷し中華?きゅうりが1本と錦糸卵が2本あるだけやんか」
 色もんは華乃家ケイ姐さんのハイカラソング。ようするに昭和のナツメロをアコーディオンを弾きながら歌うだけ。途中、思わぬ大物の飛び入りが。だれだったかはナイショ。
 4番目は桂花團治さん。虎キチで有名だった先代桂春蝶師匠のお弟子さん。まくらで師匠の思い出を。先代春蝶師匠といえばやせていること。ほんと、ガリガリだったそうです。春蝶師匠がゴルフしていると、どこからがクラブでどこまでが腕か判らんかったそうです。
やらはったのは師匠直伝の「昭和任侠伝」この噺桂枝雀師匠の一番弟子桂音也さんが創った創作落語ですが、先代春蝶師匠が「ぜんざい公社」とともに得意とした噺です。いま聞いても面白い落語ですが、令和のいま、さすがに昭和の高倉健とか鶴田浩二、藤純子といった東映任侠映画をネタにするには、いささか時代錯誤な感がなきにしもあらずです。花團治さん、ひとつ「令和任侠伝」を創ってくれませんか。
仲トリ前は3月に桂きん枝あらため、小文枝を襲名した4代桂小文枝師匠。まだまだ実感がわかないそうです。半分だけ小文枝でもう半分はきん枝。上半身は小文枝で下半身はきん枝ですって。なんとも大昔の旧悪を想い起こすくすぐりでした。自虐ネタでしょうか。演目は「禁酒関所」です。襲名披露はまだ続くそうです。9月1日に神戸国会館こくさいホールで行われる、「きん枝改め、四代桂小文枝襲名披露公演」には私も行きます。チケットは入手ずみです。
仲入り後の最初は桂三歩さん。歯のない口を開けて熱演です。師匠桂三枝作の創作落語「青い眼をした会長さん」自治会の会長さんにフィンランド人がなりました。帰宅して女房に聞きます。「今度の会長、だれがなってん」「知らんねん」「知らんって会長選挙があったんやろ」「だから、知らんねんって」「知らんはずないやろ」「フィンランド人のシランネンさんが新会長や」フィンランド人はニッカネンとかアホネンとネンのつく人が多いでっしゃろ。
トリ前は桂塩鯛師匠。これも桂三枝作の「宿題」子供が塾で宿題を出されます。お父さんに聞きます。算数の鶴亀算の宿題。お父さん、よう判らん。会社で京大卒の部下に聞きます。私も子供のころは算数が苦手でした。
 さて、大トリは桂文枝師匠。明日(つまり今日)誕生日ですって。私が12日ですから4日違いなんですね。演目はもちろん創作落語です。「惚けてたまるか」おじいさんが認知症のテストを受ける噺です。文枝師匠ぐらいの年になると、マジか落語か判らんです。
 文枝師匠、オチをいって頭を下げて幕が下りようとしたら、師匠、幕をもう一度上げさせて、喜楽館1周年のごあいさつ。帰りしなロビーの売店で喜楽館1周年記念てぬぐいを買いました。
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