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大晦日です

みなさま良き年の瀬をお過ごしのことと思います。今年も1年が過ぎました。ハッと気がつくともう大晦日だった、というご仁がおりますが、私は大晦日がくるのは判っておりました。さして自慢になることではありませんが。
 この「とつぜんブログ」ですが、今年もなんとか毎日更新することができました。これも、コメント、トラックバックを寄こしてくださる方々、訪問閲覧してくださる方々のおかげと感謝申し上げます。まことにありがとうございました。
 11のカテゴリー「とつぜん日記」「とつぜん読書室」「とつぜん映画館」「とつぜんコラム」「雫石鉄也ショートショート劇場」「雫石鉄也作品館」「とつぜんキッチン」「とつぜん対談」「とつぜんステーション」「とつぜんSFノート」「とつぜんタイガース」を今年も書いてきました。来る2014年も、この「とつぜんブログ」はこの11のカテゴリーでやって行こうと予定しております。これ以上カテゴリーを増やすつもりはありません。もし新企画を思いついたら、このうちのどれかが終了ということになります。
「日記」はこのブログの柱ともいえるカテゴリーです。身辺雑記的なモノを増やそうと思っております。
「読書室」「映画」論評をやるつもりはありません。あくまでレビュー紹介することを心がけて書いてます。面白い本/映画を読めば/鑑賞すれば、こんな良い本/映画があります。お勧めです。と、書きます。つまらない本/映画なら、つまらなかったと書きます。読む/鑑賞するは、みなさんで判断してください。いかに、面白いか/つまらないか、が伝わらないかもしれません。そんなことなきよう研鑽に励みます。
「コラム」このブログの発祥の地ともいうべきカテゴリーです。いわば新聞の社説のつもりで書いてます。
「ショートショート」もっと頻繁に書きたいのですが、月に2作が精一杯です。「バー海神シリーズ」はしばらく続けます。
「作品館」たまには長いモノも書きたいです。
「キッチン」雫石オリジナルレシピを開発したいです。調理方法を書いたレシピ集にするつもりはありません。そんなブログは山ほどあります。もちろん、私もレシピを書くときもありますが、料理食べ物にまつわるエッセイの方向に持っていければいいなと考えています。
「対談」これが一番毎回頭を悩ませます。もし、こんなのと対談すれば面白いとのご提案があればありがたいです。
「ステーション」もしどれか終了するカテゴリーがあれば、このカテゴリーでしょう。そろそろネタ切れです。ネタ切れ不足解消に、JR,阪神、阪急以外にも足を延ばそうと思ってます。
「SFノート」SFにまつわるあれこれを書いてますが、ある意味私の自分史でもあります。
「タイガース」読み返してみますと、どうも阪神が負けた時の方が面白い記事になっているようです。2014年の阪神タイガースは勝ち試合を増やしてもらいたいから、阪神が勝った時にいかに面白く書くか工夫が必要です。
 私たちSFファンは雑誌作りが大好きです。SFファンが作る雑誌を「ファンジン」といいます。「ファン・マガジン」の略で、私が若いころは多くのファンジンがさまざまなSFファンによって発行されていました。私もかかわった経験があります。中には一人で雑誌を(といっても簡単なモノが多いですが)発行している人もおりました。(おります。かな?最近の若いSFファンの情勢には疎いです)そういうのを個人ファンジンといいます。この「とつぜんブログ」はいわば、私、雫石鉄也の個人ファンジンのつもりで管理運営しております。
 来年もどうかよろしくお願いいたします。
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必死の逃亡者


監督 ウィリアム・ワイラー
出演 フレドリック・マーチ、ハンフリー・ボガート、マーサ・スコット

 邦題がおかしい。必死なのは逃亡者だけではなく、人質になった被害者も必死である。被害者の方が必死度がより強い。この映画のテーマを的確に表現しようと思えば「必死の被害者」の方がいい。
 アメリカの男は家族を最も大切にする。職場の机上には妻や子供の写真がある。この映画の主人公ダンの職場にも妻エリーの写真が飾ってあった。日本の会社でそんなことしたら笑いものだ。日本なら親の死に目妻の出産に、男が仕事を優先して立ち会わないのを「男は仕事最優先」と美徳とされるが、アメリカでは美徳ではない。仕事よりも家族が大切なのだ。プロ野球の助っ人外国人選手はチームが大変な時でも平気で帰国するが、彼らにとっては当然のことだ。
 その大切な家族を凶悪な脱獄犯3人に人質にされた男が必死で家族を守る話。緊迫したサスペンスが全編に渡って描かれている。
 ヒリアード家は郊外の裕福な家。主人ダンは銀行のえらい人。妻と娘、息子の4人家族。平和な朝。4人そろって朝食を食べている。
 この家に3人の脱獄犯が押し入った。グレンとハルのグリフィン兄弟。凶暴な大男サム。グレンがリーダーで抜け目なく冷徹な犯罪者。サムは少し知恵足らずで乱暴者。
 ダンはこの3人と智謀の限りを尽くして渡り合う。警察に知れれば家族が殺される。しかし、警察に知らせなければ事態は解決しない。ダンや娘シンディは外出はするが、妻エリー息子ラルフが家にいるから戻らなければならい。インディの恋人チャックがたびたび家にやってくる。シンディもデートに出かける。しかし家族が人質。絶体絶命の危機をダンとその家族はいかにして切り抜けるか。
 脱獄犯のリーダーグレンをハンフリー・ボガートがやっていたが、ボガートがこんな本格的な悪役をやるとは思わなんだ。さすがである。悪役やっても、しっかりと憎らしい見事な悪役である。ボガートのような役者は日本でいえば高倉健ではないだろうか。高倉健も「新幹線大爆破」で悪役をやったが、高倉演じる犯人沖田は、犯罪者ではあるが共感できるところもあり、100%悪人とはいえない。ところがこの映画のボガート演じるグレンは共感できないし、ひたすら悪い犯罪者。どうも高倉健よりハンフリー・ブガートの方が芸域が広いようだ。
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おやき


 これ、まんじゅうみたいに見えるが。まんじゅうではない。「おやき」である。これも五平もちと同じ、信州の郷土料理である。
 作り方は簡単。まず、生地。強力粉と薄力粉を、塩と砂糖を溶かした熱湯で混ぜてこねて丸めて1時間ほど寝かせる。
 寝かせている間に中のあんを作ろう。信州らしく野沢菜のあんもいいが、今回はひなびた味わいが魅力の切り干し大根を使おう。まず切り干し大根を水で戻す。5分ほどつければいいだろう。戻した切り干し大根は食べやすい長さに切る。戻し汁は捨てないこと。
 フライパンにごま油をひいて、切り干し大根、にんじん、油揚げを炒める。塩こしょうし、戻し汁を入れて八丁みそで味付け。
 あんを生地で包んで、焼いて焦げ目をつければできあがり。皮がねっとりして、あんがこうばしくておいしい。よく似た豚まんもおいしいが、おやきも負けてない。豚まんより手軽にできるから、おすすめ。
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宇和島鯛めし


 鯛めしといっても、鯛一匹丸ごと炊き込んだ、炊き込みご飯の鯛めしもあるが、この宇和島の鯛めしは丼ものである。鯛茶漬けのお茶をかけないものといえばいいかな。もともとは伊予水軍が発祥で、この地の漁師たちのあいだで船上食として受け継がれているとか。
 なんといっても良い鯛の刺身を求める。時間があれば明石の魚の棚まで行って昼網の鯛でも手に入れればいいが、今回は芦屋のパルヤマトで買ってきた。できるだけ切ってあるものではなくサクで手に入れよう。
 タレを作る。鰹昆布出汁に濃い口醤油、たまり醤油、味醂を混ぜる。そこに卵の黄身だけポトンと落とす。
 ご飯をよそって、ワカメ、大葉を添える。鯛の刺身を乗っけてワサビをつける。あとはタレの黄身をときほぐし、刺身をからめ、ご飯にかけて食べる。お好みですりゴマを振ってもいい。
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とつぜんSFノート 第50回

 森見登美彦の「宵山万華鏡」を読んだ。森見の「異世界京都」ワールドを堪能できる作品だった。森見の作品は「四畳半神話体系」「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」など京都を舞台にした作品が多い。いづれも他の都市にない、京都だけが持つ独特の雰囲気を素材に、森見が作家としての想像力、妄想力を思いっきり羽ばたかせて創り上げた独特の「異世界京都」である。
 これらの森見作品を一番楽しめる方法。それは現実の京都に行くことである。それも清水寺とか金閣寺とかいった定番の観光コースから外れた、小さな路地に行って、できれば迷子になることをお勧めする。京都は碁盤の目に区切られたブロックに毛細血管のように細かい路地が入り組んでいる。そういう所をウロウロすると森見ワールドが実感できるだろう。
 星群の会は昔は京都で例会をやっていた。創立者の悠々遊さんは京都の人だし、会員にも京都人が多い。山本弘、菅浩江、といった星群出身の作家も京都人だ。中西秀彦氏は、京都の古くからの印刷会社の若旦那だ。これらの方々はいづれも典型的な京都人だ。
 小生は神戸人だが、星群の例会で毎月京都へ行っていた。星群祭の打ち合わせやなんやかんやで、多い時は毎週京都へ行っていた。主に、烏丸、堀川、御池、河原町、丸太町周辺をうろうろしていたが、ある程度は京都の匂いを嗅いできたつもりだ。
 京都いうのは、実に奥深い所で、よその土地の人間が観光にやってきて、二日や三日滞在しても絶対理解できない。京都は、まさしく異世界、魔界といってもいい奥の知れぬ土地なのだ。何かで読んだか、聞いたかした話だが、京都という土地は何層にも階層があって、外国人(日本人もふくむ。京都人にとって箱根より東は外国)が何十年住んでも、1層めかせいぜい2層目の表面をさっとこすっただけ。京都生まれ京都育ちで、京文化を深く理解している人でも5層目までたどり着いている人は少ない。杉本節子さんみたいな人で7層目ぐらいだろうか。小生のごとく神戸人が時々京都に遊びに行くくらいなら、1層目どころが、京都の上空をふわふわ浮遊しているだけで、京都の地面にさえ足をつけることができない。
 こういう京都人にとって、薩摩や長州、あるいは多摩といった土地の人間は、まごうことなき外国人だったわけで、幕末の動乱は京都人にとって迷惑なことだったと思われる。特に会津(外国)の殿様預かりで、徳川(これも外国人)の手先新撰組など、乱暴狼藉を働くから京都人にとって恐ろしい印象が強い。今でも壬生あたりで新撰組の噂話をすると、唇に指を当ててシーといわれるとか。
 なんでも京都の地下には豊富な地下水があって、水の心配がないということは、いろんなことが安心。だから京都の人はいつも余裕があるとか。だから、京都の地下にもぐって、栓を抜いてやったら、京都の連中、「えらいことどすえ、えらいことどすえ」といってあわてよる。おもろいな、といった不心得ものがいた。
 京都というところは、ことほど左様に摩訶不思議で実に興味深い土地である。昔は月に一度は、河原町へんで飲み歩き、酔眼朦朧の目で京都の夜をふらふらと徘徊したものだ。酔っぱらった小生にも異世界京都を垣間見られたかどうか、今となっては記憶がない。
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宵山万華鏡


 森見登美彦  集英社

 森見の妄想京都ワールドが堪能できる一冊。祇園祭宵山。夏の京都の最もハレな日である。その宵山で繰り広げられる万華鏡のような六つの異世界(いわゆるファンタジーでいう異世界ではない。『京都』という異世界)の物語。いつまでたっても宵山。どこまで行っても宵山。小生は押井守「うる星やつら2 ビューティブル・ドリーマー」を思い出した。あれはずっと学園祭前日が続くというアニメだったが、これはずっと宵山が続く。
「宵山姉妹」バレー教室の帰りの姉妹。妹は姉とはぐれる。彼女は、露店がならび提灯のあかりが連なる宵山の黄昏をさまよう。そして、赤い浴衣を着てヒラヒラ歩く女の子たちと出会う。
「宵山金魚」乙川は「超金魚」を育てた男である。毎年、乙川に夏の京都に誘われるが、ちゃんとした宵山を見せてくれたことがない。今年こそ見せてもらおうと思ったが。乙川とはぐれ、踏みこんではいけない場所に入ってしまったらしい。祇園祭司令部と称する連中に拉致される。宵山様のお仕置きを受けることになった。
「宵山劇場」小長井は「偽祇園祭」プロジェクトに巻き込まれる。かって因縁があった山田川敦子と再会。山田川の暴力的妄想力で生み出される異様な企画を実現していく。このプロジェクトの黒幕は骨董屋の乙川だった。
「宵山回廊」千鶴の従妹京子は15年前の宵山の日、行方不明になった。京子の父、千鶴の叔父は画家。その叔父がいう「千鶴とはもう会えない」千鶴は宵山の夜、金魚みたいな赤い浴衣の女の子たちに声をかけられる。
「宵山迷宮」画廊を経営している柳は、骨董屋の乙川から父の遺品の水晶玉を売ってくれとしつこくいわれる。ところがそんな水晶玉は何度探してもない。柳と懇意で千鶴の叔父河野画伯が宵山の黄昏に消えた。赤い浴衣の女の子たちが・・・。
「宵山万華鏡」バレー教室帰りの姉妹。宵山の黄昏に消えた妹を探す姉。ここでも赤い浴衣の女の子たちが。まるで水が流れるように宵山の雑踏の中をヒラヒラと歩いて行く。
 六つの連作短編であるが、登場人物はほぼ同じ。特に強い印象を残すのが、「赤い浴衣の女の子たち」彼女たちは何者?
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とつぜん対談 第60回 サンタクロースとの対談

 今日は急きょ対談をセッティングしました。前回トナカイさんと対談しましたが、トナカイさんの元相棒サンタさんがずいぶん悪者になったような印象を与えてしまいました。サンタさんの言い分も聞かなければ片手落ちとのご指摘をいただきました。

雫石
 イブのプレゼント配り、どうもご苦労さまでした。お疲れのところ、申し訳ありません。

サンタ
 いいんじゃ。プレゼント配りはワシの仕事じゃ。

雫石 
 そうですか。今年はサンタさん一人で配ったのではないですか。トナカイさんが辞めて大変だったのでは。

サンタ
 あいつは、どうも誤解があるようじゃ。

雫石
 プレゼントの仕入先を変えて、浮いた予算をサンタさんが私物化してるといってましたよ。本当ですか。

サンタ
 確かに仕入先を変えた。それについては理由があるんじゃ。

雫石
 どういう理由ですか。

サンタ
 前の仕入先のミカエル商会はISO9001を取得してないと取引せんといってきおった。

雫石
 え、サンタさんは購入するほうでしょう。

サンタ
 ミカエル商会は欧米系の企業じゃろ。なんでもマニュアル通りの仕事をせんといかんじゃ。そうでない取引先は例え客先であっても気に食わんのじゃ。それに連中、ISO9001ばかりではなくISO14001まで取得せえといいだした。そんなもんやってられるか。

雫石
 そんなに大変なんですか。

サンタ
 ISO9001を取得しようとすると、審査にやってくる。マニュアル通りに仕事せにゃならんから、仕事場を審査員が歩いて、そのへんの従業員をつかまえて「あなた、その仕事は何ですか?マニュアル通りに仕事してますか。マニュアルのどの項目の何ページに載っている手順に従って仕事してますか」なんて聞きよる。

雫石
 マニュアル通りに仕事しなくてはいけないんですね。

サンタ
 ISO9001は品質に関する規格じゃ。ISO14001は環境じゃ。ISO14001なんかやるとゴミ捨てるのも重量を測って捨てなくてはいかんそうな。めんどうだから会社のゴミを家に持って帰る社員もおるというではないか。

雫石
 しかし、仕入先をミカエル商会から阿弥陀商店に替えて予算が浮いたのでしょう。それを私物化したとトナカイさんは怒ってますが。

サンタ
 予算はいくらあっても足らんのじゃ。配布する子供の数も増えたし、外注先の単価も上げてやらにゃならん。

雫石
 プレゼント配りに外注を使ってるのですか。

サンタ
 あたりまえじゃ。ワシの会社だけでは手が足らん。世界クリスマスプレゼント配布とサンプレゼンスという2社に外注しとる。それでも手が足らんからきこりのクマゾウもアルバイトで雇っとる。そいつらはミスばかりしよる。もっと質の良い業者に替えたいが金がいるんじゃ。

雫石
 それにトナカイさんは寒いところで寝たから風邪をひいて鼻が赤くなったといってますが。

サンタ
 あそこで寝たのはあいつの希望じゃたんじゃ。それにヤツは一人で寝たんじゃない。

雫石
 だれと寝たのですか。

サンタ
 あんたトナカイは精力絶倫ちゅうのん知っとるか。あいつは毎晩メスのトナカイを寝床に引っ張りこんどるんじゃ。だからワシと同じ所で寝るのを嫌がったのじゃ。

雫石
 へー。ところでトナカイがいなくなって、これからどうするんですか。

サンタ
 心配ない。この時の連中が来てくれることになっとる。

雫石
 あのころはサンタさんとトナカイさんは仲良かったんですね。

サンタ
 ああ、あれは先代のサンタとトナカイじゃ。

雫石
 ええ、するとサンタクロースは襲名なんですか。

サンタ
 そうじゃ、ワシは6代目サンタじゃ。

雫石
 6代目。それではトナカイのあとがまはラクダですか。6代目というとラクダですからね。

サンタ
 そうじゃ。ラクダをば連れてこなあかん。

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もうすぐお休み

 今年もあとわずかです。私も28日から5日まで9日間休めます。休日出勤が多い私ですが、こんなにたくさん休めるのは久しぶりです。とはいいつつも、私は会社の液化酸素と液化炭酸ガスのCEタンクの管理責任者ですから、この間、2度ほどは点検に出社しなくてはなりません。点検そのものは15分ほどでできる仕事ですから、さして苦にはしてません。散歩がわりに出かけます。
 あとは、元日に初詣に行くのと3日に新年会の予定があるだけでさしたる予定もありません。どうして、この9日間を過ごしてやろうか考えております。私、料理はしますが、おせちは作りません。おせち作りは家人の仕事です。私はそれ以外の料理を作るつもりでおります。
 ざっくり考えて、「読む」「書く」「料理する」の三つが、この9日間に私がする主たることだと思います。私はテレビはあまり観ません。紅白歌合戦も、とりあえずテレビの画面に映してはおきますが、まともに観るつもりはありません。「孤独のグルメ」の一挙放映があるそうなので、それは観るつもりです。それと上方落語の放送があれば必ず観てDVDに残しておきます。
 お休みというものは、事前にこうして、あれこれ思い巡らせている時が、一番楽しいわけで、休みに入ってしまうと、アッという間に終わってしまいます。そして、お休みが終わると、ああ、あれもしたら良かった、これもしたかった。さして本を読めなかったな、ショートショート1本書いただけだったな。と、後悔が残ったりするものです。12月24日。今が一番です。あっというまに1月6日になるのですから、せいぜい今のうちに楽しもうと思います。 
 
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ゼロ・グラビティ


監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー

 この映画、映画を「観る」ではなく「体験」させてくれる映画である。いやあ、実にすごい体験をさせてもらった。今までいくつかの3D映画があったが、いまのところ最も3Dを使いこなしている映画といえるのではないか。これから、この映画を観ようと思っている方は、ぜひとも映画館の3Dでご覧になるがいい。
 お話はしごくシンプルなもの。宇宙空間で作業中、破壊された衛星の破片が宇宙船に衝突。乗組員は二人を残して死亡。生き残った二人も宇宙空間に放り出され漂流する。それだけの話である。
 圧倒的な映像力に打ちのめされた。ラストを除いて、全編が無重力の宇宙空間が舞台。上も下も右も左もない。なにかにつかまっていないと、どこに行くかわからない。これは怖いぞ不安だぞ。
 小生は水産学科の学生だった時、一度、真夜中の海に落ちたことがあった。すぐに引き上げられたが、それでも何分間か真っ暗な海に漂っていた。大変な恐怖であった。小生が生まれて経験した一番怖い体験であった。宇宙空間に放り出された体験はないが、真っ暗な海に放り出された体験はある。宇宙空間に宇宙服だけで放り出される。小生が経験した恐怖のなん倍ぐらいだろうか。
 贅肉のない映画である。上映時間のほとんどが宇宙空間。登場人物もブロック演じるストーン博士一人が画面に出ている。クルーニーの宇宙飛行士も出てくるが、ほとんどストーン博士=サンドラ・ブロックの一人芝居。そして彼女が考えることは、生きて地球に戻る。それだけ。博士の、娘を4歳で亡くしたという過去もチラッとでてくるが。軽くふれるだけ。へたくそな日本映画の監督なら回想シーンなどいれてブチ壊すが、この映画はラスト以外は全部宇宙の映像。このあたりの割り切りはさすがだ。「アベンジャーズ」ごときに「日本よ、これが映画だ」といわれたって、フンと鼻の先で笑うが、この「ゼロ・グラビティ」に「日本よ、これが映画だ」といわれば、ヘヘーとおそれいってしまう。
 サンドラ・ブロックの一人芝居の映画だが、これがもう大変な名演。映像ばかりに気を取られるが、ブロックの演技も絶品であった。
 次のアカデミー賞、作品賞、特殊効果賞、主演女優賞はこれで決まり。
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おにぎり


 おにぎりである。ご覧の通りのなんのへんてつもないおにぎりである。具は何もいれてない。手に塩をつけて、にぎって海苔を巻いただけ。
 米と塩。日本人なら、これだけあれば、なんとか生きていけるのではないか。おにぎりと、おかずはたくあん。竹の皮で包む。もっともシンプルで、お弁当の素粒子といってもいいのではないか。
 とはいいつつも、おにぎりはむつかしい。料理はこういうシンプルなものほどむつかしい。ご飯の炊き具合、塩加減、にぎり加減、少し違っても、食べた時の味は大きく違ってくる。さてさて、このおにぎりはどうかな。
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のっぺい汁


 うう、さむ。さむおまんな。こないな寒い日はあったかい汁もんがええ。えらいもんで冬に冷やし中華は食いとうない。そいえば、昔、冬でも冷やし中華食いたいちゅうて騒いどったおっさんらがおったな。
 冷やし中華は夏に食えばええと思うけど、こないに寒い日はやっぱ汁やで。
ちゅうわけで、きょうのおかずはのっぺい汁や。冬に滋味豊かな根菜をようけ入れた具だくさんの汁や。
 汁は昆布と鰹節で出汁を取っとく。具は、里芋、にんじん、大根、椎茸、ちくわや。里芋は皮むいて塩でゴロゴロしてぬめりを取っておく。味がしみ込みやすくなる。にんじん、大根は食べやすい大きさに切っておく。椎茸、ちくわも同じように。大事なんはできるだけ具の大きさをそろえるちゅうこっちゃ。
 切った具をゴマ油でさっと炒めて、そこに出汁を注ぐで。そんで軟らこうなったら薄口醤油で味付け。味付けは薄口醤油だけでええんとちゃうか。できるだけシンプルな味付けで素材の味を生かそやないか。片栗粉でとろみをつけてお椀にもったらできあがりや。お好みですり生姜を吸い口に入れてもええな。
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さすらいのラーメン屋

「それではよいお年を」
「よいお年を」
 3次会をやったスナックの前でみんなと別れた。師走の金曜日、夜の11時30分。忘年会花盛りだ。繁華街は赤い顔をした人々が行き交っている。道端の電柱の影にしゃがみこんでゲーゲーと小間物屋を店開きしている若い男。上役らしい初老の男に、無意味に身体に接触されている若い女。チェーン店の居酒屋の前で、財布を出して千円札を数枚ヒラヒラさせている学生らしき男女数人。割り勘で勘定しているのだろう。
 小腹がすいた。ラーメンを食っても終電に間に合うだろう。同じよう考える人も多いらしく、どのラーメン屋も満席だ。一軒空いてそうな店を見つけた。このあたりはよく飲みに来る。だから、どこにどんな店があるのか、だいたい記憶している。ところがこのラーメン屋は記憶にない。新規に開店した店だろう。あるいは以前からあったけれど、私が記憶していなかっただけかもしれない。飲み屋街のラーメン屋なんて、縁日のお好み焼きの屋台みたいなもので、しごく当たり前にたくさんあって、いちいち覚えていない。
 なんのへんてつもないラーメン屋だ。黄色い看板と赤いのれんに「ラーメン」とある。屋号はどこにも書いてない。店の入り口に立つ立て看板にも「ラーメン」とあるだけ。なんという店なんだろう。どんなラーメンを食わせるのだろう。博多風?東京風?和歌山風?外から見ただけでは判らない。
 この店にするか。のれんくぐる。ごく短いカウンターだけだ。その前に椅子が1脚置いてある。まさか一人で満員の店か。
カウンターの向こうに初老のオヤジが一人。他に店員はいない。壁にメニューがない。カウンターの上には何もない。メニューもない。こしょうや七味、ラー油といったラーメン屋の必須アイテムもない。割り箸が置いてあるだけ。
椅子に座る。オヤジは黙って麺をゆで始めた。
「メニューは」
「ありません。うちはラーメンしか出せません」
「どんなラーメンですか?とんこつとか醤油味とか塩とか味噌とか」
「ワシのラーメンです」
 そういうとオヤジは背を向けて、麺を入れた大鍋を見つめている。大量の湯がグラグラに煮えたぎっている。
「あの、この店、定員は一人かね。一度に一人の客か。こんなんで商売になるのか」
「ウチは客は一人だけ。お客さんが食べ終わったら閉店する」
「今日は開店してから、私以外客はなかったのか」
「今日、この場所でオープンした」
「すると、私はこの店のただ一人の客かね」
「そうです。だまっていてくれませんか」 
 そういうとオヤジは湯から麺を引き上げて、ザルですばやく湯切りをした。麺を鉢に入れ、盛大に湯気を上げている寸胴からスープをすくって鉢に入れた。焼豚と青ねぎを入れた。
「おまち」
 麺とスープ、焼豚と青ねぎ。それだけのラーメン。食べる。う~む。 
 それから三日ほどあと。昼間、取引先に行く途中、忘年会をやった居酒屋の前を通った。ついでにあのラーメン屋はどうなっているか見てやろうと思った。確か、すけべなビデオを売ってる店と、お好み焼き屋の間にあったはず。あった。しかし店の前には、「当店は閉店しました」と張り紙がしてあった。ちょうど昼時だ、お好み焼き屋に入った。店のおばさんに隣のラーメン屋のことを聞いた。
「ああ、あのラーメン屋ねえ。一日だけやって店閉めましたよ。どんな事情があったんでしょうかねえ」
 え、そのラーメンの味?お値段?それは自分で確かめて。あなたの街でまだ開店してなかったら、あなたが、その街でただ一人のお客になるかもしれない。 
 
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阪神 武庫川


 ご覧のように川の上にある駅である。この川が武庫川。兵庫県の西宮市と尼崎市の市境を流れる川だ。この川より東が尼崎市、西が西宮市。この川を境に天国と地獄に分かれたことがあった。
 1995年1月17日。阪神大震災。西の西宮市は大きな被害を受けた。東の尼崎市は被害は少なかった。震災後、三日目だったと記憶する。私は食料、その他、必要物資を調達するために、被災地神戸から大阪まで移動した。公共交通機関は動いていなかったから、国道2号線沿いに歩いた。神戸、芦屋、西宮、これらの市の2号線沿線は震度7の激震地帯。爆撃にあったような風景が続いた。ところが武庫川を越えると別世界だった。そこには、いつもと変わらぬ平穏な生活が営まれていた。
 震災後、避難先から帰っても風呂が使えなかった。近くの銭湯も被害を受けて休業。そのころは自衛隊が設置した風呂もまだなかった。車で風呂を探しに行った。国道2号線と43号線は一般車両通行禁止。海沿いの臨港線を東に走った。武庫川を超えて最初に見つけた銭湯に入った。久しぶりの風呂で気持ち良かった。
 小生は、この駅で降りた記憶があるのは一度だけ。2003年4月2日、リストラされ求職活動中にこの駅で降りた。ある食品会社に面接に行った。数日前から胃が痛かった。胃痛をおして面接に行ったがムダ足だった。その5日あとの4月7日。胃から大量の出血。持病の胃潰瘍で入院した。





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ブラインドサイト


 ピーター・ワッツ   嶋田洋一訳   東京創元社

 地球に65536個の流星が飛来した。それは異星からの探査機だった。太陽系外縁に巨大な物体「ロールシャッハ」が出現。人類は未曾有の危機にさらされる。宇宙船テーセウスが調査に旅立った。乗組員は、AIの船長、吸血鬼、四重人格の言語学者、機械化された生物学者、平和主義者の軍人、脳が半分の男。
 これだけ見れば、SF好きが100人いれば、99人まで魅力を感じるだろう。小生も99人のうちだから、大いにそそられて本書を手にした。で、読み始めた。後悔した。これはとんでもない本に手をつけたぞ。ものすごく難解。日本語で書かれてあるから、読めることは読める。ところがお話が見えてこない。どうも上記の連中が「ロールシャッハ」に到達。わけのわからんモノと遭遇するということは判る。では、途中で読むのを止めればいいかもしれないが、なぜか最後まで読まされてしまった。こんな体験は「ディスコ探偵水曜日」を読んだ時以来だ。
 もうちょっと判りやすくしようも思えばできただろう。乗組員を異形のものどもではなく、普通の人間にして、「ロールシャッハ」をもっと具体的に描写するとか。だいたいが乗組員を異形のキャラにする必要性を感じないんだが。でも、作者のワッツはそんな気はさらさらない様子。本文だけではあきたらず、バカ長い謝辞と参考文献の紹介を書いて、さらに読者をケムに巻く。ワッツにケンカをふっかけるがごときテッド・チャンの解説がおもしろかった。
 読了後1週間ほどたったが、なんだか効いてきたようだ。わけわからんが「センス・オブ・ワンダー」の感動が残っているようだ。ひょとすると、これ、とんでもない傑作かもしれない。
 ヴァン・ヴォクトの「宇宙船ビーグル号」をうん十年ぶりに再読したくなった。
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高野史緒さんを擁護する

 解説や評論を行う人に対して、だったらお前書いてみろ、やってみろ、ということはタブーである。そんなことは判っている。判っているが、あえてそういいたい一文を目にした。読んでいて無性に腹が立ってきた。
 公募ガイドで若桜木虔なるおっさんが、作家養成塾というページを担当している。さまざまな新人賞を取り上げ、それらの賞に入選するノウハウを指南するというページだ。毎月、読んでいるが納得のいくこともある。今月号は「江戸川乱歩賞」を取り上げ、悪い見本として第58回受賞作の高野史緒「カラマーゾフの妹」を紹介していた。
「これはパロディだ」といって受賞に反対した今野敏が、日本推理作家協会の平理事だったから受賞した。今野が理事長の座についた後だったら受賞しなかった。この作品、文章が下手。さらには若桜木は高野の文章をほめた石田衣良の悪口までいう。また、高野は作家歴17年で12冊の著作。「文筆専業で食えないプロ作家」の典型。売れる作家なら江戸川乱歩賞に応募しているヒマはないだろう。
 もうケチョンケチョン。小生は高野さんとは面識はないが、読んでいてカチンときたしだい。「カラマーゾフの妹」は未読だが、高野さんの作品はおりにふれて読んでいる。小生は高野さんは文章が下手と感じたことはない。
 高野さんが食えてるか、食えてないか、どうして若桜木に判る。それに17年で12冊というが、SF界では寡作ながら良い作品を世に送り出している作家は多い。粗製乱造という言葉を知らんのか。若桜木虔は確かに作品数は多い。霧島那智なる変名も使いながら、愚にもつかない小説を山ほど出している。小生も昔1冊か2冊読んだが覚えてない。時間のムダであった。
 日本のSFは、英米英語圏の影響を受けて育ち、日本独自のSFを築いてきた。その中にあって高野史緒さんは、ロシア東欧文化圏に軸足を置いたSFを創作されている。ご夫君はロシア文化研究家の井上徹氏だ。日本SF界で貴重な作家といっていい。若桜木虔なる作家はいなくてもいいが、高野史緒さんは今後も活躍して欲しい作家だ。
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