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トイ・ストーリー3


監督 リー・アンクリッチ
出演(声) トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック

 アメリカの映画だ。アメリカ人の美点を全面的に強調した映画だ。何があっても仲間を信じる。絶対あきらめない。チームで行動する。自分の力に絶対的な信頼を寄せている。
 ウッディたちおもちゃの持ち主アンディは、大学生になって家を出る。ウッディだけは連れ行き、他のおもちゃは屋根裏部屋へ保管するつもりでいた。ところがバズたち他のおもちゃは手違いで捨てられた。からくもゴミ収集車から逃げ出した彼らは、アンディに捨てられたと思って、保育園に行く。
 そして保育園に、ウッディもやってきてみんなに呼びかける「アンディのもとへ帰ろうよ」
 みんなは保育園を離れようとしない。親切なリーダーの熊のロッツォがいる。子供たちが遊んでくれる。ところが・・・。
「ポセイドン・アドベンチャー」というアーウィン・アレンの傑作パニック映画があった。転覆した船から逃れる話だが、最初は生き残った乗客たちは、船の上部(転覆して一番下になった)に逃れようとする。ところが一人の神父が船底(一番上)へ行こうという。最初は疑っていた乗客たちも、強烈なリーダーシップを発揮する神父について行く。
 このトイ・ストーリー3も、ウッディという強力なリーダーに導かれて、おもちゃたちは保育園を脱走する。
 ウッディはこの映画の主人公。だからこの映画のテーマを具現化するキャラだ。アンディを信じる。毛ほども疑わない。絶対にあきらめない。仲間を見捨てない。みんなで行くんだ。前進あるのみ。わあ、アメリカだ。この映画は傑作である。しかし、ウッディはアンディのもとに戻るという目標に向かって進むからいいが、現実のアメリカはどうか。特にブッシュ時代のアメリカ。アメリカは善だ。だからテロとの戦いを遂行しなければいけない。みんなで戦う。信じて疑わない。あきらめない。前進あるのみ。
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かき揚げ天丼


 今日は天丼を食べる。エビなどが乗っている普通の天丼ではなく、かき揚げ天丼としよう。
 いろんな天ぷらの中で、かき揚げは特に難しい。なにせバラバラの素材を、揚げて1つにまとめようというのだから。下手するとバラバラになって、天かすを大量に作るだけになる。
 さて、材料だが、今回は、ごぼう、にんじん、小エビ。ごぼう、にんじんは細く切る。エビも大きければ小さく切る。ボールに材料を入れ、小麦粉をまぶす。油を熱しておく。170度ぐらい。
 ごく薄い衣を水と小麦粉で作っておく。ボールの材料に衣をまとわせる。それをお玉でとって油に入れる。ここで大切なことは、あわてないこと。パーと油の中で散ってしまうことがあるが、あわてず箸でちょいちょいと寄せて、衣を少しかけてやると必ずまとまる。泡が小さくなれば揚げ上がり。
 丼のご飯に、ダシ、砂糖、味醂、醤油で作ったつゆをかけて、天かすを少しパラパラして、かき揚げを乗せる。サクサクしておいしい。
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かしわうどん

 
 かしわうどんです。クッキングパパの59巻で紹介されていました。なんでも、小倉あたりでよく食べられるうどんだそうです。JR小倉駅の立ち食いのかしわうどんが美味しいらしいのです。小倉に行くことがあればぜひ食べてみなければいけません。立ち食いうどん愛好家の堀晃さんは食したことがおありになるでしょうか?私は残念ながらまだ食したことがありません。九州にはあまりご縁がなくて、今まで2度行っただけです。1度目は高校の修学旅行。2度目は愛車インテグラを駆って一人旅で行きました。萩、津和野へ行ったのですが、なにせ、私、飛ばし屋なもんですから、予定より早く到着しました。ひと通り観光して、萩宿泊の予定を変更して、博多まで走って、そこで宿泊しました。博多ラーメンだけ食べて神戸に帰ってきました。
 九州に行く予定も今のところありません。ですから、クッキングパパを参考に作りました。うどんのダシはいつもの通りの作り方。ダシで鶏肉を煮るのですが、甘めに煮た方が美味しいです。
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SFマガジン2011年2月号


SFマガジン2011年2月号 №659      早川書房

雫石鉄也ひとり人気カウンター

1位 天冥の標 断章五 サインポストB 小川一水
2位 Heavenscape           伊藤計劃
3位 ふるさとは時遠く         大西科学
4位 スワロウテイル人工少女販売処 蝶と果実とアフターノエルのポンセチ                      
   ア                籐真千歳 
5位 ダイナミックフィギア       三島浩司

 日本作家特集である。2月号である。昔は、SFマガジン2月号というと、創刊N周年記念特大号として、通常号の倍ぐらい厚かった。それが年末の大きな楽しみであった。復活して欲しい。
 さて、日本作家特集ではあるが、5編のうち純粋に今号のために書き下ろされた作品は「ふるさとは時遠く」だけ。他は、現在進行中のシリーズのスピンオフやら、亡くなった伊藤計劃の発掘原稿、刊行予定の長編の抜粋とか。これって手抜きじゃないの。
 さて、個々の作品だが、小川一水の「天冥の標 断章五 サインポストB」が抜群に面白かった。羊のゲノムとエイリアンという全く異質なモノを組み合わせた話。最後は壮大な結末となる。センス・オブ・ワンダーを感じた。傑作だ。
「Heavenscape」名作「虐殺器官」と並行した世界の話。ひょとすると、あの小説はこの話になっていたかも知れない。
 あとの作品では「ふるさとは時遠く」が面白かった。土地の標高によって時間の流れが違う。日本の中心地「高京市」は標高が高く時間の流れが速い。主人公は、そこからゆっくり時間が流れる故郷の低地へ帰ってきた。
 新連載が始まった。評論の連載で「現代SF作家論シリーズ」監修は巽孝之氏。1ヶ月1作家。国内12人海外12人の作家を、24人の評論家が論じていく。この連載は楽しみである。
 巽氏が連載開始にあたって、前説を書いておられるが、ちょっとひっかかる所が。昨年の夏、神戸文学館で「SF幼年期と神戸」が開催された。そのことに巽氏も触れておられた。その中で「小松左京や筒井康隆をフューチャーした」とある。小生、この企画のお手伝いをさせていただいた。企画に関わった者としてちょっとひと言。
 小松氏はイオの乙部さんから資料を貸していただいたり、協力していただいた。眉村さんは講演に来ていただいた。資料も貸していただいた。ところが筒井氏には全く協力がいただけなかった。文学館が依頼の手紙を送ったが返信がなかった。神戸在住の筒井氏の協力を得られなかったのは残念。
 第14回日本SF大会は1975年に神戸で開催された。そのSF大会関係の資料も多く展示されていた。筒井氏はこの神戸のSF大会の中心人物だった。実行委員長は会場に写真も展示してあった清水宏祐氏。清水氏は残念ながら一昨年亡くなっておられる。だから、この資料は筒井氏提供の物ではない。その多くは、当時同人誌ネオ・ヌル編集長だった岡本俊弥氏提供のもの。小生も一部貸し出した。
 で、現代SF作家論の1回目。鹿野司がグレッグ・イーガンを取り上げた。しかし、鹿野氏のこの文章どうにかならないか。前にも1度いったことがある。自分のコラムでだけあんな文章を書くのかと思っていたが、この評論でも同じ文章だった。読者は自分と同年輩か年下ばかりではない。年上の読者もいるのだ。鹿野氏の文章を読むと、なんで、こんな若僧にタメ口を聞かされなくてはいけない。と思う。
 で、肝心のグレッグ・イーガン論だが、イーガンのことについてはちょこっと触れただけ。ほとんどは自閉症について書いていた。巽さん、ちゃんと監修しなくちゃだめだよ。
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上方演芸ホールを観る

 録画しておいた「上方演芸ホール」を観る。今回の演者は。

林家染二 井戸の茶碗
桂二乗  普請ほめ

 井戸の茶碗、元々は江戸落語の古典だが、染二さんが演ると、上方落語として不自然ではない。侍の出てくる噺だが、上方落語には侍はあまり出てこない。パッと思いつくのは「佐々木裁き」「宿屋仇」ぐらいか。舞台は江戸のはずだが、聞いていて上方だと思ってしまう。勢いのある染二さんの噺に乗せられてしまった。
 桂二乗さん、不勉強ながら知らない噺家さんだ。桂米二師匠のお弟子さんとか。また、有望な若手上方落語家を1人見つけた。二乗さん、まだまだ噺は平板だが、活力のある噺だ。元気がある。二乗さん、これから伸びる噺家と見た。楽しみである。
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とつぜんSFノート 第15回

 創作研究会の集まりがもう1つできた。始まりは確か1972年だったか3年だったか記憶が定かではない。そのころ眉村さんのご自宅は阪南団地だった。このご自宅とは別に仕事場としてマンションを借りておられた。地下鉄御堂筋線の昭和町駅のほど近く。この眉村さんの仕事場のマンションに集まって勉強会を始めた。このマンションの名が銀座が丘ハイツというので、銀座が丘集会といっていた。
 メンバーはいつもの人たち。ある日柊たんぽぽ氏が友人を連れてきた。柊氏は大阪工大SF研究会で、友人氏は工大SF研のお仲間とのこと。実は、それ以前に柊氏から、友だちが作ったというので、「旅」「冬」という、極めて愛想がないタイトルのファンジンを売りつけられたことがあった。作者名を見ると「甲州」とだけある。その日連れて来た友人が、その「甲州」だった。実は甲州氏はチャチャヤングの常連でもあった。そのころのペンネームは谷垣甲州といった。甲州は日本にいなくて、たまたまその時は帰国していて、柊氏に銀座が丘集会のことを聞いて、ついてきたのだ。甲州本人は海外が職場だったから、「旅」「冬」といった甲州作のファンジンは友人の柊氏が、日本で配布していたというわけ。その後、甲州はネパールで「137機動旅団」を書いて第2回奇想天外賞に応募、佳作に入っている。この時のペンネームも甲州だった。ちなみに同時の佳作は牧野ねこ=後の牧野修。第1回には新井素子、山本弘が佳作。第3回は児島冬樹、中原涼が佳作。結局、奇想天外賞は佳作だけで、入選者は1人も出せなかった。甲州は作家デビュー後、谷甲州となった。
 この時の銀座が丘集会で会ったのが、小生と谷甲州の初対面であった。第2回奇想天外賞発表が1979年だから、それより5年か6年前に小生は谷甲州と会っていた事になる。
 柊氏が「旅」「冬」を小生に売りつける時、「この甲州ちゅうヤツはすごいヤツやねんで」といった。なんでも、常になんか書きモノをしている。工大SF研の飲み会があって、どっかに甲州、柊氏らが泊まった。柊氏が夜中に目を覚ますと、甲州が1人机に向かって原稿を書いている。アマチュアの時代の話である。プロになってから締め切りに追われているのではない。アマチュアで別に締め切りなどないファンジン用の原稿である。やはりプロになる人は違うのだ。
 この谷甲州、1986年のマルコス追放、コラソン・アキノ大統領就任のフィリピン革命に立ち会っている。
 実は、甲州、フィリピンに旅発つ前日、小生の下宿に泊った。そのころ小生は四畳半と六畳の文化住宅で1人暮らしをしていた。この小生の下宿、近郷近在のSFファンの貯まり場だった。しょっちゅう誰かが泊っていた。夜おそくまで麻雀をやっていて、よく、うるさいと叱られた。
 その日も甲州と、あと何人かいた。甲州があすフィリピンに出発するから、送別会ということで、どっかに飲みに行こうとなったが、甲州がビデオを見たいといいだした。「風の谷のナウシカ」が観たい、雫石よ持ってるか、と聞く。小生は、このアニメは1984年劇場公開時に映画館で観ている。感激した。「ええで風の谷のナウシカ」と、そのことを甲州に話した事があったのだろう。彼も観たいと思っていたらしいが、なにせ海外をウロウロする仕事。なかなか観る機会がなかったと思われる。
 静岡のSF友だちが電器店の経営者だ。彼に送ってもらってビデオを持っていた。「あるで」「飲みにいかんと観よ観よ」
 観た。甲州もえらく感激したようだった。満足して喜んで翌日フィリピンに旅立った。で、あの騒動である。
 帰国してから話を聞いた。
「どんなんやった」
「何がおこっとんのか全く判らんかった」
「なんでや」
「情報がいっこも入ってきやへんねや」
「マニラにおっても判らんか」
「日本から送ってくる新聞や雑誌が情報源やった」
「そやったら情報が遅れるやろ」
「そや、だからアメリカ大使館に行ってた。知り合いがおるもんで」
「日本大使館は」
「いっこも頼りにならへん」
 結局、日本にいた方が何が起こっているのかよく判ったみたいだ。

 星群の会ホームページの「SFマガジン思い出帳」が更新されました。どうぞご覧になってください。
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名車スカイライン2000GT

 桜井真一郎氏が1月17日に亡くなった。桜井氏は「スカイラインの父」と呼ばれた人物。スカイライン、日産自動車のメイン車種の1つである。
 将来、日本の自動車を回顧することがあれば、スカイライン、なかんづくスカイライン2000GTは名車として記録に留められるだろう。
 小生のオヤジは車好きだった。初めてわが家のマイカーとなった車は、トヨタパプリカだった。800ccの車でパタパタと空冷エンジン特有の音をたてて走った。だから、わが家はかなり早い時期にマイカーを持ったわけだ。オヤジの工場の近くにマツダのディーラーがあった。だから、トヨタ車はこのパプリカだけで、その後のマイカーはオヤジが亡くなるまでマツダ車だった。
 小生も、このオヤジの遺伝か車好きとなった。免許を取れる年齢になったらすぐ取った。10代で車の運転を始めて、5年前にホンダ・インテグラを手放すまで、わが家には車が有り続けた。
 そんな小生が免許を取ったころには、あこがれの車がキラ星のごとくあった。
スカイライン2000GT、トヨタ2000GT、ベレット1600GT、ギャランGTO、ホンダ・クーペ9、いすず117クーペ、ブルーバードSSS、フェアレディ。いつか乗りたいと思っていた。その中でも特にあこがれたのがスカイライン2000GT。いわゆるスカGだ。最近のスカイラインは肥満した不細工な車となったが、ハコスカと呼ばれた3代目あたりのスカイラインは、ロングノーズ、ショートデッキのフォルムで、横腹にはサーフィンラインが走って、筋肉質で実にかっこ良かった。見てくれだけではなく、GT-Rは速かった。ロータリーエンジンのマツダサバンナに破れるまで、レースで50連勝を記録している。
 スカGはこんな車だから、車好きの大藪春彦の小説に出てくるし、大藪氏自身もスカG-Rに乗っておられた。大藪春彦も好きだが、小生、田中光二もファンだった。最近はなにやら戦記シュミレーションなどを書いておられるが、初期は冒険小説の佳品をいくつか書いておられた。田中氏もなかなかのカーマニアで、カーアクション小説もある。その中で小生が特に好きなのが「ビッグ・ラン」だ。日本列島全域を非合法ラリーで駆け回るという作品だが、この小説の主人公の愛車がスカイライン2000GT-Rだ。スカG-Rが登場する小説で一番の傑作だと小生は思う。
 と、まあ、こんなことをいっているが、小生はスカGに乗ったことは一度もない。オヤジ存命中は、オヤジがマツダのディーラーと親しかったのでマツダ車ばかりであった。ファミリア・ロータリー・クーペに乗っていた。エンジンは強力だが足回りに少々難点があった。コスモに乗ったこともある。ロータリーエンジンは確かに速いが、運転していてあまり面白くない。自分が速いというより、他の車が遅いだけ。オヤジが亡くなって、マツダと縁が切れてからは、ホンダ車に乗っていた。初代インテグラに長い間乗っていた。これは良い車だった。
 もし、スカイラインを買える経済力があっても今のスカイラインは欲しくない。やっぱり、サーフィンラインで丸型テールランプのハコスカでないと嫌だ。
 桜井真一郎氏のご冥福をお祈りする。
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食堂かたつむり


監督 富永まい
出演 柴咲コウ、余貴美子、ブラザー・トム、三浦友和、江波杏子

 小川糸の原作は読んでない。だから、小生は、恋に破れた女が小さな食堂を開店する。それを下町の人たちが食べに来て、彼女を応援する。というような下町人情もんの話と思っていた。ところが、この映画、下町人情もんどころか、ファンタジーであった。つっこみどころ満載の映画ではあるが、つっこんではいけない。なにせこの映画、現実から完全に遊離した、夢幻の世界の話なんだから。
 インド人の恋人に去られた倫子は、ショックで声が出なくなる。しかたなく故郷の母のもとに戻る。豚をペットに飼っている母は奔放な女で、エキセントリック。自分の娘に倫子の倫は不倫の倫だなどという。事実倫子の父は判らない。
 倫子は料理上手。この料理の腕を生かして小さな食堂を開く。倫子の食堂かたつむりは、1日1組の客しか取らない。完全予約制。
 この倫子の料理がものすごくおいしい。食べると、恋が成就するなど願い事が叶う。
 声が出ないという設定だから、柴咲はセリフなしの演技だが、ブスッとした表情が悪くない。柴咲コウはぶっちょう面が似合う女優さんだ。柴咲のぶっちょう面演技もさることながら、余のエキセントリック演技は見事であった。このとんでも母の存在が、この映画の現実離れ具合を加速している。
 倫子の料理はおいしいらしいが、変わってる。ザクロのカレー、野菜のごった煮スープ。しかも参鶏湯とリゾットをコースで出すなんて、韓国料理やらイタリア料理やらよう判らん。極めつけが最後の結婚披露宴の料理。素材がなんせアレのアレだから。なんでこんな料理にしたかは、とんでも母の運命と大きく関わる。
 小生も料理するが、この映画の料理は再現しようとは思わない。実際に食べるとおいしいかとは思うが。
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インドネシア風チキンカレー


 小生、世の男性(とは限らないかも)のご多分にもれずカレーが大好きである。月に1度か2度はカレーを作って食う。今までいろんなカレーを作ってきた。このブログで紹介したのもあるし、してないのもある。
 カレーといっても、いろいろある。本場インドでは、日本人がいう、いわゆるカレーはない。起源は確かにインドだが、インドで汁ものを意味する言葉がカレーの語源との説もある。だから、インドには日本でいうカレー粉はない。スパイスをミックスした調味料はある。だから、極端にいえばインドの料理はすべてカレーといってもいい。この文脈に従えば日本料理は「ショウユ」といえるかも知れない。
 日本でいうカレーは欧風とアジア風の2種類に分類できるのではないか。今回はアジア風、インドネシア風チキンカレーといこう。
 インドネシア風カレーの特徴は、ココナッツミルクとナッツのペーストを使うこと。ココナッツミルクは缶詰を買った。ナッツだが、本場ではクミリという木の実を使うらしいが、入手できないので、ピーナッツバターと練りゴマを使った。
 まず、カレーペーストを作る。しょうが、にんにく、玉ねぎのみじん切りをすり鉢に入れてゴリゴリ。ピーナッツバター、コリアンダー、ターメリック、グローブ、カレー粉を混ぜ合わせて、塩、水を加えてペースト状になるまでする。
 フライパンにカレーペーストを入れて炒めて、スープを加え、ココナッツミルクを入れ、炒めて表面に焦げ目がついた鶏肉を入れる。骨付きの方がいい味が出る。今回は手羽元を使った。あとは、鶏肉が煮えれば出来上がり。
 ココナッツミルクの甘さがおいしいカレーである。
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冬の根菜と鶏のオイスターソース炒め


 冬は根菜がおいしい。今日は、根菜で中華を作る。お出まし願う根菜は、ごぼう、にんじん、里芋、大根。野菜だけではちょっとさみしいので、鶏肉に根菜類のお相手を務めてもらう。
 鶏肉はもも肉を使う。まず、鍋で皮を焼いて焦げ目をつける。私、鶏もも肉を使う時は必ず皮を焼く。香ばしくておいしくなる。鶏肉の苦手な人は、皮のブツブツが苦手という人が多い。皮を香ばしく焼けば、苦手な人もおいしく食べられるはず。
 ごぼう、にんじん、里芋は油通ししておいて、ある程度火を通しておく。大根は、切ってそのまま。
 調理は簡単ですぐ済む。中華鍋に炒め油を取って、にんにく、しょうがのみじん切りを炒める。鶏肉を入れ、火が通ったら、根菜類を投入。あとはオイスターソース、醤油、酒で味付け。ごま油を振って出来上がり。簡単でおいしい。
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遠いわが家

 雪が降ってきた。予報では雨だが、日が暮れてから、急に気温が下がった。終電車を降りて、駅を出ると、地面が白くなりかけている。積もるかな。このあたりでは雪が積もることはめったにない。
 コートの襟を立てる。風も出てきた。吹雪になりかけている。タクシーに乗ろうと思ったが、1台も停まっていない。しかたがない。歩こう。急いで歩けば、15分ほどで帰宅できる。今夜は鍋のはずだ。今から帰るから、鍋を火にかけ、酒を燗しておけと、女房に電話しておこう。こういう夜は、お鍋に熱燗というのが一番だ。
 携帯をかばんから出した。電池切れ。しまった。会社で充電しておくべきだった。ま、いいか、女房のことだ。亭主の帰宅時間ぐらい推測できるだろう。鍋も酒も用意してあるはずだ。
 雪も風も強くなってきた。気温もさらに下がってきた。たまらん。凍えてしまう。この道の一筋東にコンビニがあったはずだ。懐炉を買って、熱い飲み物でも飲もう。
 おかしい。このあたりにあったはずだ。もうそろそろ灯りが見えてきてもいいはずだが。案外、遠かったのだな、あのコンビニ。あった、あれ、シャッターが閉まっている。「当店は○月○日を持ちまして閉店しました」ここ以外コンビニは知らない。しかたがない。
 本格的な吹雪になった。気温は零下をかなり下回っているだろう。地面にはすでに積雪している。急ごう。
 もうすぐ家だ。顔が痛い。手をポケットに入れているが、かじかんだ手はなかなか温まらない。首筋が冷たい。かじかんだ手をポケットから出して、襟を強く合わせる。首をすくめる。震えが止まらない。
 家が見えてきた。灯りが見える。ほっとする。半分走るように玄関にたどり着く。チャイムを鳴らす。出てこない。もう一度鳴らす。早く出て来い。亭主が凍え死ぬぞ。玄関のガラスに影が。ドアが開いた。
「お帰りなさい。暑かったでしょう」
 女房が何をいっているのか判らない。
「酒を燗してあるだろうな」
「きょうもご苦労さま。ビールが冷してあります。先にシャワーします」
 靴をむしり取るようにして脱いで、家に上がった。テレビには高校野球が映っている。クーラーがガンガン稼動している。セミの鳴き声が聞こえる。部屋を通り越して庭に出た。抜けるような青空。真夏の太陽が照り付けている。熱風が顔に当たる。
「おいお前、これはどういうことだ」
 振り返ると、知らない女が家の中にいた。 
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とつぜん対談 第24回 日付印との対談

 今日の対談相手は、日付印さんです。長年、この会社のOLとして働いておられます。事務職の大ベテランです。彼女がいなければ、この会社の事務所は動きません。
 あ、ご本人が来られる前にいっておきますが、日付印さんは、いわゆる「お局さん」です。この会社では、彼女に逆らうとなにかと面倒なことになります。そのかわりに、頼るとこれほど、頼りになる人はいません。あ、お見えになりました。

雫石
 こんにちは。

日付印
 どうも。

雫石
 初めてお会いするのですが、日付印さん、予想してた感じとは違いますね。

日付印
 どう違うのよ。

雫石
 どうって。う~ん。

日付印
 どうなのよ。はっきりおっしゃい。

雫石
 いいにくいのです。

日付印
 私のこと、美人と聞いてのでしょう。

雫石
 はい。

日付印
 怒らないわ。私、50過ぎてるのよ。そりゃ若いころは、いいよる男を振り払うのに肩がこったものよ。

雫石
 そうでしょうね。もっと目鼻立ちにくっきりした方とうかがってましたから。

日付印
 確かに、若いころはお目目ぱっちり。お鼻すっきりだったわ。でも、こんな仕事を長年やってたら、こんな顔になるわよ。私の顔、のっぺらぼうでしょう。

雫石
 いえいえ、今もお美しい。和風美人でいらっしゃる。

日付印
 お世辞はいいのよ。毎日毎日伝票に印を押してりゃ顔もすりへるわよ。

雫石
 あの、まことにいいにくいのですが、それでちゃんと仕事できるのですか。

日付印
 いいにくいことを、ズバッというわね。確かに最近、私の仕事についてブチブチいう人がいるわ。

雫石
 すみませんが、ちょっとこの紙に仕事してもらえませんか。

日付印
 なによ。めんどうだわ。

雫石
 お願いします。

日付印
 ハイ。これでどう。

雫石
 うわっ。印になってないじゃない。ただの赤い丸だ。よくこんなんでリストラになりませんね。

日付印
 私を敵に回すと恐いから、会社は私を切れないのよ。この会社の女子社員は全員私の子分よ。いろいろエライさんの秘密を知ってるんだから。

雫石
 例えば。

日付印
 社長は女装が趣味よ。誰にも知られず女装クラブに行ってて、そのお金は会社の金を使ってるの。

雫石
 しかし、納入業者の受領書受付もあなたのお仕事でしょう。

日付印
 そうよ。

雫石
 これじゃ日付が判らないじゃないですか。この会社の支払いは月末締めでしょう。今月の納品か翌月の納品かわからないと困るでしょう。支払いがひと月ずれたら、納入業者も困るでしょう。

日付印
 いいのよ。そんなこと。私が今月といえば今月なの。気に食わない業者は翌月といってやるわ。だから出入りの業者も、みんな私の子分よ。

雫石
 そんなに会社で権勢を持っているのなら、女性ながらもっと出世して、女社長にでもなられたらどうです。

日付印
 いやよ。そんなバカなこと。私はヒラOLでいたいの。ヒラながら会社を裏から仕切るのが面白いのよ。バカねあんた。


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2010年に観た映画ベスト5

 今年は「午前10時の映画祭」という極めて結構な企画があった。「2001年宇宙の旅」「ミクロの決死圏」「ベン・ハー」と3本観た。映画館であまり映画を観ない小生としてはめずらしい。やはり映画は映画館で観るものだと認識する。これ以外も「13人の刺客」、また、今年になって「僕と妻の1778の物語」も映画館で観た。「午前10時の映画祭」は2回目が2月から開催される。観たい映画が何本かある。若いころに観た映画がほとんどだが、あらためてもう1度観たい。
 さて、2010年に小生が観た映画ベスト5は次の通り。これは、今年初めて小生が観た作品が選考対象で、「午前10時の映画祭」で観た3本は選考対象外。また、旧作であっても小生が初めて観た映画であれば選考対象とした。

1位 十三人の刺客   監督 三池崇史
   出演 役所広司  伊勢谷友介 松方弘樹 稲垣吾郎 市村正親
 傑作アクション映画の条件をすべて満たしている。シンプルなストーリー。魅力的な悪役。壮絶なアクション。お話は悪い殿様を斬る。極めてシンプル。稲垣吾郎演ずる松平斉韶は「ダークナイト」のジョーカーを凌駕。ラスト50分の大チャンバラは「ワイルドバンチ」の銃撃戦に勝る。

2位 第9地区   監督 ニール・ブロムカンプ
   出演 シャルト・コプリー、デビット・ジェームスズ
 地球に難民としてやってきたエイリアン。差別され迫害されるエイリアン。いろんなエイリアン映画を観てきたが、こういうエイリアンは初めて。奇っ怪なエイリアンにだんだん感情移入してくる。傑作SF映画だ。

3位 サマーウォーズ   監督 細田守
   出演(声) 神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、斉藤歩、富司純子
 信州の旧家と、ネットの仮想世界が目まぐるしく入れ替わる映像。美しい日本の風景と、カラフルな仮想世界。世界は「オズ」が制御していた。「オズ」のセキュリティが破られた。世界崩壊の危機に信州の旧家の家族が立ち向かう。

4位 マイマイ新子と千年の魔法   監督 片渕須直
   出演(声) 福田麻由子、水沢奈子、本上まなみ
 昭和30年代の日本の田舎。蒸気機関車、氷冷蔵庫、紙芝居、ポン菓子、ラジオドラマ、などなど、あの頃のアイテムがいっぱい。田舎に都会からおしゃれな女の子が転校して来た。元気いっぱいの新子と友だちになる。定番のストーリーだが魔法がかかっている。千年前の平安時代とリンクしている。

5位 アバター  監督 ジェームス・キャメロン
  出演 サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバー、ゾーイ・サルダナ
 映画は見世物である。そのことを実践した作品。圧倒的な映像だ。ストーリーはあるが、それはあくまで映像をつなぐひもにすぎない。理屈はいらん。ただただ、めくるめく映像に溺れるがいい。

次点 チョコレート・ファイター 壮絶アクション。格闘技映画の快作。凄い。激しい。かわいい。
   細雪 市川崑の映像美たっぷり。吉永小百合が美しい。   
 
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僕と妻の1778の物語


監督 星護
出演 草剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、風吹ジュン

 この映画は実話を元に作られている。ただし、当然ながら登場人物は架空の人物だ。原作(というのかな)者の眉村さんは草演じる牧村朔太郎のモデルではない。竹内の節子は悦子さんがモデルでもない。同期のSF作家ということで、滝沢は筒井康隆に当たるかと思うが、筒井さんは滝沢のモデルでもない。話も実話をそのまま映画化したものではない。だからフィクションではあるのだから、純粋に映画としてみればいいのだが、つい感情移入が強くなってしまった。
 眉村さんとは長年、ご厚誼を頂いているし、奥さまの悦子さんもご自宅にお邪魔したおり、何度もお会いした。また、ガン闘病中の悦子さんに眉村さんが1日1本のショートショートを書いておられることも知っていた。だからつい、これは現実ではないと思いつつも、つい映画と実際の比較してしまう。
 ご夫婦が高校の同級生だったのは本当。悦子さんが銀行員だったのも本当。眉村さんのご自宅は大阪、現実のSF雑誌SFマガジンの発行元の早川書房は東京。映画のように頻繁に編集者に原稿を手渡してはいないはず。眉村さんデビュー当時のSFマガジンの編集長は福島正実氏。福島氏は映画の新美のように優しくないはず。福島氏は「SFの鬼」と呼ばれて大変に厳しい人だったと聞く。闘病中、夫婦で旅行にいったのは本当だが、行き先はイギリスで、映画のように北海道ではない。
 と、まあこんなことを書き連ねてもヤボなだけだが、映画の出来は非常に良く、上記のごとき小生の重箱隅つつきは、問題にならず魅せられてしまった。映画のジャンルとしては、いわゆる「難病もの」映画だ。しかし、難病もの、特に邦画の難病ものにありがちな愁嘆場が少なく、強引に観客を泣かせようとはしていない。全体に軽やかで、ファンタジックな感じに仕上がっている。
 お話はシンプル。妻がガンで余命1年と宣告されたSF作家牧村朔太郎は、自分の無力を嘆く。主治医に「笑うと免疫力が高まることがある」といわれて、作家として自分にできることは小説を書くことだ。妻を励ますため、クスッと笑えるような小説を毎日書いていこう。妻に読まそう。妻の命を一日でも長らえるために。こうして朔太郎は1日1編3枚以上の小説を書き始めた。それは妻が亡くなり遺体が自宅に帰ってきてからも書いた。1778編のショートショートとなった。余命1年の妻は5年生きた。
 ところどころ、朔太郎が書いているショートショートが映像化されている。これが効果的で、難病映画にありがち陰鬱さを和らげている。このショートショートは実際に眉村さんが書いた1778編の内の作品。これが眉村SFのイメージがよく表現されている。
 シナリオは非常に良く出来ている。主たる登場人物は病人の妻と作家の夫。映像としてベッドで寝てるか、原稿を書いているかだ。そのままを映画にしても観ていて面白くない。それを飽きさせずみせられたのはシナリオの力だろう。星監督の演出も悪くはないが、2ヶ所ちょっと演出過剰な個所があった。
 朔太郎が灯の消えた病院の廊下で、窓から差し込む月の光で原稿を書いている。それを暗闇の中から掃除のおじさんや患者たちが見ている。宗教画のようだ。朔太郎が病院の食堂で原稿を書いていると、事情を知った人たちがおにぎりやお菓子を置いていく。不自然な感じを受けた。
 草の演技は悪くない。節子の臨終の場面の演技は良かった。ただ、夢見がちで少々ボーとしたキャラクター設定だが、小生も長年のSF者で、何人かのSF作家を知っているが、ボーとした夢見がちなSF作家は知らない。小生の知っている範囲ではSF作家は才気煥発なタイプの人が多い。でも、ま、この映画の世界ではボーとしたSF作家もいるのだろう。
 竹内の演技が見事であった。竹内結子、きれいなだけの女優さんではないな。映画の後半はほとんどベッドに寝ているだけの演技だが、顔の表情だけで演技をしている。元気であったのが、抗癌剤が効かなくなり、だんだん重篤になっていくのを上手く表現していた。ただ、惜しむらくは、死病に冒された節子の内面がもう少し演技で表現できていれば完璧であった。
 最終話1778話目ををどう映像化するか興味があった。なるほど、こうしたか。見事な演出であった。この演出によって、朔太郎の節子に対する想いが非常によく判る。
 それにしても毎日ショートショートを書くということはいかに大変か。小生もショートショートを書くが、今は月に2本書くのがやっと。チャチャヤング当時の若いころは週に1本書いていたが。それを毎日。まさに比叡山の千日回峰どころではない苦行だと思う。その苦行ぶりはよく描かれていた。
 エンドロールの最後に「眉村卓・悦子ご夫妻に捧ぐ」と献辞が出た時は、少しホロッとした。
 
 
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阪神大震災から16年。真の復興とは

 今年も1月17日がやってきた。あれから16年。短いようで長い、長いようで短い年月だった。わが街神戸も大きく変った。また、私の人生も大きな変遷があった。27年勤めた会社をリストラされ、無職となり5年間の求職活動を経て今の会社に入社して、今年の5月で5年目となる。今はそれなりに落ち着いている。
 神戸も、一見復興がなったように見える。しかし、東灘や長田の小さな路地を歩くと、震災当時の小さな亀裂が今でも見られる。
 神戸を代表する電器店だった星電社が、震災の痛手から立ち直らず、ヤマダ電機に吸収された。また、震災との関連はないかもしれないが、神戸名物瓦せんべいの老舗菊水総本店が閉店となった。谷崎潤一郎ゆかりのレストラン「ハイウェイ」も閉店。神戸らしさを演出していた所が次々と消えていく。
 神戸は美しい街だ。中心地三宮も大火災で焼失した長田も、新しい建物が建設され、とりあえず街並みは整った。三宮や新長田の駅を出ると、目の前にはきれいな神戸の街が見える。しかし、これで本当に復興したといえるのだろうか。建物は建てられる。しかし、亡くなった人は2度と戻ってこない。モノ、人、両面が復活してこそ真の復興といえるのではないか。それでは神戸の真の復興は永遠にありえないのか。
 阪神大震災以後も、日本で、世界で、大きな震災があり、数多の街が破壊され、多くの人が亡くなった。生きている惑星地球に住んでいる限り、大地の振動たる地震は必ず起きる。特に、マントル対流の太平洋プレートの沈み込みの真上にできた弧状列島に住む、私たち日本人にとっては地震は宿命ともいえる災害だ。
 近代都市が初めて経験する、直下型大地震を身を持って知った、私たち神戸市民は、その経験を後世に伝え、これからも必ず起きる地震の被害を、少なくし、1人でも多くに人命を救う。それが、真の神戸の復興となるのではないか。
 阪神大震災で亡くなった6434人の命は戻らない。しかし、これからの地震で失われるかも知れない6434人は、救うことが可能だ。
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