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スペアリブの蒸しもん


 豚のスペアリブである。骨付きの肉は旨い。骨付きの牛はなかなか手に入らないが、豚や鶏の骨付き肉は手に入りやすい。と、いうわけでスペアリブの料理もよくする。煮込む焼く揚げるとしてきたから、今回は「蒸す」と行こう。
 スペアリブにフォークをブスブス突き刺して穴をあけて味が染みやすいようにする。しょうがのすりおろし、甜面醤、酒、ゴマ油、オイスターソースを肉にまぶし、五香粉をふって、八角と長ネギの青いところをいれて、1時間ほど味を染み込ませる。
 蒸篭で1時間ほど蒸せばできあがり。スペアリブ料理の中ではさっぱりといただける。おともはなんといってもビールだ。ビールのアテにぴったり。
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松茸のどびん蒸し

 
 

秋である。松茸ぐらいは食いたい。京都の寺町に国産松茸の専門店がある。オータムジャンボ宝くじでネの1365番が当たれば、そこまで国産松茸を買いに行ったのだが、オータムジャンボの抽選はまだ先。しかたがないので外国産の松茸を近くのスーパーで買ってくる。
 松茸料理の定番、土瓶蒸しにする。まず吸い地を作る。せっかくだから、だしパックや顆粒のだしの素などは使わず、ちゃんと鰹節と昆布で一番だしをとろう。なにせ1年に一度の松茸料理なんだから。
 鰹節はできるだけ血合の少ないもの。できれば自分で削ろう。昆布は利尻がいいだろう。羅臼の方が濃い味が出るが、利尻の方が澄んだだしが取れる。
 水に利尻の昆布を入れて加熱。沸騰寸前に取り出す。いったん鍋を火から外し鰹節を入れて再び加熱。これも沸騰寸前に火を止めて、サラシか油こし紙で漉す。この時、あまり絞らない。ようは昆布の昆布臭さを出さないで旨味だけ取り出す。鰹節のいやなエグミを出さずに良い香りと旨味を取り出すということ。塩と薄口醤油で味をつける。
 具はシンプルに松茸と三つ葉だけ。出会い物のハモも入れたいところだが、今回はシンプルに行く。
 土瓶に吸い地をはり、松茸を入れる。7分ほど蒸す。蒸しあがったら三つ葉を散らす。これででき上がり。すだちを絞っていただく。日本酒をちびちびやりながらだ。日本酒はもちろんわが家のオフィシャル酒桜正宗だ。
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能見、完投完封10勝目

 今日は阪神VS広島と違うて、能見VS広島ゆうてもえやろ。広島はAクラス蛇足シリーズ進出にいちるの望みをかける。対する阪神はさしたる目標もなし。ところが能見個人は二けた勝利。一昨年ケガでローテションを守れんかったから、2年連続ローテーションを守りたいちゅう意志が強かっただろう。
 広島の先発は前田健太。両エースの投げあいやったけど、マエケンどっか痛めたよう。一方能見は完投完封。さすがエースやな。6回か7回にボカンと打たれる岩田とはちゃう。
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とつぜんSFノート 第35回

 小生が生まれて初めて買ったパソコンはNECのPC-8801MK-ⅡSRだった。ディスプレイはPC-KD851。プリンターはPC-PR101。全部で50万円ほどだったと記憶する。ボーナスをはたいて買った。8ビット機である。当時、16ビット機のPC-9801も発売されていて、どっちを買おうか迷っていた。その方に詳しそうな岡本さんに相談すると、「そりゃ16ビットの方がいいですよ。雫石さん」とアドバイスをくれた。それでも、いろんなことで、とっつきやすそうな8ビット機のPC-8801を買った。今から考えると後悔している。岡本さんの助言に従って9801にしておけば良かった。
 それでも8801は良い機械だった。名機といってもいいだろう。愛用した。10年以上使った。
 ゲームでよく遊んだが、今もそうだが、当時から星群の会の連絡人をやっていた。入会受け付け、雑誌の発送、会費の督促などの事務仕事をやっていた。その仕事に8801を使った。会員名簿は、どういうソフトだったか忘れたが、簡単なデータベースで管理していた。最もよく使ったのがワープロソフトだった。会員に出す、色々な書類はワープロで作成して、フロッピーディスクに保存していた。
 小生にとって、このワープロソフトの導入は画期的だった。まさに小生の人生で、知的活動面での最も大きな転換点だった。
 それ以前は、もちろん紙に手書きしていたが手書きは嫌だった。様々な筆記用具を使った。どれも気に入らなかった。万年筆は、小生はいらちゆえインクが乾ききらないうちに紙面に触れ、字をにじませてしまう。鉛筆は、手のひらでこすって黒ずませる。ボールペンはチップの横にできたインクの球が紙にベタッとくっつく。シャープペンシルは芯がポキポキ折れる。そもそも小生は筆圧が強い。だから手書きすると肩がこるのだ。そして、これが小生が手書きが嫌な最も大きな理由だが、小生は字が下手なのだ。子供が書いた字のようなカナクギ流で、人に自分の字を見せるのが嫌だった。字を書くのは嫌いなのに、文を書くのは好きという、実に困った人間なのだ小生は。
 幸い、同人誌星群の編集をやっている人は、長いつきあいの人で、小生の下手な字もよく知っている。最終的に印刷されるから、字の上手い下手は関係ない。手書きの原稿を見せる人は限られた人だから、あれこれ筆記用具を試しながら、なんとか手書きで過してきた。
 そういう小生がパソコンを買った。キーボードなんて初めて触る。カタログのキーボードの写真を切り抜いて、机に張って、キー配列を覚え、写真を指で触って練習した。なんとかキーボードを扱えるようになって、ワープロソフトを買った。ワープロなるものが発売されたことは知っていた。タイプライターとどう違うのかよく判らなかった。それでも、手書き以外の文章作成方法を考えていた小生にとって渡りに舟だった。
 最初に買ったワープロソフトは「ユーカラ」だった。使ってみて驚愕した。文章を書くという作業を、根底から覆すツールだった。タイプライターとは全く別のものだということも判った。画面上に字を表示して文章を作成する。編集、修正、訂正は自由自在。その画面上の文章を好きな枚数だけ印刷できる。しかも印字された文書は、小生の文章でありながら、下手くそな字ではなく、読みやすい文字でプリントアウトされている。さらにさらに、その文書を紙ではなく、フロッピーディスに保存でき、好きなときに呼び出して自由にアレンジできる。これほど便利でありがたいものはなかった。
「ユーカラ」だけではなく「JAT8801」や「春望」といったソフトも買って、あれこれ試し使いして楽しんでいた。
 その後、8801とは別に、ワープロ専用機も買った。NECの「文豪」だった。この機械も愛用した。
 そしてウンドウズパソコンに乗り換え、インターネットを始めて、現代に至っている。今はワードと一太郎を使い分けている。小説など縦書きの文章は一太郎を使い、ブログの記事や、ちょっとしたエッセイなど横書きの文章はワードを使っている。 
 今は手書きはほとんどしなくなった。だから、生命保険の控除の書類やら、扶養家族の届書など、しかるべき所に提出する書類を書く時は気が重い。困ったものである。少しは手書きの練習もするか。
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ベヒモス クラーケンと潜水艦


スコット・ウエスターフェルド  小林美幸訳   早川書房

 リヴァイアサンに続く冒険スチームパンク第2弾。どっか別の世界の第1次世界大戦当時。イギリスを中心とする「ダーウィニスト」陣営とドイツを中心とする「クランカー」陣営が戦争している。ダーウィニストは遺伝子操作で造られた人造獣の文明。クランカーは蒸気やディーゼルの機械文明。イギリスの巨大飛行戦艦獣リヴァイアサンに乗り込んだ男装の少女士官候補生デリンと、両親を暗殺されドイツ軍に追われるオーストリア・ハンガリー帝国のお世継ぎアレック。
 この二人が今回向かうのはオスマン帝国。オスマン帝国は今は中立だが、ドイツ陣営に加わるのは間違いない。そのオスマン帝国の皇帝を説得にリヴァイアサンは飛ぶ。
 前回はリヴァイアサン艦内での描写が多かったが。今回、デリンとアレックの二人はリヴァイアサンを降りて、オスマン帝国の首都イスタンブールで活躍する。デリンは特殊任務を命じられるが、部下とはぐれ、単身イスタンブール市内に取り残される。アレックは、この戦争を終らせるべく、オーストリア帝国皇位継承者を証するローマ法王のお墨付きを持って、リヴァイアサンを脱出する。
 ドイツはオスマン帝国皇帝スルタンを陣営に取り込むのに成功。イスタンブール市内に巨大な最強電撃兵器テスラ・キャノンを建造。一方イギリスは超巨大獣ベヒモスをイスタンブールに差し向ける。空中からリヴァイアサン、海中からベヒモス両面作戦のイギリス。しかしテスラ・キャノンを破壊しなくては作戦は成功しない。ドイツについた皇帝を倒すため、デリンとアレックは革命派の「委員会」に合流する。
 こう書くと007かスターウォーズみたいな話だが、スチームパンクっぽさが濃いので、めくるめく物語性が強い。デリンは女性だが、男ということで軍人をやっていて、前作ではその設定が生かしきれなかったが、今回は女であることが、チラチラとばれそうになって、ちょっとヒヤッとする。それにデリンとアレックに、革命軍の美少女リリトがからむ。リリトはもちろんデリンを男だと思っていて、憎からず思っているようだ。
 第3巻では、リヴァイアサンは、ドイツに宣戦布告してイギリス側についた日本に飛ぶそうな。
 ところで「クラーケンと潜水艦」のサブタイトル。編集部が強引につけたとか。クラーケンとベヒモスは違う。潜水艦なんか出てこない。これは、もう、早川の編集部が間違い。訳者の小林さんが正しい。
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阪神、どっか壊れたんかいな思うぐらい猛打爆発

 ここにいたってなにこれ。11安打12得点。打てん点取れんゆうとったんがウソかいな。それともどっかこわれたんやろか。今季最多得点。先発岩本2勝目。伊藤隼プロ初ホームランが満塁ホームラン。わけえもんが活躍しとう。ええんちゃうん。でも、このバカ得点を影で演出したんはやっぱりあの人。アニキ金本とちゃうやろか。
 長島の記録抜くため、ツーアウト2、3塁で、ちょっと早いけど5回に金本代打。で、敬遠ぎみで金本歩いて満塁。そこで伊藤隼がホームラン。
 こないにボカボカ打つ阪神見るのんは今年初めてやな。ええもん見せてもろたけど、明日は0対1ぐらいで負けんのんとちゃうか。
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負け試合で申し訳ない。せめてこれでも観てください。と、アニキがホームラン

 アライ先生にご遠慮いただいて、代わりに若いもんを上げてきた。で、野原将、中谷、白仁田らが試合に出る。結局、10対4で負けたけど、そのうちの5点は1回のスタンリッジの大乱調によるもん。あとは、白仁田1失点。鶴2失点。藤原2失点と、若いもんのお勉強代。でも、ま、上本、大和はあいかわらずええ働きしよるし、野原将初ヒット、小宮山初ホームラン。若いもんはそれなりにがんばっとうやん。これでええんちゃうん。
 で、最後の9回。代打金本ホームラン。さすがアニキ。きょうは(も)負けたけど金本のホームラン見れただけでも良しとするか。
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おなじみのCM

 阪神タイガースの試合がテレビで放送されると、極力観戦するように心がけている。関西の阪神ファンであったことを喜ばしく思う。もし、小生が他の球団のファン、それもパリーグの球団のファンだったら、スカパーでも契約しない限り、テレビでの観戦はなかなかできないだろう。対戦相手がオリックスなら、時々、放送があるが、それ以外のパリーグの試合は、関西のテレビ、それも地上波で放送されることはまずない。
 阪神タイガースの試合ならば、ほぼ全試合テレビで観ることはできる。特に甲子園での試合は、サンテレビが完全中継をやってくれる。ありがたいことである。サンテレビに栄光あれ。
 で、サンテレビのタイガース中継を観ていると、放送されるCMはいつもおなじみのものばかり。
「おばあちゃん、おばあちゃん、どこ行ったん。べーらじお」「ふるふるふる、ふるそうび」「じょじょじょ、じょうねつほるもん」「くぎはぬいても、てはぬきません」この他、パチンコのCM、イカ天だいおう、とりやのひねす いぼころり、などなど。
 サンテレビでタイガースを観ていると、これらのCMがワンセットで記憶してしまう。かといって小生が、ベラジオのパチンコに行くこともないし、ふるそうびや手はぬきませんで家を建てることはない。じょうねつほるもんを食べに行くこともたぶんないだろう。だからCMの効果としてはいささか疑問だが、とりあえず記憶に留めてしまった。
 もちろん、サンテレビ以外でも阪神の試合を観る。BSや他の放送局で阪神戦を観ると、これらおなじみのCMがない。なんだか違和感を感じて、少々もの足らない。しょっちゅう観ているということは、エラいものである。
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阪神はセリーグのアミや

館山に8回まで投げさせて3安打におさえこまれる。阪神の天敵ちゅうピッチャーがおるな。山本昌とか、かっての三浦とか。そんなかに館山も入んのんかな。いやいや、こないにようけのピッチャーにおさえこまれとるんじゃ天敵ちゅ言葉はおかしいな。他のヤツには食われんけど、そいつだけには食われるちゅうのんやったら、天敵ちゅうけど、今の阪神みたいに、こないにようけのピッチャーに食われるんやったら、天敵ちゅう言葉すらつかえん。
 阪神はDeNAとともにセリーグの食物連鎖の一番下。セリーグの生態系を下支えしとるアミちゅうたらええな。アミちゅてもバカにしたらあかんで。海に小さなアミがおるから海の生態系がちゃんと回って、ひいては全地球の全生命を支えとるんや。阪神かてそや、阪神がおるから巨人が優勝できたんや。
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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙


監督 フィリダ・ロイド
出演 メリル・ストリーブ、ジム・ブロードベンド、アンソニー・ヘッド

 政治家だったマーガレット・サッチャーは、政界を引退し老後を過している。夫デニスは亡くなった。年老いたマーガレットは認知症を患っている。そんなマーガレットにとってデニスはまだ健在で、いつもマーガレットのそばにいる。
 イギリス初の女性首相で「鉄の女」と呼ばれ、重症の「英国病」に罹りどん底だったイギリスを、らつ腕を振るって建て直したサッチャー首相の伝記である。
 食料品屋の娘で政治家を志した独身時代のマーガレット。ヒース内閣の教育相を経て首相に就任。フォークランド戦争を戦い勝利し、イギリス国内で頻発する労働争議。北アイルランドIRAのテロと戦い、膨大な財政赤字を解消し、ソ連のゴルバチェフ、アメリカのレーガンとともに冷戦終結の立役者となった保守党党首で首相の時代。そして夫に先立たれ、認知症患者となった一人の老人のマーガレット・サッチャー。時間的には晩年のサッチャーに比重が多く、回想という形でイギリスの指導者サッチャーを描いている。
 サッチャーは、かなり強引で強権的な政治家だ。これほどの強烈なリーダーシップを発揮できる政治家でないと、当時のイギリスの舵取りはできないだったろう。フォークランドでアルゼンチンと戦い、北アイルランドでIRAのテロにさらされ、各地で発生する暴動、重くのしかかる財政赤字。しかし政権末期のサッチャーは独裁者になりかけていた。イギリス国民はそのサッチャーを辞任させた。国のリーダーを国民の意志で選ぶ民主主義の優れているところを見た。もしあの時、イギリスに民主主義がなかったらサッチャーは独裁者となっていただろう。
 圧倒的なメリル・ストリーブの演技である。独身の若いことは別の女優がやっていたが、政治家になってからと晩年はストリーブが演じている。特に認知症を患ったマーガレットの演技は鬼気迫るものがあった。サッチャーを通じて現代史を垣間見る興味は薄いが、一人の有能な女性の人生を知ることができる。
「皿洗いで一生を過す」より、社会で仕事をすることを選び、引退し認知症になって、夫との思い出に生きる一人のイギリス人女性。その仕事というのが首相だったということだ。  
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セロリとスモークサーモンのサラダ


さて、きょうのサラダは何にしようかな。冷蔵庫を見てみよう。あら、こんな所にスモークサーモンが。セロリもあるわ。
 うん、スモークサーモンとセロリのサラダにしようっと。スモークサーモンは食べやすい大きさにカット。セロリはピーラーで皮をむいて、薄くピラピラにするのよ。で、スモークサーモンとセロリを合わせておくの。
 そんでもって、ドレッシングをつくろか。マヨネーズにエキストラバージンオリーブオイルとワインビネガーでつくったフレンチドレッシングを混ぜ込んで、よっくかき回してね。
 このドレッシングを上からかけたらできあがりよ。ちょっとセロリの葉っぱも飾りましょうか。
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きょうの勝ち試合に来シーズンの設計図がかくれている

 勝ったな。良かったやん。中日のピッチャーが知らんヤツばっかりやったけど、ま、勝てて良かったやん。中日の若いピッチャーたちにもええ勉強になったやろ。バンドなんてことせんと、積極的に打って走ったらええゆうことが判ったやん。
 今日の試合は来シーズンの阪神にとって大きな意味を持つと思うな。どう勝って行ったらええかヒントがあった試合やったな。
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みそカツ丼


 とんかつ。豚肉をパン粉でまぶして揚げたもの。とんかつを上手に揚げることができれば、お料理のバリエーションは飛躍的に増える。そのままとんかつ定食にしてもいい。パンではさんでカツサンド。カレーといっしょにカツカレー。トルコライスなんて料理もある。丼にしても、普通のカツ丼、ソースカツ丼、ドミカツ丼、そしてみそカツ丼。
 きょうはこの中のみそカツ丼を作ろう。とんかつは普通に揚げる。みそだれは、八丁みそ、砂糖、出汁、味醂、醤油で作る。甘めがおいしい。砂糖は少し多め。みそ大さじ4に対して砂糖大さじ3。醤油はほんの少々でいい。出汁はたれを薄めるのに使うので、お好みで味の濃い薄いを調整すればいい。
 丼に炊き立てほかほかのご飯をよそって、ゆでたキャベツをしく。その上に切ったとんかつを乗っけて、たれをかける。うん。こういうカツ丼もなかなかイケる。ナゴヤおそるべし。
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希望もない。絶望すらないタイガース

 阪神タイガース。なんの夢も希望もあらへん。それだけやない。絶望すらあらへん。な~んもあらへん阪神タイガース。
 優勝は長年のお友だち巨人がきのう果たした。蛇足シリーズに出ることもない。DeNAがおるから最下位の心配もない。だあれもタイトル取るヤツもおらへん。希望もないし絶望もない。暗黒時代より、幻魔中村GMが到来しとる。あるのは虚無。虚無だけがある。そんなかで、ただ一つあった借金20。いままでなりそでならなかった借金20。とうとうきょう借金20。これでよかったんちゃうん。ひと区切りついたやん。
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父と娘

「久しぶりマスター」
 黒木がカウンターに座った。ほんとうに久しぶりだ。週に一度ぐらい海神に飲みに来るが、ここしばらく見なかった。
「お久しぶりです。黒木さん」
「俺のオールド、まだ有ったな」
「はい」
 黒木は、おしぼりで手をぬぐいながら鏑木にいった。
「マスター、俺、仕事やめるんだ。クニの出雲で余生を過すよ」
 黒木も海神の古い常連の一人だ。鏑木とのつきあいも長い。もう還暦をとうに過ぎ、70近いはずだ。退職して故郷に戻っても不思議ではない年齢だ。黒木はサラリーマンのように見えるといえば見える。自由業のようにもみえる。
 実は鏑木は黒木の職業を知らない。海神があるここの商店街の店主たちなら、職業はおろか、家族まで知っているが、それ以外の客のプライベートなことは鏑木は知らない。自分から話題にする客のことは知っていて記憶しているが、鏑木の方から客に聞くことはない。黒木のことは鏑木は名前以外なにも知らない。
 鏑木が黒木の前に水割りのグラスを置いた時、女性客が一人で入ってきた。若い女性だ。20代半ばぐらい。
「ごめん。待った。お父さん」
「いや。さっき来たとこだ」
「仕事は終ったのか」
「うん」
「たいへんだったな」
「式の準備で三日休んだから、しかたないわ」
「よくお前と和行くんが一週間も休み取れたな」
「カズくんはフリーだから融通がきくわ。あたしは大変だった」
 二人のグラスが空いた。
「マスターおかわり。娘にも」
 鏑木が二人の前に水割りのグラスを置いた。
「初めてだったな。娘なんだ」
「よろしく。父はいつもここで飲んでたんですね。素敵なお店ですね」
「ありがとうございます。ご結婚ですか」
「はい。明日、神戸で式を挙げます」
 鏑木が棚からからボトルとシャンパングラスを出した。
「私からもお祝いさせてください」
 二人の前のシャンパングラスにシャンパンを注いだ。
「マスターもいっしょに」
 鏑木もグラスにシャンパンを注いだ。
「おめでとうございます」
 3人はグラスをあけた。
「ありがとうございますマスター。これからも父をよろしく」
 鏑木は少し不思議に思った。黒木は近々この地を去る。娘はそれを知らないのかな。
「あたしと父あまり似てないでしょう」
 その通りだと鏑木は思った。
「いえ」
 娘のほほを涙がひとすじ流れている。
「母はあたしを産んですぐ死んだの。父は男手ひとつであたしを育ててくれたの」
 黒木はグラスの氷をカラカラ鳴らしている。目が少し潤んでいる。
「あしたからお父さん一人だけどだいじょうぶよね」
「あたりまえだ」
「あたし、あしたのこともあるから早く帰るね」
「ああ」
「おやすみなさいお父さん。あした午後1時に新六甲ホテルね」
 娘は海神を出て行った。
「いい娘さんですね。おさみしいでしょう」
「187人目の娘なんだ」
 黒木は冗談をいうような男ではない。
「あの娘、俺の娘ではないんだ」
 何か事情がありそうだが、鏑木は詮索はしない。
「あの娘に父はいない。俺は式当日だけの雇われお父さんだ」
「きょうは?」
「オプションの『嫁入り前日の娘と父』ごっこだ」
 鏑木が水割りのおかわりを作った。オールドのボトルが空になった。
「俺も来月で70だ。『花嫁の父』をやるには少々無理な歳になったよ。50代でリストラされて、この仕事始めたがもう終わりだ」
 黒木は空になったグラスを静かに置いた。
「それじゃ、マスター。お元気で」
 黒木が店を出ようとする。客の詮索をしない鏑木だが、思わず聞いてしまった。
「黒木さん、お子さんは」
「娘がいるよ。ずいぶん会ってない。もう40近いはずだ。もしまだ独身なら、こんどは本番をやるよ」
  
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