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とつぜんSFノート 第8回

 若いころの小生は、いわゆる深夜族だった。いまでこそ、就寝11時起床4時という5時間睡眠パターンが身について、午後10時を過ぎると、眠たくなって、朝はきっちり4時に眼が覚める。すっかり早寝早起きになってしまった。
 ところが若いころは、完全な宵っ張りの朝寝坊であった。12時前に寝ることはなかった。早くて深夜2時通常3時、場合によっては4時、時々徹夜。いつ眠っていたのか。授業中である。学生の睡眠時間は、昔から授業中と決まっていたのである。何をしていたのか。もちろんお勉強。やっぱ若いころは勉強せねばなりませぬ。あの頃の勉強のおかげで、今の小生があるのだ。その今の小生がこんなんだから、勉強したのは極めて微少であったことは、諸賢のご推察の通りである。
 この頃の小生が一晩に勉強に費やす時間は6ナノセカンドあるかないか。では、他の時間は何をやっておったか。ラジオを聴いていた。そう、小生はナガラ族の深夜族であったのだ。
 大昔のこととて、記憶が頼りない。間違ったことを書くやもしれないが、当時のことをご存知の方がおられれば、間違いを指摘して頂ければありがたい。朝日放送「ヤングリクエスト」毎日放送「ヤングタウン」ラジオ大阪「バチョンと行こう」なんかを喜んで聴いていた。
「ヤングリクエスト」は「ほし~が、あなたに」という奥村チヨのオープニングが記憶に残っている。笑福亭仁鶴がブレイクしたのはこの番組であった。「タカコひめ」などといって自分の嫁さんをネタにしていた。「ミキサー完備スタジオ貸します」なんていうアマチュアバンド出演のコーナーもあった。キダタローが審査員をやっていた。
「ヤングタウン」いまや上方落語協会会長として、上方落語の大黒柱となった桂三枝が世に出るきっかけとなった番組。「あなたの心にポッと灯をともす、便所場のあかりのような桂三枝です」などという自己紹介をしていた。
「バチョンと行こう」この番組も浜村純の出世作。若い頃の浜村純は実にリベラルであった。小生の記憶によれば、初代アシスタントの「あかねちゃん」という女の子が、後の浜村純夫人になった。今はどうか知らないが。
 あとよく聞いていたラジオ番組では、ラジオ大阪の「題名のない番組」これは非常に面白い番組で、出演は小松左京、桂米朝という知の巨人お二人。このお二人に菊地美智子というアナウンサーの3人でやっている番組。
 リスナーからの葉書がメインで、その葉書に小松、米朝のお二方がコメントをつける。その葉書の内容はパロディがほとんど。それも古典文学のパロディ。源氏物語や枕草子、古今和歌集、万葉集といったメジャーもののパロディなら、確実にお二人に判ってしまう。投稿者は現役の高校生が多い。授業で古典を習っている。古典勉強の現役である高校生が、うんとマイナーな古典のパロディを投稿するが、たいてい元ネタをいい当てられてしまう。そのうち、二人に「これは知らんな。なんのパロディやろ」といわせるのの競争になってきていた。小生も何度か投稿したが、当てられた。
 ある日のこと、ヤンリクもヤンタンもバチョンも終わり、それでも寝る気がしなかった。「オールナイトニッポン」はなんだか聞く気がしないし、しかたがないから3時からの「走れ歌謡曲」でも聞こうと思っていた。なにげなくMBS毎日放送にチューニングを合わせたら、新しい深夜番組をやっている。おじさんが素人っぽいしゃべり方で、トツトツとお話している。誠実な話し方に好感が持てたので、そのまま聞いていた。「ボラボラ」とかいいながら南の島の話をしていた。これがのちに毎日放送朝の長寿番組「ごめんやす。馬場章夫です」の馬場章夫さんだった。新番組の名前は「チャチャヤング」という。このころの馬場氏は日本画家だったと記憶する。
 他のパーソナリティとして高石ともや。アリスではなくロックキャンディーズの谷村新司、加川良、あとは忘れた。そして水曜日の担当が眉村卓氏だった。当時、すでにSF者だった小生は毎週楽しみにして聞いた。確か小生は眉村さん担当の初回から聞いていたはずだ。そして、ほどなくして、あのコーナーが始まった。


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和田ひとりにやられる。久保田?

 きのうのようなボカスカ打った翌日に、2対1ぐらいでしぶ~く勝つと磐石の強さといえるが、なかなかうまいこといかへん。下柳は7回投げて被安打4失点は和田に打たれたソロホームランだけ。ところが8回から投げた久保田が和田に勝ち越しタイムリーを許す。和田一人にやられたな。今の中日打線は森野と和田さえおさえたらどうにかなる。森野はおさえたけど和田にやられたな。
 守備は阪神の方が良かった。特にショート。荒木トンネル。鳥谷ファインプレー。8回の3点目を防いだのも見事な内外野の守備やった。
 負けはしたが、想定内の負けちゃうやろか。できれば新婚下柳にウェディング勝ち星をつけてやりたかったな。
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若い人のボールペンの持ち方

 先日、TSUTAYAでDVDを借りた時、会員カードがどうしても機械を通らない。久しぶりにTSUTAYAでレンタルするわけだが、どうも磁気不良みたいだ。思い出した。足のMRIを受けた時の後遺症がまだ残っていたわけ。キャッシュカードやクレジットカードは良品と交換してもらったが、TSUTAYAの会員カードまで思い至らなかった。
 再発行してもらった。その時気がついたこと。小生が必要事項を記入して店員に渡すが、その時店員も書類にボールペンで記入している。その店員のボールペンの持ち方がおかしい。若いアルバイトと思われる店員だが、紙面に対してボールペンを垂直に立てて字を書いている。思えば、小生の身近の若い人も同じような持ち方をしている。小生は、ボールペンを寝かして持つ。紙面に対して45度ぐらいの角度で持つ。
 なぜか考えてみた。シャープペンシルというものが原因ではないか。今の若い人は鉛筆などよりシャープペンシルを使うことが多いのではないだろうか。シャープペンシルの芯は細い。寝かせて書くと芯が折れる。芯を垂直に立てて書くと折れにくい。そのクセがついてボールペンでもあのような使い方をするのだろう。
 小生は鉛筆愛好家である。シャープペンシルよりも鉛筆を使う。筆圧の強い小生がシャープペンシルを使うとポキポキ芯が折れる。少し書けばポキ少し書けばポキ。カッとなってへし折ったシャープペンシルもある。削る手間を惜しんでシャープペンシルを使う時もあるが、小生の主たる筆記用具は鉛筆である。
鉛筆は芯が折れないから安心である。
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ブラゼル3打席連続ホームラン。若いピッチャー二人はまだまだやな

 やっぱり甲子園に戻ってくると元気になるな。3回、新井、ブラゼル連続ホームランで早々に試合を決めてしまう。その影には中日荒木のアシストがあったけど。しかし、ブラゼルの1本目のホームラン、ようあんなんでスタンドまで届くな。本人は風やゆうとったけど、やっぱパワーちゃうやろか。ブラゼルは3打席連続ホームラン。4連続の期待がかかる4打席目、それでも点につながるヒットを打つのはえらいもんや。広島市民球場では巨人ラミレスが負けじと3打席連続ホームラン。それをブラゼルは知っとった。当然狙うとったはずやし、みんなも期待しとったけど、こんな時は案外凡打になるけど、ヒット打つのがブラゼルのすごいとこちゃうやろか。
 大差で勝っとる8回9回は藤原、横山の若いピッチャーふたり。点は取られはしたが、この起用はええんちゃうのん。二人は残念な結果やったけど、もうちょっと鳴尾浜で鍛えなあかんな。
 きょうはええ試合やった。勝ったし、なにより西村、渡辺を休ませられたのがええ。
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チョコレート・ファイター

監督 ブラッチャヤ・ビンゲーオ
出演 ジャージャー・ヤーニン、阿部寛、アマラー・シリポン

 出色のアクション映画である。格闘技映画としてはブルース・リー「燃えよドラゴン」以来の面白さであった。
 アクション映画の目的はアクションを見せること。だから設定が必要。なんの説明もなしで、いきなりアクションを繰り広げて、それで終わりというわけにはいかん。「燃えよドラゴン」は悪の要塞島の秘密を暴くため。「マッドマックス2」は暴走族が跋扈する荒野を逃れて安住の地に行くため。この映画の場合は大病の母の治療費を稼ぐため、昔、母が金を貸し付けた相手から、少女が金を取り立ててまわる。ところが相手はヤクザ者ばかりで、金を返さないばかりか、か弱い少女に暴力をふるう。ところがこの少女ただ者ではない。女の子一人で大の男おおぜいをボコボコにしてしまう。
 設定はあたり前だが、主人公のキャクターが面白い。生まれつき脳に障害があり、知能が少し不自由。ところが彼女、不思議な才能がある。格闘技を見ただけでマスターする。幸い家の隣りはムエタイの道場。隣りの稽古や格闘技ゲームで、超人的な格闘技の天才になる。
 主役のジャージャーは本物のテコンドーの使い手。それを4年間特訓して撮影したというから、彼女のアクションは非常にしなやかで美しい。
 ただ、いくら主演女優のアクションが卓越していても、同じようなのシーンばかり見せられては飽きる。そのあたりの工夫も怠りない。手を変え品を変え客を飽きさせない。
 彼女が戦う場所も、製氷工場(ドラゴン危機一発へのオマージュかな)、食肉加工場、金網の下、建物の壁面、和風の大広間(ドラゴン怒りの鉄拳?)相手が使う得物も、包丁、パレット、拳銃、日本刀など。相手もいろいろ代わるが、特に秀逸だったのは、坊主頭に眼鏡をかけた、いかにも理系オタクといった男。くねくねした妙な格闘技を使う。ブルース・リー、ジャッキー・チェン、千葉真一といろんな格闘技映画を観てきたが、こんな格闘技ははじめて観た。
 主役のジャージャーが可憐な美少女でかわいい。こんな子が男どもをなぎ倒し、血みどろになって横たわる相手に、かわいいお手手を出して「金返せ」
これはコワイ。上方落語の「七度狐」に、死んだ金貸しのおさよ婆が、棺桶の蓋をギギギと開けて「金返せ」というシーンがあるが、アレよりコワイ。スピルバーグのSFもどき映画「AI」では、ロボット少年が「ママ、ママ」といって追いかけてきたが、あれは不気味なだけだが、こっちは恐く哀しい。
 阪神2連敗のストレスが取れた。
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スペアリブの唐揚げ


 骨付きの肉にかぶりつくのは、なんとも豪快でこたえられんな。漫画のキャラクターにもそういうやつが出てくる。園山俊二の「ギャートルズ」にも出てくるし、尾田栄一郎「ワンピース」にも出てくる。赤髪のシャンクスの手下でラッキー・ルーというやつがおるが、こいつなんか骨付き肉を持っていないコマを見たことがない。
 だいたいやがな、肉ちゅうんは骨の周りの肉が一番うまいんや。魚でもそやで。骨せせるのはめんどい、ちゅうて魚の食べやすいところだけ食べて、ようけ身のこしたまま魚食べる人がおるけど、もったいない話や。ワシが魚食べたらきれいに食べて骨格標本みたいにして食べるで。
 それはそうとして、ワシはビールのお供は唐揚げが一番好きやな。ちゅうわけで今夜の料理は骨付き肉の唐揚げにキマリ。
 豚のスペアリブの唐揚げをつくろ。まず肉をタレに漬けて下味をつけるんや。タレは酒、醤油、塩、卵、五香粉、八角、ごま油、しょうが、にんにくで作る。しょうが、にんにくはすりおろす。八角は2個か3個入れて香りをタレにつける。五香粉がなければカレーで代用してもええで。漬け込み時間?そうやな、半日ほど漬ければええんちゃうかな。
 さて、下味がついたスペアリブを揚げようかいのう。片栗粉、小麦粉、卵白で作った衣をつけて揚げるんや。骨付き肉は火が通りにくいさかい、低温の油でゆっくり時間をかけて揚げなあかん。160度ぐらいで20分ほどでええ。最後に油の温度を揚げてパリッとしあげよう。
 レモンをちょっと絞って、花椒塩をつけて、ガブッとかぶりつく。すかさずビールをガー。たっまりませんなあ。

 
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阪神リリーフ陣、O2状態。いやこいつらO2やのうてC2H2や

 しっかし阪神には敗戦処理投手はいないのか。勝ってても負けてても、西村、渡辺、上園。こいつらは勝ち試合限定にするわけにはいかんのか。
 フォッサム、由規両先発はヘロヘロ。特に由規はノーコン状態。四球を出してはチャンスをくれるがなかなか得点でけへん。フォッサムもあかんなりにがんばって、3回までは2失点。5回、新井、ブラゼル連続タイムリーで同点。ここで勝ち越しできなんだんが、今日の敗因やな。上園に代わってあっというまに逆転。6回渡辺が火に油。8回西村油に酸素。筒井酸素にアセチレン。最後は横山が1アウトとってやっと8回のヤクルトの攻撃が終る。
 上園、このところ中継ぎばっかりやけど、先発させへんのかな。フォッサムを先発させるぐらいやったら上園先発させたらええのに。
 こら真弓、中継ぎ投手のムダ使いはええかげんにせい。
 金本450号。マートン100本目安打。横山プロ初登板初アウトを取る。ええことも書いとこ。
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ジャージャー麺


 いわば中華版ミートソースといっていいだろう。簡単にいえば麺の上に肉味噌を乗っけたもの。麺はどんな麺でもいい。うどん、そうめん、スパゲッティ、もちろん中華麺でも。ただし、試したことはないが、日本蕎麦はあわないだろう。今回は中華麺を使った。麺どうしがくっつきにくい卵麺がいい。
 肉味噌を作る。まず豆板醤を炒める。香りが立つ。豚のひき肉を入れる。長ネギ、にんにく、しょうがのみじん切りも。充分に炒める。炒めたひき肉に甜面醤を足す。スープを少し注いで、塩、砂糖、酒、醤油で味付け。水溶き片栗粉で軽くとろみをつけて、最後にゴマ油を振る。
 ゆでて水洗いした麺を皿に盛って、肉味噌を乗せて、キュウリを添える。

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阪神、ヤクルト投手陣の執念に痛い1敗

 きのうは鎧袖一触ヤクルトに快勝した阪神きょうは惜敗。まことに残念な敗北やな。敗因はヤクルトの恵まれないエース石川を打てなかったこと。浅井のタイムリー1点しか石川から取れんかった。その石川7回で増淵と交代。なんで石川をもっと投げさせてやらへんねやろ。勝ち星つけたってもええんとちゃうのん。結局阪神の得点は、このあと増淵のワイルドピッチの1点と2点だけ。あとは西村がホームラン2本打たれて、9回に林昌勇に閉められて終わり。
 痛いのは7回やな。新井四球、城島、林連打で満塁。1死満塁の絶好のチャンスにアニキ、神様でただでくれた1点だけ。
 今日はヤクルト投手陣の執念に負けた。来週に中日、巨人戦を控えてこの1敗は痛い。
 
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鎧袖一触、ヤクルトを撃破

 鎧袖一触とはこういうことをいうんや。1回いきなり連打で4点。2回1点。3回2点。3回を終った時点で7対0。早々と試合を決めてしまう。12安打9得点。先発野手は城島以外全員ヒット。全員打点。城島は打たんかったけど、見事な牽制球で先発久保を助ける。その久保8回を投げて10安打4失点。7勝目を上げたがもひとつやったな。でも、ま、渡辺、西村を休ませられたのは久保のおかげかも。
 9回は久保田。今夜はあっさり3者凡退。できれば横山をみたかったな。このところ大量点で勝つ試合が多いから藤川の出番がないな。ときどきは虫干しせなあかんのとちゃうか。
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とつぜん対談 第17回 消火器との対談

 今日の対談の相手は消火器さんです。今回は私の方から出向きました。お仕事の性質上、どうしても持ち場を離れることができないとのことです。
 あったあった、この倉庫の奥が消火器さんの職場です。それにしてもほこりっぽい所ですね。あちこちほこりだらけです。うわっ。ゴホゴホ。ええと、どこにおられるのかな。ああ、あの「消火器」との半分消えかかった表示の下ですね。ああ、おられました。ずいぶんご年輩の方です。

雫石
 こんにちは。

消火器
 ああ、来たか。ようここが判ったな。

雫石
 迷いました。しかしかなり年季の入った倉庫ですね。

消火器
 古いよここは。昭和の時代から使われている倉庫だからな。

雫石
 何の倉庫です。

消火器
 電気製品の部品倉庫だ。

雫石
 あんまりモノが動いてないみたいですね。

消火器
 製造しなくなった古い電気製品の部品倉庫さ。入庫はない。出庫もめったにない。モデルチェンジされた古いタイプの製品のメンテナンス用の部品だから。

雫石
 消火器さんはいつからここに。

消火器
 この倉庫ができた時にワシも設置されたから、もう35年になるな。

雫石
 その間お仕事は一度もしなかったのですか。

消火器
 ない。ワシは使い捨てだ。一度仕事をすればお役ご免だ。

雫石
 火の用心の良い倉庫なんですね。

消火器
 一度もボヤ一つ無かったんだから、そういうことになるかの。会社はほったらかしだがな。

雫石
 ほったらかしですか。

消火器
 こんな倉庫のことなんざ、みんな忘れておるわい。

雫石
 消火器さんも忘れられているのですか。

消火器
 そうだ。ワシらは定期的に点検メンテナンスを受けるべしと、消防法で定められているが、ワシは35年間ほったらかしだ。

雫石
 35年間、みんなに忘れられても、ずっとこの倉庫の隅で立っておられたのですか。

消火器
 それがワシの仕事だ。火事が起きたときに備えるのがワシの仕事だ。

雫石
 もうかなりのお歳ですね。そろそろ引退ですね。

消火器
 ワシの耐用年数はとっくに過ぎておる。すぐにでも引退すべきなんだ。若いもんと交代すべきなんだが、会社はワシのこと忘れておる。

雫石
 火事が起きたら大変なのでは。

消火器
 そうだ。だからワシを思い出すためワシはここで爆発事故を起してやる。

雫石
 うわあー。

ぼっかあーん
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ある相撲取りの悩み

 その少年は村で一番の力持ちだった。身体も大きく頑健で丈夫。気性は荒く、手のつけられない乱暴者だった。中学生になると、近郷近在のワルどもは高校生はおろか、土地の○×一家のチンピラさえボコボコにするほどの度胸とケンカの強さだった。腕力ではこのあたりではだれも彼に敵わなかった。
 ある日近くの△市に大相撲の巡業がやってきた。彼の村のお寺が凸凹部屋の宿舎となった。このお世話をしたのが○×一家の親分さんだった。酒席で親分さんは凸凹部屋のα親方に彼のことを話した。親分も自分の子分をボコボコにした彼に興味をもっていたのだ。
 翌日親分に連れられて彼はα親方とあった。彼を一目見た親方は、即座に入門を勧めた。過疎のこの村にはさしたる就職口はない。不景気で近くの△市の企業にも求人は少ない。また彼は中学の学業は最低で、普通高校への進学は無理。第一志望は△市立△工業高校だった。そこを卒業したとて就職は確約されるわけでもない。頭は四流だが、腕力は超一流であることは本人が一番判っている。その場でα親方に入門希望する。
 中学を卒業した。村長さんや○×一家の親分さんに餞別をもらって上京。凸凹部屋に入門した。
 上には上があるということをイヤというほど思い知らされた。村では彼より強い者はいなかった。ところが部屋の兄弟子たちの手にかかると彼など赤子のてをひねるよう。村一番の力自慢の天狗の鼻をへし折られた。
 毎日毎日しごきといじめだった。兄弟子や親方は「愛のムチ」というが、稽古と称するリンチかいじめか判らないトレーニングが延々と続く。
 なにくそと耐えた。こいつらいずれ俺がエラクなって見返してやる。強くなるんだ。強くなればすべて解決。それだけを思ってがんばった。
 彼の素質か、はたまた「愛のムチ」の効果か、彼はだんだん部屋で頭角を表す。番付もだんだん上がっていく。十両から幕内にまで出世して。NHKのテレビにも映り、村の誇り郷土の英雄とまでクニでいわれるようになった。
 タニマチと呼ばれるご贔屓もつくようになった。ある日、クニの○×一家の親分さんが上京して来た。ごちそうしてやるからといわれて、高級料亭に出向くと、○×親分と、もう一人貫禄のあるおじいさんがいた。その人は○×一家の上部団体の大親分だった。その大親分もこれから、彼のタニマチになってくれるとのこと。ご祝儀だといって分厚い祝儀袋をくれた。もちろん「ごっつぁんです」といってありがたくいただいた。
 その後順調に出世して大関にまでなった。9勝6敗を繰り返し、長く大関の座を守った。稽古の合間は野球賭博の世話係をやっていた。タニマチの大親分の組の若頭に頼まれて、彼は力士仲間の野球賭博のとりまとめ役をやっていた。彼の凸凹部屋の一門のとりまとめ役は彼が勤めた。他の一門も同じことをしている力士がいる。
 彼も40近くになった。現役を引退した。α親方の娘と結婚した。人間か狸か判別不能な娘ではあるが、彼は婿養子となって、凸凹部屋を継いで、α親方の名跡を継いだ。
 幸い凸凹部屋の一門は大きな一門なので、協会で、彼の発言は無視することができない。それに不思議な発言力がある上に、バックに大親分がいることも影響しているかも知れない。いつしか彼も理事と呼ばれる存在になり、次期理事長の最有力候補となった。
 その順風満帆な彼の相撲人生に大きな黒雲が指した。部屋頭で彼の一番弟子の関脇◇山が野球賭博をやっていたことがマスコミで報道された。実は◇山に野球賭博を教えたのは親方の彼だった。
 理事という立場であるため、角界の綱紀粛正と相撲協会の改革を求められるが、彼はどうやったらいいか判らない。
 中学を卒業して、すぐ相撲取りになった。土俵の上で結果さえ出せばだれも文句はいわなかった。相撲以外なにも知らなかった。趣味といえば賭け事。本もろくに読んだことがない。タニマチのお座敷に行って、酒席に座っているだけで、使いきれないほどの小遣いが手に入った。
 そんな彼に、カイカクせよと人はいう。相撲と博打以外知らない彼は、今、途方にくれている。
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阪神打線好調。アライ大先生の奮起を望む

 阪神、なんか交流戦前より強くなっとうみたいやな。きのうはバタバタ大騒ぎの試合やったけど、きょうは普通に勝つ。ええ調子になってきた。広島の得点4点は、スタンリッジが唯一あかんかった4回の犠牲フライ2本による2点。これはよう2点だけでおさえたとほめるべきやな。あとの2点は久保田の劇場代と西村のお疲れ代。
 打線は絶はつかへんけど好調。鳥谷復調。平野好調でバントも決められるようになってきた。マートン絶好調。ブラゼル平成のバース状態。城島もええとこでホームラン打つ。あとはアライ大先生がもうちょっと4番らしゅうになってくれたらゆうことないんやど。
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阪神、バタバタ試合を総力戦で制す

 なんともバタバタして出入りの多い試合やった。阪神、広島両軍とも、ホームランあり、スクイズあり、エラーあり、ファインプレーあり、押し出し四球あり。賞賛すべき点、反省を求めるべき点多々。阪神の野手は控えキャッチャーの小宮山以外総動員。野球の見本市みたいな試合やったな。先発下柳が投げていたのがえらい昔みたい。
 追いつ追われつのシーソーゲーム。巨人も中日も勝っとる。こんな日は絶対に負けたらアカン。
 決着をつけたのは延長11回。神様桧山の勝ち越しタイムリー。とどめはマートンの満塁ホームラン。こんな試合を勝てるのは阪神はまだまだ強いな。
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友人の葬儀に参列する

 今日は有給休暇を取る。友人が亡くなった。昼からの葬式に参列する。小生は今まで、葬式参列の経験は豊富。多い時は、毎月のように葬式に出ていた。
 以前はお父さんかお母さんが亡くなった葬式がほとんどだった。それが、このごろはポツポツとご本人が亡くなるようになってきた。年月が流れ、小生も友人たちもそういう歳になってきたということか。というほどの歳でもない。これまでSF関係の友人だけでも何人か亡くしたが、みんな死ぬには若すぎる。今日の友人も若い。しかも小生よりも若い。
 自分より若い人の葬式に参列するのは嫌なものだ。がっくりとする。
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