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とつぜんSFノート 第98回

 想えばずいぶん長いことSFファンをやっている。小生もこのトシになったのだから、今まで生きてきた時間と、これから生きていく時間を比べれば、だんぜん、今まで生きてきた時間の方が長い。その長い時間のほとんどをSFファンとして過ごしてきたわけだ。
 こんな小生を見ればただのおじさんなわけで、外見でSFファンだと判断することは難しい。別にSFファン特有の斑紋が皮膚に浮かんでいるわけではない。だから、小生に限らずSFファンとカタギの人を見ただけで見分けることはできない。ところがこんなに長い間SFファンをやっていると、同族の臭いというモノは判る。例えば書店の入り口に立ち、ぱっと店内を見渡せば、あ、あいつはSFファンではないかな、と判る。で、その人を観察していると、SFの棚の方に歩いて行く。なぜ判るのか。カタギとSFファンは何が違うのか。これを説明するのはできない。長年の嗅覚のなせるワザとしかいいようがない。
 ではSFファンなる人種はいかなる人種なのか。ごく簡単に述べてみよう。断っておくが、これは50年近くSFファンやってきた古狸だけにあてはまることだ。最近の若いSFファンはよく知らない。
 まず、SFファンは活字中毒。常になにか本(SFに限らない)を読んでいる。昔はSFファン同士の結婚式によく列席した。お色直しでご歓談の時間に本を読んでいるヤツがいる。
 SFファンは酒飲み。SFファンが何人か集まって、用が済めば、まず間違いなく「ちょっと一杯」となる。
 ひとりもんが多い。小生は既婚者だが、小生のお仲間にはやたら独身が多い。中には女性より本を愛しているものもいる。
 貧乏人である。小生もそうであるが、あまり金持ちはいない、だから一杯飲みも上等な店にはあまり行かない。
 スポーツはあまりしない。SFファンはその生態ゆえ、インドア派が多い。スポーツの後爽やかな汗を流しシャワーのあとビールをグググ。こんな人はあまりいない。シャワーのあとビールをググはいるが。それにゴルフをやる人は、小生の知ってるSFファンに一人もいない。
 教養が豊かである。中にはコレクション癖のある人もいる。やたら人脈を作りたがる。イベント好きである。関西限定だが、ジャズ、阪神タイガース、上方落語、この三つ全部あるいは二つ、最低一つが好き。と、いうことで当たっているだろうかな。これ、お前のことやんか。と、いわれればそうかも知れない。

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岡本梅林へ梅見に行ってきました


 今日は会社はお昼までです。半日有給休暇をいただきました。JRの摂津本山で家人と待ち合わせ。福牛でローストビーフ丼定食を食べました。それから天井川沿いにぶらぶら上の方へ。今日はイノシシは見かけません。
 岡本の梅林に着きました。今日はわが家の梅見です。梅の花はどの木もほぼ満開。開花率90パーセントといったところでしょうか。
 いいお天気です。気持ちの良い梅見となりました。だいぶん暖かくなりました。もう春ですね。寒いのが苦手な私はうれしい季節となりました。
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野いちご


監督 イングマール・ベルイマン
出演 ヴィクトル・シェストレム、ビビ・アンデショーン

 ロードムービーといっていいだろう。78歳の老人が車で旅をする。その間、さまざまな人と出会い、旅の途中でほろ苦い若いころのことを回想したりする。
 老医師イーサクは妻に先立たれ、息子は結婚している。長年のつきあいの家政婦が身の回りの世話をやいてくれる。
 イサークは長年の医学界への貢献が認められ名誉博士号を授与されることになった。家政婦の反対を押し切ってイーサクは車で出かける。息子の嫁マリアンが同行する。
 イーサクは、途中、若いころ住んでいた家、開業医をしていた村、施設に入っている老母を訪ね、イタリアへヒッチハイクしている若い男女、事故を起こした仲の悪い夫婦を同乗させる。
 何がいいたいか良く判らぬ映画ではあるが、老人の「心のロードムービー」といっていいだろう。途中、何度が夢を見るが、最初の夢のシーンが秀逸であった。針のない時計、顔が崩れる男、暴走する馬車。その馬車から落ちた棺桶。棺桶から出ている人の手。だれの手だろう。幻想的でホラーっぽいシーンだ。
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超小型簡単ミニミニピザ


 ピザが食いたい。今すぐ食いたい。ピザの生地をつくるのはめんどうだ。粉をねって発酵させて、ねかせて、焼いて。1時間ほどかかる。
 1時間も待っとれるか。今すぐ食いたいんだ。ん、あらこんなところに餃子の皮が。考えてみたらピザの生地も餃子の皮も小麦粉を練ったもの。似たようなもん。これでピザを焼こう。超小型ミニミニピザだ。
 ホットプレートにうすくオリーブオイルをぬる。餃子の皮を並べる。具をのせる。具はアボガド、マッシュルーム、プチトマト、ツナなど。それに忘れてならんのがチーズ。あとはホットプレーのスイッチを入れるだけ。いろいろが具が楽しめる。うまいぞ。楽しいぞ。ミニミニピザ。
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牛肉のちまき

 
ちまきはうまいなあ。ちまきといっても五月五日の子供の日に食べるちまきではない。もち米を蒸してつくるちまきである。元来は台湾料理で、中華ちまきはワシの得意料理だ。和風ちまきも捨てがたい。
 そういうことで、違うちまきを作ろうとて、作ったのがこれ。牛肉ちまきである。牛肉はもも肉のかたまり。あと椎茸、玉ねぎ、ごぼう、うずら卵。手順は中華ちまきとほとんど同じ。ただ、もち米に牛ひき肉を混ぜた。1時間ほど蒸せばできあがり。あたらしいちまきができだぞ。
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とつぜん上方落語 第21回 はてなの茶碗

 京都は衣棚にお住いの金兵衛さん。10年前までは茶道具屋さんを営んでおられました。金兵衛さんは京都一の茶道具屋といわれておりました。京都一ということは日本一の茶道具屋ということです。茶道具屋の金兵衛さん、人呼んで茶金さん。茶金さんが「これは!」と指を差しただけで、なんでもない茶碗が10両にも20両にもなります。
 10年前、水のもれる茶碗を油屋さんが茶金さんの店に持ち込みました。いろいろあって、その水のもれる安物の茶碗が1000両になりました。次に油屋が水のもれる水壷を持ってきました。これは10万8000両になりました。
 それから、いろんな人が水のもれるいろんなモノを茶金さんのところに持ってくるようになったのです。
 電力会社が水のもれる原子炉を運び込んだ時はたいへんでした。烏丸通りを大型トレーラーでしずしずと運びましたが、衣棚通りには入れません。烏丸通りを交通規制して、そこにトレーラーを駐車して、茶金さんに烏丸通りにまで出てきてもらいました。加圧水型原子炉です。放射能もれを測定しましたが放射能はもれてません。原子炉の前に立った茶金さん。「これは?」と指をさしました。それを見ていたインドの電力会社のえらいさんが、2億7千万で買うといいました。売買契約がすんで、トレーラーが移動したあとを見ると、雨が降ったわけでもないのに水のもれたあとが道路に2ヶ所ありました。1ヵ所にはごく微量放射能の反応がありました。原子炉からの水もれのようです。もう1ヵ所はどうも、トレーラーのラジュエーターからの水もれだったのです。9年モノの中古の大型トレーラーが3600万で売れました。
 それから、茶金さんはたいへんに忙しくなりました。世界中から指さし依頼がやってきます。京都の茶金さんから世界の茶金さんになりました。
 先月はオランダに行ってました。オランダは国土の25パーセントが海面下の国です。水もれは国の重大な危機につながります。茶金さんは2年間オランダに滞在してオランダ全土の堤防防波堤を見て回りました。何ヶ所かで「これは?」と指をさしました。見たところ異変はないのですが、くわしく調べるとごくわずかに水もれが。放置しておくとたいへんなことになったところです。茶金さんがオランダを離れたあと、国際的な通貨市場でオランダの資産が4倍になっていました。それが茶金さんのおかげだと知られるのに時間はかかりませんでした。
 オランダから帰国すると、休む間もなく中国に出張です。中国政府の招きで、世界最大のダム三峡ダムの調査です。このダムはなにかと問題の多いダムで水質汚染もありますし、なにせ膨大な水量です。山崩れ、地すべりの原因ともなっています。万が一三峡ダムが決壊すれば下流の上海は壊滅。大きな津波が発生して日本も少なからぬ被害がでます。
 茶金さんが三峡ダムにやってきました。ダムの数ヶ所で「これは?」あぶないところでした。このままでは早ければ1年遅くとも3年以内にダムは決壊するところだったのです。茶金さんが中国を離れたあと人民元の値打ちが大幅に上がったのはいうまでもありません。
 こうなると茶金さん茶道具なんかやってられません。世界水もれ防止財団を設立して理事長になりました。副理事長はあの油屋さんです。世界中の水もれを防ぎ、なおかつ世界の景気を大きく引き上げました。これだけ世界平和に貢献しましたから、茶金さんがノーベル平和賞を受賞したのは当然のことです。
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公開講座「バーボンウィスキーを愉しむ」に行ってきました


 昨夜は、神戸新聞文化センター主催の公開講座「バーボンウィスキーを愉しむ」に行ってきました。午後7時からですから、会社が終わってゆっくり出かけてもじゅうぶん間に合いました。場所はミント神戸の17階です。定員は40人です。満席でした。
 会場に入ってびっくり。古いSF友だちとばったり。久しぶりです。旧交を温めていたら時間となり講座がはじまりました。
 席につくとテイスティンググラスが5個。写真、奥、左からメーカーズマーク、ジムビーム、ジムビーム・デビルズカット、手前、左グレンフィッディク、角。今日の主題はバーボンですから、バーボンが3種。それと飲み比べるためにスコッチと国産ウィスキーが用意されています。
 講師はサントリーのウィスキーアンバサダー護山龍二氏。まず、ウィスキーの基本的なこと。日本のウィスキー事情。バーボンの基礎知識。スコッチは原料が大麦だけだが、バーボンはとうもろこしも使います。とうもろこしは51パーセント以上でないとバーボンとはいえません。
 説明のあいまに順に試飲をします。まず最初にメーカーズマーク。メーカーズマークがメインの講座です。ハンドメイド、手作りのバーボンです。甘く、あたりがやわらかな私も好きなバーボンです。次にジムビーム、ジムビームデビルズカットと飲みました。デビルズカット。「悪魔の取り分」ですね。ウィスキーを樽で熟成して蒸発して自然に量が減るのを「天使の分け前」といいます。ウィスキーを取り出して空のなった樽。その空の樽の中にも少しウィスキーが残っています。これを「悪魔の取り分」といいます。この悪魔の取り分を集めたのがデビルズカットです。レギュラーのジムビームより香りも強く味も濃いです。あと、スコッチのグレンフィディックと角を試飲です。この中で角が一番落ちます。味はジムビームと互角ですが、角は香りが弱いです。ウィスキーはなんといっても香りがいのちですから。
 メイカーズマークを使って、おいしいハイボールの作り方を教わりました。まず、メイカーズマークの入ったグラスに氷をたくさん入れます。それをマドラーで13回転半かき混ぜます。炭酸水を注ぎます。ゆっくり、そっとグラスのふちにそって流しいれます。オレンジの皮を指で持ちます。皮の表面をグラスの水面に向けます。3cm上空30度の角度で皮を絞って汁をグラスに放ちいれます。飲みました。ものすごくおいしいです。
 講座費は1620円でした。5種類のウィスキーを試飲して、ハイボールを1杯飲んで、さらにメイカーズマークのミニボトルをお土産でくれました。1620円。安いです。またこういう講座があれば行きたいです。


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地下鉄に窓はいるのか?

 どうでもいいことが気になることがある。きょう、地下鉄に乗っていて思ったのだが、なぜ地下鉄に窓があるのだろう。
 地上を走る地下鉄もあるが、小生が通勤に使っている、神戸市営地下鉄海岸線は全線地下を走っている。窓の外は駅に停まったとき以外は真っ暗。こんな電車には窓は要らないのではないか。確かに駅に停まった時には、そこがどこの駅かわかる必要があるが。そういうことはディスプレイに表示すればいいのではないのか。
 電車の設計構造は知らないが、窓がある電車とない電車、どっちの方がコストが高くつくのだろう。地下鉄海岸線は大赤字だと聞く。そのへんのことを考えた方がいいのではと、素人ながら愚考したしだいである。
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ラフロイグの香り

「ロックでいいですか」
「そうだな」
 カウンターに座った高木は小さくためいきをついた。
「もうすぐ春だな」
「はい」
 鏑木はブラックニッカのボトルを開けてグラスに注ぐ。高木はグラスに口をつけて、ひと口飲んだ。グラスを置いて、ふっと息をはいた。
「今井さんはまだこの町にいるのかな」
「1年ほど前に来られました」
「あれから20年か」
 高木は地元のK電機を2年前に退職。今はシルバー人材センターで週に3日ほど公園の樹木の手入れなどをしている。その帰りに、時々、ここ海神に立ち寄る。
「そういえば、あのころ高木さんと今井さんはよく二人でお見えになりましたね」
 20年前。高木はK電機の労働組合の副委員長で、今井は常務取締役だった。
「あの時の春闘は苦労したよ。5月になっても妥結しなかった」
 高木はグラスを開けた。2杯目のロックはひと息に開けた。
「オレのボトル、あとどれぐらい?」
「そうですね。あとワンフィンガーといったところです」
「もう1杯ロック」
 3杯目はゆっくり、いつくしむようにグラスを傾ける。
「マスター。鏑木さん。新しいボトルはキープしたくないんだろう」
「はい。でも高木さんなら」
「オレ、シルバーの仕事は今週一杯で終わりだ。完全隠居だ」
 高木はさみしそうな顔をした。グラスを傾ける。グラスの中で氷がゆれる。
「考えてみたら、オレがやった仕事で一番大きな仕事は、あの春闘を終わらせたことだな。今井さんと二人でな」
 鏑木が棚の奥から1本のボトルを取り出した。スコッチのシングルモルト、ラフロイグの10年。
「これは?」
「今井さんの置き土産です。高木さんが来たら渡してくれって」
「ストレートですね」
「もちろん」
 鏑木がテイスティンググラスにラフロイグを注ぐ。高木は香りをかぐ。独特の香り。スコットランドはアイラ島で蒸留されるラフロイグは個性の強いシングルモルトウィスキーである。独特な香りがする。ピートの香り。人によっては正露丸のような臭いだという。飲む人を選ぶウィスキーである。高木はラフロイグに選ばれたようだ。
「うまいな。久しぶりだ。小遣い1万の身の上じゃラフロイグなんてめったに飲めん」
 20年前の春闘。高木は組合側の主席交渉委員。今井は会社側の主席交渉委員だった。連日深夜まで団交を重ねるが、なかなか妥結点まで到らなかった。
 高木と今井は主席交渉委員どおし、二人だけでこの海神で会って、なんとか組合会社双方譲歩できるぎりぎりの線を見つけ出した。その時、二人でよく飲んだのがこのラフロイグだ。20年前はスコッチのシングルモルトは入手しにくかった。今井の妻がイギリス旅行の手土産に買ってきたモノだ。
 高木は初めて今井に飲まされた時はウェといった。しかし、何度か飲んでいくうちにラフロイグの魅力に取り付かれた。ラフロイグを飲みながら二人で遅くまで話し合った。そのボトルが空になった時に妥結点を見出した。その後、今井は会社を去った。高木も退職した。今井とはその後一度も会ってない。
「今井さん、どうしてるかな。鏑木さん、知ってるか」
「存じません」
 ラフロイグのボトルからアイラ島の海底の香りが漂ってくる。
「あの仕事がオレの仕事で一番大きな仕事だった」

 星群の会ホームページ連載の「SFマガジン思い出帳」が更新されました。どうぞご覧になってください。
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31年目の夫婦げんか


監督 デヴィッド・フランケル
出演 メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズ

 ケイとアーノルドの夫婦は結婚31年。別に波乱はないようだ。夫のアーノルドは毎日会社に行ってる。無職のクズ男では決してない。会社ではそれなりの地位らしい。家の外で浮気など決してしてない。妻のケイも不倫してるわけでもない。生活も平穏で中流の上といったところ。
 朝、ケイがベーコンエッグを焼く。ベーコンはカリカリ。アーノルド、新聞を読みつつコーヒーを飲みベーコンエッグを食べる。食べ終わると、会社へ行く。夜はゴルフ番組を見つつ寝てしまう。
 この熟年夫婦、ずいぶんあっちはごぶさた。寝室も別らしい。最近、ケイは夫が不満。さわってくれない。こっちを向いてくれない。ケイはとうとうがまんできなくなり夫婦生活カウンセリングを受けるという。アーノルドはそんなもんいらん。ワシはそんなとこ行かんぞ。結局、ケイはへそくりから4000ドルひねり出して申し込む。1週間ほどカウンセラーのもとに滞在してアドバイスを受ける。嫌がってたアーノルドもいっしょに行く。カウンセラーから毎日課題を出され、ケイは喜んで、アーノルドは嫌々ながら課題をこなす。そしてカウンセリングが終了。家に帰る。ベーコンエッグの日々がまた始まる。
 この邦題は適当ではない。原題の「HOPE  SPRINGS」は夫婦が滞在したメイン州の町の名前だが、映画の中では、この夫婦別にケンカをしてるわけではない。二人の関係はある意味ケンカよりも深刻かもしれない。ケンカするということは、お互い関心をもっているということ。関心がないから困っているのだ。特に妻のケイが危機感を抱いている。夫のアーノルドはなぜケイが不満なのか理解できない。邦題をつけるのなら「31年目の結婚」としたほうがいいだろう。
 アーノルドも別にケイに不満があるわけでない。他の女に目が行くこともない。アーノルドにとって、ケイがそこにいるのはあたりまえ。いてあたりまえ。空気のような存在なのだ。31年も夫婦をやってりゃこんなもんだろう。ところがケイにとっては自分が空気であったら困るのだ。自分は「空気」ではなく、まだまだ「女」なのだ。
 ま、ようするにこれは、おのろけ映画なのである。べたべたおのろけ映画でも、メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズという芸達者が夫婦役をやると面白い映画となるのである。それにしても、あれで4000ドルは高い。
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新潟タレカツ丼


 小生はカツ丼が好物である。三宮で昼食を食べるときは、吉兵衛に足を向けることが多い。自宅でも自分でよく作って食べる。いままで、いろんなカツ丼を作って食べてきたが、今回は新潟でよく食べられているカツ丼を作ってみよう。
 ごはんの上にのせるトンカツは普通に揚げる。このトンカツを卵でとじないウスターソースみそドミグラスソースをかけない。醤油、酒、味醂、ダシでつくったタレにトンカツをくぐらせて、ごはんの上にのっける。なかなかさっぱりとしたカツ丼にしあがった。
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牛肉の粕漬け


 この時買った酒粕が200ccほど残っている。さて、この酒粕をどうしよう。甘酒粕汁酒まんじゅう?う~む。冷蔵庫をのぞく。おや、こんなところに牛肉が。うん、この牛肉を粕漬けにしてやろう。
 酒粕に味噌を混ぜる。これを日本酒で溶いてやわらかくする。牛肉になすりつける。一晩置く。これをフライパンで焼く。強火で表面をさっと焼いて焦げ目をつける。裏返して中火で肉の中まで火を通す。
 焼けたら皿に盛る。和食なので箸で食べのだから先に食べやすいように切っておく。フライパンに残った肉汁にお酒と醬油を少し入れて加熱してソースを作る。ソースをかけて、塩炒めした小松菜の茎を添えた。うまい。今年の酒粕の最終メニューにふさわしい料理になった。
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ヒストリア


  池上永一   角川書店

 うおおお。面白い。痛快爽快愉快。600頁を超す長編を一気読みさせる駆動力を備えた小説である。ともかく、この作品の有するトルクははんぱじゃない。強力なトルクでグイグイ読者を引っ張る。
 主人公である。だれが主人公か判らぬ小説もあるが、この作品は、作品中のベクトルはすべて主人公の知花煉に向いている。そして、すべてのエピソード、サイドストーリー、脇役、悪役、登場するキャラクター全員は知花煉と有機的に繋がっている。
 ともかく知花煉が魅力的。これぞヒロイン。強気。絶対に弱音をはかない。何ごとも一歩も引かない。プロレスラー相手にリングに立って、ジャーマン・スープレックスをしかける。元ナチスのエージェント相手に決死の戦いを挑む。商売を始めて巨万の富を築く。為替相場の変動で無一文に。開拓地で農業を始めるが川が洪水。作物が全滅。伝染病に罹って死にかける。だれにも/なににも、知花煉は絶対に負けない。強い。きれい。頭いい。商売上手。
 知花煉。太平洋戦争末期。沖縄。沖縄生まれの煉は沖縄で死ぬはずだった。空からは爆弾と機銃掃射、海からは艦砲射撃、陸からは火炎放射。死ねなかった。そのかわり彼女は魂を落とす。
 アメリカ軍のおたずね者になった煉は沖縄を脱出。南米はボリビアに渡る。そこで、日系ボリビア人のイノウエ兄弟と友だちに。リングで闘った人気プロレスラーのカルメンとも大親友になる。この3人とは終生友だち。
 ボリビアの都会では商売。開拓地で農業。イノウエ兄弟が手に入れた飛行機で空賊稼業。南米を放浪する若い医師エルネスト・ゲバラと恋仲になったりして。革命動乱のキューバに渡り葉巻の密輸で大もうけ。
 波瀾万丈。驚天動地。猪突猛進。不撓不屈ヒロイン知花煉の生き様に酔いしれるべし。買うべし。読むべし。
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長い春闘の思い出

 もうすぐ春である。春といえば、最近、存在感はうすれたが、春闘である。小生、以前いたK電気では、労働組合の副委員長をやっていた。いつの春闘だったかな。93春闘だったかな。ずいぶん長期の春闘をやったことがあった。3月に要求書を会社に提出し、それから毎日のように団交を重ねるが、なかなか妥結にいたらない。6月になってやっと妥結した。
 組合側の主席交渉委員は副委員長の小生。会社側の主席交渉委員は常務。K電気の春闘はいつも主席交渉委員は副委員長と常務が務める。委員長と社長は、最終局面になってトップ交渉が必要になった時に出てくる。
 なにでそんなにもめたのか、さだかな記憶がない。たいへんであったことは鮮明に覚えている。毎日深夜までの団交であった。団交が終わるとすぐ、ビラの原稿を書く。原稿は小生が書いていた。それが終わって帰宅は深夜になることも。電車がなくなることもあるので車で通勤してた。翌日、昼休みにプリントゴッコでビラを印刷。終業後、組合集会でビラを配り昨夜の団交の報告。それから団交。これが毎日。日中は通常の業務をしながらである。さすがに、これではあまりにたいへんということで、組合の執行委員は春闘中は休職扱いとし、組合専従としようかという意見も出た。そうなると給料は会社からではなく組合から出る。
 5月になってなんとか妥結の方向が見えてきた。このころ副委員長の小生と常務は主席交渉委員どうし、二人だけでたびたび会っていた。会社からも組合からも秘密の会合である。いわゆる水面下の交渉というやつである。ここで二人で組合会社双方とも歩み寄れる線を見出した。
 問題は、この線をどういうタイミングで双方に切り出して、一気に妥結に持っていくかだ。最終的には双方のトップ委員長と社長のOKが必要。社長は無能で無責任な人物で、常務が責任を持って説得する。問題は委員長。この時の委員長は石頭で頑固な人物であった。無能と石頭の間に入って小生と常務は苦労したわけ。
 委員長が1日だけ出張した。委員長不在。宿泊先のホテルに、こういう内容で妥結しますよと電話。委員長のOKを取った。直ちに会社に団交を要求。妥結となった。小生と常務が握手したのは深夜の1時ごろであった。
 深夜の阪神高速を神戸に向けて走らすインテグラのドライバーズシートで、大きな仕事を成し遂げた満足感に浸っていたのである。この時のドライブは実に爽快なドライブであった。
 この時に春闘はさすがに小生にとって大きなストレスとなっていたらしい。妥結して通常の日々となったある日。とつぜんの下血。胃から出血である。ストレスは小生の胃に大きな穴を開けた。中央市民病院に入院した。
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本日はばれんたいんとか

本日は、ばれんたいんとか申す南蛮の行事だそうな。拙者、かような紅毛碧眼の行事はよく判らぬが、なんでも女人が殿御にちょこれーとなる南蛮の菓 子を贈るのが慣わしだとか。拙者もひとりの女人から、れおにだすのちょこれーとをいただいた。ありがたくいただく。
 拙者のいただいたちょこれーとはそうではないが、世に義理ちょこなるものに、毎年頭を悩ませているお女中もおられるとか。かような風潮をかんがみて、ごでぃばなるちょこれーと屋が「義理ちょこはやめよう」なる思いを瓦版にて表明いたした。まったく、大きなお世話、ほっとけとは思うが、かような慣わしは早々に止めたがいいという意見は拙者も同感。女人が殿御に想いを伝えるのは別に2月14日に限定しなくてもいいのではないか。また、ちょこれーとでもなくてもいいのでは。いつでも、好きなときに好きなように好きなモノを好きな殿御に贈ればいい。かようなちょこれーと屋の企てにのせられることはあるまい。とはいいつつも拙者、女人からのちょこれーとはうれしく思うのは正直なところである。

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