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とつぜんSFノート 第77回

 日本SF大会には愛称がつく。正式名称は第N回日本SF大会というが、われわれSFもんのあいだでは愛称で呼ばれることの方が多い。これは、もともと世界SF大会での呼び方を踏襲したもので、たいていの場合、SF大会が開催される都市名にコンベンションのコンをつけた呼び方で呼ばれる。
 東京での大会なら東の字をとってTOKONトーコン、神戸なら神の字でSHINCONシンコン、京都なら京の都だからMIYACONミヤコンだ。今年は三重県鳥羽市で第55回日本SF大会が開かれる。愛称は「いせしまこん」だ。
 大阪での日本SF大会は7回行われた。大阪の日本SF大会の愛称は、大阪の大の字から、DAICONダイコンという。一番最初のDAICONは1964年第3回日本SF大会で、実行委員長は筒井康隆氏。7回目は2008年第47回日本SF大会である。
 小生は5回目の大阪大会、1986年の第25回日本SF大会DAICON5のいいだしっぺの一人だ。そのあたりのことは、おいおいこのブログで書いていこうと思う。
 ところで、GoogleでDAICONと検索すると、DAICON FILMなる文言がでてきて、女の子が空中を飛び回っている動画がみられるであろう。なにも知らない人がこの検索結果をみると、DAICONとはアニメをつくるグループのことだろうかと思うだろう。しかも、ごていねいにも、「『ダイコン・フィルム』のように中黒を入れるのは誤りである」とまでウィキペディアに書いてある。誤りもへったくれもない。そもそも「DAICON」という文言を特定のグループだけで使用するのは誤りである。別に「DAICON」は登録商標ではないので法的には誤りではないがSFファンたちの道義に誤っているのだ。
 この女の子が飛び回っている動画、1981年度の第20回日本SF大会DAICON3のオープニングアニメである。このDAICON3(以下DC3と表記する)は岡田斗司夫、武田康廣たち関西学生SF研究会連盟(略称関S連)が主催して行われた。実は彼らには前科がある。1979年に第18回日本SF大会を開こうとしたのである。そのことの顛末はここに記す
 いまや、岡田はオタク評論家として、武田はアニメ製作会社の大幹部として、すっかりエライさんになってしまったが、1981年のDC3は彼らの念願が叶った大会である。その大会のオープニングアニメを作るため、武田岡田を中心に関西のSFファンの学生たちが、岡田の実家に集まって、手作りでアニメを作ったのである。
 このアニメがアマチュアの手作りアニメとしては大変良くできているというので評判になった。そして彼らは「ゼネラルプロダクツ」というSFショップを開店したのである。このゼネラルプロダクツは、いまをトキメク大ヒットアニメ「エバンゲリオン」の製作会社ガイナックスの母体となった。彼らはゼネラルプロダクツ略してゼネプロでのSFグッズ販売と並行してDAICON FILMなる名称でアニメも製作した。
かよう経緯からDAICON=アニメなる短絡的な風評となったわけである。先に書いたようにDAICONは大阪で開催される日本SF大会の愛称なのであって、決してアニメ製作集団のことではない。先に記したようにDAICONは7回もあるのだ。彼ら武田岡田たちが世に出るきっかけとなった、DC3までにもDAICONは2回行われているのである。それなのにDAICONの文言を自分たちのグループの名称に使うなど、いささかあつかましい。後年、小生たちが第25回日本SF大会DAICON5をやった時、事務局に、なにも知らないアホなアニメファンが「DAICONという名前を使わないでください」と電話が来た。
 SFをメシのタネにしているプロは多い。作家、翻訳者、編集者、出版社経営者など。彼らは自分の才能才覚で仕事をしているわけで、SF好きの小生も賞賛し敬服するわけである。
 ゼネプロ御一党も己の才能才覚でSFをメシのタネにしているわけだが、小生としてはいささか違和感を感じる。
 彼らは作家、翻訳家といったプロたちと違い、SFファン活動そのものをメシのタネにしたのだ。
 ファンダムでのSFファン活動。SFを読み、同人誌を発行し、SFイベントを開催する。これらは純然たるアマチュア活動なのだ。それは営利を求める活動とは厳然と区別しなければならないと考える。だからこそ、プロの作家がファンが開催するイベントに無料で来てくれるのだ
 ファン活動に利潤を求めないが、赤字が出れば自分たちで責任を取らなければならない。小生が実行委員長を務めた某イベントではかなりな赤字が出た。その年のボーナス全額がふっとんだ。
 自分たちの身銭を切って活動する。ファンダム活動そのものに利潤を求めない。それがSFファンの矜持ではないか。
 小生もSFファンとなって、そろそろ半世紀になんなんとする。その間、SFを書いて食べて生きたいと思ったこともある。正直いうといまもその希望はある。でもファンダム活動をメシにタネにしようと思ったことは全くない。SFイベントの実行委員長もなんどかやったこともある。それでも今はサラリーマンとして毎日通勤し、会社で働いて、SFを読み、ショートショートを書き、SFのイベントに参加する。
 そういう小生だから、武田岡田ゼネプロ御一党に違和感を覚えたのである。小生以外にも、その違和感を持っているSFファンが何人かいた。それが、ある意味、第25回日本SF大会DAICON5が1986年に大阪は吹田で開催される原動力となったのである。



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ヤクルト連敗阪神連勝ストップ

 腐ってもタイ。去年のチャンピンチームのヤクルト。なんぼなんでもそんなに連敗は続かんやろ。そろそろ勝つころちゃうかと思うとったら勝ちよった。
 きょうは守りで負けたな。まず岩田。コントロール悪し。6回もたずKO。そのあとを継いだ敗戦処理の専門家鶴。敗戦処理さえまともにできんで火に油。そのうえ鳥谷、ゴメスが記録に残らんミスをこちょこちょしよる。
 でも、打つ方はあいかわらず調子ええ。ヘイグ来日初ホームラン。ゴメスまたまたスリーラン。ゴメス打点王独走やな。
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JR摩耶駅オープン


 JR西日本神戸線に新しい駅ができた。摩耶駅である。この時はまだ工事中であったが、先週の土曜日3月26日に営業を開始した。灘と六甲道のあいだである。
 なぜ、ここに新駅を造ったのかJRの意図がもひとつよく判らぬ。灘と六甲道の間が広いからなのかな。小生、健康のために、ひと駅づつ散歩しているから、感覚的に判るが、確かに、灘と六甲道の間は、比較的広い。しかし、地図を見てもらえればお判りになるが、六甲道と住吉の間隔も灘、六甲道と同じようなものだ。
 この摩耶と灘の間はかなり短くなった。並行して走る阪急と阪神の最寄の駅は王子公園西灘だが、JRの摩耶―灘と阪神西灘―岩屋が同じような間隔になった。
 神戸市内を東西に走る3本の鉄道。北から阪急、JR,阪神。このうち駅と駅の間隔は、阪急>JR>阪神という順だ。阪神の特急停車駅間が、阪急の普通駅間とほぼ同じ。JRはその中間だ。でも、こうして新駅を増やしていくと、阪急>JR=阪神となるぞ。
 ところで、灘、摂津本山の駅舎が改築された。昔の灘駅、同じく摂津本山。なかなか風情のある駅だったが、今はなんということもない駅である。で、この摩耶も灘、摂津本山と同じような橋上駅舎の駅だ。で、ハンでついたように切符売り場の向かいにセブンイレブンがある。なんか最近のJRの駅はどこも同じでおもしろくない。
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阪神、不調ヤクルトに快勝

 さて、開幕カードの対中日戦を勝ち越して、いささか調子が悪い去年のチャンピオンチームのヤクルトとの3連戦や。大砲バレンティンがおらへんヤクルトやけど、もうちょっと寝といてもらおか。
 で、寝かしたで。梅野、ゴメスが打って、ヤクルトに圧勝といってもええやろ。ヤクルト先発のぜんぜんペケやったな。阪神先発の藤浪のほうがようけ打たれとんねんで。ヒット数はヤクルト8本阪神7本で、6対2で阪神が勝ち。ヤクルトの拙攻とゴメスのホームランが効いたな。
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バケモノの子


監督 細田守
出演(声) 役所広司、宮崎あおい、広瀬すず、リリー・フランキー、黒木華、津川雅彦

 なんと贅沢なアニメであることか。上記のような俳優たちの声だけを使っている。
 少年蓮は父とは生別母とは死別。家出して渋谷の街をうろついているうちに、熊みたいな顔をした獣のような人間のようなバケモノに出会う。そして渋谷ではない不思議なところに迷い込む。そこはバケモノの街「渋天街」蓮はそこで熊顔のバケモノ熊徹と再会。
 渋天街の長老でリーダーの宗師は近く引退する。次期宗師は強く弟子がいなくてはならない。次期宗師候補は熊徹と猪顔の猪王山。この二人は正反対。猪王山は武術の技量に優れ、人格高潔、人徳もあり弟子もたくさんいる。熊徹は乱暴粗暴人徳もなく弟子もいない。力だけはある。
 次期宗師になりたい熊徹は蓮を弟子にして九太と名づける。蓮=九太は熊徹のもとで武道の稽古にはげむ。
 このアニメを観ていて、先日読んだ「あしたのジョー」を思い出した。熊徹と九太、丹下段平と矢吹ジョー。この二組の師弟はよく似ている。
 段平は優秀な名伯楽ではない。ボクシングのトレーナーとしては欠点も多い。ジョーは段平を師匠としては尊敬してない。尊敬はしてないがジムの会長として認めてはいる。このふたりしょっちゅうケンカしてる。でも、紆余曲折なんだかんだあったが段平はジョーを世界チャンピオンへ挑戦するボクサーへと導いた。
 熊徹も師匠としては欠点だらけ。九太への技の教え方もぜんぜんダメ。人柄も粗暴で人のいうことを聞かない。師匠の熊徹と弟子の九太はしょっちゅうケンカ。でも九太は武道家として成長する。
 この「バケモノの子」も「あしたのジョー」も弟子が成長するのはもちろん、師匠が成長する物語なのだ。熊徹は猪王山に武道の技量、人格人徳すべての面で劣っている。いちどコテンパンにやられてしまう。それでも九太を育てているうちに成長する。そして次期宗師の座をかけて猪王山と相対する。
 九太が熊徹のもとで修行して8年たった。少年から青年に成長した。そして渋天街から東京の渋谷へ戻って、進学校の優等生少女カエデと会う。生別の父とも再会。高校を出てない九太=蓮は、この世界で生きていくことを決意。大学へも進学しようとカエデの指導のもと高卒認定を受ける。
 蓮を追って猪王山の長男一郎彦がやって来た。一郎彦は超能力で、渋谷に「白鯨」のモビィ・ディックを出現させる。
 なんだか二つの映画をくっつけたような映画である。前半と後半は違う映画だといっていい。前半は熊徹と九太の修行物語である。向こう意気だけは強い弟子と、乱暴でヤタケタな師匠。この半端者の師弟が成長していく。本当の強さとはなんて禅問答のようなやりとりも。
 後半は蓮とカエデの淡い恋愛ドラマとなっている。ここではカエデが蓮の師匠役だ。勉学と現実世界での師匠であると同時にガールフレンドでもある。そして最後は渋谷をモビィ・ディックが暴れるスペクタクルとなる。なぜ、ハーマン・メルビル「白鯨」のモビィ・ディックなのか。それは観てのお楽しみ。
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アジの押しすし

 
アジの押しずしである。ワシもいろんな料理をするけど、すしは難しいな。ちらしずしは比較的かんたんにできるが、他のすしは、難しい。一度握りずしにチャレンジしたことがあった。まったくすしになってない。握り飯の上に刺身を乗っけただけ。握りずしは素人が手を出すべきではないと、思い知った。
 でも箱すしならできるだろうと思ってやったのがこれ。不満の残るできばえであった。と、いうわけでもう一度押しすしにチャレンジ。こんどはアジの押しすしである。前回の反省点をふまえてやったのだが、もひとつききれいにできてない。まだまだ研究研鑽が必要である。でも、見場はともかくとして、味はおいしかった。
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阪神開幕勝ち越し。貯金1!

 さてさて1勝1敗でむかえた開幕第3戦。先発はかっての絶対的守護神藤川球児。4回までは調子よう投げとった。ところが4回の中日の新外国人ビシエドにホームラン打たれてから、急に緊張の糸が切れたみたいに打たれて同点。藤川、やっぱ長いイニングはしんどいんちゃうか。でも、中継ぎやったら充分いけそうやんか。これからは、かってのJFK前期のように藤川7回でええんちゃうん。7回藤川8回福原9回マテオ。FFMでええんちゃうん。それはそうとしてビシエドちとモンダイやな。
 でも、試合は新日本人高山横田新外国人ヘイグ旧日本人福留の活躍で勝った。1点差で迎えた9回。そのモンダイのビシエドを新守護神マテオが旧守護神藤川が見てる前で、切って捨てた。これで開幕勝ち越し貯金1。
 
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ごろごろ野菜とソーセージの鍋

 
 小生も鍋物のレシピはけっこうな数持っているが、そんなかでも、このお鍋は最も簡単なモノだ。
 用意するモノは、具としてソーセージ、ベーコン(かたまり)、玉ねぎ、キャベツ、にんじん、じゃがいも。あとはブーケガルニ、クローブ、セージといったハーブ類。
 これをお鍋にいれて水をはって煮こむ。それだけ。実に簡単。調味料はなにもいらない。塩もソーセージとベーコンの塩分があるから不要。それでいて実においしい。ただし、ソーセージとベーコンはダシがわりになるのだから、良いモノを求めよう。リーベフラウという店で買った。
 いわば、ポトフというか西洋関東煮というか。粒マスタードで食べる。残った汁はご飯にかけて、あらびき黒こしょうを振って食べるとおいしい。
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楽しく勝ったで

 いやあ、ゆうことおまへんな。きのうは楽しい試合やったけど負けてもた。きょうは昨日より楽しい試合で勝ったねんから、実にけっこうなこっちゃ。
 金本阪神の新看板高横コンビの活躍。新外国人ヘイグの2試合連続打点、旧外国人ゴメスのスリーラン。苦労人岡崎の何年ぶりかの打点&勝ちキャッチャー。投手キャプテン福原、新守護神候補マテオもちゃんと仕事したし。いやあ、けっこうけっこう。
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真夜中のコンビニ

 カーナビが故障した。地図も持ってない。スマホで現在位置を見ようと思うが電池切れ。ようするに、ここがどこか判らない。深夜だ。午前2時半。山の中。1車線の山道。この道を走りはじめてずいぶん時間がたったように思う。
 他の車を見かけなくなって1時間以上になるのではないか。先を行く車も、後ろから来る車も、すれ違う車もない。
 横の藪の中で時々光るモノがある。なにか獣の目だろうか。月は出てない。新月だろうか。空は晴天だ。おそろしいばかりの星空。
 この車はハイブリッドだ。ガソリンの残量はたっぷりとある。ガス欠の心配はない。走り続ければ、いずれ人里に出るだろう。とはいいつつも、いつまでたっても同じ風景がえんえんと続く。生まれた時からこの道を走っているような気がする。死ぬまで走らなくてはならないような気がする。
 お腹がへってきた。そういえば、ずいぶん前にドライブインでラーメンを食べたな。あれから何も口にしていない。車内にはなにも食べ物はないはずだ。助手席に置いたバックを探ってみたが、アメ玉1個入ってない。
 困った。こんな山の中、店なんかないだろう。走れども走れども山道が続く。左右は藪。両側はうっそうと木が林立している。上空には長くリボン状の夜空が続いている。そこは宝石箱をひっくり返したような星空。光があるのは天だけで、逆に地上は闇に包まれている。
 ごく小さな光の点が見えた。上ではない。星の光ではない。その光は地上にある。獣の目か。違う。もっと大きい。光はだんだんと大きくなる。
 建物が見えてきた。道の左側に木も藪もないところがある。広場になっていて、そこにコンビニがある。広場は駐車場だ。
 日本全国どこにでもある、ごく普通のコンビニだ。真夜中の山奥。そこだけは、都会の街角が切り取られて、ポンと置いたようだ。
 広い駐車場があり、その奥にコンビニの建屋がある。こうこうと明かりがともり、そこだけ真昼のようだ。
 なぜ、こんなところにコンビニが。そんな疑問も浮かんだが、ともかく空腹だ。駐車場に車を停めた。車を停めるのはいつ以来だろう。エンジンをきって車の外に出る。ずうっと回っていたエンジンが止まった。車外は物理的な圧力を感じるほどの静寂。世界は静寂という物質で満たされている。
 コンビニの建屋に入る。自動ドアが音もなく開く。週刊誌、簡単な文房具、カップラーメン。飲み物、お菓子。レジの横には、おでんが湯気をたてている。から揚げがケースに入っている。
 レジのカウンターの向こうに店員がいる。若い女性だ。向こうを向いて、なにやら商品の整理をしている。ともかくなにか食べたい。
「すみません。おでんください」
「はい」
 店員がこちらを向いた。衝撃。目が二つ。二つ目小僧だ。
「お、お化けだ」
 腰を抜かしながら走った。週刊誌の棚にぶつかった。床に散乱した週刊誌の表紙のモデルは二つ目ばかりだった。
 こけつまろびつ車にたどりついた。エンジンをかけてヘッドライトを点灯。三つのLEDライトが前を明るく照らす。なんか視界がおかしい。さっき眼鏡を壊したらしい。三つある眼鏡のレンズのうち真ん中のレンズが壊れていた。
 しかたがない二つの目で運転する。この山道からなんとか抜け出そう。
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金本阪神スタート。楽しめそうやんか金本野球

さてさて、今年も阪神タイガース応援の日々がはじまったわいな。阪神ファン諸賢のみなさまがた、あけましておめでとうございます。
 ベンチも先発オーダーもがらっと変わって、実に新鮮な気持ちである。金本監督になってベンチのムードはずいぶん明るくなった。
 で、高山、横田の若い1、2番が初ヒット初盗塁と活躍。そして新外国人のヘイグの初タイムリーで初打点。2016年の阪神タイガースの最初の1点が、なんとも新鮮な顔ぶれで取れたのがうれしいやんけ。
 結果として開幕試合は負けたけど、しゃあないな。負ける時もあるわいな。負けはしたけど、おもろい野球をやってくれそうやんか。金本はん。
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「とつぜんステーション」終了のごあいさつ

 とつぜんですが、「とつぜんステーション」を終了させていただきます。関西の鉄道、主にJR、阪神、阪急の駅をネタにやくたいもない駄文をつづってまいりましたが、ひとまず終わりとします。
 76駅を取り上げてきました。このカテゴリーを始めるにあたって、二つのことを決めごととして決めました。まず、私が一度でも乗り降りした駅であること。観光案内にしないこと。最初の決め事は守りました。すべての駅は私が乗り降りした駅に間違いないです。必ず写真を掲載してますから、写真を撮る時に乗り降りしたなんて、ごまかしはいいません。乗り降りした駅を選んで、写真を撮りに行ったのです。二つ目の観光案内にしないことは、いっしょうけんめい心がけて記事を書いたつもりですが、この件は読者のご判断におまかせします。
 私は「お鉄」ではありません。「鉄道」や「駅」にうんちくを傾ける趣味はありません。では、なぜこんなカテゴリーを始めたのか、よく覚えていません。
 正直、もうネタ切れというのが、「とつぜんステーション」終了のほんとのところです。観光案内的なことなら、ウィキペディア的なことなら、調べればいくらでも書けます。しかし、そんなことを書いたとて、なんの意味があるでしょう。かようなことは、この駄ブログを読むより、そういう記事を掲載した本が書店にいくらでも並んでいます。私にしか書けない記事を書くよう心がけてきたつもりです。その駅と、私、雫石鉄也の人生の接点を探って書いてきたつもりです。
 なお、4月からは新カテゴリー「とつぜん上方落語」を始めます。どうかよろしく、ごひいきのほどお願い申し上げます。
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あしたのジョー


ちばてつや 高森朝雄            講談社

 あまりにも有名なラストシーン。世界チャンピオン、ホセ・メンドーサとの壮絶な試合を終えた矢吹ジョー。かすかな微笑みを浮かべて、真っ白になってリングのコーナーに座っている。
 ここでジョーは死んでいるのか、生きているのかがこの漫画のファンの間で論争になっている。小生はジョーは生きている派だ。ジョーが満足しているのは間違いない。メンドーサとの試合で真っ白になるまで、存分に戦い、その試合に満足しているわけ。ただ、彼はボクシングの試合だけで満足しているのではない。愛を全うして満足しているのだ。
 この漫画はボクシング漫画である。日本を代表するボクシング漫画である。そのころは誰も認めるであろう。小生もそう思う。しかし、この漫画の隠された本質は別にある。この漫画の本質、それは「愛」だ。そう、この漫画は恋愛漫画である。ボクシングは女が男に愛を伝達する触媒にすぎない。
 女、そうこの漫画の主人公は矢吹ジョーではなく、白木葉子なのだ。白木葉子。白木財閥の令嬢にして大金持ち。深窓の令嬢でありながら男臭く汗臭いボクシングをなりわいとしている。らつ腕のプロモーターであり、ボクシングジムの経営者。その白木葉子が密かな恋心をいだいているのが矢吹ジョーなのだ。
 深窓の令嬢と不良少年の恋。これは原作者高森朝雄(梶原一騎)の後年の作品「愛と誠」の主題である。太賀誠と早乙女愛の物語のほう芽は、白木葉子と矢吹ジョーにあったのだ。
「男を成長させるのは、強力なライバルである」これは梶原がすべての作品を通じていっていることだ。それは、この「あしたのジョー」でも強く訴えている。
 ジョーの最初にして最大のライバル力石徹に死なれた後、葉子はひたすらジョーに想いをつのらせていった。カーロス・リベラ、ハリマオ、そして完璧なチャンピオンホセ・メンドーサ、これらのジョーのライバルたちは、葉子がジョーに贈った愛のメッセージなのだ。力石ロスにおちいった、野性を失った、ジョーを立ち直らせるために葉子がつかわした愛のメッセンジャーたちなのだ。そして、その愛を完成させるべく世界チャンピオンまでジョーに贈った。
 ジョーは葉子の愛をなかなか受け入れない。しかし、ジョー本人は気がついているだろう。自分の運命を握っているのは、この女だということを。
 世界タイトルマッチの直前、葉子はとうとうジョーに告白する。
「あなたが好きだった」
 ジョーは重症のパンチドランカーとなっていた。
「この世で一番愛する人を、廃人となる運命の待つリングへ上げることはぜったいにできない」
「リングには世界一の男ホセ・メンドーサがおれを待っているんだ」
 ボロボロになって試合を終えたジョーははずしたグローブを葉子に渡す。
「あんたに、もらってほしいんだ」
 葉子の愛が完成した瞬間である。そしてあのラストシーン。あのジョーの微笑みは、葉子の愛を受け入れた喜びをも表しているのだ。
 ジョーは死んでいない。葉子と結ばれるのだ。
 
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あの駅は「三ノ宮」である。今までもこれからも。

 三宮、神戸で最大の繁華街である。神戸で最大ということは兵庫県で最大の繁華街ということ。いうまでもなく神戸の中心地である。
 その三宮には鉄道の駅が六つある。地下鉄山手線、三宮。地下鉄海岸線、三宮・花時計前。ポートライナー、三宮。阪急、三宮阪神、三宮JR三ノ宮
JR以外表記は三宮である。
 なんでも神戸市はJR西日本に対して、駅名の「三ノ宮」の「ノ」を取って「三宮」にしてくれ、ついでに駅名を「三宮」から「神戸三宮」にして欲しいとの要望をだしているとのこと。
 小生は意地でもそういう表記はしないが、阪急と阪神の三宮駅は小生の反対にもかかわらず「神戸三宮」となった。このことになぜ小生がハラを立てているかはリンク先をお読みいただきたいが、肝心の神戸市までがJR三ノ宮までをも「神戸三宮」なる珍妙な駅名に変えて欲しいらしい。神戸市民として、まことに嘆かわしい。
 神戸は大都会である。三宮はその神戸の中心地だ。だから、わざわざ「神戸」なる枕詞をくっつけなくても三宮は神戸のことだと、たいていの人は判っているだろ。梅田といえば大阪。河原町は京都。銀座は東京。これをわざわざ、どこのことは判り難いといって、大阪梅田、京都河原町、東京銀座というか?
 万が一JRの「三ノ宮」が「神戸三宮」となっても、小生は「三ノ宮」と呼んで表記するぞ。  

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めまい


監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 ジェームス・スチュワート、キム・ノヴァック

 スコティは元刑事。現職中に犯人を追跡中、高所で宙吊りになり、助けようとした同僚を転落死させてしまう。それがトラウマとなって高所恐怖症になる。高い所に上がるとめまいがする。
 そんなスコティに旧友エルスターが妻の調査を依頼してきた。妻マデリンは先祖の霊にとり憑かれている。不審な死をとげた先祖カルロッタの霊にとり憑かれたマデリンはカルロッタの墓、カルロッタの肖像画のある美術館、ゴールデンゲートブリッジたもとの海に行く。その間の行動はまったく覚えていない。
 そんなマデリン、スコティの目の前で海に飛び込む。かろうじて助けたスコティ。それが縁でスコティとマデリンはわりない仲となる。
 ある日、マデリンは先祖カルロッタが死んだ教会の鐘楼のてっぺんに走る。追いかけるスコティ。高所恐怖症のめまいで追いつけない。そして、マデリンは鐘楼から転落死する。
 と、ここまでが前半。とつぜんヒロインが死んでしまう。さて、どうする。妻を亡くしたエルスターは嫌な思いの残るこの地を離れてヨーロッパへ旅発つ。スコティは自責の念にかられて悶々。そしてスコティはあの女と出会う。
 オカルトもんかいなと思わせておいて、足元からひっくりかえすような、どんでん返しは見事である。ヒッチコックの仕掛けたトリックに引っかかって楽しもう。
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