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カレイのアクアパッツァ


 さて、夕食はイタリアンといこう。メインは魚料理がいいな。春の魚のアクアパッツァを作ろう。
 アクアパッツァ。ようはイタリア風魚の水煮である。イタリア料理はフランス料理と違って、素材そのものの味をストレートに生かす料理が多い。このアクアパッツァなどはその典型ではないか。
 魚はカレイを使った。フライパンにオリーブオイルを取り、にんにくをひとかけ入れて香りを油につける。そこに魚を投入。両面を焼く。あさりを入れて、白ワインと水を注ぐ。アンチョビ、プチトマトとオリーブの実も入れる。強火で煮て、あさりの口が開いたら、あさりを取り出す。スープの味見をして塩こしょうで調整する。OKならばでき上がり。イタリアンパセリを散らしてできあがり。
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ありがとうヤクルトさん。ごちそうさまでした。

 阪神、今年は弱いと思うたけど、運はもっとるな。9連勝で甲子園に乗りこんできた来たヤクルト。迎え撃つ阪神は3連敗。そのヤクルト、連勝疲れの出るころに阪神が当たったな。
 6対1で阪神が勝ったけど、ヒット数は9本づつで同じ。阪神が取った得点でスカッととったんは新井のホームランのみ。1回の4点は、ヤクルト2塁田中のまずい守備と、同じくヤクルト畠山の目測誤りと、それを引き起こした甲子園の風(これは打った城島本人もゆうとった)にもろうた4点や。6回の1点はヤクルトピッチャー久古のボーク。ま、5点もヤクルトに点もろうたわけ。こりゃ勝つわな。
 とはいえ、チーム状態はだんだん上向きになっとるんとちゃうか。あとはマートン、ブラゼルが本調子になればええねんけど。
 ともかく5割で5月を迎えらえるのはめでたいこっちゃ。ゴールデンウィークごろには来年の話をしはじめるのが、昔の阪神やったけど、そのこと思うと実にめでたい。
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阪神、今シーズン最高の勝ち方

 ワシのなげきが真弓に聞こえたんか、どうか知らんけど、金本をスタメンから外し、代わりに林がレフト、スタメン。これが正解やった。
 3連敗VS9連勝。4連敗、10連勝になると思うたけど、野球って判らんもんやな。阪神、今シーズン初めてスカッとした勝ち方で強いヤクルトに勝つ。先発ピッチャーががんばって投げて、4番がここぞという所で打つと野球は勝、つんや。しかし、ま、ヤクルトの小川になめられたともいえる。首位打者宮本をスタメンから外して、かかられたんやから。金本が外れるんとは違うで。1割バッターやのうて4割バッターを外しとるんやから、ヤクルトは余裕こいとるともいえるな。貯金が二けたぐらいになるまで、レフトは林か浅井でええんとちゃうか。
9回藤川、あれでええと思うで。藤川、しばらく投げとらんかったし、3点差で楽々セーブつくし。その藤川、わずか6球であっさりとしめた。
 あと、ブラゼルに一発欲しいな。
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とつぜんSFノート 第18回

 小生たち創作研究会の同人誌「北西航路」の創刊号も、ご多分にもれずなかなか出なかった。普通の人とは違う時間の流れの中で生きている、南山鳥27氏が編集に当たっているのだからムベなるかなである。もちろん小生も投稿している。
 実は小生、SFの同人誌なるものに参加したのは、この時が初めてで、同人誌なんてもんはそんなに簡単にできるものではないと思っていた。今から考えると、若いころの小生は今よりだいぶん気が長かったということだ。
 原稿を入れてから、ずいぶん経って校正刷りができた。どれぐらい時間が経っていたのか、今はもう記憶にない。
 校正はそれぞれの執筆者がやった。例会に出て来れない人の原稿は、みんなで手分けしたやった。小生の記憶に間違いがなければ、「赤い水車」という喫茶店でやった。不思議な名前の喫茶店だが、こういう名前だったと記憶する。場所は大阪地下鉄御堂筋線西田辺駅の近く。眉村さん宅の勉強会の帰りだった。
 ほどなくして「北西航路」創刊号が刷り上ったとの連絡を南山鳥27からもらう。京都は北白川の彼の下宿に集合とあいなった。確か冬のことだった。雪が降っていた。印刷屋は南山鳥27の下宿から歩いていける距離だった。創作研究会の面々と雪が降る北白川を歩いて行った。印刷屋に着いたら、そこに刷り上ったばかりの「北西航路」が置いてあった。それを手分けして、南山鳥27の下宿まで運んだ。正直、この時は非常にうれしかった。それなりに苦労して創った雑誌だ。
 北白川で発送準備をして、小生は自分の分と岡本俊弥の分を持って、京都から神戸に帰った。岡本氏はこの時、所用で来れなくて、当時は神戸在住だった、岡本氏に小生が手渡すことにした。
 神戸は三宮そごうのフラワーロードの西向こう、センター街の入り口付近、今は丸井があるあたりに、昔は喫茶店があった。喫茶店の名前は忘れたが、この喫茶店で岡本氏と待ち合わせる。小生が店に入ると、岡本氏はすでに来ていた。彼1人ではなかった。友だちが3人いた。なんでも大学のSF研の仲間とのこと。この3人の岡本氏の友だちというのが、水鏡子、大野万紀、米村秀雄。これに岡本氏を加えたのが、ファンダムで名高い神大四天王。彼らは神戸大学SF研究会である。この神大SF研の関西ファンダムに果たした貢献は大きい。多くの翻訳家に影響を与えた関西海外SF研究会も、神戸で開催された第14回日本SF大会も、彼ら神大SF研が主要メンバーとして働いた。
 この時、4人は神大SF研の会誌だといってガリ版刷りのファンジンをくれた。「れべる烏賊」というファンジンだった。100部しか印刷されなかったから、今となっては貴重品だ。その時もらったものは残念ながら今はない。阪神大震災のおりに紛失したものと思われる。実物は昨年夏神戸文学館で開催されたSF企画展「SF幼年期と神戸」で展示されていたので、ご覧になった方もおられるだろう。
 筒井康隆氏、堀晃氏たち、ファンジンでいうと、「NULL」「タイムパトロール」「パラノイア」など。これらを関西ファンダム第1世代とするのなら、上記4人に小生、桐山芳男氏、高橋正則氏たち、ファンジンでいうと「星群」「北西航路」「ネオNULL」などが、関西ファンダム第2世代といっていいのではないか。
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なんらなすすべもなく広島に負ける

 あ~あ負けた負けた。なんでや。弱いからや。今の阪神は弱いんや。ワシらファンはこの現実を認識せなあかん。打てん。いや、打てんことはない。いちおう7安打しとるんやから。それでも打てんちゅう印象が残るんは点になるヒットが打ててへんからや。
 なんらなすすべもなく広島に負けてしもうた。弱いんやから、スタメンを工夫するなり、打順を入れ替えるなり、なんかやりゃええのに、なんにもせえへん。
 これで3連敗。借金2。さてさて次は9連勝のヤクルトとや。とてもじゃないけどヤクルトに勝てるとは思えん。ヤクルト12連勝。阪神6連敗。借金5やな。
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とつぜん対談 第27回 一輪車との対談

 今回の対談の相手は、ここ、幼稚園で待っておられます。といっても、園児や先生ではありません。一輪車さんです。手押し車です。ネコともいいます。土木工事の現場で、作業員のおじさんが、手で押して土砂なんかを運んでいる車です。

雫石
 こんにちは。

一輪車
 おう。

雫石
 なぜ一輪車さんが幼稚園におられるのですか。

一輪車
 オレも年でな、現場はつらいんだ。

雫石
 というと、昔は工事現場におられたのですか。

一輪車
 おう、オレは生まれた時からの、根っからのドッカチンでな、土方しか知らんのだ。

雫石
 なぜ、そんな一輪車さんが幼稚園に?

一輪車
 仕事がなくなったんだ。

雫石
 一輪車さんのお仕事は、モノの運搬でしょう。そんな仕事がなくなるんですか。

一輪車
 オレの仕事は現場の土運びだった。今は、ちょっとした物でも、現場ではほとんどがユンボにダンプさ。オレの仕事は少ないんだ。それにオレも年だし。

雫石
 ここではどんなお仕事を。

一輪車
 用務員さんといっしょに、砂場の砂運びや、園の施設の営繕をやってる。

雫石
 ここに来るまで、いろんな現場に行かれたんでしょうね。

一輪車
 日本全国まわったな。

雫石
 いろんなモノを造られたんでしょうね。

一輪車
 そうさな。ダムも造ったし。高速道路やビルも造った。

雫石
 一輪車さんたちが、今のニッポンを造ったんですね。

一輪車
 よくそんなことをいう現場の人間がおるが、オレはそんなことは思っとらん。

雫石
 ダムの前を通った時なんか、あれは自分が造ったなんて思いませんか。

一輪車
 思わんね、そんなこと。オレは土運びしただけだ。オレはモノを運ぶのが仕事だ。それ以外のことはできん。

雫石
 昔のダム造りも、今の幼稚園の仕事も同じですか。

一輪車
 同じだ。どう違う。オレはモノを運ぶ。それだけさ。

雫石
 プロですね。

一輪車
 プロだかフロだか知らないが、オレはただの一輪車さ。
 
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NHK「上方落語の会」がスタート

 4月15日の日記で「上方演芸ホール」が終って、後継番組として「西方笑土」という番組が始まったと書いた。「西方笑土」の「落語∞創 新しい口」は、桂三枝師匠司会の創作落語に特化した番組。こりゃ古典は「日本の話芸」しかないなと思っていた。「日本の話芸」はアズマエビスの田舎落語もやるので、上方落語は時々しかやらない。困ったなと思っていたら、「上方落語の会」という新しい落語番組がスタートした。司会は「上方演芸ホール」と同じ小佐田定雄さん。
 結局、「上方演芸ホール」が二つの番組に分かれたといっていいだろう。落語番組が増えたわけだ。大変、喜ばしい。NHKが上方落語を放送する限り受信料を払ってやるぞ。上方落語の放送がなくなれば払わないぞ。小生は原則として、テレビは上方落語と阪神タイガースの試合、それに「美の壷」「探偵ナイトスクープ」しか観ない。あとはDVDを見るためにモニターとして使っているわけ。
 さて、「上方落語の会」第1回目の演者は次のとおり。
 桂歌之助 七段目
 林家小染 こんにゃく問答
 歌之助さん上手い。歌々志時代よりずっと上手くなっている。上手い、面白い、愛嬌がある。師匠の2代目歌之助は「死神歌之助」として有名な噺家だったが、当代歌之助は師匠を越えたといっていいのでは。
「七段目」のような芝居噺は、若だんなが役者になりきって、歌舞伎の大そうなセリフをきばっていって、そのすぐ後に地のセリフになる。この落差が面白いのだが、今回の歌之助さんはそのめりはりが大変に良くきいて、面白さが倍増となった。
 小染さんの「こんにゃく問答」も面白かった。ただ、問答を挑んでくる旅の禅僧の演じ方が少しあまい。禅僧はクソ真面目な修業僧だが、そのクソ真面目具合が少し足らなかった。もう1つ、無言の行と解釈して、身ぶり手振りで禅僧がこんにゃく屋のオヤジに問答をふっかけるわけだが、この部分がバタバタしていた。
 しかし、この「こんにゃく問答」は面白い噺だな。田舎落語にもあるが、これ、寺とか僧侶を批判した噺だろう。寺院というと、昔はその土地の権威ある施設だろう。住職ともなると、土地一番のインテリで人格者、厳しい修業を積んだエライ人とされていた。ところが庶民は無条件に仏教を受け入れていたわけではない。坊主なんて偉そうにしているけれど、しょせんこんなモノ、というのがこの「こんにゃく問答」によく表れている。 

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能見をひっぱりすぎて負けたんや

 あかんな。うまいこといけへんわ。このところしけってた打線ががんばって4点もとってくれたのに、先発能見が7回に追いつかれ、好調広瀬に3ラン打たれて逆転されてしもうた。能見きょうはガタガタやないの。3人で終わったんは6回だけ。
きょうはあきらかにピッチャーの使い方で負けたな。アライさんもホームラン打っとうし、野手でヒット打ってへんの鳥谷とブラゼルだけやないの。新井と俊介は猛打賞。このところの頭痛の種、金本、城島も2安打づつ。せっかく打線が機能したのにベンチのピッチャー替え時ミスで負けたな。
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マーサの幸せレシピ


監督 ザンドラ・ネッテルベック
出演 マルティナ・ゲデック、セルジオ・カステリット、マクシメ・フェルステ

 マーサは天才的な料理人。レストランのシェフをやっている。自分の料理には絶対の自信を持ち、このレストランのキッチンは自分が仕切っているという自負がある。料理に文句をいう客にはくってかかる。料理人仲間でも浮いた存在で、店のオーナーにも全幅の信頼は得てない。料理の腕は抜群なのだが。
 そんなマーサが8歳の女の子の預かることになった。交通事故死した姉の子リナの面倒を見る。母の死にショックを受けリナはものを食べない。マーサの料理さえ食べない。登校拒否もする。合わない二人にマーサは気づく、この子は私と似ている。
 店にイタリア人料理人マリオがやってくる。「このキッチンは私のもの」と思っているマーサは気に食わない。二人は対立。ところがものを食べないリナがマリオが作ったパスタを食べ、マリオになつく。マーサのストレスは貯まる一方。とうとう客にかんしゃくを爆発させてしまった。とうぜんクビ。そしてリナは父親に引き取られることに。
 このタイトルからは、美しき女性シェフがおいしい料理を提供して、人々を幸せにするという映画と思うだろうが、マーサはそんなできた料理人ではない。お客にあわせて料理するのではない。お客が私の料理にあわすべきだ。気に食わなければ食うな。そんな料理人である。マーサVS海原雄山という対決を見てみたい。「いやなら食うな」VS「こんなもの食えるか」どっちが勝つか?
 マーサは何かが欠けている。だから回りも迷惑だし本人も苦しい。時々倉庫にこもって一人になる。精神科医のカウンセリングも受けている。
 自分に何が欠けているかマーサ自身も気がつき始める。ラストは落ち着くべき所に落ち着くが、めでたしめでたしとなるかどうかは、これからのマーサの心がけしだい。
 主演のマーサ役のマルティナ・ゲデックが大変にチャーミング。きれいな女優さんだが、マーサというキャラクター設定を考えるときれいすぎる。

 
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チャンスを金本、城島の二人がつぶす

 アニキにはしばらく、お休みしてもらえゆうとったのに、また老骨にムチ打ってスタメンやないの。それにきょうは下柳先発やからキャッチャーは藤井や思うたのに城島やないの。なに考えとんや真弓は。
 打てんな。横浜先発山本にスイスイ投げられて凡打の山。その山本相手に唯一のチャンス4回。鳥谷ヒットブラゼル四球で1、2塁。長打で同点のシーンで金本チャンスをものにできひん。城島もあかんけど金本も打てん。
 ピッチャーはよかったで。シモさんは立ち上がりこそ不安定やったけど、7回まで投げて被安打4失点1やったら上できやないの。榎田は1点とられたけど、これはま、お勉強代や。よかったんは福原。あんなええ福原は久しぶりなや。福原がこの調子やったら中継ぎピッチャーのやりくりがごっつい楽やな。
 で、8回にやっと1点返して、9回裏逆転サヨナラの絶好のチャンスを、金本、城島の二人がつぶしよった。
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サワラの西京漬け


 サワラは鰆と書く。魚扁に春と書く。春は旬だと思われるが、春だけの魚ではない。ほんとうは冬のサワラが脂がのっておいしい。でも、さっぱりした白身は、春の和食によく似合う。
 どう料理してもおいしい魚だが、今回は西京漬けにした。サワラの切り身に西京みそを塗って漬け込む。一晩漬け込めばいいだろう。これを焼くのだが、弱火でじっくりと焼く。あせって強火で焼くと焦げる。強火が禁物。
 つけあわせは新しょうがの甘酢漬け。さっとゆでた新しょうがを、酢、砂糖、塩を煮た漬け汁に漬けます。鮮やかなピンクになる。
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ビーフシチュー


 ビーフシチューが食べたい。ビーフシチューを本格的に作るのは大仕事である。牛のすね肉なんかでスープを取って、デミグラスソースから手作りするとなると、大変だ。
 簡単にしようと思えば、ハウスのレトルトでも買ってくれば、温めるだけ。実に簡単である。
 本格的にやろうと思えば大変。レトルトだったら簡単ではあるが面白くない。で、その中間でビーフシチューを作ることにした。
 肉は小生の大好きな牛のすじ肉を使う。ようは、この牛すじをホールトマトと赤ワインで煮込むだけ。簡単ではあるが時間がかかる。
 すじ肉は下ゆでして、フライパンで軽く焦げ目をつけておく。あとはこれをひたすら煮ていくだけ。ホールトマト2缶、赤ワイン400cc。デミグラスソースの缶詰1缶。分量としてはこんなところだろう。お好みで赤ワインの量は調整しても良い。
 肉を充分に煮込んだら野菜を加えよう。にんじん、マッシュルーム、いんげんを用意した。にんじんは20分ほど煮る。マッシュルームはもっと短い煮時間でいいだろう。最後にゆでたいんげんを飾って出来上がり。
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首だけ女

 今日は学校がお休みなので、さっちゃんは朝からえべっさんに来ました。西宮に住むさっちゃんは、家からえべっさんまで 走って10分です。
 お正月も終わり、今日は1月9日です。十日えびすです。あのおねえちゃんに会えます。楽しみです。大急ぎでえべっさんまで走ります。
 さっちゃんが、そのおねえさんと会ったのは3年前です。おねえさんは首だけの人です。
 えべっさんはさっちゃんの遊び場です。学校が終ると、いつもえべっさんに遊びに行きます。友だちがいる時もありますが、いない時も一人であそびます。十日えびすでない時のえべっさんの境内は広くてがらんとしています。さみしいです。だから、さっちゃんは十日えびすをとっても楽しみにしています。
 それは3年前の1月9日でした。さっちゃんは小学生になったばかりでした。まだ、ちっちゃかったから、えべっさんにはおにいちゃんに連れて来てもらいました。いつもはがらんとしてる、えべっさんの境内にはいろんなお店がいっぱいあって楽しいです。
 本殿にお参りしたあと、あめちゃんを買ってもらってレロレロしながら歩いていると、見世物小屋がありました。おもしろそうです。おにいちゃんにお願いして、中に入れてもらいました。そこにおねえさんがいたのです。赤い布をしいた台の上に、おねさんの顔だけが乗ってました。小屋のおじさんのお話では、おねえさんは首だけで生きている、首だけ女だそうです。
 さっちゃんはおねえさんの真ん前に行きました。目があいました。おねえさんはニッコリと、さっちゃんに笑いかけました。
 見世物小屋の中はお客さんが何人かいましたが、一人出て、二人出て、そのうち、さっちゃんとおにいちゃんだけになりました。そのおにいちゃんも、わたあめを買いに行くといって出て行きました。お客はさっちゃん一人になってしまいました。首だけ人間のおねえさんと、さっちゃんの二人だけが小屋の中にいます。むしろの上にちょこんと座ったさっちゃんを、おねえさんが台の上から見下ろします。
 しばらく、二人で見つめあっていました。さっちゃんは興味津々。じっとおねえさんを見ます。おねえさんは、少しこまった顔をしています。視線が合うとニコッとしますが、そのうちおねえさんはモジモジしはじめました。
 その時です。おねえさんの顔が台の下に引っ込みました。なんかゴゾゴゾして、台の向こう側から、小柄なおねえさんが出てきました。首だけ女のおねえさんです。ちゃんと胴体も足もあります。おねえさんが話しかけてきました。
「ごめんね。おじょうちゃん。終わりの時間なの。わたしね、お腹へったからごはんを食べに行くの」
 そういうと、すたすたと小屋から出て行きました。しばらくして、おにいちゃんがわたあめを持って来ました。
「さ、さっちゃん帰ろう」
 おにいちゃんと、わたあめをなめながら家に帰りました。
 次の年の十日えびすも、さっちゃんは見世物小屋に入りました。今度は1人で入りました。首だけのおねえさんがいました。その時は、他のお客さんがいっぱいいるし、さっちゃんも用事があったので、おねえさんの顔だけ見て帰りました。
 去年の十日えびすでも、おねえさんに会いました。去年は、お客さんも少なく、さっちゃんも用事がなかったので、小屋がしまるまで、さっちゃん1人、ずうっと、おねえさんといました。おねえさんは色々面白いお話をしてくれました。見世物興業で、日本全国旅してまわっているから、いっぱい面白いお話を知っています。長崎へいった時は、東京の葛飾柴又の生まれというテキ屋のおにいさんといっしょに旅をしたそうです。その、テキ屋さんのお話がおかしくってさっちゃんは大笑いしました。さっちゃんと首だけのおねえさんはすっかり友だちになりました。 
 さ、えべっさんの境内の見世物小屋に来ました。今年もおねえさんはいました。やっぱり首だけを台の上に乗せていました。二人は1年間の積もる話をしました。おねえさんのお話はやっぱり面白くって、時間が経つのを忘れます。ハッ気がつくと夕ごはんの時間です。おねえさんもお腹が減ったことでしょう。
「あたし、夕ごはんだから帰るわ。おねえさんは」
 いつもは、おねえちゃんはこの時間になると、台から出てごはんを食べに行きます。
「わたしはいいの」
「お腹へらないの」
「おねえさんね、ごはんを食べなくてもいい身体になったの」
「なんで」
「わたしね、ほんとうに首だけ女になったのよ」
「どうしたの」
「去年のリニアモーターカーの事故覚えてるでしょう」
「はい。生存者は2人だけだったんでしょう。よく覚えているわ」
「わたし、そのうちの1人なの。身体はぐちゃぐちゃに壊れたわ。今は生命維持装置の上に首だけが乗っかってんの。ほんとに首だけ女になっちゃった」
 さっちゃんの携帯電話が鳴った。
「はい、いま帰ります」
「それじゃね。さっちゃん。いつの時代になってもえべっさんはえべっさんね。こんな見世物でも喜んでくれる人がいるから、来年もくるわ」
「おねえさんも」
 お元気でね、といいかけたが、いえなかった。おねえさんは元気といえるのだろうか。
 さっちゃんはペコリと頭を下げて小屋を出た。阪神西宮駅の上のアストロビジョンにニュースが表示された。
「土星探査船カッシーニ3号が衛星エンケラドス内部の海で生命の存在を確認しました」
「だだいまあ」
「おかえり。ごはん食べたら早く寝なさい。あしたはイシグロ先生の所にメンテナンスに行くんだから」
 さっちゃんは寝ました。お父さんとお母さんが話しています。
「お前リニアモーターカーに幸恵を1人で乗せたこと悔やんでいるやろ」
「うん。札幌駅まで雄二くんが迎えに来てくれるから子供の一人旅もいいだろうと思ったけど、あんな事故にあうなんて」
「しかたないさ。でも幸恵の脳髄だけが奇跡的に無傷で生き残ったんだから良かったじゃないか」
「そうね」
「ロボット工学のイシグロ先生の所に少女型アンドロイドと箱型の生命維持装置があった。アンドロイドの身体に幸恵の脳髄を移植して、イシグロ先生が幸恵そっくりに改造してくれた。だからあれは幸恵なんだ」
「生命維持装置には別の女の人が移植されたみたいね」
「かわいそうに。その人は首だけ女やな」
「その女の人のアンドロイドもイシグロ先生が造ったそうよ」

 20年後。1月10日。神戸三宮喫茶店「エリーゼ」店の壁面ディスプレイには野球が表示されている。阪神VS巨人。フジカワ監督の阪神は開幕ダッシュに成功。21連勝中。フジカワ監督の現役時代の背番号と同じ22連勝なるか。おおっと、ここでウィリアムス投手コーチがマウンドに向かいます。巨人ワキヤ監督がお得意のアンフェアな手を使ったようです。
 初老の婦人が店に入ってきた。席にいる中年の婦人が手を振った。
「恵子さん、ここです」
「ごめんなさい幸恵さん。待った?」
「いえ」
「それじゃ、えべっさんに行きましょか」
「はいはい」
「見世物小屋まだやってるんですか」
「うん。孫が首だけ女をやってるわ」
「わたしたち、ほんとの首だけ女だもんね」
 
 
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守護神と4番で連敗脱出

 貯金がのうなって4位転落。この現状を打破したんは、守護神と4番やった。きょうは金本はお休み。ええこっちゃ。アニキには少し休んでもろた方がええやろ。
 先発久保は6回までナイスピッチング。ところが、一人で阪神1チームよりようけホームラン打っとう絶好調スレッジにホームラン打たれる。これがショックやったんか3連打を浴びて、2対3と逆転されてしもうた。
 でも、すかさずマートンが同点ホームラン。その後ピッチャーが久保から小林宏に。小林宏点こそ取られんかったけど連打され、もひとつピリッとせん。もやもやとした試合展開が続く。また引き分けか。
 で、9回。同点で藤川。ここで藤川すんばらしいピッチング。3者三振に斬って捨てる。あんな凄い藤川見るの久しぶり。火の玉健在なり。
 この藤川のピッチングが阪神に勝利の女神を呼んだ。マートン、鳥谷、全力疾走の足のヒットで1,2塁。ここで4番新井が弟に負けじとタイムリー。サヨナラ勝ち。対巨人戦2連敗のストレスが解消した。
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野球選手は役者じゃない

 腹の虫がおさまらん。野球というスポーツは他のスポーツとは違うスポーツマンシップの元に行われているスポーツらしい。いや、なに、昨日の阪神VS巨人の誤審のこと。
 7回、阪神ブラゼルが高々と打ち上げた打球を巨人の二塁手脇谷が、いったんボールをグラブに入れたが、すぐ、ポロッと落としている。審判土山はアウトを宣告。これで試合の流れが阪神から巨人に変り、阪神は負けた。
 後でビデオが放映されたが、明らかに脇谷は落球している。立ち位置からいって、審判土山は脇谷のエラーは見えていないだろう。「状況判断」だけでアウトを宣告したわけだ。これじゃ温厚な真弓監督が怒るのも無理はない。
 脇谷の行為はスポーツマンシップから大きく外れる行為だ。彼はスポーツマンの風上にも置けない。ところが、日本の(海外は知らないが)プロ野球は脇谷の行為を是とする考えがある。
 ゴルフは審判のいないスポーツである。自己申告である。人が見ていない所でもフェアにプレーすることを前提としたスポーツだろう。小生はゴルフはやらないからよく知らぬが。バレーボールでも、ボールに手を触れれば、ワンタッチありましたと、自ら手を上げて申告する。野球にはこういう考えはないらしい。
「サンデーモーニング」の「ご意見番」張本勲氏は「プロ野球選手は役者たれ」といっている。昨日の脇谷はまさしく「役者やの~」だ。
 かっての広島の捕手達川は、当たってもいないのに当たったといって、1つ出塁を稼いだりした。また、名捕手といわれた野村克也は打者に対して、ブツブツいって幻惑して打者を打ち取った。これらのことは野球だから許されるのか。バレーボールなら、脇谷は落としましたと、その場でいうはず。
 野球選手は役者ではない。演技が上手くなる必要はない。
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