とつぜんＳＦノート 第１１回

　
　チャチャヤングショートショートコーナーの作品も、ある程度貯まってきた。これらの作品は、ラジオ番組だから当然だが、耳で聞いていた。眉村さんの朗読によって、小生たちリスナーは作品に接していたわけ。
　まとまった数の作品のストックがあると、作品集が刊行されるのは、ごく自然なことだろう。1971年に毎日放送から作品集が2冊刊行された。編者はもちろん眉村さん。小生は2冊と所有していたが、阪神大震災のおり混乱にまぎれて紛失してしまった。
　この2冊、どういう内容だったかは、手元にないから確認できない。ただ、同人誌「風の翼」のホームページで、大熊宏俊氏が記録に留めておられるので、それを参考にここに記す。

チャチャ・ヤング＝ショートショート　№1
願い事　　　　　　　和田宜久
砂漠　　　　　　　　Ｓ・Ａ
ひも　　　　　　　　岩崎均
ふたつの空　　　　　宇井亜綺夫
エイプリル・フール　清水順也
哀愁　　　　　　　　藤原健司
精神病院　　　　　　藤原祐之介
さりげない死　連作「青い空」（その２）　安部房公
アイサツもどき　　　眉村卓

チャチャ・ヤング＝ショートショート　№2
岬　Ｓ・Ａ
識別者　大熊宏俊
誕生　東元庸泰
仮面　亜梨子
科学の勝利　変寧夢
科学者　姫崎仁孝
わがスタドイド　和田宜久
永遠と死　南山鳥２７
墓標のこわれる時　雫石鉄也
時のおくりもの　島田弘明
喪失　宇井亜綺夫
潮の響きに　小野霧宥
あとがき　眉村卓

　小生の作品は№2に収録されている。この「墓標のこわれる時」というショートショートは、拙作「ガラスの夏」の原型となった作品である。1971年のことだから、いまから39年前のことだ。上記の人たちで、眉村さんもふくめて、今もご厚誼を賜り、酒席などごいっしょさせて頂いている人は４人だけである。他の人たちは、今はどうしておられるのだろう。つつがなきことを祈るばかりである。
　確か、一度毎日放送でショートショートコーナー常連の懇親会があった。そのころ毎日放送は今の茶屋町ではなく千里丘にあった。千里丘放送センターであったはずだが、この会には小生は出席していない。
　チャチャヤングショートショートで活字になったのは、毎日放送が出した小冊子２冊だけではない。講談社から単行本で傑作選が出版された。
「チャチャヤング　ショートショート」で、編集は眉村さん。１９７２年の発行。４８篇のショートショートが掲載されている。拙作「ある死刑囚の絵」も掲載されているが、この時は雫石鉄也ではなく、湯本哲也というペンネームを使った。
　

２０１０年の阪神タイガース終焉。矢野さんご苦労さまでした

くっそう村田め。優勝をめざすために。今季甲子園最終戦。そして矢野選手の引退試合。絶対負けられないが３乗の今日の試合。負けてしもうた。最下位横浜に逆転負け。その横浜最下位の要因のひとつの、やる気があるのかないのかよう判らん４番打者村田に、わが阪神の守護神藤川がスリーラン打たれてしうもうた。ピッチャー藤川、キャッチャー矢野で勝利の瞬間を迎えたかったな。いや、９回は最初から城島やのうて矢野やったら、村田に打たれてなかったかもしれん。矢野のリードやったら・・・。
　ま、しゃあないわ。こんな結末を迎えるとは、阪神らしいちゃ阪神らしいのとちゃうやろか。これで自力優勝の望みはなくなった。中日にマジック１。中日が最終戦に負けたら、なんて未練がましいこといわへん。それにワシはクライマックスシリーズなんて邪道なもん認めとうないさかい、ワシの中では２０１０年の阪神タイガースは終わりやな。
　最後に矢野さん、どうもごくろうさまでした。できたら、花束贈呈の中にウィリアムスを入れてもらいたかったな。キャッチャー矢野＋ＪＦＫでワシら阪神ファンはどれだけ気持ちええとこ見てきたか。

火の鳥 黎明編

手塚治虫　　虫プロ商事

　二人の支配者が出てくる。邪馬台国の女王卑弥呼。大陸から渡って来た侵略者ニニギ。この二人、全く正反対。古代日本の現支配者と、これから支配者になろうとする者。女と男。呪術で占いで人民を掌握して国を統べる。馬という圧倒的な機動力を持つ新兵器を駆使して、他国を次々と蹂躙していく。
　そして、火の鳥＝永遠の生命に対するスタンスも正反対。卑弥呼は歳老い、重病を患い、いつまでも若く美しくありたいと願い、永遠の命を約束する火の鳥捕獲に軍勢を繰り出す。ニニギは火の鳥には何の感心も寄せない。「永遠の命。ふん、そんなものがなんの役にたつ」といって、火の中から復活して飛び立つ火の鳥を平然と見送る。
　卑弥呼とニニギ。この二人の新旧支配者をつなぐ人物が、このシリーズの主人公ともいうべき猿田＝猿田彦。この猿田彦、この作品の前半と後半で、同じ人物だが、立場が違いキャラも違ってくる。前半は侵略する虐殺者。後半は侵略され虐殺される者。そして鼻も違う。
　猿田彦は卑弥呼に忠誠をつくす邪馬台国の防人。火の鳥の調査のためクマソへ侵攻する。このころは普通の鼻。冷酷非情な侵攻軍の将軍。クマソの村落を急襲し村人を虐殺する。何を思ったかナギというクマソの少年を拾って邪馬台国に連れて来る。
　ナギの処遇をめぐって猿田彦は卑弥呼の怒りを買い、マダラ蜂の穴に入れられる。蜂に刺されて猿田彦の鼻が大きくなる。ナギとともに猿田彦は邪馬台国を脱出。道中ニニギと出会い奴隷になる。ニニギは邪馬台国侵略の途にある。
　ニニギの軍とともに邪馬台国に戻った猿田彦。ニニギ軍を脱走して邪馬台国防衛の指揮をとる。
　最後にニニギは邪馬台国を滅ぼし、この国の支配者となる。飛び立つ火の鳥にニニギはこういう。
「火の鳥よ。おまえを祝福してやるぞ。おまえが不老不死なら、この征服者ニニギのことを子々孫々までつたえるがいい」
　ニニギ＝ニニギノミコト。初代天皇神武天皇のこととされている。手塚はこの作品で神武天皇の存在を否定している。しかし、馬に乗って大陸から渡って来ただれかが、それまでのこの国の土着の人々を侵略し、平定してヤマト朝廷を創ったのだ。
　

原どの介錯つかまつる。巨人の首の皮を斬る

　阪神と巨人。絶対負けられない両チーム。きのうは巨人が勝って、優勝への望みを首の皮一枚残して生き延びたんやが、今日は阪神が勝つ。巨人の首の皮を断ち切った。これで巨人４連覇の野望はついえた。
　あとは１試合残しとる中日は気にせず、勝ち続けるだけや。決して平たんな道やないやろ。広島が前田健、ヤクルトが石川や館山を出してきよるやろ。
　さて、今日の試合。真弓はんの選手起用があたったな。ホームラン王争いをやっとるブラゼルをスタメンから外し、１塁には関本。２塁は坂。この二人の起用が大当たり。関本、３回、巨人の得点を１点におさえる大ファインプレー。坂はあわやホームランのタイムリー３塁打。そして、びっくり５番には金本がスタメン。なんでやねん。ブラゼル、どっかで代打で出てくるかと思うけど、出る所がなかったな。
　結局勝負は先発投手やった。ゴンザレス３回３失点。能見６回１失点。両軍とも得点はこれだけ。後続のピッチャーが両チームともようやったちゅうこっちゃ。なかでも久保田がすばらしい。クライマックスシリーズまで、その調子を維持してや。

中国とケンカするには

　中国ともめている。困ったことである。中国は隣人である。遠くの親戚より近くの他人というが、隣人というものは仲が悪いことが多い。騒音、車の止め方、ゴミの出し方などなど。トラブルの原因は多々あるが、やはり境界線をめぐってのことだろう。レンガ1個分の土地をめぐってもめて、隣りどおしの家が、家人どうしが道であっても、そしらぬ顔ですれ違う。こうなれば理屈ではいかない。感情の問題となる。感情がもつれてくると、こじれて、はなはだしい場合、刃傷沙汰となる。
　このたびの尖閣諸島にしても、竹島にしても、日本、中国、韓国にしては、それこそレンガ1個分より小さな面積だろう。面積の大小ではない国家の主権の問題だ。と、いうことだろう。隣家との土地のトラブルにしても、家の面子と意地の問題だろう。大きい小さいはあっても、国がやっていることも、知り合いのおっさんがやっていることも同じなのだ。
　おっさん同士なら、意地と面子だけだが、国どおりなら利権利害がからむからことがややこしくなる。もし、尖閣諸島近辺に石油埋蔵の可能性がないのなら、中国の出方も違ったものになっただろう。
　中国は三国志の昔からそのようなことばかりやってきた国である。他国との争いも数多くやってきた。経験キャリアとも実に豊富。そんな国を相手に交渉ごとをするには、日本の外務官僚、政治家は稚拙極まりないといえよう。
　中国は共産党一党独裁の国。現在の人民共和国になってからもそうだが、選挙で為政者を決めた経験がない国だ。現実問題として、あれだけの広大な国土、ものすごい数の国民、多岐にわたる民族。こんな国で選挙は無理だろう。西欧型の議会制民主主義は成り立たないのではないか。だから昔の帝政か、今の政治は社会主義、経済は資本主義という形に落ち着くのは必然ではないだろうか。
　民主主義の原則は多数決である。今の世界の人口は68億。中国人は13億。地球人の5人に一人は中国人である。もし、全地球的な民主主義を実行して、多数決で物事を決するとなって、投票したら圧倒的に中国人の意見が主流派となるのである。中国に民主主義はないというけれど、地球人の主流派は中国人で、ヨーロッパ、アメリカ、日本などは非主流派なのである。民主主義の原則に則れば、民主主義がないとされるのが民主主義という、なんとも皮肉なことになる。
　こんな国相手にケンカしているのである。極力日本の国益を考えつつ、　日中お互い、矛の納め時を早急に探るべきではないか。

阪神惜敗。これで本当に負けられなくなった

　阪神、巨人両チームとも絶対に負けられないこの試合。特に巨人は、負けた瞬間、２０１０年の優勝はなくなる。４連覇は夢となる。断崖絶壁の細い道を歩いているのは両方同じ。ただ、阪神の方が少しだけ道幅が広かった。その油断がでたかスタンリッジ。３回５失点。逆に今シーズンふがいない投球が多かった巨人先発内海、さすがに気合が入って、５回までの前半戦を１失点におさえる。ところが今年の阪神はちょっと違う。マートン、平野、鳥谷の３連打で内海をＫＯ。巨人は阿部のホームランで突き放す。阪神もそうはさせじと桜井のホームランで追いすがる。６対１が７対５の２点差まで追いすがるも、そこまでであった。
　これで阪神も一つも負けられなくなった。明日が本当に最後の勝負。いやあ面白いな。

チームバチスタの栄光

監督　中村義洋
出演　竹内結子、阿部寛、吉川晃司、池内博之、玉山鉄二、井川遙

　原作は3年ほど前に読んだ。面白かった。この映画も見ようと思っていたが、あんまり面白かったという話を聞かないので、見そびれていた。主人公の田口を男性から女性に設定をかえて、売れっ子女優の竹内に演じさせる。竹内の人気だけに頼った映画と思っていた。
　さて今夜は何をみようと思ってTSUTAYAに入ったが、もひとつピンとくる映画がなかった。シリーズ２作目の「ジェネラル・ルージュの凱旋」が結構おもしろかったし、監督が「フィッシュストーリー」「アヒルと鴨のコインロッカー」の中村義洋監督なので、この映画を見た。
　まあまあ、面白かった。手術のシーンはリアルで迫力あったし、竹内の田口役も合格であった。竹内のぼーとしたキャラがはまっていた。それと対比するかのような阿部の白鳥のズケズケキャラもよかった。漫才のボケとツッコミのようであった。原作もこの二人のキャラを読ませる小説なのだから、それの映画化なんだから、これでいいのではないか。

札幌一番味噌ラーメン

　日清がカップヌードルを出すまで、カップめんはなかった。インスタントラーメンは袋物ばかりだった。小生も若い頃はよくインスタントラーメンを食べた。その頃のごひいきは、エースコックのワンタンメン、明星チャルメラ、札幌一番味噌ラーメンの三つ。
　このようなインスタントラーメンでも、ひと手間かけると、グッとおいしくなる。今朝は久しぶりに札幌一番味噌ラーメンを食べた。
　インスタントラーメンというと、小鍋に湯をいれ、めんを煮て、そこにスープの素を溶かして出来上がり。と、いう作り方だろう。めんとスープを別々に処理すれば、さっぱりとおいしくできる。
　スープは小鍋に指定の分量の湯を沸かして作っておく。めんは大きめの鍋でゆでる。だいたい3分。ゆでたら、めんを水で洗う。このあたりは日本蕎麦のゆで方と同じ。水洗いすればめんが冷めるから、別にきれいな湯をわかしておく。めんをゆでた湯は使わない方がいいだろう。めんを湯で温めたら、鉢に盛りスープをはる。炒めたもやし、コーン、青ネギ、焼豚をトッピング。焼豚は手作りしよう。簡単にできる。酒、醤油、味醂を同量鍋に入れて豚肉のかたまりを煮る。バラ肉かロースがいいだろう。20分ほど煮て肉をひっくり返して、さらに20分煮る。これを一晩置く。翌日、魚焼きグリルで表面をあぶる。これでできあがり。こうすれば、インスタントラーメンでも街のラーメン屋にも負けない。

さといものたいたん

　いもの煮っころがし。いわゆるおふくろの味の代表みたいなおかずどす。こってりした洋風や中華を食べると、むしょうに食べたくなります。そういうわけで、今晩のおかずは、おいもさんのたいたんどす。
　まず出汁を取りましょう。出汁パックや顆粒の出汁の素もよろしおすが、ここはきちんと、昆布と鰹節で出汁を取りましょう。鍋に水をはって昆布を半日ほど漬けておきます。その鍋を火にかけて沸騰の手前で昆布を取り出すんどす。
鰹節を多い目に入れて、ひと煮立ちして火を止め、鰹節が沈むまで待って、さらしでこします。これで、出汁ができました。
　おいもさんは里芋を使います。皮をむいたら、塩をふって、ゴロゴロと手で転がして、おいもさんの表面のぬめりを取ります。こうすれば味がしみやすくなるんどす。
　さてさて、煮ていきましょう。ひたひたの出汁においもさんを入れて火をつけます。調味料で味付けをするんどすが、入れる順番があるんどす。甘いものを先に入れておくれやす。塩分を先に入れると、味がおいもさんに染み込みにくくなります。
　砂糖、味醂、酒を入れて、そのまま煮ておくれやす。お醤油は時間差をつけて入れるんどす。
　おいもさんに、ある程度火が通ったら、薄口醤油を少し入れます。あ、気をつけておくれやす。お醤油は入れすぎると修正が効きませんえ。味を見ながら少しづつ入れるんどす。おいもさんが軟らこうなったら、濃口醤油を少しだけ入れて火を止め、鍋にフタをしてそのまま置いておくんどす。煮物はさめていく段階で味がしみるんどす。そやから、晩のおかずにするんやったら、お昼に煮て、半日置くと、味がようしみて、おいしおす。
　

晩節

　ＮＨＫ「日本の話芸」を観る。きょうの演者は笑福亭仁鶴。演目は「壷算」
老いたな仁鶴。聞くにたえない落語であった。ところどころ「チッチッ」と舌打ちの音がする。つっかえた所も何ヶ所か。なによりも噺のテンポが緩慢で、実にダレた噺となっていた。起伏がなく、平板な板のような落語となった。
　6代目松鶴亡き後、仁鶴は事実上、笑福亭の総帥といっていい。いや、笑福亭のみならず、上方お笑い界の重鎮だ。7代目松鶴襲名を打診されたこともあった。
また、数々のギャグを流行らせ、タレント落語家の先駆けだ。若いころの噺はスピーディーでキレがあり、爆笑させられた。仁鶴、晩節を汚しているな。
　上方落語とともに小生が大好きなモノで晩節を汚しているご仁がいる。阪神タイガースの金本知憲のことである。金本は、常に優勝を狙える今の阪神タイガースを創った大功労者である。このことに異論を唱える阪神ファンはいないだろう。近年の阪神優勝の影には必ず金本の神がかり的な一打があった。骨折し片腕1本で打ったホームラン。頭にデッドボールを受けた次打席でのホームラン、などなど。
　ところが今年、肩の故障で連続フルイニング試合出場が途切れ、代打での出場となり、スタメン復帰はしたものの、また代打での出場で、連続試合出場の記録を続けている。最近の金本の代打は記録のためだけの代打といわれてもしかたがないだろう。代打の必要のない所で代打金本。桧山や関本、林など、他の選手の方がよさそうなのに代打金本。真弓監督は金本代打が1試合中のノルマとなっている。金本知憲晩節を汚しているな。
　笑福亭仁鶴、金本知憲、小生はこの二方の大ファンである。であった、との過去形でいいたくない。ご両所にはこのあたりで覚悟を決めていただきたい。　

阪神、中日のマジック点灯阻止。マートン２００本安打達成おめでとう

　今年最後の呪いの館ナゴヤドームでの試合。中日のマジック点灯を阻止するんや。その阪神打線の執念のたまものやね。
　阪神先発は能見。中日は吉見。その吉見、いきなり３連続四球でチャンスをくれる。きのうまでは、ナゴヤドームの呪いであと一本が出えへんかったけど、城島がタイムリー。２点先取。これで呪いは解けた。
　マートン200安打目をホームランで飾る。このホームランは、森野にホームランを打たれたばかりの能見を勇気づけた。あとは7回までスイスイと好投。久保田、藤川でしめる。
いくら中日のリリーフが強力ゆうても、敗戦処理ピッチャーからは、阪神の弱いもんいじめ打線でも打てる。後半追加点を取って、6対1で勝った。

とつぜん対談 第２０回 ぶら下がり健康器との対談

　きょうの対談相手は、ぶら下がり健康器さんです。ずいぶん久しぶりに出て来ていただきました。1970年代後半には、かなりの売れっ子となられ、全国あちこちの家庭でもてはやされ、一家に一台とまでいわれました。ですが80年代になって急にお姿を見なくなりました。

雫石
　お久しぶりです。お元気でしたか。

ぶら下がり健康器
　元気やったで。ワシは元気やけど仕事あらへん。

雫石
　どうしてました。

ぶら下がり健康器
　家に引きこもってたわ。

雫石
　うわっ、えらいホコリですね。

ぶら下がり健康器
　そやろ。20年分のホコリや。

雫石
　この家に来た当初は仕事したんでしょ。

ぶら下がり健康器
　おう、よう仕事したで。ワシにぶら下がったら健康にええちゅうんで、家族でワシを取り合いや。

雫石
　で、ここの家族は健康になったのですか。

ぶら下がり健康器
　さあ、ワシにはよう判らん。なんせ、みんな一週間ほどやったら、飽きてぶら下がらんようになったから。

雫石
　飽きずに続けていれば、健康になるのですか。

ぶら下がり健康器
　さあ。飽きずに続けた人、ワシ知らんもんで。

雫石
　人がぶら下がらなくなった後、どうしてました。

ぶら下がり健康器
　部屋の隅っこに立てられたまま。雨の日の洗濯物干しにされていた。

雫石
　今も洗濯物干しですか。

ぶら下がり健康器
　いいや。邪魔やゆうんで納屋に入れられた。

雫石
　なんでまた20年ぶりに出てきたのですか。

ぶら下がり健康器
　アルバイトや。

雫石
　どんなアルバイトですか。

ぶら下がり健康器
　拘置所から、ぜひ来てくれって。

雫石
　拘置所なんかで、あなたのできる仕事あるんですか。囚人の健康増進ですか。

ぶら下がり健康器
　いいや。死刑執行の手伝いや。このところ死刑執行が急に増えて、既存の絞首台だけじゃ足らへんねんて。ワシに絞首刑をやってくれといってきたんや。


　


　
　

夢は終わった。ブラゼル気にすな。ホームラン王とれ

　まことに見事な投手戦やった。久保、山井、一歩も引かずゼロを並べる。両先発ともまことにあっぱれ。久保は８回まで。山井は７回まで。久保田、浅尾に後を託す。浅尾は無安打におさえるが。久保田は打たれる。３連打をくらい藤川と交代。藤川ファーストゴロに打ち取ったが、ブラゼルが本塁へ送球ミス。さよなら負け。これで最後の天王山を負け越した。巨人が勝ったから３位転落。阪神優勝の夢は、2010年酷暑の夏の夢となった。クラマックスシリーズもたぶん敗退するだろう。
　ブラゼル、気にせんでええよ。キミがいたから、ワシら阪神ファンは優勝の夢を見られたんや。ありがとうといおう。キミは自分がホームランを打っても、チームが負けるときげんが悪かった。「オレは本塁打王とるために打ってるんじゃない。チームが勝つために打ってるんだ」といっていたね。これで阪神優勝の夢はついえた。だからこれから遠慮することなく、自分のためにホームラン打ってええよ。本塁打王取ってね。

営業はむつかしい

　小生は仕入れ購買の仕事を長年やってきた。小生をリストラしたＫ電気では２７年ずっと所属は資材部で、購買とか生産管理とかいう仕事をやってきた。今の会社でも購買をやっている。小生は３０年以上、モノを買う仕事をやってきたわけだ。
　３０年以上、営業マンなる人たちの相手をしてきたのだが、いうまでもなく彼らはモノを売りたい。こちらは買うのが仕事だから、買いたい。売らねばならぬ。買わねばならぬ。お互い様である。営業と購買は持ちつ持たれつ。どっちが上でどっちが下でもない。立場は平等である。だから、営業はへりくだる必要はない。購買は威張ってはならない。お互い仕事である。相手がいないとできない仕事だ。
　そのあたりのことを理解していないご仁がいる。必要以上にペコペコとへりくだり「お客様は神様」と思っているかどうか知らないが、注文を取るためならなんでもします、というような営業がいる。こっちは確かに客であるが、人間であり、組織の一員だ。だからそういう具合に接してくれればいい。
　また、上の場所に足を置いて営業の相手をする購買もいる。何が偉いんだか知らないが、年上の「長」の字がつく営業相手に、タメ口をきいて「オレが買ってやるからお前がやっていけるんだ」と思っているらしい。あんたの金で買っているのではない。会社の金で買っているんだ。何を勘違いしているのだといいたくなる。こんなヤツは暗に接待を要求して、タダ酒にありつこうというさもしいヤツだ。
　新規の取引を求めて、飛び込みや、いろいろなつてを頼って、新顔の営業がよくやって来る。正直、今までつき合いのある業者を押しのけて、取引を始めるのは難しい。小生がやっているような購買は大企業の購買ではない。大企業なら月に億単位の取引を行うが、Ｋ電気時代で1000万単位、いまの会社では500万あるかないか。1社あたり多くて50万前後。だから仕入先の変更は小生の一存で変えられる。会社は月にいくら金を使ったかを見ているだけである。
　発注は主にメールで行うが、電話でもする。なじみの取引先なら「アレ頼むわ」「承知しました」1件の発注に30秒もかからない。
　新規の取引先なら、納品方法、支払条件、いつ〆でいつ払いか、などなど説明事項、取り決めごとなど手間である。こんなことなら、少々のメリットがあっても、新規に乗り換えることはない。
　営業は難しい。購買を長年やってきてよく判る。

阪神、大事な初戦を落とす。５番６番打者で負けたな

　さあ、いよいよ最後の決戦３連戦初戦。２位の阪神としては何が何で勝たなあかん試合。舞台は呪いの館ナゴヤドーム。ヒットの呪術師マートン、ホームランの魔道師ブラゼルで呪いを解けるか。
　チャンスはいきなり訪れた。呪術師マートン２塁打。さあこれでナゴヤドームの邪悪な呪いが解けるか。ところがまたまた平野バント失敗。魔道師ブラゼルセカンドゴロでまじない失敗。この後は中日先発、黒魔術師チェンの前に、９回まで３塁さえ踏めず。
　今日は５番６番打者が勝負の分かれ目やったな。新井２安打。和田３安打。両チームの４番打者は仕事をしとる。ところが、ブラゼル、城島ノーヒット。ブランコ２安打。野本２安打１犠牲フライ２打点。これは和田に積極的な走塁させた落合采配の勝利でもある。
　恐るべしナゴヤドームの呪い。う～む。後がなくなった。明日が勝負