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阪神、いつになったら初戦を取れるねんやろ

 あ~あ、負けた。阪神、またまた初戦落とす。先発能見、大谷に一発を食らったけど、実にええピッチング。ところがこの能見のピッチングに打線が応えられへん。特にきょうは、4番ゴメス、5番マートンがブレーキ。点取れへん。勝負を分けたんは後のピッチャーの差やな。日本ハムはええピッチャーをどんどん出して来よる。阪神は、リリーフ陣でゆいいつ頼りになる安藤がサヨナラホームランを打たれてゲームセット。
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クスクス


 これはクスクスといいます。あ、気を悪くしないでください。別にあなたのことを笑っているわけではありません。クスクスとは写真の下の方にあるつぶつぶのことです。
 これ、実はパスタです。原料はデュラムセモリナ粉です。スパゲッティやマカロニなどのおなじみのパスタと同じなんです。世界最小のパスタといわれております。
 中東から北アフリカにかけての料理です。クスクス料理は多種多様ありますが、きょうは日本人にとっつきやすいところで、鶏手羽元のトマトソースのクスクスにしました。
 みじん切りした玉ねぎとにんにくを炒めて香りを出します。ここに鶏手羽元を入れます。鶏肉には軽く焦げ目をつけましょう。ここにトマトソースとスープを加えて煮こんでやります。スパイスも入れましょう。ローリエ、コリアンダー、カイエンペッパーを使いました。具の野菜としてズッキーニも入れました。
 さて、鶏肉を煮ている間にクスクスをもどしましょう。耐熱ガラス容器にクスクスを入れ、同じ容量の熱湯を注いでやります。ふやけたらバター、塩を入れてかきまぜて、そのまま電子レンジで3分ほど加熱します。
 鶏肉も煮えてきました。最後に白いんげん豆を入れます。今回はお手軽に水煮の缶詰を使いました。
お皿にもどしたクスクスを入れ、鶏手羽元、ズッキーニ、豆、トマトソースをかければできあがりです。

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とつぜんSFノート 第55回

 ジャズ、上方落語、阪神タイガース。関西のSFもんは、だいたい、この三つのうち二つが好きな人が多い。堀晃さんや田中啓文さんは、ジャズと上方落語。喜多哲士さんは上方落語(喜多さんは、落語のみならず関西の芸能演芸全般が守備範囲だろう)と阪神タイガース。と、お見受けする。この三つともお好きという人は、寡聞にして知らない。
 小生は上方落語と阪神タイガースだ。どうしてこの二つが好きになったのか、考えてみた。阪神タイガースは生まれたときにタイガース菌に感染したということではないか。小生、いまは神戸に住んでるが、生まれは西宮だ。本籍地はいまも西宮。兵庫県西宮市。全国のえべっさんの総本社である西宮神社がある。そして聖地阪神甲子園球場もここにある。小生生誕の地は西宮市川添町。西宮市の西の方で、夙川のすぐ東。いまはさすがにそんなことはないが、昔は東から風が吹いてくると甲子園の歓声が聞こえてきたとか。
 母は西宮の人間で、この川添町は母の実家だった。この母方の従兄で野球をやっていた男がいる。小生よりずっと年上だが、芦屋高校野球部で甲子園に出場し優勝した。1952年のことだ。小生は幼児で覚えていない。阪急ブレーブスの本屋敷錦吾さんがチームメイトだったとのこと。この従兄は大学は関大だった。この関大野球部で上田利治さんや村山実さんとチームメイトだった。従兄と村山さんは、その後も交友が続き、確か村山さんが阪神の監督だった時に、従兄の母、小生の伯母が亡くなった。村山さんも葬式に出席された。阪神の低迷期だったからか、実に暗い表情だったのを覚えている。この時の村山さんほど葬式の出席者としたはうってつけの人はいないのでは。こういう環境の子供時代だったから、小生の阪神ファンはかなり根が深いと思われる。困ったものだ。
 さて、落語の方だが、自分が落語好きを自覚したのは高校のころだった。高校のころアルバイトしてステレオを買った。当然、レコードも買わなければならない。いきおいでステレオを買ったが、音楽は特段興味のある分野はない。定番のクラシックのを数枚買った後で、東芝EMIから出ていた桂米朝師匠のレコードを買った。何枚か出ていたそのシリーズを全部買った。ものすごく面白く、すぐにはまってしまったしだい。それから上方落語全般を好きになり、おりにふれて聞くようになったわけ。
米朝師匠の「地獄八景亡者戯」を初めて聞いたのは、このレコードでだった。生では第14回日本SF大会でだ。米朝師匠といえば、むかしラジオ大阪であった「題名のない番組」も良く聞いた。小松左京さんと米朝師匠、それから菊池美智子というアナウンサーの3人でやっている番組で、リスナーからのハガキを小松さんと米朝師匠がコメントをつけつつ紹介する。この投稿されたハガキというのが、いろんな古典や名作、歴史的文書のパロディが書いてある。当初は徒然草や枕草子、古今和歌集といったよく知られているもののパロディだったが、だんだんマイナーなものばかりになった。そのうち、なんのパロディか判らなくなる。それでも小松、米朝のお二方はさすがで、「はは~、これはアレのパロディやな」と当てる。すると、リスナーはさらにマイナーなモノを投稿する。リスナーと知の巨人お二人の勝負とあいなった。
それとお昼のラジオだが「ポップ対歌謡曲」という番組もよく聴いた。ポップ側と歌謡曲側の出演者にクイズを出して、勝った方のリクエスト曲を流す。これには、桂三枝(現六代文枝)、笑福亭鶴光、笑福亭仁鶴、桂春蝶(先代)といった上方の噺家たちが大勢出ていた。これに桂枝雀師匠も出ていた。桂小米という名前のころで、お相手は吾妻ひな子姐さん。この二人の話が面白くて、お二人も興に乗ってくると止まらず、おしゃべりだけで肝心のリクエスト曲を流さずに終わったときもあったな。  
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阪急 御影


 阪急電車と阪神電車。今では同じグループの会社となって、阪神タイガースの選手と宝塚歌劇の踊り子のポスターが並べて同じ駅に張り出してあったりするが、昔はそんなことは考えられなかった。
 この二つの電車、阪神間を並行して走る私鉄。プロ野球の球団も阪神タイガースと阪急ブレーブスとそれぞれ持っていて、お互い、対抗意識を燃やしていた。そのことをネタにした、かんべむさしの「決戦、日本シリーズ」なんて小説もある。
 この阪神と阪急、両端の三宮と梅田を別にすれば、同じ名前の駅は三つしかない。春日野道、御影、今津の三つ。このうち、今津は同じ場所にある。今は通路があるが、昔は間に金網があるだけで背中合わせに接していた。春日野道は春日野道商店街の南北の両端に二つの駅がある。だから、二つの春日野道駅周辺は同じような雰囲気だ。
 さて、御影だ。阪神御影周辺は庶民的な下町。お世辞にもきれいとはいえない。駅前にはパチンコ屋などもある。気楽な気どりのない町である。その阪神御影から北へ2キロほど行ったところにあるのが、この阪急御影駅だ。こちらの御影駅周辺は阪神御影とは正反対。大変にお上品でセレブ。駅前にパチンコ屋などいう下世話なものはない。この阪急御影駅周辺は、神戸でも有数の高級住宅地なのだ。財界人、文化人といったオエライ方々もたくさんお住みだとか。同じ、御影駅だが阪神と阪急ではまったく雰囲気が違う。
 阪神御影には特急が停まるが、阪急御影には普通しか停まらない。ま、阪急の各駅停車の駅の間隔は、阪神の特急の間隔と同じようなものだが。
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阪神、交流戦初めての連敗!?

 スコアボード見れば一目瞭然や。今の阪神タイガースの中継ぎピッチャーがいかにあかんか。ま、だいたい7回以前に先発ピッチャーが降りたら負けは覚悟せなあかん。きょうかて見てみいや。5回に岩崎が降りたあとの惨状。福原がおらへん今、頼りになるんは安藤しかおらへん。加藤も限界やな。今シーズン終わったら3回目の戦力外やな。
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呉昇桓自滅。阪神またまた初戦落とす

甲子園では必ず勝つ今年のメッセンジャー。交流戦の初戦は必ず負ける今年の阪神タイガース。さあて、どっちのジンクスが勝つかいな。
 点を取りつ取られつのシーソーゲームの末、メッセンジャーに負けはつかへんかったけど、阪神は負けたな。敗因は呉昇桓の自滅やな。ま、しゃあないわ。呉昇桓とてこんなこともあるやろ。順番からゆうと明日勝つことになっとうけどな。
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賃上げと労働時間短縮は車の両輪

 安部政権は労働者の残業代をゼロにしたいようだ。政府の産業競争力会議は労働者がいくら働いても賃金が同じになるように検討するそうだ。
 ようするに労働者が時間外労働しても、企業が残業代を出さなくてもいいようにしたいらしい。
 企業が生産力を上げようとするのなら、設備投資をするか、工場で働く労働者を増やすかの、どちらかである。設備投資をするにしても、新たな労働者を雇用するにしてもタダではできない。必ずお金がかかる。で、タダで生産力を上げるいい方法がある。今いる労働者にタダで時間外労働させるのである。現行では、労働者に時間外労働させるには2割5分の割り増しを支払わなければならないと法令で定められている。安部政権はこの法令を改悪するつもりなのだろうか。
 財界はこの春、安部政権の要請によって、ある程度の賃上げを実現した。どうも、この残業代ゼロ構想は、賃上げの見返りとして財界から安部政権に要請されたものと思われる。
 官製春闘、官製賃上げとなって、大幅に影が薄くなった、連合など労働組合。労働側はここはひとつ、労働組合本来の存在意義を再認識して、この労働者をただ働き構想実現阻止に取り組まなければならない。
 時間外労働。それは労働者にとって、自分自身の価値をおとしめることだとの認識を持たなければならない。単純に計算すれば判るだろう。8時間働いて20万円の給料。10時間働いて20万円の給料。1時間あたりいくらの給料になるか判るだろう。長い時間働けば働くほど、自分の労働の対価の価値を下げているのだ。
 春闘など団交の季節になると、賃上げのことばかりが話題になるが、賃上げと平行して、労働時間短縮ももっと議論をつくさなければならない。
 確かに、時間外労働をやって、やっと人並みの収入を得ている人もいるだろう。これはそもそもそういう賃金のレベルが問題なのである。
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荒鷲の要塞


監督 ブライアン・G・ハットン
出演 リチャード・バートン、クリント・イーストウッド、メアリー・ユーア

名作「ナバロンの要塞」の原作者で、イギリスの冒険小説の泰斗アリステア・マクリーンが原作脚本を手がけた。だからなのか、侵入爆破もの映画といえる。この手の映画のお約束で、映画の終盤、派手に爆発する。
第2次世界大戦。ナチスドイツへの反攻のキーを握るアメリカのカーナビー将軍がドイツ軍の捕虜になった。難攻不落の山中のドイツ軍情報本部に囚われている。将軍が情報を漏らす前に救出する必要がある。
イギリス軍情報部のスミス、アメリカレンジャー部隊シェーファー中尉たち7人が任にあたる。作戦の責任者で人選はイギリス情報部ターナー大佐。スミスたちは侵入している女スパイの協力も得て要塞に侵入するが、メンバーに死者が出る。どうも内部通報者がいるらしい。
「ナバロンの要塞」はでかい大砲を爆破するという話だったが、この映画はもう少しこみいった話。ジェフリー・ディーバーとまでは行かないが、何度かどんでんするが、結末はなあんだ、やっぱりそうか。というもの。
 ロープウェイの上での格闘シーンがあるが、これをやっていたのはリチャード・バートン。こういう仕事はイーストウッドの仕事なんだけれど、この映画のころのイートウッドは今のような大物ではなく、バートンの引き立て役となっていた。

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じゃがとろ


 これ、じゃがとろ。テレビの「孤独のグルメ」のシーズン2で、主人公の井之頭五郎ちゃんが、どこやらの四川料理屋で食べていた。このテレビ、面白いからずっと見てた。7月から再開するとのこと。楽しみ。
 さて、このじゃがとろなる料理。ようするにマッシュポテトに中華のあんをかけたもの。自分でも作ってみた。
 まず、じゃがいもをゆでる。竹串がスッと軽く刺さるぐらいにやわらかくゆでる。ゆでたらつぶす。マッシャーなんて便利なものは持ってないから、すり鉢とすりこ木でじゃがいもをつぶす。
 あんをつくる。中華鍋で豚ミンチ肉を炒める。長ネギも加えて香りを出す。スープをそそぐ。醤油、酒、塩、砂糖で味付け。水溶き片栗粉でとろみをつける。これをつぶしたじゃがいもの上にかける。ちょっと、うすい豆をかざろう。これでできあがり。これは、うまい。
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阪神、ロッテに完敗

完敗やな、さすが交流戦負けなしのロッテや。先発投手、リリーフ投手、それに打線。どれをとっても阪神はロッテに負けとる。
 阪神打線はロッテ先発の藤岡のストレートが打てず、ずっとゼロにおさえられとう。それでもなんとか8回に反撃して2点取ったけど、反撃が遅すぎるわ。なかなか甲子園がわくシーンはなかったけど、ブラゼルが代打で出てきた時がいちばん歓声が多かったんちゃうやろか。
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ヒュッツポット


 これはヒュッツポットといいます。オランダの料理です。鍋1つでできるシンプルで簡単な料理です。材料は、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、基本的にはこれだけです。野菜だけでは少しさみしいかも知れません。お肉も添えたいですね。牛肉も用意しました。もも肉のかたまりです。
 野菜を適当にカットします。大き目の鍋に水をたっぷり入れて、野菜と牛肉をゆでます。コンソメスープの素を1個入れてもいいですね。
 さて、野菜がやわらくなって、牛肉もうまいぐあいに加熱されました。彼らをお湯から引き上げましょう。
 ボールに野菜を入れて、つぶしてマッシュします。塩、こしょうして味を整えます。牛肉はうすくスライスします。
 野菜のマッシュと牛肉をお皿に盛ります。クレソンを添えました。お肉はマスタードで食べるとおいしいです。ゆで汁はおいしいスープになってます。
 野菜、お肉、スープと、これにパンがあれば、一食のお食事として完結します。質素で合理的なメニューです。
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阪神、ひやひやの勝利。もっと点とらなあかん

 ふう~う。勝ったな。ひやひややったな。しかし、きょうの元中日中田のできやったら、もっと点取って、楽に勝たなあかん。上本が帰ってきて得点力が増したけど、きょうはゴメス、マートンがあかんかったな。ま、阪神は、守備は9人でやっとうけど、打つのんはピッチャーも入れて8人やからしゃあないか。
 交流戦に入って、広島も巨人も苦労しとる。阪神は、開幕2カード、パリーグ2強のオリックス、ソフトバンクに、アウェイで2勝2敗。調子ええとゆうてええんちゃうんかな。
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桂ざこば一門会に行く

 きょうはひさしぶりに生の落語に接した。神戸朝日ホールにて行われた「桂ざこば一門会」に行く。
 小生の会社は兵庫区。定時で会社を出て、ゆっくりめし食っても、場所が三宮だから7時開演に充分間に合うのだ。
 演者と演目は次の通り。

桂鯛蔵 動物園
桂ちょうば 夫婦ネタの新作。
桂ざこば 肝つぶし
 中入り
桂出丸 寄合酒
桂塩鯛 試し酒

 ざこば一門会ではあるが、ざこば師匠は中入り前が出番で、トリは塩鯛師匠。一門の総帥は塩鯛師匠となるのかな。
 鯛蔵さんの「動物園」この噺の一番の笑わせどころの虎のものまね。少しあわててた様子。もう少しゆったり演じたらよかった。
 ちょうばさん。夫婦げんかした後で、町内会の余興で、嫁はんをほめのろけるという噺。ちょうばさん。以前は可もなく不可もなくといった噺家だったが、ものすごくうまくなった。
 出丸さん。いつまでもお若い。遠目でみると朝丸時代の弟子入りとは思えない。
 塩鯛さん。さすがである。この噺、大酒を飲んでいるだけの噺だが、下手な噺家がやると退屈極まりないが。さすがに塩鯛さん。メリハリをつけて聞かせた。しかし、出丸さん「寄合酒」塩鯛師匠「試し酒」酒の噺が重なったが、「寄合酒」は酒を飲むまでの噺。「試し酒」は酒を飲んでいる最中の噺だからこれでいいか。
 ともかく、時々は落語は生で聞きたいもんだ。テレビもいいが生がいい。

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めぐりあわせ

 さて、7時か。どうしよう。なにかコンビニで弁当でも買ってきて、ここで食べるか。それとも外に食いに行くか。
 このS市には何度か出張している。泊まるのはいつも、このビジネスホテルで素泊まりだ。カツカツの出張費では、こんなホテルに泊まるのが精一杯だ。
 ラーメンでも食うか。確か、駅前の商店街の入り口にラーメン屋があった。そこそこうまかったはず。
 閉まっている。シャッターに張り紙。先月、店じまいしたとのこと。しかたがない。コンビニで弁当を買ってホテルに帰ろう。その前に軽くいっぱいやっていくか。駅前商店街の中にバーが一軒ある。キープしているボトルは残っているだろう。
 この商店街もずいぶんさみしくなった。ここだ。ここに西沢文具店があった。この店は私のものになる可能性があった。シャッターは閉まっているが看板はそのままだ。次に入居するテナントはまだないらしい。
 私は文房具メーカーの営業畑を40年やって来た。内勤の管理職になるチャンスもあったが、めぐりあわせが良いというか悪いというか、かような話はいつも流れ、外回りの営業ばかりやってきた。
 地方の文房具卸商からの発注を受け、納品する。こういうことを40年やって来た。卸商に連れられて、小売店にも顔を出して、あいさつをする。
 西沢文具店は高齢の夫婦がやっていた。何度か顔を出していたら、西沢夫婦に気に入られ、店を継いでくれないかといわれた。夫婦に子供はいない。高齢で店をやっていくのもきつくなった。あんたなら文房具にもくわしいし、文具店の一番の客である子供の扱いも上手い。あんたなら安心して店を任せられる。この街に出張したおり、手がすいた時に何度か店番を手伝ったことがあった。その時の様子を見られて気にいられたようだ。
 ずいぶん迷ったが、いくつかの偶然と必然、それにめぐりあわせの妙で西沢文具店は継ぐ人がなく閉店、私は外回りの営業を続けているということだ。
 あった。バー海神。良かった。まだ開いていた。ずいぶん久しぶりだ。マスターの鏑木さんは元気かな。
 先客はいない。マスターがグラスを磨いている。
「いらっしゃい」
「久しぶりだね。ぼくのことを覚えているか」
「佐賀さんですね。お久しぶりです」
 この店は変わらないな。ここに始めて来たのは20年ほど前だった。あのころは、新規の顧客を開拓するのに燃えていた。新規開拓に熱心なのに反して、古くからの客をおろそかにしたかも知れなかった。そのころだ。本社の営業課長にとの声がかかったのは。
 ノート、鉛筆、けしごむ、定規といった学童向け文房具がメインだった私の会社が、新しい市場であるIT関連のサプライ用品を中心としたオフィス用品も手がける総合事務機器メーカーへと脱皮を図ろうとしていた。そのための新設の営業課の課長に私を抜擢しては。と、いうことだったのだが、ひょんなめぐりあわせで、その話は流れた。そのひょんなことと関連してか、古くからの複数のお得意にも去られた。それから私は、新規開拓よりも、いまのお客を大切にするようにした。
 地元の小学校に教材を納める卸商や、子供が、小銭を握って鉛筆1本けしごむ1個を買いに来る、町の文房具屋さんを大切にする営業マンとなった。
「ぼくのボトル残ってるかい」
「はい。水割りですね」
「うん」
 オールドのボトルはあと少し残っている。
「マスター」
「はい」
「この街に来るのもこれが最後なんだ」
「さみしいですね」
 私も定年だ。それなりの野心もあったが、結局、外回りの営業でサラリーマン人生を終えた。
「これからは悠々自適ですか」
「そうだな。女房とも相談したんだが、小さな文房具屋でもやりたいと思っている」
 グラスが空になった。
「おかわり、水割りですか」
「いや、ストレートで」
 ボトルが空になった。これを飲んだらホテルに帰ろう。もうこの店に来ることもないだろう。
「マスター、ぼく、後悔してるんだ。あの時、無理してでも西沢さんの頼みを聞いておけば良かった、と」
 グラスを開けた。
「では、マスター、お元気で」
「少し待ってください。西沢さんに頼まれています。佐賀さんがここに来ると知らせてくれと」
「え、西沢さん、この街にいるの」
「はい」
 しばらくして西沢さんがやって来た。ずいぶん年を取られた。
「久しぶりです。佐賀さん。店は明日からでも開店できます」
「え、西沢さん、私のために店を売らなかったのですか」
「女房は3年前に死んだ。ワシ一人生きてくのにそんなに金はいらん。店を継いでくれますね。佐賀さん」
「はい」
 これもめぐりあわせだ。
「西沢さん。飲みますね」
「いただきます」
「マスター、新しいボトル頼む。さっきの別れのあいさつは取り消しね」

 鏑木はキープしてあるボトルがすべてなくなれば海神を閉めるつもりだ。これで海神の閉店は少し延びた。
 
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阪神、シーソーゲームのすえオリックスに勝つ

 ええ試合やった。おもろい試合やったな。きのうは実力の違いを見せつけられてボロ負けやったけど、きょうは実力伯仲のがっぷり四つのええ試合やった。
 しかし、判らんもんやなあ。榎田、東明の両先発は早々にマウンドを降りる。リリーフ勝負となったけど、福原がおらへん阪神は安藤ぐらいしか頼りになるピッチャーがおらへん。その安藤ががんばって2イニング投げる。この安藤のがんばりにゴメスが応えて勝ち越しホームラン。最後は呉昇桓がしめる。楽しめた。
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