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三喬改メ7代目笑福亭松喬襲名披露に行って来た


 きのう、三喬改メ7代目笑福亭松喬襲名披露公演に行って来た。大阪は、道頓堀の松竹座の夜の部であった。昼の部を予約したかったけど満席。夜の部の2階席しか空いてなかった。それでもS席7,000円の席だから見やすい席やった。満員盛況当日券なしやった。
 当代松喬師匠はワシと同じ西宮の生まれ。そもそもワシは夫婦そろって先代松喬師匠のファンであった。で、当然、その総領弟子である当代松喬師匠にも好感を持って見ていた。先代は出てきただけで微笑みを誘う噺家で、笑福亭総帥6代目目松鶴師匠の豪快さに加えてやわらかい芸風もあわせもった噺家であった。当代松喬師匠は、その先代の芸風を底流に持ち、磨き抜かれた話芸のテクニックを持った話芸の達人といってもいい。その7代目松喬師匠の襲名披露である。ぜひ行きたいと思っていた。きのうが全国14か所で行われる襲名披露公演の初日である。
 オープニング。開口一番は松喬師匠のお弟子さん笑福亭喬介さん。「犬の目」をやらはった。この犬の目、松喬一門に入門した新弟子が最初に習う噺とか。当代松喬も先代に入門したときに最初に師匠鶴三(のちの6代目松喬)に教えてもらったのも「犬の目」だったとか。笑福亭は「犬」ではじまり「らくだ」が到達点ということか。
 2番目は弟弟子の笑福亭生喬さん。噺は「豊竹屋」演じ終わったあと「かっぽれ」を踊ってくれはった。
 3番目は桂南光さん。「阿弥陀が池」
 4番目は東京から来られた柳亭市馬さん。「片棒」あいかわらずきれいなお声。ここで前半終了。ここで気がついたのは、市馬さんは江戸落語の噺家さんだから使わないけど、喬介さん、生喬さん、南光さんの3人の噺家さんは見台ひざかくしを使っていなかった。上方落語家が3人もそろって出ているのに、一人も見台ひざかくしを使わなかったのは偶然か。
 さて、中入りのあと、口上。7人の落語家がステージに勢ぞろい。壮観である。
司会を笑福亭銀瓶さんが務める。銀瓶さん、師匠の鶴瓶師匠をイジって笑いを取る。最初の口上は春團治一門を代表して、桂福團治師匠。まっとうな口上。2番目は上方落語協会会長の桂文枝師匠。次に柳亭市馬さん。口上のあと「すもうじんく」を歌って、またまた美声を披露。あと米朝事務所の常務取締役桂南光師匠。あんなきれいな声のあとではやりにくいといいつつも、鶴瓶師匠をイジる。最後は笑福亭を代表して笑福亭鶴瓶師匠。
 この口上でみなさんがいっていたこと。7代目笑福亭松喬は話芸に関しては文句なし。ただ、当代松喬は先代と違って真面目すぎる。もっと遊びが必要。これは納得。当代松喬が、話芸をさらに精進して、遊んで、もっと大きくなれば、そのあかつきには8代目笑福亭松鶴を襲名されるだろう。
 さて、中入り後の大トリ前は桂文枝会長。もちろん創作落語をやらはった。そしていよいよ大トリ。もちろん7代目笑福亭松喬師匠。演目は大ネタ「三十石」どろぼう三喬さんのことだから、どろぼうネタ「花色木綿」でもやらはるのかなと思っていたが「三十石」なるほど、これの方が笑福亭の襲名披露にはふさわしい。
 伏見を出て、船頭が舟歌をうたって川を下るシーンを聞いていると、ああ、ワシ、上方落語ファンになってよかったなあと、つくづく思った。
 楽しい3時間であった。
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