とだ九条の会blog

「とだ九条の会」公式HPに併設=「とだ九条の会ブログ」でネットワークを広げます。

核兵器いまなお世界に1万2121発

2024年08月01日 | 国際・政治
■世界の核弾頭数1万2121発、その約9割が米ロで保有

このほどスウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は、米国やロシアなど核保有9カ国の2024年1月時点の保有する核弾頭数が1万2121発になると発表しました。

核保有9カ国とは、先の第二次世界大戦(太平洋戦争)の戦勝国で、その後国連常任理事国となった米国、英国、フランス、ロシア、中国で、核兵器の開発・保有・使用などを禁じた「核拡散防止条約(NPT)」体制において、「核兵器国」として認められた5カ国と、核拡散防止条約では認められていない(NPT非批准)が保有しているインド、パキスタン、北朝鮮、それに公式には核保有を肯定も否定もしていない「事実上の核保有国」であるイスラエルの4カ国の計9カ国です。

このうち、最も核弾頭を多く保有しているのはロシア(5580発)、2番目が米国(5044発)で、米ロ両国で全保有数の約9割(87.6%、10624発)を占めています。(下表1参照)

なお、9カ国の保有核弾頭のうち約17%にあたる約2100発は、数分以内に発射可能な「高度警戒態勢」に置かれていると言われています。

【表1】▼核保有9カ国の核弾頭数一覧(2024年1月時点)



■2023年に核保有9カ国が核兵器関連に使った金額14兆3498億円=1秒間に約45万円

6月22日付け当ブログでも紹介しましたが、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)によると、これら核保有9カ国が2023年に核兵器の開発や維持に支出した総額は914億ドル(14兆3498億円)。なんと1秒間に2898ドル(45万4986円)に上るというのです。(1ドル=157円で換算、下表2参照)

【表2】▼核保有9カ国が核兵器関連に使った金額(2023年)



■核兵器禁止条約への署名93カ国、批准70カ国(2024年7月31日時点)

ロシアによる核使用の威嚇や核保有国が競って進める核兵器の近代化と増強計画などによって、国連の中満泉軍縮担当上級代表は7月22日「核兵器による絶滅の危険はさらに大きくなっている」と指摘。

同時に、こうしたなかで、「核がもたらす危険に新たに立ち向かう場」(カザフスタン、※1)として発展しているのが、2017年に国連で採択され、2021年にh発効した核兵器禁止条約を指摘します。

7月31日付け当ブログで紹介したように7月31日時点で、署名国は国連加盟国の半数に迫る93カ国、批准国は70カ国に達しています。

●世界に広がる「非核地帯条約」
ロシアの核威嚇に対して米国やNATO(北大西洋条約機構)は核使用の実践的な準備で対抗することができていません。それは、核兵器の非人道性に焦点を当て、市民社会と各国政府が共同してつくった核兵器禁止条約があるからで、これが核保有国の手を縛り、危険な行動を抑える力になっているのです。

核兵器禁止条約の参加国の多くは、東南アジア、中南米、アフリカなどの国々。これらの地域では同条約の成立前からそれぞれの地域でさまざまな「非核地帯条約」(※2)をつくり、核兵器を違法化する流れを作ってきたのです。


▲核保有国(核弾頭数)と世界に広がる非核地帯条約


■米国地方議会でも、連邦政府に「核兵器禁止条約を支持するよう求める決議」がぞくぞく採択

米国では、地方議会で連邦政府に対し核兵器禁止条約を支持するよう求める決議が採択されています。ロードアイランド州議会下院ではこの6月6日に決議(上院は2年前に可決済み)。連邦政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求めるとともに、核軍縮を国の安全保障政策の最重要項目に据えること、核戦争を防ぐための世界的な取り組みの先頭に立つことなどを求めています。

このほか同様の決議は、カリフォルニア州、メーン州、ニュージャージー州、オレゴン州などのほか、首都ワシントン、ボストン、フィラデルフィアなどでも可決されています。

こうした決議採択の背景には、近年の市民運動「瀬戸際から引き返せ」(※3)の運動があると言います。また、ロシアのウクライナ侵略やイスラエルのパレスティナ・ガザ地区への軍事侵攻で核使用をちらつかせている危機的状況も反映していると言います。


■「日本政府に核兵器禁止条約への参加・署名・批准を求める意見書」決議

自国に対し、「核兵器禁止条約への参加・署名・批准を求める決議」を迫る動きは、唯一の戦争被爆国・日本でも広がっています。

●683議会が「日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める意見書」決議
7月13日付け当ブログで紹介したように、2017年に国連で核兵器禁止条約が採択されてから7年、2024年7月4日時点で日本政府に同条約への参加を求める地方議会の意見書(趣旨採択を含む)は、全1788議会の38%にあたる683議会で採択されたことが原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の調べで分かっています。

●埼玉県も、戸田市も「同意見書」は採択されず
しかし、我が埼玉県も戸田市も同意見書を採択されていません。戸田市では、平成29(2017)年8月21日に私ども「とだ九条の会」と「憲法改悪反対戸田共同センター」が共同で提出した「核兵器禁止国際条約の日本の早期調印を求める請願」は賛成少数で「不採択」、その後も、同じく令和2(2020)年11月17日に提出した「唯一の戦争被爆国・日本の政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求め、条約の実効性を高めるための主導的な役割を果たすよう求める請願」は委員会審査で審議未了。さらに同条約が発効されてから令和3(2021)年2月18日に同じく提出した「日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求め、条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすよう求める意見書を提出してほしい旨の請願」は「継続審査」となりました。その後も、総務委員会で「継続審査」が続いているのです。

●「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」は156万5317人
それでも、7月16日付け当ブログで紹介したように、7月11日に「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」の共同提出集会が衆院第1議員会館で行われ、第4次分14万7918人分の署名が外務省に提出され、その累計は156万5317人分となったと報告されています。


■「核抑止論」に固執し、米国の「拡大抑止」に前のめりな岸田政権

「核抑止論」とは、核兵器による反撃を恐れさせることで攻撃を思いとどまらせるという理論。核兵器の存在が核保有国同士の全面戦争を防いできたという主張です。

しかし、昨年の広島市平和記念式典で松井一実市長は、ロシアを念頭に「核による威嚇を行う為政者がいるという現実を踏まえるならば、世界中の指導者は核抑止論は破綻しているということを直視」する必要性があると「核抑止論は破綻した」と指摘しました。

「核兵器のない世界」を目指すとしつつも「核抑止論」に固執し、被爆79年を迎える今夏にあえて日米安全保障協議委員会(2プラス2)で米国の「拡大抑止」強化という新たな段階に踏み込む岸田首相の姿勢は、原爆による犠牲者と、今も苦しむ被爆者、被爆2世の、核兵器を地球上からなくしてほしいという思いを踏みにじるもので断じて許されるものではありません。(サイト管理者)


(※1)カザフスタンは、中央アジアの国で、1991年のソ連解体時に独立した共和国。旧ソ連時代の1946~1989年に、セミパラチンスク核実験場で456回もの核実験が繰り返された影響で多くの被害が報告されているカザフスタンは、被爆国・日本とは違い、2018年3月に核兵器禁止条約に署名し、2019年8月29日批准通知書を国連事務局に提出。2023年11月~12月にニューヨークで開かれた核兵器禁止条約第2回締約国会議で、条約第6条「被害者への援助と環境の修復」などの議論を主導し、2025年の第3回締約国会議では議長国を務めることになっている。

(※2)非核地帯条約とは、「東南アジア非核兵器地帯条約」、「ラテンアメリカおよびカリブ地域における核兵器禁止条約」、「南太平洋非核地帯条約」、「アフリカ非核兵器地帯条約」、「中央アジア非核兵器地帯条約」、「モンゴル一国非核の地位」、「南極条約」。(SIPRI報告書より)

(※3)「瀬戸際から引き返せ(核戦争を防ぐための呼びかけ)」とは、 米国の核兵器政策を根本的に変え、私たちが直面している危険な道から私たちを遠ざけることを目指している全国的な草の根キャンペーンのこと。


【出典参考】2024年7月31日付け「しんぶん赤旗」すいよう特集


※パレスチナに平和を!イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ! 

(※緊急行動は終わりました。)


※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!



※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf


※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G



※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を

(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名 
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
署名用紙はこちら


2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に! 
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を


※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://toda9jo.web.fc2.com/
*「とだ九条の会」ホームページは2014年11月24日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ブログのアドレス
http://blog.goo.ne.jp/toda9jo
*「とだ九条の会」ブログは2014年11月10日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ツイッターのアドレス
http://twitter.com/toda9jo
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 核兵器をなくすためにはどう... | トップ | 7月の岸田内閣支持率 6社微... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国際・政治」カテゴリの最新記事