PATEX HUNTER

マルクス経済学の視点で、「パテック・フィリップ」と「ロレックス」の世界を中立的私見で、社会科学的に分析しています。

『龍馬伝』を放送する真意とは。

2010-03-06 | 悩み

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昨晩、私の私見を固めるべく、久しぶりに世田谷の大先生宅をご訪問した後、後輩の革新官僚2名と有楽町で合流し、その後銀座のクラブへ飲みに出かけた。彼らの現政権に対しての不信振りには、私の犬殺処分反対運動(飯田基晴監督『犬と猫と人間と』2009年、を見よ)と同じほど激しいものがあり、それは下記のような流れで展開した。

私「福山は以前は大嫌いな俳優だったが、あの、いまやっている『龍馬伝』でいい味出しているよ。180度見方が変った。あの三菱の岩崎役の東大出の俳優は前から好きだけど。個人的に三上博史も何らかの熱い志士役で登場させてほしい。」

官僚T「そうですね。私もあの大河見てますけど、NHKって大河もそうですが、番組の裏に隠された意図といいますか、世間に訴えかけたい、〝煽動〟的な思想というものが、制作側にあるのではないでしょうか。」

私「T君はマル経学生だったから、そういう発想になるんだね。」(笑)

官僚F「いえいえ、私もTと同じ意見です。基本的に〝忠孝〟ですよ。『坂の上の雲』のブツギリ的放送は困り者ですが、NHKの大河って民放ドラマの3倍の毎週1年間の長期ランでしょう。私の院ゼミの大先輩で思想家的なSさん、NHKですよ。」

私「私はSさんについて面識はないのだが、〝忠孝〟ならば大河ドラマで島根の名将、山中鹿之介の番組をすれば、そりゃあ〝忠孝〟をテーゼとしているとはっきり判るけど、山中鹿之介は戦前の小学国定教科書に『三日月の影』」として登場するぐらいだから無理かな。そこがまだまだ大河のアンビバレンツなところですよ。上田馬之助ではないからね。」(笑)

官僚F「分かってますよ。山中鹿之介の主家滅亡と復興、そして失敗による死亡。ちょっとマイナスインパクト強すぎませんか」(笑)

官僚T「努力・頑張り・勇気・度胸、どれも大河には必要不可欠な要素です。『龍馬伝』はそういった〝今を変える〟現状打破の過程の連続を福山龍馬を通して国民に奮起させるものですが、実際現在の国民は基本的に金欠状態。国も民間金融機関に中小企業への融資を金融庁主導で進めているが、金が廻らず、多くの倒産・自殺者を出しています。国は、アンチ公共・諸悪の根源である民間銀行を整理する必要があると思います。そして直接金融、インフレ政策による円安誘導も必要です。これらは現政権にはできません。つまり『龍馬伝』の時代は〝倒幕〟、今は、〝自民でもない政権交代〟が必要なんですよ」

私「金融政策については私のブログでも同じことを言っていますが、〝倒幕〟運動とはTらしい発言だよな。つまりそれを大河は結論として煽動していると?以前、陸自の佐官クラスが平成維新のクーデターを言及して、罷免されたことを思い出すが、あの時より現在の日本は深刻です。つまりTはパーティーには拘らない議員有志による〝志士〟集団を作ればよいと。各藩を脱藩、つまり在籍党を離党した者たちの集団を作るということだね。でも結局は現政権のようにならないか。つまり、あの時代のハングリー的な〝教育〟というものが、決定的に現在とは違う。『龍馬伝』の武市や岩崎のような人物がいないんだよ。現選挙制度がボトルネックとなっていることも理由。異質な人物を表舞台に出さないような制度というか。」

官僚F「とにかくインフレ政策と10円アップ目標の円安誘導を現政権は目指す。それだけでいい。子育て、普天間は後手でよい。自殺者と失望者を出さぬよう、私たち公務員は頑張るしかないのです。私たちは公僕ですから。江戸時代の何もしないヤクニンではありません。」

私「一言言うと江戸期のヤクニンでも下級の実務幕僚はよく勉強したと言います。しかし親の代から身分地位が不変の高級幕僚はそれほど努力はしていなかったと言います」(笑)

官僚F「それでは今と変らないではないですか。しかし、なるほど根底となる教育が違いすぎますので、人物のレベルのボトルダウンを何とかしないといけませんね。今度、私の知人(各省庁の革新官僚有志)らで『龍馬伝』に出てくる志士らの足跡ツアーに出かけてきます。」

私「温故知新。それはすばらしい企画だと思う。今太閤は大政治家・田中角栄。我々は今龍馬をめざそう。確かに私たちは今は小粒ですが、幕末、志士らが幕府を下から揺すりに揺すった結果、幕府は瓦解して御一新となったことを日本人として決して忘れてはいけない。どんどん上司に意見をガンガンぶつけて見るといい。大学時代の熱いゼミナールのディスカッションと同じように」

…そういう私は昨晩の彼らとの熱い時間をクールダウンさせるためか、何のためか、今日もこれからショップに4桁スポロレを漁りに出かけます…(笑)


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