国内正規品を買う目的の最大の強みは純正、ということだ。
しかし、純正品であっても、メーカーからメンテナンスを拒否される時が来る。
それはいつか。
早くておおよそ30年後、長くて50年後だ。
笑うかもしれない。
それは現行品を買う、いわゆる、〝初心者〟だ。
ちょっとこなれてくると、アンティークに進む。
ココが問題だ。
多くの個体は、ほぼメーカーからメンテナンスを拒否される。
パーツがないから、という理由で。
しかし、下町の時計屋では直せるレベルの個体ばかりだ。
メーカーは言う、
〝弊社の基準を下回る修理はしない〟と。
これは非常に正しい。
それもそうだ。50年前のパーツを1000パーツぐらいストックしているのならまだ
いいのだが、修理を熱望するヲタは1000人できかない。
すぐに枯渇してしまう。
では下町の時計屋はどうか。
そこそこの修理はする。
1019の耐磁性検査はできないが。
円滑に動けばいいレベルという基準。
だから、純正パーツにはこだわらない。
これも非常に正しい。
あとは所有者のオルナティブの問題だ。
しかし、確実にやってくれるメーカーがある。
パーツがなければ作ればいい、という至極当たり前の考え方を〝してくれる〟メーカーがある。
金と時間はかかるが、ガッツリと請け負うメーカーが確実に世界に一社だけある。
子から孫へ、孫から曾孫へ、曾孫から玄孫へ、玄孫から来孫へ、来孫から昆孫へ、昆孫から仍孫へ、仍孫から雲孫へ、雲孫からまたその子へ…。
と会社が未来永劫続く限りやってくれるメーカー。
それが、ご存じ、〝PATEK PHILIPPE〟社である。
これは大変な責務。
だから他社と一見同じように見えても高額なのは当たり前なのだ。