PATEX HUNTER

マルクス経済学の視点で、「パテック・フィリップ」と「ロレックス」の世界を中立的私見で、社会科学的に分析しています。

『もう、上がるとしか言えない。』…スーパーロレックス〝DAY-DATE〟をめぐるプライスレンジの急展

2005-11-28 | 通販・買い物
 Ref.18039 BIC 、Ref.18239BIC【BIC=bicolorバイカラーの意。ケース本体とそのフル-テッドベゼルがツーカラーゴールドであって、ブレスはスリーゴールド。所謂トリドールである。】のデイデイトはブレスレットの合金(このブレスレットは一説によると大変な製造コストが掛かるそうですが、通常のプレジデントと比較して何倍かは不明)という外見上では廃盤ですが、現行Ref.18948のようにスリーゴールドの〝トリドール〟という意味では、現行品です。

 更に、このようなモデルチェンジという観点からすれば、女性用の金無垢デイトジャストもブレスなどにダイヤモンドや装飾の変更(Ref.81338)が見られますが、市井一般では、ステンレスモデル、もっと言えばスポロレにその注目が顕著に見られます。

 私はRef.1800、18000、18200、118200系という歴代モデルのデイデイトを愛用する〝DAY-DATER〟なので、あらゆる角度から検証しても不可解なステンレスの廃盤スポロレには興味はありませんが、以前お話した1960年~1980年代のアンティークとは言い難い中古スポロレの現況は、単なる並行ショップの為替差損回避か、さもなくば、売上減少を補おうとする値上げによるものかの、どちらかですので、たとえ以前お話した、Ref.1665シードウェラーの価格上昇は、〝人気が出た〟というシロモノではありませんので、もちろん消費者の皆様方の懸命なご判断にお任せいたしますが、金無垢、特に昨今の〝DAY-DATE〟の価格上昇は回避し難く、ご購入希望の方は、まだショップではプライスアップの黎明期ですので、かなり多くの並行ショップで〝後でお買い得品〟、と思える、ロレックス・デイデイトが必ず見つかりましょう。

ROLEX0369ROLEX

 それでは、デイデイト価格上昇をめぐる国内と海外の動向を踏まえて私見ですが、お話してみます。
 
 デイデイト… 特に今年になってジャパンマーケットでもロレバイヤーを仲介にした米国、英国マーケットの影響を受けてプライスも数パーセントですが、上昇してきました。

 また、アフリカに於ける金産出量の抑制と、中国の高度成長による中国系人による金蓄積と需要増によってワールドゴールドマーケットは2003年から顕著に上昇し、昨今の対円ベースにおける米ドルおよびユーロの急上昇によって日本における正規輸入品はバーゼル時計宝飾見本市前(来年の開催は現地時間2006年3月30日~4月6日)の2006年3月までに価格変更があるものと思われます。このことが現実化するとステンレス、ロレゾール系は10%程度でしょうが、…ここが重要ポイントなのですが…今まで価格値上げをしてこなかった、デイデイトを始めとする金無垢系統は15~20%と大幅の値上げが予想され、日本においては正規品のデイデイトと並行品のそれとの価格差はいっそう縮小するものと思われます。いっきに金無垢ロレックスの国内正規価格は跳ね上がりますが、物品税時代ほどにはなりません。

ROLEX0373ROLEX

 現在、スペシャルオーダーのデイデイトでもない限り、正規オーダー後、遅くても2ヶ月程度の納入と言われておりますが、特に金無垢は国内では在庫を過多にしておりませんので、将来、〝デイデイター〟になるアッパークラスのニューリッチ人を目論むご予定のお方なら、安く正規品を購入したいのが心情だとおもいますので、今年のクリスマス前までの発注が得策と言えます。

 現在では下記の条件の下で、ご購入できれば、お買い得商品と言えます。
 ※条件…1年以内でロレックス正規フルメンテナンス済。ブレスレット(コンシールドクラスプを前提)のコマは1~2コマ不足。付属品は無。打ちキズ、擦れキズなどロレックス社で研磨しきれなかった凹み、キズがほとんどない美品のコンディションであること。年式は問わない。

【REF.1803】
※このデイデイトの正規メンテナンス終了はここ1年以内だそうです。
YG…55万~59万円
WG…68万~74万円
PG…68万~74万円
(PGタイプは現行PGデイデイト(Ref.118235および、118205)にバーインデックスダイアルがリリースされた場合、15万円前後その価格は暴落するそうです。
 事実、今年からリリースされたPGの新型ロレゾールDATEJUST(Ref.116235および、116205)によって、廃盤のPG Ref.1601の脆弱なプレミアムは決定的に瓦解し、ジュビリーブレスモデルよりもオイスターPGの方が急落しました。これを得意とした某ショップから旧タイプのピンクロレゾールはその姿を消滅したそうです。店員の接客態度はイヌ以下と言われる、このショップは訴訟等により、信用がないのでカードも使えない現金決済ということです。)

【REF.18000系】
YG…58万~68万円
WG…74万~88万円

【REF.18200系】
YG…75万~80万円
WG…78万~90万円

 それでは、今日はここまでといたしましょう。次回は思い出の昭和ロレグッズをご紹介いたします。





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ロレックス販売拡大に対する、ロレックスエンスーとロレックスマンの貢献度について検証する。

2005-11-05 | 社会・経済
 世界メジャーへたった100年、否、1970年代にはオジサマ方の憧れの時計としてDATE-JUSTREF.1601(下写真)が一般的なメジャーとして確立していたことからすると60年足らずでロレックス社は先輩格の多くの時計メーカーを大きく引き離した。
ROLEX0175ROLEX
 もちろんロレックスの3つの発明とそれらの実用化(防水性・自動巻・深夜零時付近での日付変更機能)という、ロレックス社を一番手企業たらしめたオリジナルのテクノロジーもあったが、それだけでは、他の時計メーカーも差こそあれ、オリジナリティーを持っていた。

〝ロレックス社と他の時計メーカーとの決定的な差異とは何であったのか。〟

 それは端的に言うと、何よりもオリジナルな〝営業力〟に他ならない。

 創業者ハンス・ウィルヘルム・ウィルスドルフ氏は経営者階級の出自であり、青年時代の職業は顧客相談係的なセールスマンであった。もちろん彼は時計に関する、実際のお客様、使用者の声を聞いていた。そんな彼であったからこそ、ロレックス社初期の顧客ニーズに細かく対応した、バブルバックの多様なダイアルにも見られる、多品種少量主義的な対応、更にはロレックス3大発明にみられる人間の欲望に対するメーカーとしての回答、特殊プロフェッショナルモデルの発案など、生前の彼がロレックス社での貢献、仕事内容というものは技術者というよりもどちらかと言えば、営業職としての立場から見た社長業であった。

 …なるほど確かに、他のブランド時計メーカーの創業者や経営者は、時計職人であり、文字盤職人であったり、ムーブメント製作職人といった、直接時計製造に関係するマイスターであった…

 そんな彼の精神は必然的に後継の社員たちにも引き継がれ、その内容はこの二冊の『ロレックスマンとしてのセールス心得』(下写真)からも伺えよう。
 このような社員用マニュアルは他産業ではしばしば一般的だが、こと、時計メーカー業界では必ずしも徹底されたものではないことを知らなければ成らない。
ROLEX0348ROLEX
 しかし、現在、〝投資が投資をよぶ〟的に〝顧客が更なる顧客をよぶ〟といった、〝ロレックス賞〟並みな、我々〝ロレックスエンスー〟による販売拡大への貢献は、時計店員が常々言うように「ロレックスは販売文句を必要としなくても売れる時計」という現実の状況下で、当のロレックス社からサラリーを享ける〝ロレックスマン〟 (セールスマン)は時計業界からどのように見られているのであろうか…私は知らない。



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ハンス・ウィルヘルム・ウィルスドルフ氏のコレクション

2005-11-03 | アート・文化
 先月、PARIS市街の古書店で、ロレックスの創業者、ハンス・ウィルヘルム・ウィルスドルフ氏がコレクションした懐中時計など(その多くが18-19世紀のエナメルや宝飾のエレガントなものばかり)が53項に渡って掲載された小冊子(1970年刊行)を10ユーロで購入してきました(写真は中のタイトル部分)。

ROLEX0268ROLEX

 以前、「世界の腕時計」という雑誌の中で見たような内容の本で、そのコレクションは、現在は一般公開をしていないようですが、ロレックス本社では当時、事前予約で公開していたとのことです。

 でも、この本を拝見していると、ロレックスの創業者がスイス時計の草創期からの歴史やマイスターたちの過去の作品をオマージュし、歴史認識と現状分析を試行錯誤しながら駆け抜けた、現在の栄光のロレックスへと連綿とつながる土台、企業理念、方向性を、これらを収集しながら、考えていたのだろうか、、ということを少々考えてしまいました。

 次回は、現在のロレックスの企業経営の強さの一端を、私が神保町で購入した二冊のロレックス刊行冊子を参考に検討してみます。



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