PATEX HUNTER

マルクス経済学の視点で、「パテック・フィリップ」と「ロレックス」の世界を中立的私見で、社会科学的に分析しています。

GMT-MASTERでいこう。【ジュビリーブレス編】

2007-08-30 | ロレックス

 以前,私は「ロレックスで一番お買い得ウォッチは〝GMT-MASTER〟ですよ」と言いました。

 それは今でも変わりませんが,三年前と比べると,とくにステンレススティールのRef.1675が先ず急上昇し,続いてRef.1675のロレゾールとRef.16753がほぼ同時多発テロ的に価格上昇。現在は金無垢のGMT(Ref.1675,  Ref.16758,  Ref16718)もワールドマーケットの金相場の上昇と,円安傾向によって安定上昇中です。

〝GMT-MASTER〟はロレックスの有名な三大発明が盛り込まれた,プロフェッショナルモデル(通称:スポロレ,ともいう)です。これが他モデルと決定的にちがう点ですが,さらに,現行モデル以前は,ブレスレットの選択が可能でした。それは現行スポロレにはないジュビリーブレスレットです(手巻デイトナにもジュビリーブレス仕様はあったようですが)

下の写真は,素材違いの〝GMT-MASTER〟です。右からRef.16710, Ref.16758, Ref.16753です。

Rolex1680rolex

〝GMT-MASTER〟のコンセプトは「海外出張のビジネスマン用」なので,自然とスーツにマッチする様に作られています。つまり,ドレッシーでスーツに似合う,ロレックスのフラッグシップモデル「〝DATEJUST〟のスポロレ版」といえましょう。

 ゆえに,ブレスレットに「オイスターブレス」または「ジュビリーブレス」のチョイスが可能となるわけですが,現在,ロレックス社では,どうも〝GMT-MASTER〟はオイスターブレス仕様をその基本としているようです。

つまり〝GMT-MASTER〟はビジネス目的というよりも,現在では〝スポロレ〟によりいっそう傾斜した考えに基づくコンセプトになっていると言えます。したがって,現行Ref.116710, 116713, 116718にジュビリーブレス仕様の〝GMT-MASTER〟は今後はラインナップされないと思います。

〝ジュビリーブレス〟について一言言いますと,現行デイトジャストのジュビリーブレスレットはどの素材も,かつての〝クラスプ・ジュビリー〟ではない,いわゆる「スーパージュビリーブレスレット」と呼ばれるものです。スーパージュビリーは,かつてはともに金無垢の〝DATEJUST〟と〝GMT-MASTER〟にラインナップされていました(下写真参照)

Rolex1691rolex

〝GMT-MASTER〟の機能のコストパフォーマンス性オン・オフのシーンを選ばない凡庸性,そしてその斬新なデザイン性は石原裕次郎氏,徳大寺有恒氏,アーノルドシュワルツネガー氏,クリントイーストウッド氏そして,イタリアファッション界の某大物にも愛用される所以でもあると思います。

〝GMT-MASTER〟はロレックス最大の功績モデルと言えなくもありません。

Rolex1700rolex


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〝THE ROLEX-CODE〟を検証する。

2007-08-11 | ロレックス

 オイスターケースやチェリーニケースの表面上または文字盤外周に,その時計の個体番号である,シリアルナンバーが打刻してあるのは,皆さんもご存知のことでしょう。

Rolex2772rolex

ロレックス社のこのナンバリング1927年(昭和2年)に始まったといわれ,1953年(昭和28年)ごろ999,999番までに達し,続く百万番の替わりに,ケース内側に一年間を〝Ⅰ〟期~〝Ⅳ〟期の各3ヶ月間クールに分け,100,001からスタートさせました。このナンバリングシステムは1970(昭和45)まで続きました。ただしこの間,年度によっては年間でワンクールのみのときもあり,まちまちです。

以後ケース内側の先の打刻は消滅し,ケース外側のナンバリングのみが復活し1987(昭和62)9,999,999番に達し,ここから現在に続く〝カシラ()・シングルアルファベット〟のナンバリングと続いているわけですが,将来〝カシラ()・ダブルアルファベット〟になると推測されますが,それはこの生産量の推移から2015(平成27)と予想されます。

ところで,〝カシラ()・シングルアルファベット〟は1987年から1991年の間に,Rナンバー,Lナンバー,Eナンバー,Xナンバーと連続し,これは良く知られている通りR,L-E-Xつまり,〝ROLEX〟を意味しています。

ただし,〝O〟は〝ゼロ〟と混同してしまうため,除外されます。ちなみに〝I〟ナンバーも同様に〝1〟と混同されるため今後も登場しないでしょう。

いまから9年ほど前,〝A〟ナンバーの次に,〝P〟ナンバーが来たときに,ちょっとしたロレオタの間では,〝A〟はロレックス社二代目社長Andre J. Heiniger氏の頭文字の〝A〟で,〝P〟は現在の三代目社長Patrick Heiniger氏の頭文字の〝P〟,ということがマコトシヤカに噂されましたがどうでしょうか。ちなみにこのPナンバーの次は〝K〟ナンバー,〝Y〟ナンバーと続きます。

「基本的にナンバリングはランダムである」,ということを言う海外のロレオタの方もいらっしゃいますが,私の意見は「ランダムではない」と思います。

なぜなら,最初の5年間の〝カシラ()・シングルアルファベット〟は明らかに,社名の〝ROLEX〟です。その後はランダム。。そんな安易に一年ないし二年間も使う個体番号識別を決めるでしょうか。ここにロレックス社の謎,「THE ROLEX-CODE」(ロレックス・コード)が存在するのです。

もしも,将来,「最後の〝カシラ()・シングルアルファベット〟の文字レターはなにか?」と聞かれたら,私は〝H〟ナンバーでしょう。

それは初代社長,Hans Wilhelm Wilsdorf氏の〝〟,Andre J. Heiniger氏の〝〟,Patrick Heiniger氏の〝〟です。彼らのファーストネーム,セカンドネームの〝カシラ〟の〝〟が共通アルファベットとなっているからに他なりません。

現在はZナンバーですが,今後のナンバリングが楽しみなのは,私だけではないのは世界中の事実です。

追伸,怒涛の如くロレックスを収集する予定のロレオタ予備軍の皆さん,中古ステンレスよりも,シリアルの若さではないコンディションのいい中古金無垢をまず先に買いましょう。円安の勢いは止まることをしらず,日本輸入目的のバイヤーは外国勢に買い負けているからです。

また,同じリファレンス,同じ素材そして同じダイアルカラーのステンレススティールのデイトナ(例えばRef.16520のA番とP番の,2本所有)ばかりを買っても,松本零士先生のように,ディスコン,修理不能のために同じパーツの予備として,同じモデルを複数所有するのであればよいですが,正直,単なるコレクションであれば,他のロレックスを購入し比較するのが,真のロレオタです。


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エクスプローラー1016用,弓管(フラッシュフィット)の相違を検証する。

2007-08-05 | 悩み

エクスプローラー1016の弓管(フラッシュフィット)はロレックス部品番号〝580〟,です。

都内の中古時計取扱いのショップでごく稀に,エクスプローラー1016を側面から見ると弓管の上方がラグよりもさらに盛り上がっているものをご覧になられている,方も多いのではないでしょうか。これは無理やり別のモデルの弓管をつけていることもありましょうけど,おなじパーツ番号〝580〟でも形状が違うものがあるのです。

 下記写真をご覧ください。左側はエクスプローラー1016で,右側はGMT1675ですが,弓管は両モデルともに〝580〟です。

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 写真の左右モデルの,弓管部中央の凹部分の幅をよく見比べますと,違いがよくわかります。写真左の〝580〟ですと,エクスプローラー1016の弓管の盛り上がりは起きませんし,全体的な違和感も起きません。

 しかしながら,現在,ロレックス社での交換用〝580〟パーツの多くが写真右側のそれであり,結果,エクスプローラー1016にそれを装着すると違和感が起きてしまいます。

 ですから,エクスプローラー1016をオールニューにする場合,この弓管については違和感が起きることは覚悟しなければいけませんので,エクスプローラー1016用のオリジナルの〝580〟は大切に保存しなければいけません。

 補足ですが,エクスプローラー1016のミドルケースを現在交換しますとやや厚みのあるケースに変更となり,オリジナルのシャープさは無くなってしまいますので注意が必要です(下記写真はRef.1016のオリジナルケースの側面)

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金無垢ローレックスの『打刻印』を検証する。

2007-08-01 | ロレックス

よく知られている通り,金無垢ロレックスにはステンレスモデルには無い箇所に金製品であることを示す打刻印がケース,ブレスの表面にあります。余談ですが,金無垢モデルのリューズはその耐久性上,金メッキだそうです。

ところで,金無垢ロレックスの中に,その裏蓋表面上に打刻印があるモデルが存在しているのをご存知でしょうか(下写真参照)

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これは『当たりローレックス』ではありませんが,2002年頃まで,フランス政府によって自国内で販売される金無垢時計に添付写真のような刻印を打刻するよう,指示されていたそうです。

したがって金無垢ロレックス以外の金無垢パテックフィリップや金無垢ブレゲなどの金無垢時計をフランス国内で販売するときには自社オリジナルの刻印がなされていたのでしょうね。

ごく稀に,都内の中古金無垢時計にこの様な刻印がなされたロレックスを見かけます。もちろん,裏蓋シールは付いてはいませんが。。

そういえば,最近ロレックスの保証書が従来のペーパーギャランティーから「カードギャランティー」になり,ホログラム裏蓋リファレンスシールも変更したと親友のH氏から伺いました。

両方とも実物は拝見していませんが,ギャラカードは偽造防止でしょうけど,裏蓋シールのホログラムを単純な透明シールに換えたのは,文字盤外周リングにシリアルとリファレンスが打刻されているから高価なホログラムシールはもはや不要になったからかも知れませんね。


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