ロレックスやパテック、ロジェなどのフランキー以外の時計は海外で購入しても問題はありません。〝問題〟というのは、メンテナンスの問題です。これらフランキー以外の時計は海外正規と国内のそれとは差別はありません。海外正規品を購入する日本人は〝為替レートの差益〟に主眼を置いていますので、海外モノと日本正規品に価格差が無ければ、恐らく、100人中100人が〝心理的に〟〝安心する〟日本正規品を求めるに違いありません。
ただ〝日本〟における〝FRANCK MULLER〟の代理店は日本正規品のみのメンテナンスしかしません。これは日本のフランキー正規各店の方々が一同皆同じ答えです(都内はもとより、地方都市でも同じでした)。海外では自国以外のフランキーでもきっちりメンテナンスをするようですが、日本では理由はどうであれ、〝しない〟のです。。企業がもう既に何年もこのようなポリシーである以上、どうしても高価なフランキーを購入したいというのならば、〝FRANCK MULLER〟は日本正規品で買う〟しかないでしょう。
私はメンテナンスはすべてその時計のメーカーにしか依頼しませんし、メンテ不可のアンティーク(ロレックスの古いバブルバックやプリンスなど)は真贋も分からないヤバイ物として買いませんが、将来、マスターバンカーやベガスをどこかの工房でのメンテはほぼ不可で、クロノグラフやパーペチュアルなどの複雑系のフランキーの調子が悪くなっても日本正規でメンテができなければ、たとえ日本の正規品より海外フランキーが3、4割安くても並行品は決して安いとは言えません。
私はこと日本正規品のフランキーのお薦めに関しては次のことが言えると思います。
① 並行品は新品でも小キズが多く、革ベルトも色々な人々の汗を吸っているので気持ちが悪いが、日本正規品は要望すれば、再研磨と新品革ベルト交換でピカピカの状態で納品が可能である。もちろん外箱も綺麗。
② 納品期間は不安定ですが、素材、ダイアルカラーやそのデザイン、ベルトカラーなど顧客の細かいディテールの注文を受け付けてくれる。
③ マイナスドライバーで裏蓋開閉可能なトノーカーベックスのムーブメントをいじられている不安も無い。
④ フランキーの顧客は、ロレックスのそれよりも、自己顕示欲がより一層強いので、そのモデルに関して世界一高い〝価格〟で買ったという異常な満足感と、フランクミュラージャパンという正規代理店に自分の名前を記録管理(上記写真参照。正規品を購入すると一般に、保証書請求の葉書と〝FRANCK MULLER〟名の磨き布?が付いております。保証書送付後およそ二週間程度で株券のような履歴データがきっちりと印字された立派な保証書が革のケースと共に日本正規代理店から送られてきます。並行品のような、無記載のオープンギャランティーはメンテナンス時には後から書き込んでも無効です)されているという、顧客の満足を得ることもできる。並行品の履歴は海外正規のフランクミュラー代理店には知る良しも無いのです。
⑤ ロレックスのように、何本も購入しないのであるならば、日本の正規品で一本一本自己満足で購入した方が、数年後に到来するメンテナンスの不安も解消でき、自分のフランキーに愛情が湧き、精神衛生上このうえなく良い。
以上こんなところでしょうか。
また、日本の正規代理店は、今のメンテナンス受付体制を今後も維持していかなければいけないという大前提はいわずもがなです。
私のフランキーはすべて日本正規のオーダー品のわがままなフランキーです。ロレックスもそうですが、プラチナや金無垢の高級で見栄モロ出しの時計は、すぐには店頭では入手不可能なオーダー品でなくては意味はまったくありません。