この10年間の〝金・プラチナ〟相場は下記(表-1)の通りの上昇を示しています。この間に金無垢ロレックスは一部を除き,モデルチェンジ,価格改定などで対応していますが,一年ほど前から中古金無垢ロレックスの価格は以前の並行新品価格に取って代わられていることはよく知られているところです。
そういった現在の劇的なロレックス相場変革の中で,現在の金無垢ロレックス相場のこの様な価格構造は一体どんな理由からなのでしょうか。また今後はどうなるのでしょうか。
まず,舶来品であるロレックスは,当然,世界経済に強い影響を受けて,日本国内の価格が決定するわけですから,まず現在の世界経済について簡単に考察してみますと,
…インド人や中国人が習慣的にそうであるように,〝自国通貨の信用が喪失し出すと,金やプラチナの需要が増えそれらの相場が上昇する。〟
…国内一流企業の株価は現在,暴落異常安の非常時です。これは日本企業の屋台骨がそもそも脆弱で,世界の実体経済と比較して内部構造的に米国経済頼みのインチキ経済であることは,米国経済が低位となりつつある現在,世界経済に正直な国内株安と,世界経済に単に便乗した円高に収益を減退しつつ,かろうじて企業経営をしております。
本物のテロ以上に日本の現実経済の崩壊が浸食しつつある昨今の経済テロの方が日本社会を混乱させることに,現政府・行政は真に気づいているかといえば,非常に懐疑的といえましょう。〝犬のおまわりさん〟ではありませんが,それが公僕というものです。海外移民できる賢明な邦人ならともかく,現政府・行政に大きく依存する大多数の日本人の将来はお先真っ暗の共倒れがどうも結論のようです。
(表-1)1グラム当たり10年間(1998~2008年)の金・プラチナ平均価格推移(単位:円)
年 年 年 年
※今年の価格は1月中旬。
1998
2001
2004
2008 24K
1,287
1,105
1,492
3,179 PT
1,636
2,142
3,008
5,539
さて,金相場は(表-1)の通り,1998年以来現在までほぼ一貫して10%ずつ上昇しております。私の手元には〝1998年10月現在〟の日本ロレックス正規価格表があります。それをみますと,今現在の生き残っているスポロレ金無垢はRef.16628,YACHT-MASTER,当時256万円(税抜)とRef.16618,SUBMARINA,当時245万円(税抜)だけです。それから十年後,〝2007年12月現在〟の日本ロレックス価格表のRef.16628,YACHT-MASTERは256万円(税抜)のままです。金相場はその間に247%アップしています。ちなみに,Ref.16618金無垢SUBMARINAはその間にほんの50,000円のみしか値上げしておりません。
したがって,金価格の上昇はもはや必然的な定価上昇を招来させます。YACHT-MASTERはSUBMARINAよりも人気がありませんが,モデルチェンジは考えられませんので,恐らく,新発売以来価格改定が進んでいない18KYGのDAY-TONAとともに本年値上がりすることが強く予測されます。
SUBMARINAはモデルチェンジの新製品価格として,実質的な値上がりになります。このサブのモデルチェンジを以って,YACHT-MASTERリリース以来,〝すべての現行スポロレがラグ・ポリッシュになる「ほんとうの意味での新型スポロレ」ライン〟が完成するわけです。
今後の金無垢ロレックス価格は中古・新品ともに大きく上昇します。
それもステンレスのプレミアムスポロレの価格上昇率を遥かに越えた上昇率で,ゆくゆくはプレミアスポロレ価格を上回ります。それは,世界価値が一定している〝金・プラチナ〟に大きく支えられているためです(例えば,Ref.16758金無垢旧GMTアップライトダイアルは極上美品で,この4年間に180%アップ)。
一年間で対円レートはユーロで2円円高,米ドルは14円高にもかかわらず逆に金無垢は値上がりしているということで,もはや単に為替レートでは説明が付きません。最初に説明したとおり,〝世界人類は通貨には懐疑的〟になりつつあり,根源的実態価値のある〝金・プラチナ〟製品に再び注視し始めているのですから,当然といえましょう。