京都府京田辺市の桃果(ももか)ちゃん、3月4日生まれ。
「桃の節句に因んだ名前です。
母親と看護師さんに手を握ってもらい、とても安心感の有るお産でした。
分娩後のウォーターベッドの暖かさにリラックスできて良かったです。」
そうですね、たまにお産が難産で、ウォーターベッドでなく、分娩台でのお産になってしまった、
と嘆く方が居られますが、産後赤ちゃんと一緒にまたウォーターベッドに戻るのだから、
その時に余韻を楽しめばいいのですね。
さて今日は月曜日なので、不妊症、いえ不育症のお話しをいたしましょう。
不妊症でいきなり、神戸などの遠いクリニックに通われる方が居られるのですが、
まずは近くの不妊外来を受診されてもいいのではないでしょうか。
先日、神戸通いは疲れたからと、来院されたカップルが来院されました。
聞けば妊娠の中期で、子宮内胎児死亡を経験されているのです。
しかも年齢は35歳、なのに今更タイミング指導をしてほしいと言われるのです。
これのどこがいけないと思われますか?
まず、この方は不妊症ではなく、不育症なのです。
よく教科書や雑誌を見ると、ヨーロッパ基準の、3回流産するか、
10週以上なら1回の流産でも不育症と定義してあります。
ですが、最近はアメリカ基準の2回の流産か、1回の妊娠10週以上の流産を不育症と考えてください。
そうするとこの方は、1回の流産でも妊娠10週を超えていたので、不育症なのです。
この方の2つ目の誤解は、自分の年齢が35歳に達していることを、
あまり問題にされていないことにあります。
35歳以上でも普通にタイミングさえ合わせれば妊娠するものだと考えておられるのです。
ですが、35歳を過ぎれば、まったく正常の女性でも、急激に妊娠しにくくなるのです。
ですからもうタイミング治療の次の段階に進まないといけないのです。
もちろん、年齢的に流産の確率も高まります。
結論として、この方が次にしないといけないのは、
不妊症の検査に加えて、不育症の検査も追加してしないといけないのです。
その前に今日は、不育症の原因にはどんなものが有るか、ということを説明しましょう。
検査や治療は来週に回るかな。
まず、SLEなどの自己免疫疾患と呼ばれる患者さんでは、流産を繰り返すことが指摘されていました。
その理由が、抗リン脂質抗体という自己抗体が悪さをしているということが分かってきたのです。
これを抗リン脂質抗体症候群と呼ぶのです。
この抗体はさらに、抗カルジオリピン抗体のIgGとIgM、
抗カルジオリピンベータ2グライコプロテイン1複合体抗体、
ループスアンチコアグラントなどが含みます。
この辺まではよく調べると、載っているでしょう。
ですが、意外と抗リン脂質抗体症候群が、不育症全体に締める割合は低くて、
わずかその10%ほどなのです。
他には微小な血栓を作ってしまう病気が有っても、
胎盤を目詰まりさせてしまうので、これも不育症の原因になります。
こういう場合を、凝固異常とか、血栓性素因などと呼びます。
具体的には、ケガをした時に血液が固まるのを思い浮かべると、
血を固める凝固因子というものが有るのです。
その第12因子がとくに重要で、凝固異常は不育症の7.8%を占めるのです。
とりあえず2つ、覚えてもらえましたか。
続きは来週ということで。
今日は2人、赤ちゃんが生まれたので時間切れです。
「桃の節句に因んだ名前です。
母親と看護師さんに手を握ってもらい、とても安心感の有るお産でした。
分娩後のウォーターベッドの暖かさにリラックスできて良かったです。」
そうですね、たまにお産が難産で、ウォーターベッドでなく、分娩台でのお産になってしまった、
と嘆く方が居られますが、産後赤ちゃんと一緒にまたウォーターベッドに戻るのだから、
その時に余韻を楽しめばいいのですね。
さて今日は月曜日なので、不妊症、いえ不育症のお話しをいたしましょう。
不妊症でいきなり、神戸などの遠いクリニックに通われる方が居られるのですが、
まずは近くの不妊外来を受診されてもいいのではないでしょうか。
先日、神戸通いは疲れたからと、来院されたカップルが来院されました。
聞けば妊娠の中期で、子宮内胎児死亡を経験されているのです。
しかも年齢は35歳、なのに今更タイミング指導をしてほしいと言われるのです。
これのどこがいけないと思われますか?
まず、この方は不妊症ではなく、不育症なのです。
よく教科書や雑誌を見ると、ヨーロッパ基準の、3回流産するか、
10週以上なら1回の流産でも不育症と定義してあります。
ですが、最近はアメリカ基準の2回の流産か、1回の妊娠10週以上の流産を不育症と考えてください。
そうするとこの方は、1回の流産でも妊娠10週を超えていたので、不育症なのです。
この方の2つ目の誤解は、自分の年齢が35歳に達していることを、
あまり問題にされていないことにあります。
35歳以上でも普通にタイミングさえ合わせれば妊娠するものだと考えておられるのです。
ですが、35歳を過ぎれば、まったく正常の女性でも、急激に妊娠しにくくなるのです。
ですからもうタイミング治療の次の段階に進まないといけないのです。
もちろん、年齢的に流産の確率も高まります。
結論として、この方が次にしないといけないのは、
不妊症の検査に加えて、不育症の検査も追加してしないといけないのです。
その前に今日は、不育症の原因にはどんなものが有るか、ということを説明しましょう。
検査や治療は来週に回るかな。
まず、SLEなどの自己免疫疾患と呼ばれる患者さんでは、流産を繰り返すことが指摘されていました。
その理由が、抗リン脂質抗体という自己抗体が悪さをしているということが分かってきたのです。
これを抗リン脂質抗体症候群と呼ぶのです。
この抗体はさらに、抗カルジオリピン抗体のIgGとIgM、
抗カルジオリピンベータ2グライコプロテイン1複合体抗体、
ループスアンチコアグラントなどが含みます。
この辺まではよく調べると、載っているでしょう。
ですが、意外と抗リン脂質抗体症候群が、不育症全体に締める割合は低くて、
わずかその10%ほどなのです。
他には微小な血栓を作ってしまう病気が有っても、
胎盤を目詰まりさせてしまうので、これも不育症の原因になります。
こういう場合を、凝固異常とか、血栓性素因などと呼びます。
具体的には、ケガをした時に血液が固まるのを思い浮かべると、
血を固める凝固因子というものが有るのです。
その第12因子がとくに重要で、凝固異常は不育症の7.8%を占めるのです。
とりあえず2つ、覚えてもらえましたか。
続きは来週ということで。
今日は2人、赤ちゃんが生まれたので時間切れです。