タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

妊娠中のクラミジア感染症

2015-03-27 21:03:10 | 婦人科
篠山市黒岡の翔和(しょうわ)くん、2月15日生まれ。
「元気で明るくたくましく、周りを和ませていくれるような優しい男の子になってください。
陣痛は痛かったですが、元気な産声が聞こえた時は感動でいっぱいでした。
みなさん親切で、退院するのが嫌になりそうでした。」

次回もウォーターベッドのお産で、ともアンケートに有りました。
気に入られたのですね。

さて、2013年に、全国の産科施設に対する調査が有ったのですが、
それは、妊娠中のクラミジア感染症に関する実態調査です。

今ではほとんどの施設でクラミジア抗原検査が行われています。
クラミジア検査の歴史はまだ浅く、私が研修医の頃に始まったものです。
だから今から28年ほど前のことになりましょうか。
妊婦さんに検査するようになったのも、タマル産では開業当初からでしたが、
他の施設では、全例にするようになったのは、ごく最近のことなのです。

それで1758施設からの回答では、
妊娠中のクラミジア検査の陽性率は、2.3%でした。
タマルさんでは年間200人ほどお産をされますから、年に4人程度ということになります。
意外に少ないかもしれませんね。私はもっと多いと思っていましたが。

感染を知らずにいると、赤ちゃんが結膜炎を起こしたり、肺炎になったりします。
お母さんも、次の子を妊娠しにくくなりますし、不正出血が続いたり、帯下が増えたりします。

年齢別の陽性率では、若いほど高く、
10代では15.9%、
20~24歳では7.5%、
25~29歳では2.3%、
30~34歳では1.2%、
35~39歳では0.8%、
40歳以上では2.3%という結果でした。

若い世代では蔓延しているということですね。
もしくは高学歴の女性は子を産む年齢も高いのですが、
10代で妊娠するような性的に活発な女性は、高い率で感染しているということですね。

前にもお話しましたが、不妊症の女性の多くはクラミジア検査が陽性に出ます。
あるいは過去に治療したことの有る割合がすごく高いです。
統計を取ったわけではないので確かなことは言えませんが、
全妊婦さんだけでなく、全女性が受けるた方がいい検査と言えるでしょうね。
少なくとも、月経以外に性器出血が有るようなら、是非検査を受けてください。
もちろんこちらからも勧めています。

治療のポイントは、パートナーと一緒に治療するということです。
女性だけが治療しても、パートナーから再度感染させられてしまうからです。
また男性だけ治療しても、今度は女性がうつす版です。
こういうのをピンポン感染と言うのですよ。
内科ではよく、患者さんしか治療せず、パートナーを治療しないので、
いつまで経っても治らない、という状況ですね。
医師でさえ、知識が不足しているのですね。

年に1度は、赤ちゃんを産んだあとも、婦人科の検診は受けてくださいね。

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