タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

2020年の不妊治療の成績

2022-01-14 20:43:50 | 不妊症
毎年、1月には帝王切開と不妊治療成績を公表していますよ。
帝王切開は2021年の成績で、先週報告しましたね。
本日は不妊治療の成績なのですが、2年前の2020年に受診された方の成績です。
2021年の成績でないのは、検査と治療に1年近くかかるからですよ。

過去10年分の成績を比べてみました。
青い部分がタマル産の不妊外来を初めて受診されてから1年以内に妊娠された方の割合です。
48%ですから、治療を続ければ1年以内に半分の方が妊娠されるということです。
緑の部分が体外受精や顕微授精に紹介した方の割合です。
今回は半分近くにもなりました。増えてきたものです。
タマル産では15年ほど前までは体外受精の治療を行なっていたのですが、今は他院を紹介しているのですよ。
オレンジの部分は、1年経っても妊娠しなかった方の割合です。
わずか6%で、何年も無駄に患者さんへの治療を長引かせていないのです。

この結果から少し考察をしてみましょう。
多少のでこぼこは有りますが、青い部分は減少傾向にあり、傾向としては妊娠成立率が徐々に下がってきているようです。
これにはいくつか原因が有って、1つ目に、治療開始年齢が遅くなってきているということが有ります。
2つ目として、タマル産での治療はより短期間に限定してきているからです。
人工授精は以前は6回から8回くらいまですることも有ったのですが、
今では年齢に合わせて2回から6回までとし、それで妊娠されない場合はすぐに体外受精を勧めているのです。

体外受精は神戸アドベンチスト病院か小野レディースクリニックに紹介することが多いですよ。
以前は英(はなぶさ)ウィメンズクリニックや大阪のクリニックに紹介することも有ったのですが、
通院に疲れてしまう方が多いものですから。
そこでの成績は必ずしも返事が無いので統計は取れていません。

この4月から体外受精の注射が保険適応になるとか、手技自体も保険適応になるのかどうか、
人工授精にも保険が広がるとか、いろいろと噂が有りますが、直前まで発表されませんからね。
ですが一斉に体外受精を受ける患者さんが増えるのは間違いないでしょう。

23年前に丹波で初めて体外受精の治療を始めたのがタマル産でした。
それから7年で、分娩のみにスタイルを変更したのです。
その頃はまだニーズが今ほどではなかったからです。
もしそのまま体外受精の治療を続けていればどうなっていたでしょうか?
おそらく小野レディースクリニックのように、お産はやめて不妊治療だけになっていたでしょうね。
丹波圏のためには、むしろお産専門になって良かったと思っていますよ。
体外受精なら多少遠くても、みなさん通いますからね。

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