タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

人生は100年

2012-11-21 20:41:50 | 婦人科


今日、クリスマスツリーを飾りました。
ちょっといい雰囲気なんですよ。
そして今年も残り1ヶ月ちょっととなって慌ただしくなってきましたね。


2002年の閉経後の女性ホルモン補充療法についての研究は大きな衝撃でした。
産婦人科の世界では、それまで閉経後に女性ホルモンを使うというのが、
大きな潮流だったのです。
その方が心筋梗塞や脳卒中が減らせると考えられていました。
それが2002年に、心血管関係の病気を抑制する効果はなく、
むしろ乳がんが増えるので、慎重に投与しないといけないということになったのです。

だからそれまでは更年期のみでなく、老年期にも女性ホルモンを、
という流れだったのが、老年期には使用しない方がいいということになったのです。
当時はセンセーショナルなことだったのですよ。

ところが今回、デンマークでの大規模な長期に渡る研究で、反対の結果が出ました。
乳がん、脳卒中、深部静脈血栓症、がんリスクのいずれにも影響しないという
少し安心できるデータとなりました。

人生50年と言ったのは昔の話で、今では100歳までも生きる時代。
50歳を過ぎると、女性はとくにいろんな不快な症状が出てきます。
軽微なところでは、閉経後の萎縮性の膣炎というのがあります。
閉経後に膣から出血したり、帯下が増えたりするものです。
膣からの分泌物も減って夫婦生活にも支障を来します。

そんな時は膣にホルモン剤の膣状を挿入すると、すっきりとよくなります。
できれば長期的に使いたいものです。
よくいつまで使うのかと質問されますが、
高血圧の薬だって、死ぬまで使うのです。
ところでこの膣錠はエストリオールという種類で、とくに副作用が出にくいのです。

最近は美容皮膚科も併設したので、
肌のつやの衰えというのは、生命に関わるものではないけれど、
気になり出せば気になるものです。
他にも更年期の辛さで困っている方もたくさん居られます。
こんな時に、塗る女性ホルモンはとても評判がいいのです。

肌に化粧クリームのように2プッシュ塗るだけです。
もともと資生堂が開発したもので、普通に買うと1万円以上もするものが、
今では保険診療の範囲内で処方できるようになったので、
1ヶ月分でも千円もかからなくて治療が出来るのです。
下手に高いサプリメントを摂るよりは効果的でしょう。

ここ1年ほどで、女性ホルモンは他にもいろいろ進歩しているので、
50歳以降の、人生の残り半分を元気に生きるために、
婦人科を受診するというのは、いいことだと思いますよ。

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