フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

初物

2008-09-08 23:01:48 | Weblog
プロ入りして初のホームランがサヨナラホームランという、昨日のドラゴンズ、平田選手のホームランは嬉しかったですね。このシーンをライブで見届ける事が出来たのはラッキーでした。
日本では初物は縁起がいいとよく言います。特に食べ物でそう言われ、75日も寿命が延びるなどとも言われます。江戸時代は初鰹に代表される様に初物好きで、この初鰹を食べると3年長生きすると信じられていました。初物という感覚は江戸時代に生まれたのでしょう。
私なども今年初めて栗を食べた、あるいは松茸を食べた(殆どありませんが)時には、東を向いて笑います。こうすると縁起がいいと子供の頃に親に教えられました。しかし、よく考えてみると初物という定義は、最初にとれた農作物や魚類を初物と呼ぶわけですから、普通の家庭でその年初めて食べても初物とは言わないのですね。農家や漁師さん達は初めて収穫したものを神棚や仏壇に供えた後に食するものを初物と呼んだのです。こうした初物を後でいただく時に東を向いて笑いながら食べたのでしょう。
ですから我が家の風習は「ああ勘違い!」なのでしょう。まあこれも楽しいエピソードですから黙って続ける事にします。
ただ、日本の食料自給率を高めると初物が多くなるわけですから、日本の国中が縁起がよくなる事は間違いありませんね。