フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

七人

2008-09-06 20:32:46 | Weblog
各地で映画祭が行われていますが、1954年の9月6日は黒澤明監督の「七人の侍」がベニス映画祭で銀獅子賞を受賞した日です。その3年前に黒澤監督は「羅生門」でベネチア国際映画祭でグランプリを受賞していますから「世界の黒澤」として更に名声を高めたわけです。
この七人というグループですが、「七人の刑事」という警視庁捜査一課の七人が活躍するドラマや「八丁堀の七人」という時代劇も、捜査のグループは七人になっています。刑事物だけではなく、白雪姫の「7人の小人」とありますし、日本には古くから「七福神」もあります。
これは何故なんでしょうか?これらの番組がヒットしたので数多くの作品、特に「太陽に吠えろ!」などの刑事物は七人がかたまりになっています。黒澤作品にヒントを得て外国では「荒野の七人」まで製作されています。
我々の日常生活でも7という数字は「ラッキーセブン」などといって縁起の良い数字の代表になっていますし、何と言っても月~日までも1週間は7日という単位で動いています。我が家でも子供達には「皆というのは7人以上!」という家訓をおしつけています。
この7について、つい最近こんな記述に出会い「そうか!」と納得した事があります。「人間は短期記憶として平均で7個の事をおぼえられる」という説です。ですからドラマを構成する七人の刑事達それぞれを視聴者がおぼえる事が出来たのですね。
そういえば「七人の侍」は志村喬、稲葉義男、加東大介、千秋実、宮口精二、木村功、三船敏郎と名前がすぐ出てきますから、短期記憶ならぬ長期記憶にも7という数字がいいのでしょうか。