フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

咸臨丸

2008-01-19 22:10:49 | Weblog
1860年(安政7年)のこの日、日米修好通商条約批准書交換のため内輪型汽帆船、咸臨丸が出帆したと記録されています。この時の艦長はご存知、勝海舟でした。
咸臨丸はサンフランシスコにむけて出帆したのですが、その距離8000キロ。幕末の日本人にとって気の遠くなる様なアメリカ大陸までの距離ですが、かかった日数は37日間だったそうです。現在の大型客船の平均スピードは19ノットですから(1ノットは1時間に1852キロ)今なら恐らく10日弱でしょう。まあ江戸時代の人々は日帰りで数十キロを平気で歩いていましたから、気の長さは現代人よりう~んと上かもしれません。
ところで咸臨丸の名前の由来は「易経」の中にある『君臣はお互いに親しみ厚く情けあまねし(すみずみまで行き渡る)』の意味の「咸臨貞吉」という言葉から命名されたそうです。
坂本龍馬の師匠である勝海舟のすごいところは龍馬がアメリカ人のすごいところを尋ねた時の答えにあります。「アメリカ人初代大統領、ワシントンの子孫の事を誰も国民が知らないことだ」と答えました。
今の日本の政治家を見てみて下さい。殆ど世襲の議員さんばかりですから・・・。それにこうした勝海舟の様な見識のある論評は聞かれませんしね。