フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

御用始め

2008-01-04 21:56:19 | Weblog
我々がニュースを読む際には「御用始め」という言葉は使わなくなりました。
御用というのは本来、宮中、幕府、政府などの執務や仕事を指す言葉で、1960年代中頃まではよく新聞紙上でも使われました。ただ、この御用がいわゆるお上の御用という古い感じがすることから、今では「仕事始め」と表現する様になりました。
言葉は生活とともにあり、生活には歴史があります。従って時代が変われば生活も変わり、それとともに言葉が変わる事はよく理解できます。
ところが最近の言葉の乱れは、生活の変化から変わったものでは決してありません。むしろ間違った変化をしていると言ってもいいでしょう。特にメディアから流れ出した言葉の影響を子供達が受けても、家庭での修復力がなくなっている事が問題です。むしろ親の方から子供にへつらう様に子供の所まで降りていってしまっています。
ましてや文科省まで「現在は特異に聞こえる言葉でも、一般的に共通理解できれば認知しなければいけない」と言っています。確かに50%以上の人達が共通理解をして話す様になればそれが共通語になることはありますが、言葉の使い方そのものが間違っている時は正す力を持たなければなりません。
「学校へ行きなさい!」「え~そんなの無理・・
「試験はどうだ!」「全然大丈夫」などが大手を振ってまかりとおっていては悲しくなります。
その背景には読書量の減少、世代を超えたコミュニケーションの欠如があるだけに、子供達にもっと本を読ませ、その読後感を親子で話し合う機会を持って欲しいですね。