竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻5 歌番号267から270まで

2023年08月11日 | 後撰和歌集 現代語訳
歌番号二六七
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 遠乃々三知可世乃安曾无
読下 小野道風朝臣

原文 保尓者以天奴以可尓可世末之者奈寸々幾三遠安幾可世尓寸天也者天々无
和歌 ほにはいてぬ いかにかせまし はなすすき みをあきかせに すてやはててむ
読下 穂にはいてぬいかにかせまし花すすき身を秋風に棄てや果ててん
解釈 穂には見せていませんが、さて、どうしたらいいのでしょうか、花ススキよ、身を朝風に当てて枯れてしまうでしょう。(のように、貴方には本心を見せてはいませんが、これから私はどうしたものでしょうか、花薄のように、つれない貴方の仕打ちに、身を散らしましょうか。)

歌番号二六八
原文 布多利乃於止己尓毛乃以比个留遠无奈乃飛止利尓徒幾尓个礼八
以末飛止利可徒可者之遣流
読下 ふたりのをとこに物いひける女の、ひとりにつきにけれは、
今ひとりかつかはしける

原文 与美比止之良須
読下 よみ人しらす

原文 安遣久良之万毛留太乃美遠加良世川々多毛止曽本川乃三止曽奈利奴留
和歌 あけくらし まもるたのみを からせつつ たもとそほつの みとそなりぬる
読下 明け暮らしまもるたのみをからせつつ袂そぼつの身とそ成りぬる
解釈 朝から晩まで番をして守った田の稔りの期待を、他の人にそれを刈り取らせる。その田を守ったような私は袂を濡らした貧相な、お役御免の案山子のような身の上になってしまった。

歌番号二六九
原文 可部之
読下 返し

原文 与美比止之良須
読下 よみ人しらす

原文 己々呂毛天於不留也万堂乃飛川知本者幾美万毛良祢止加留比止毛奈之
和歌 こころもて おふるやまたの ひつちほは きみまもらねと かるひともなし
読下 心もておふる山田のひつちほは君まもらねとかる人もなし
解釈 自分の意思があって己が生えている山田の稲の、その稲を刈り取ったあとに生えて来る、おまけのようなひつち穂は、貴方が特別に守らねばとするような大切なものではありませんし、そのひつち穂を刈り取ろうと思う人もいません。

歌番号二七〇
原文 堂以之良春
読下 題しらす

原文 布知八良乃毛利布三
読下 藤原守文

原文 久左乃以止尓奴久之良多末止三衣川留者安幾乃武寸部留徒由尓曽有个留
和歌 くさのいとに ぬくしらたまと みえつるは あきのむすへる つゆにそありける
読下 草の糸に貫く白玉と見えつるは秋の結へる露にそ有りける
解釈 草を糸にして貫いている白玉と見間違えたのは、秋が結んだ露だったようだ。

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