竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻3 歌番号207から211まで

2024年08月30日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻3

歌番号 207 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 僧正遍昭

原文 安幾也万乃 安良之乃己恵遠 幾久止幾者 己乃八奈良祢止 毛乃曽可奈之幾

和歌 あきやまの あらしのこゑを きくときは このはならねと ものそかなしき

読下 秋山のあらしのこゑをきく時はこのはならねと物そかなしき

解釈 秋山の嵐の声を聴く時は風に散らされる木の葉ではないがもの悲しく感じます。

 

歌番号 208 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 つらゆき

原文 安幾乃世尓 安女止幾己比天 不留毛乃者 可世尓志多可不 毛美知奈利个利

和歌 あきのよに あめときこえて ふるものは かせにしたかふ もみちなりけり

読下 あきの夜に雨ときこえてふる物は風にしたかふ紅葉なりけり

解釈 秋の夜に雨が降ると聞こえて、その降るものは風に従って散り逝く紅葉の葉音でした。

 

歌番号 209 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 つらゆき

原文 己々呂毛天 知良无多尓己曽 於之可良女 奈止可毛美知尓 可世乃不久良无

和歌 こころもて ちらむたにこそ をしからめ なとかもみちに かせのふくらむ

読下 心もてちらんたにこそをしからめなとか紅葉に風の吹くらん

解釈 心を己から持って、散ろうとしているからこそ、その散り逝く様が残念では無いのでしょう。それでも、紅葉を散らすように風が吹くようです。

 

歌番号 210 拾遺抄記載

詞書 嵐の山のもとをまかりけるに、もみちのいたくちり侍りけれは

詠人 右衛門督公任

原文 安佐万多幾 安良之乃也万乃 左武个礼者 毛美知乃尓之幾 々奴比止曽奈幾

和歌 あさまたき あらしのやまの さむけれは もみちのにしき きぬひとそなき

読下 あさまたき嵐の山のさむけれは紅葉の錦きぬ人そなき

解釈 朝まだ早く嵐が吹く山が寒ければ、紅葉の錦の衣を着ない人はいません。

 

歌番号 211

詞書 題しらす

詠人 よしのふ

原文 安幾幾利乃 美祢尓毛於尓毛 多川也万者 毛美知乃尓之幾 多万良左利个利

和歌 あききりの みねにもをにも たつやまは もみちのにしき たまらさりけり

読下 秋きりの峯にも尾にもたつ山はもみちの錦たまらさりけり

解釈 秋の霧が峯にも尾根にも立つ山は紅葉の錦が霧に隠されて薄墨の世界で、いくら織っても溜まることはないようです。

 

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