竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻5 歌番号262から266まで

2023年08月10日 | 後撰和歌集 現代語訳
歌番号二六二
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 布知八良乃毛止世之乃安曾无
読下 藤原元善朝臣

原文 安幾具礼者野毛世尓无之乃遠利美多留己恵乃安也遠者多礼可幾留良无
和歌 あきくれは のもせにむしの おりみたる こゑのあやをは たれかきるらむ
読下 秋来れは野も狭に虫のおり乱る声のあやをは誰かきるらん
解釈 秋が来ると広い野も狭い程に虫が居り乱れる声の彩、そこの響きのような、織りたる綾を、一体、誰が着るのだろうか。

歌番号二六三
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 与三比止之良寸
読下 よみ人しらす

原文 可世佐武三奈久安幾无之乃奈美多己曽久左者以呂止留川由止遠久良女
和歌 かせさむみ なくあきむしの なみたこそ くさはいろとる つゆとおくらめ
読下 風さむみなく秋虫の涙こそくさは色とるつゆとおくらめ
解釈 風が寒いので秋虫の鳴く、その泣く涙こそは、草を色付ける露として置くのだろう。

歌番号二六四
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 与三比止之良寸
読下 よみ人しらす

原文 安幾可世乃布久之久末川者也麻奈可良奈三多知可部留遠止曽幾己由留
和歌 あきかせの ふきしくまつは やまなから なみたちかへる おとそきこゆる
読下 秋風の吹きしく松は山なから浪立帰るおとそ聞こゆる
解釈 秋風が吹きしきる松は、山にありながら、まるで浪が立って打ち寄せ返すような音が聞こえます。

歌番号二六五
原文 己令左多乃美己乃以部宇多安者世尓
読下 是貞のみこの家歌合に

原文 美不乃多々三祢
読下 壬生忠岑

原文 万川乃祢尓可世乃志良部遠満可世天者多川多比目己曽安幾八比久良之
和歌 まつのねに かせのしらへを まかせては たつたひめこそ あきはひくらし
読下 松のねに風のしらへをまかせては龍田姫こそ秋はひくらし
解釈 松の枝がさせる音に風の調べを任せてみると、龍田姫は、きっと、秋には調べを弾くようだ。

歌番号二六六
原文 安幾多以布可宇川万佐乃加多波良奈留以部尓者部利个留尓
於幾乃者尓布美遠左之天徒可者之遣流
読下 秋、大輔かうつまさのかたはらなる家に侍りけるに
をきの葉にふみをさしてつかはしける

原文 比多利乃於保伊万宇智岐美
読下 左大臣

原文 也万左止乃毛乃左比之幾者遠幾乃者乃奈比久己止尓曽遠毛比也良留々
和歌 やまさとの ものさひしきは をきのはの なひくことにそ おもひやらるる
読下 山里の物さひしさは荻の葉のなびくことにそ思ひやらるる
解釈 山里にあっての、その物寂しさは萩の葉が風に靡いている様にこそ、思いやられます。

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