麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

阿片と拳銃

2008年08月27日 | 鑑賞
東京は久しぶりの青空。
 そんなお天気と同じくらい清々しい作品だったのが『阿片と拳銃』(作・演出/マキノノゾミ)だ!

 劇団M.O.Pのファイナルカウントダウン公演の1本目。

 この突然の解散宣言に惜しむ声が上がりまくっていますネ
 サザンの活動休止クラスのショッキングな“事件”と、演劇界では言えるかもしれません。
 でもきっと、正解なんだろうなあ~と、僕は思います。

 優れた作・演出家を中心にまとまっている集団においては、鮮度が何より大切な“演劇”では、残念だけれどタイムリミットはある。
 「創る側」を支える「観る側」があって、言うまでもなく観る人がいないと成立しない・・・特に演劇は、残しておいて、いつか観て評価してくれる人を待つことが出来ない芸術・・・だから、観客を特に大事にせにゃならん(媚びるのとは違うから難しいけど…)わけだが、だからこそ100%の力を出せるうちに「劇団」を閉じる決断は、結果「観る側」にもきっと親切なんだと思う。

 つか「マキノ・オフィス・プロジェクト」でM.O.Pだもんね、何つったって…。
 それに、M.O.Pの面々が芝居を続ける限りは、容易ではないけれど、マキノ作演出、キムラ・三上・小市主演の作品は、今後も創ることはできるだろうし。。。

 おっと。東演の創立五〇周年を前に、ついつい「集団論」を語っちまいました。

 しかも偉そうにゴタクを並べたけど、M.O.P初見なのだ
 それも紀伊國屋ホールを見逃し、北とぴあへ……。大阪から始まった(7/11~松下IMPホール)ツアーの大楽(*)を滑り込みセーフで観劇。

(*)大阪の後、四国3都市☆、東京は新宿にて8/6~18、とそれぞれに千秋楽はあって、8/20の王子☆がオーラスとなった『阿片と拳銃』。
 ただし☆は一般発売のない、会員限定観劇の公演。

                 

 大変解りやすい作品で、つまりかなりベタで、愛する女の為に殺される芝居を打つあたりなんかは完全にマンガなのだが、それでも尚、ちゃ~んと大人の芝居になっているのがスゴかった!
 
 1939年の上海-59年の京都-79年の浜松を繋ぐ、2人の男と1人の女の物語なんですが、戦争があって戦後になって、年齢の関係でケツは昭和でいうと54年…インベーダーゲームが流行ってた時代で終わるのだけれど、普遍的なテーマなので見事に“今”を射抜いているのが、この作品の背骨がシャンとしているところダ。

 他のブログの感想を見渡しても、前述した劇団3枚看板のキムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎を絶賛するものが多い。
 確かに、良い。

 1984年の関西での旗揚げの頃は、つか芝居のみ。それは5年続いて、マキノ作品の登場は89年の第14回公演『HAPPY MAN』を待つことになる。
 やがて東京進出も果たし、マキノ氏はNHKの朝ドラまで書く売れっ子作家になったの周知のこと。M.O.Pは今年24年目を迎えているわけダ。

 そういう意味で、古手の牽引力だの、若手までの距離感だの、最高の状態なんだろうなあ~と。
 いやいや諸々大変で、だからこそのカウントダウンって解った上で。

 東演もそーだけど、M.O.Pにも持ち役があるようで。。。個人的には“拳銃”を持って守山(小市)のオフィスに乗り込んでくる着物姿のキヨを演じた勝平ともこさんが良かったです

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