読書日記

いろいろな本のレビュー

節約の王道 林望 日経新書

2010-03-07 21:19:16 | Weblog
 『イギリスはおいしい』でお馴染みのリンボウ先生こと林望氏の節約指南の書だ。こういう本はあまり買わないのだが、「金をおろすなら、3万4千円に限る」という腰巻の宣伝文句につられて買ってしまった。なかなかうまい文句だ。千円札を混ぜておくと節約になるらしい。1万円は崩すとすぐになくなるのは実感として確かに同感できる。氏は大学の教員をいつの間にか辞めて、文筆業に専念しているようだ。従って、節約を旨とする生き方が宮仕え時代よりも一段と厳しさを増しているような感じだ。節約と吝嗇は違うとか、なるほどという例がたくさんあげられている。以下、印象に残った部分を列挙してみよう。
 一 「安全運転していれば車両保険は不要。保険料が高いので、貯金して事故の場合はそれで充当させればよい。」同感。 
 二 「ゴルフなどやらずに、家で過ごす。これが究極の節約で家庭円満の秘訣。」家庭円満はともかく、家で読書がいいと私は思う。
 三 「本は借りて読むな、買って読め。」私は手元不如意なので、借りることが多いが、大事だと思う本は買うことにしている。
 四 「住む場所のブランドにはこだわるな。」六本木ヒルズのような都会の真ん中に建つタワーマンションに暮らす連中が月200~300万円の家賃を払って得意満面でテレビに出ているが、虚しいことだと一刀両断。それをやるなら社会福祉に寄付をして陰徳を積めとのたまう。同感。
 五 「病気にならないことが何よりの節約である。」飲酒・喫煙による健康被害に要注意とのたまう。夕食時に痛飲してカロリーの高いおかずをたくさん食べたらそりゃ身体に悪い。夕食が2~3時間も続けば自滅行為に等しいと私も常々思っている。同感。
 六 「死から逆算して、将来プランを立てる。」人は死から逃れられないと知っているのに、自分だけは死なないと思っている。兼好法師も死は人の背後から迫っているのに人はそれに無頓着だとおっしゃっている。老後の資金を貯めねばと頑張っている人に突然死が訪れる。死ねばお札はただの紙切れだ。著者曰く「明日死んでもでもかまわない。」と言えるほど、一生懸命に生き、一生懸命に仕事をすることです。家族を養い、世のため人のためになる仕事を精一杯やって、それで倒れたのなら、もう仕方がないと納得できます。それ以上ほかに、人生のやりようがあるでしょうかと。上手くまとめていただきました。何か平成の福沢諭吉という感じ。因みに林氏は慶応義塾大学の出身です。
 林氏は現在60歳、人生を謳歌している様子が垣間見れて羨ましい限り。私も自分のスタイルを確立したいと思うようになりました。買って損のない本です。著者も本は買うもんだと言ってました。本当に上手く乗せられた感じです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。