読書日記

いろいろな本のレビュー

民主党の研究 

2008-03-20 14:29:00 | Weblog


民主党の研究  塩田 潮  平凡社新書
 本書は「論座」「アエラ」「文藝春秋」「プレジデント」等の雑誌に91年以降、発表してきたレポートを加筆・修正したもので、民主党の軌跡と現状を解明し、今後を占ったもの。現在、日銀総裁人事が民主党の反対によって決まらず、福井総裁の後任が空席のままになることが確実である。民主党のスジ論は一理あるが、世界の中の日本の現状を踏まえて考える視点が欠落しているのも確かだ。反対のための反対では国益を害するばかりだ。この一件を見ても民主党のアイデンティティの希薄さと成熟度の無さが感得できる。
 本書で一番面白かったのは民主党の幹部の「鳩山由紀夫」「菅 直人」「小沢一郎」の 略歴を述べた部分で、それぞれのバックボーンがよくわかった。記者会見、討論会で見せる個性の違いが、この党の「寄り合い所帯」的性格を端的に物語っている。旧社会党から自民党まで幅広いグループが一つの党を名乗っているわけだから、これをまとめていくのは容易ではない。小沢一郎は経験もあり、知名度も高いが、自民党との大連立構想を勝手に自民党の福田総裁と密談するなど、自分勝手な行動が多すぎて党首失格という烙印を押された。その後、「一から出直します」と再出発したが、どこまで信じていいかわからないという国民が多いはずだ。個人的に言うと岡田克也がさらに経験を積んで力量をつければ、民主党も戦う集団になる可能性はあると思う。










最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。