ジュニオールのシングル盤をもう一枚。こちらは1981年にArteなるスモール・レーベルからリリースされた作品となります。ジャケット左肩にTema Musical Da Novela "Baila Comigo"と記載があるためA面のタイトル曲はミュージカル主題歌かと思われますが詳細は不明。もっともこのタイトル曲は翌年リリースされるアルバムに入っているものと同一なので、マニアとして気になるのはB面に収録されたRecadoの方です。こちらはアーバンメロウな三連ロック。ワルツのリズムで刻まれるビートとキーボードの伴奏が気持ちいいAOR風ナンバーで、ジャケットからイメージされる海辺の雰囲気とマッチした佳曲です。ちなみに両面とも彼の多くの楽曲と同じくGastão Lamounier(ガスタゥン・ラモウニエル)との共作でアレンジはリンコリン・オリヴェッチ。またクレジットには先日紹介したホブソン・ジョルジの名前も確認できます。あいにくブラジルのミュージシャンについては明るくないのですが、どうやらこのオリヴェッチやジョルジあたりを追いかけていけば良い音に出会えそうなので今後は少し気を配っていく予定。しばらく前までブラジル盤と言えば60年代のジャズサンバやカフェ系で使えそうなMPBあたりが主流でしたが、ここ数年はこの辺りのサンバソウルものも普通に見かけるようになったため、色々とチェックしてみるのも面白いかもしれませんね。なお、このジュニオール・メンデス氏、Discogsの情報によれば今年2月に亡くなったとのこと。昨年末に亡くなったドラマーの青山純さんといい、まだまだ若いと思っていた1980年代に活躍したミュージシャンの訃報を見ると否応なしに時の流れを感じさせられます。考えてみれば僕自身も若いつもりがいつの間にか30代に差し掛かったわけで、これからは健康にも気を付けて生活していかなければなどとしみじみ。何だか予期せず暗い話になってしまいましたが、作品自体の内容は良いので気になる方はチェックしてみてください。
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