夜景のジャケットで有名なマッキー・フェアリー・バンドの1stと同じRainbow Recordsからリリースされた1枚。リリース年の記載はありませんが、規格番号が3つしか離れていないので、おそらく1978~79年に発売されたものと思います。ハワイ語で「太陽の家」を意味する火山の名前を冠した彼らは、5人組の男性ヴォーカル&コーラス・グループ。演奏ミュージシャン側のクレジットがないので、誰がプレイしているのかは分かりませんが、LPにはアップテンポ~バラードまで幅広いナンバーが収録されており、なかなかに楽しめる一枚となっています。ヴォーカル含め全体的にややもっさりした演奏なのでAOR風の音作りではありませんが、以前ここでも紹介したKaliokaiあたりに近い作風となっているので、いなたい音を許容できる人には良いかもしれません。いわゆるフリーソウル~レアグルーヴ的な観点での聴きどころは、A-1のCatamaranとB-3のSwinging Bamboo。前者はVic Maloにも似たジェントルなヴォーカルと絹のようなストリングスが印象的なライトメロウ系ディスコ、後者はさり気ないエレピが気持ちいいカントリー・コンフォート~カラパナ風のメロウ・ミディアムとなっており、この辺りのサウンドが好きな人にとってはハマる楽曲かと思います。またA-3のHonolulu City Lightsは当時リリースされたばかりでヒットしたKeola & Kapono Beamerのカバー。セシリオ&カポノ風アイランドメロウな原曲をレアグルーヴ的解釈でリアレンジしており、こちらもなかなかの好曲に仕上がっています。MuroさんのHawaiian Breaksにも収録されているのはこのバージョン。ちなみに見つけることさえ出来ればそれほど高いLPではないのですが、意外に出会う頻度が低くちょっとした入手困難盤。個人的にも前回見逃してから購入するまで、予想外に時間がかかってしまった一枚だったりします。
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