ロイヤル・ガーナーのParadise第一作目と並ぶフィメール・コンテンポラリー・ハワイアンの傑作盤。このブログでもお馴染みノヘことノヘラニ・シプリアーノのソロ1stです。90年代に数曲の未発表曲を加えCD化された際、Around Againというタイトルが付けられたことでも知られていますが、実はオリジナル発売とほぼ同じタイミングでフィリップス・レコードから国内盤がリリースされており、そちらだと「トロピカル・アイランド・マジック」という小粋な邦題が付けられているということは知る人ぞ知る話。クラブ界隈で話題になったのはオルガンバーのテープにB-3のLihueが収録された2000年前後だと思いますが、どうやらリリース当時から目をつけていた日本人がいたようで、その耳の速さに驚きです。もっとも本作に限らず、フリーソウル以後に再評価された盤の中には密かに当時の国内盤が残されているものも少なくなく、そうしたLPについては邦題と帯付きの国内盤を探すのも一興というもの。個人的には冒頭に書いたロイヤル・ガーナーの白ジャケ盤も国内盤が存在するような気がするのですが、どなたか存在をご存じの方はいらっしゃるでしょうか。同じジャケットで7インチがリリースされていることは確認済みですが、あいにくLPの方は見たことありません。ちなみに収録曲については今さら語ることなし。マスター・ヘンリー・ギブソンのパーカッションが光るA-1のMoon Of Manakoora、鳥の声のSEが心地よいB-3のLihue、エキゾチックな雰囲気漂うアイランド・フリーソウルで聴かせるA-4のIsland Boyと隙がなく、コンテンポラリー・ハワイアンの入門盤としても極上の内容となっております。彼女の作品中ではもっとも良く見かける一枚なので、もしも普段ここのブログを見ていて、まだ聴いたことない人は必ず聴くべし。ちなみに僕が初めてこの盤のオリジナルを購入したのは、当時Muroさんがやっていた今はなき渋谷のSavage。このお店で買ったレコードはそれほど多くありませんが、密かに未だに愛聴している作品ばかりです。極私的ではありますが、ある意味では思い出の一枚と言っても良いかもしれません。
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