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たまにはこんなどこにでも売っている作品も紹介。フィリピンはマニラ出身のフュージョン系シンガー、マリーンによる1982年の2ndアルバムです。歌い手がフィリピーナで歌詞は全英語詞、それでいて演奏を務めるのはハワイ出身のCCM系バンドであるシーウィンドと、普段のこのブログのカテゴライズではどこに入れるか悩みますが、国内オンリーのリリースであることから、一応ここでは通例に従いJapanese AORとしておきましょう。本作が今でも衰えず人気な理由はやはり瑞々しいアップテンポで始まるA-1のタイトル曲。実はBamaというブルーアイドソウル系バンドによる曲のカバーだったりするのですが、オールド・ファンにしてみればやはりこの曲はマリーンのものという印象が強いことと思います。豪快なシーウィンドのホーン・セクションをバックに疾走するフュージョン系AORの傑作ナンバー。マリーン自体の歌声もまた素晴らしく、たとえばマリリン・スコットあたりのフィメールAORが好きならばまず間違いなくハマることでしょう。正直この曲のインパクトが強すぎてその他の収録曲が霞んでしまいますが、実はミディアム~スロウなナンバーの中にも隠れ名曲が潜んでおり、中でもA-4のTryとB-2のJust Say I Love Youは埋もれさせるには惜しい絶品アイランド・メロウ・チューン。シーウィンドがバックを務めていることもあり、コンテンポラリー・ハワイアンの中に混ぜてかけても違和感なく機能する素敵なナンバーとなっています。LemuriaやAuraあたりが好きな人はチェックしてみると面白いかもしれません。CDだと店によっては微妙にプレミア価格が付いているものの、LPならばどこで見ても二束三文。僕自身も牛丼並盛以下の値段で買っていますが、内容については折り紙つき。巷で売られているミドル級廃盤くらいなら軽く蹴散らすクォリティを誇る一枚です。財布に優しい名盤なので、まだ聴いたことないという人は悩む前にまず買うべき作品。あらゆる意味でお勧めのアルバムです。