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フィンランドのコンポーザー兼マルチ・リード奏者、Esa Pethmanが64~65年に録音した演奏を収録したLP。Christian Schwindtの例の盤と並び、フィニッシュ・ジャズ(現地ではSuomi Jazzと言うそう)の黎明期における貴重な記録として、現地のジャズメンには知られている盤です。先日ここでも紹介したRicky-TickのAntti Eerikäinenによる北欧レアジャズのコンピにも収録されていたので、耳の早いリスナーならその名前に聞き覚えがあるかもしれません。前にremix誌上で組まれたクラブ・ジャズ特集でも、Antti自身のレアジャズ・コレクションとして紹介されてました。さて、そんな本作ですが、中身の方はと言うと良くも悪くもバラエティに富んだ仕上がり。プレーヤーである前に一人のコンポーザーである人間のリーダー作だからか、全ての曲が純モダン・ジャズかと言うわけではなく、おまけにストリングスがフィーチャーされた曲も数多くあることから、どちらかと言うと同時代のイタリア辺りのサントラに近い雰囲気の盤です。ところどころにフリーっぽいアプローチも出てくるので、初心者の人には取っ付きにくいかもしれませんね。そんな中でフロアーでも使えそうなのは、コンピに収録されたA-4のMr.Peterではなく、むしろA-1のBlues For Dukeの方。どことなく同じくコンポーザーであるGustav BromのMrak辺りに近い、異国情緒の漂う高速ボッサ・ジャズです。若干シネ・ジャズ風味のストリングス入り高速ワルツ・ジャズ、B-2のFinnish Schnappsも使いようによってはアリかもしれません。いずれにしろ、Warnerからリリースされているオリジナル盤は、激レアなので普通の人にはまず手に入れることが不可能です。2002年にWhat MusicからCD/LP共にリイシューされているのでそちらで購入しましょう。このレーベルのリイシュー盤としては、比較的作りの良い方と思われます。マニア向けの1枚。
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